アナザー プラネット
解説
2011年サンダンス映画祭で審査員特別賞ほか2部門を受賞したSFヒューマンドラマ。ある日、宇宙に地球と瓜二つの惑星が出現し、世間の注目を集める。17歳でMITに合格し、前途洋洋だった少女ローダは、夜空に浮かぶ惑星に気を取られ、その不注意が原因で交通事故を起こてしまう。妊婦と幼い子どもを死なせてしまったローダは刑務所に入り、4年の月日が流れる。刑期を終えたローダは謝罪のため被害者家族の男性ジョンを訪れるが、思わず身元を偽ってしまい、そのままジョンと交流を深めていく。一方、謎の惑星は現在の地球と同じ人間が住む「もうひとつの地球」であることが判明。ローダはその惑星に向かう第一陣のメンバーに選ばれるが……。
2011年製作/93分/アメリカ
原題:Another Earth
スタッフ・キャスト
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テーマは贖罪。SFみたいなジャケットなのに全然ヒューマンドラマでした。
自分の罪をあそこまで言えないローダに観てるのが辛くなるのですが、最後のオシャレなローダを見た瞬間にこれで良かったのかもしれないなと納得。
よく作られた映画だと思います。
すごく面白い。
2019年6月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
個人評価:4.0
もう一つの地球にいるもう1人の自分。
それはもう一つの人生があっかもしれないという、自身へ目を向ける過去への後悔との対比でもある。
SFの切り口で人生の哲学を巧みに織込むこの監督は、次作のアイ・オリジンズ同様に、引き込まれる設定を物語のテーマにしてくる。
音楽も素晴らしく、まるで深層心理に直接問い掛けるようなオトで大事なシーンなどは描いており、監督のセンスと、この脚本に対する愛情が伝わってくる。
また新作を是非とも作ってほしい。
2018年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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地球そっくりの惑星が地球から見えるようになって数年。ローダが刑期を終えて出所するころには惑星間移動の話題でもちきりとなっていた。なぜか地球と同じ人々が暮らしていて、パラレルワールドのようなアナザーアース。幼い頃から天体に興味を持っていたローダは悩んだ末に一般公募に応募する。
遺族の夫ジョンは次第にローダに好意を持ち、やがて深い関係になる・・・それだけローダがいい女だったせいもあるが・・・。そして見事に惑星間旅行の一員に選ばれたことを契機にジョンに自分が加害者だと告白。
話は単純なようでローダの心理描写が見事。SFと贖罪ドラマの融合も見事だった。これも市井側から見たSFドラマのせいだろうか、妙に納得してしまったりする。何もかもがシンクロしていたりするという噂:特にTVキャスターが電波状況が悪い中で交信すると、同じ人物が全く同じ誕生日だったり、過去の経験も同じだったり。しかし、ある学説によると、アナザープラネットが目視できるようになってからシンクロしなくなったということをローダがジョンに伝え、旅行券をそっとジョンに渡すという展開。ジョンはもちろん家族が生きているかもしれないと思い、殺してやりたいほどのローダの申し出を黙って受け入れ宇宙へと旅発っていった(ここまでは描かれてない)。そして平凡な日常を送るローダのもとへローダそっくりの人間が現れ、ジ・エンド。
ローダの心象風景。消えない罪に苛まれながらも、被害者と愛し合ってしまうという。これ以上関係を続けていたら、罪はもっと重くなるはずで、もし旅行券が当たらなかったらどうなってたんだろ?そして、シンクロしすぎていたら確実に向こうからも旅行者が現れるはずで、それがラストシーンに繋がったのか?つまり、向こうでは交通事故なんてものはなく、予定通り向こうのローダが地球へやってきた。そうなってくると、ジョンは向こうで一緒に妻子を愛することになるのだろうか・・・ジョンの結末も知りたいものだ。
もっとSFっぽいものを想像してたけど、かなり重たいヒューマンドラマだった。良い気分にはならないけど見応えは十分。とても考えさせられる作品。ラストの解釈をどうしたもんかと悩んで、鑑賞した方のレビューを読んでみたらいろんな解釈があって面白かった。
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