そして父になるのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
想像していたより淡々と物語が進行したのが意外でした。
視聴後に強く残ったものは、
あの看護師をどんな理由であれ一生、一生許すことはない。
病院の対応や両家族の対比云々より、やり場のない憤りがこみ上げてきました。
看護師本人が納得しても、こちらは何も変わりません。
理性が保たれているうちは、法的な対応以外は一切接触もしたくないですが、
誠意の形としてあんな行為をされたら、正直保ってきた理性を逆なでされそうです。
家族と親子についての映画なので、そこの演出は少なかった印象ですが
本人に伝えるかはその立場にならないとわかりませんが
「あなたのことは一生許さない」
と一生消えることない感情が生まれることは間違いないです。
「6年間はパパだったんだよ」のシーン。泣くよね。
離れた事で気がつく愛情
福山演じる、あまり人間味のない父親が、子供のとりちがいによって育てた子供と別れ、自分の父としての不出来に気付き、別れた子供への愛情にも気付く。
子供のいる親にこそ観て欲しい。自分は父に、母になれているか考えさせられる映画です。
子供は親が増えてラッキー
まずは福山雅治扮する父親。元々少し冷たく父親としての協力が少ないのは置いておくとして、子供の教育に熱心だからこそ、苛立つんです。子供の将来のためにも、仕事を真剣にこなしていて、だから疲弊して時間も気持ちも余裕がない。愛情はあるどころか先々まで見通しての長い愛情だからこその厳しさです。父親を全くしていなかったわけじゃない。
一方の父親は深い愛情をその場で表し、時間と経験を共にして教えるタイプ。家族仲が良く、子供が得る安心感や精神の安定は計り知れないでしょう。
とっても難しい事ですが、両方伴っている家庭がベスト。私自身は私立小で、両方併せ持つ家庭を沢山見てきたため、この映画はどちらの家庭にも共感要素が沢山あり、中立の立場で観ました。
取り違えを起こした看護師の身勝手さは救いようがないですが、もしも取り違えがなかったら、我が子が電気屋さんで知恵を得て帰ってくることも、同い年の水準より高い教育を受けて広いお家で楽器まで習わせて貰える事もなかったでしょう。血の繋がった子と交換後も、違うタイプの両親を増やせたと考えれば子供にとっては財産かもと思いました。違う親の元で育ちながらも実の親のDNAを脈々と発揮している子供達の描写からも、考えさせられる作品です。
親子って必ずどこかが似ていて、他人の親子を見ていても似ている点が必ずある。それなのに、成長しても教育しても、容姿や性格から我が子の片鱗を感じられない6年間。福山雅治が取り違えを知って、やっぱりと言ってしまった気持ちもわからなくもないと思いました。
親も子と共に成長する
難しいテーマですが私は夫婦と同じで血よりも時間だと思いました。
夫婦も最初は他人だけど家族になる。
一緒にいる時間が長い程、絆も深まる。
自分の知らないところで子供の撮った写真をみて泣いている福山さんが印象的だった。
最後は自分の心なのだろうな。
このシーンは自分とダブるとこがあって、とても泣けた。
どうすれば父になれるのか
血が繋がっていれば父なのか、一緒に暮らしていれば父なのか。
子どもの「父になる」ためには何があればいいのか。
都会暮らしのエリートビジネスマンだが子をかまわない父と、
田舎のうらぶれた電気屋だが子煩悩な父との対比を中心に、
親子の関係について、色々な角度から丁寧に描写した作品。
割り切れない親の葛藤や、
もっとグチャグチャになっている子どもの気持ちが
ストレートに伝わってくる。とても考えさせる映画。
いっそのこと2人ともパパで!とも思うが、そう単純な話でもないか。
割り切れない話だから割り切れない結論になる。そりゃそうか。
話の本筋ではないが、福山雅治に地方勤務を命じるところも興味深い。
「訴訟沙汰になったから左遷」というステレオタイプな対応は最近では薄まってきており、
確かに「時代が違う」。
この部分に限らず、お受験塾とか、
ちょこちょこと現代社会への問題提起があり、その意味でも秀逸な作品。
素直な気持ち
そして、私も父になる!
本当によくできた映画だった。 セリフで説明するよりも、演出で伝えて...
本当によくできた映画だった。
セリフで説明するよりも、演出で伝えてくるあたりが是枝監督らしい。
少ないセリフもひとことひとこと意味があって、深い。
子供さんの演技もよかったなー。
真剣に観てたら号泣ものだったわ。
失敗知らずだった父も困難にぶつかり自分を見つめなおし成長する
総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:80点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
一人はレクサスに乗って都会で大きな不動産開発計画を担当する優秀な会社員、一人は仕事兼用の軽の商用車に乗って田舎で電気工事をする庶民、価値観も性格もかなり違う。深刻に問題を捉える真面目な家族と、楽観的に捉える粗雑な家族。出演者に何を考えているのか科白で言わせるのではなくて、少しわざとらしいところもあるものの、一つ一つの言動を捉えて視聴者に見せることによって、家族の言動を対比させて違いを浮き出させ不安を煽ったり苛立ちを表すのがいい。
二組の夫婦を演じた四人の出演者は、それらを上手く演じていた。この問題に突然直面した主人公福山雅治の、父親としての心の動きと変化がしっかりと描かれていて引き込まれた。よくあるいい男です役よりも、重みのある苦悩する役柄に好感が持てた。
ただし結末は曖昧だったので、ここで今後の未来なり方向性なりをもっと明確に見せて欲しかった。例えば、今後も二組は時々会うことにするとか、もうこれでお別れなんだよとか、一時的なものでいいからちょっとした決着をつけて欲しい。
私が初めて観た是枝裕和監督作品の『歩いても歩いても』は、描き方は良かったが物語が淡白すぎて盛り上がりに欠けた。もっとしっかりとした主題や動きのある物語があればいい作品になれるだろうとその時は思ったが、それが具象化したのがこの作品というところ。日常の人物描写と心理描写が巧みなところがあるので、今後に期待したい。
奥が深く、考えさせられる作品
TV放送を見逃したので、レンタルで観賞。
最初はそこまで深く考えずに観ていましたが、話が進むにつれ、感情移入し過ぎて瞬きも忘れる位でした。
泣くことはありませんでしたが、私がもし「父親」となっていた場合は違ったでしょう。
本作は、物凄く心情を丁寧に描いており、子役も含め全員演技が上手いのでそれだけで全員に感情移入してしまいます。
育てた子供が他人の子供だったなんて、いったいどうすれば良いのでしょうか。
中盤以降は早く結末を知りたくてウズウズしてしまいます。ですが、別に話がダラダラ進むなどと言う事はなく、心に訴えかけるシーンが多いので、意外と本編が短く感じる程です。
私はあまり日本の映画を観ませんでしたが、本作をきっかけに観るようになりました。
心を落ち着かせ、何か考えたいときに観たい一作ですね。
テーマは明確、だが演出は・・。
何度も泣いた
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