そして父になるのレビュー・感想・評価
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価値観の違い、を描いてる?
話題作ということで鑑賞。はじめからさほど期待はしていなかった。共感もできず、ただ、ただ、主人公の言動について「違和感」と「不快感」をずっと感じながら鑑賞した。
互いの家族が、対比される光景。
これは、「取り違え」事件を題材にしつつ、その「事件性」には大きく触れず、あえて、そうしないことで「時代」「父という存在価値」のズレや、正しさなどわりと「私小説的視点」を観客に与える作品なのではなかろうか、と感じた。主人公が唯一、主人公ではない、という描き方。
その意味では一定の評価はできる。
大衆的で、素直な作品だと感じる。
しかしながら、ヒューマンストーリーとみるにはドライすぎる展開だと個人的には思う。
複雑な気分に苛まれながら劇場を出た。
劇中に数度、連呼されるごとくはなたれる「田舎ものは」というセリフ、ことば、これも確信的なのだろうか。時代錯誤性をあえて表象させる装置と考えても、あまりにも浅はかすぎると思った。
観終わった後も
個と個の関係
久々に映画を見て泣きました。
気になってたテーマだったので、
暇をみつけて行ってきました。
内容は、6年間育てた我が子が、
とりちがえた子であったという、
二家族のお話です。
自分でどう納得して、どう子供に納得させるのか?
親とは、子とは?
とても深いテーマだと思いました。
父親になる、人の親になる。
なる人は経験する普遍的なテーマです。
人生の1/3を過ぎた今では、そうあるべきなのかもしれません。
この映画を見て思ったのは、
親とはコチラからの一方的な関係ではなく、
子供からとの双方的な関係であるというコト。
人間がお互いに成長していく中で、
子も親も、血が通っていてもいなくても、
人間同士として一緒だと、どうあるべきか考えさせられました。
そこで、自分に気付かされ、素直になっていくことが如何に大事か!
個と個の関係、深いです。
そして、父になる。
それは、親になる。
そして、人になる。
なぜか涙が・・・・
考えさせられる映画だが、オチが雑か。
途中までは、良かったが、時間が気になってた。このペースで、どんなオチが。
ところが、オチは、想像にお任せで、あっけなく終わる。
考えてみれば、シーンも同じ場所が多く、セットもあまり必要ない。
福山雅治とリリーフランキーの人物像にコントラストを付けて仕上げているところは、考えさせられる。
どっちの家庭に生まれたいか。
その辺りでは深い映画。
血か!?時間か!?
とても重いテーマで、哀しく罪深い話だなぁと感じました。
血の繋がりか、それとも過ごした時間なのか…。
難しいですね。
6年という月日が流れたわけだから、そう簡単には馴染めないだろうし、ましてこれほど生活環境が違うとなればなおさらだろう。なるほどいかにもカンヌで賞を獲りそうな考えさせられる作品でした。
出演者も良かったですね。心配していた樹木希林の演技も抑え目で邪魔になってなかったのでホッとした。
今年の賞レースに出てくるのは間違いないだろうけど、じゃあ本作が今年ベストかと聞かれるとどうかな?
私としては、ラストの選択がイマイチ気に入らなかった。
情緒に流されたと感じたからだ。良多は子供のためというより自分のために行動してしまったのではないだろうか…。
家族の絆の本質を問いかけた傑作
大事なのは、血なのか過ごした時間なのか。
論理的に考えれば勿論血なのでしょうが、人間の情に訴えかければそれは当然過ごした時間となる訳で・・・。
そんな普遍的なテーマを、是枝監督は一体どう描いたのか、期待して鑑賞しましたが・・・なるほど、そう来ましたか!
重きを置いたのは、どちらを選択するかではなく、タイトル通り「そして父になる」ことだったのですね。
主人公が、父親としても人間としても成長していく姿には、とにかく心震わされました!
是枝監督特有の子供達に自然な演技をさせる演出法と、主演に父親臭が全く漂わない福山雅治を起用したのが、実に面白い化学反応をみせた秀作でしたね。
福山雅治(野々宮良多)・・・人生の勝ち組、イケメン、エリート、傲慢な性格、見る者が嫌悪感を抱くにはこれ以上ない適役でした。
だからこそ、本当の父になっていく姿には心動かされましたね。
尾野真千子(みどり)・・・健気にエリート夫を支える姿が印象的な前半とは対照的に、後半は子供を思う強い女性へと大変貌を遂げました。
奥さんとしてもお母さんとしても女性としても、ほぼ完璧でしょう!しかも美しい・・・。
二宮慶多(慶多)・・・つぶらな瞳が印象的な可愛らしい少年でした。
何かと素直で優しくて我慢強い性格は、確かに良多とは間逆のタイプでしたね。
きっと親ならば、こんな子供が欲しいよね・・・と思わされること必至。
リリー・フランキー(斎木雄大)・・・金は無くとも、子供思いでとにかく底抜けに明るい父親でした。
見た目も性格も福山パパとは対照的な良い父親でしたが、妙にガサツな感じは私もちょっと苦手かも。
真木よう子(ゆかり)・・・まさに肝っ玉母さん。しかも美しい!
子供からしたら、絶対自慢の母親ですよね。こんな母さんの為ならば、何かと頑張れるような気がします(笑)
黄升げん(琉晴)・・・わんぱくだけど、弟妹思い。「何で?」が印象的な少年でした。明るい家庭に育ったら、きっとこんな感じで育つでしょう。 ただ、躾がなってないのはちょっと・・・って、子供はこれが普通か。
樹木希林(みどりの母)・・・安定のおばあちゃん演技。今回は、いつもより控えめな存在感でしたね。
夏八木勲、風吹ジュン(野々宮良輔、のぶ子)・・・良多の父親、義母と考えれば、完璧なるキャスティング、演技でしたね。さすがです。
中村ゆり(看護師)・・・美しすぎる犯罪者。希薄すぎる謝罪の意が、見る者を本当にイラっとさせました。 でも、美しいね。
慶多、琉晴が大人になった時、それぞれどんな思いが込み上げるのでしょうか・・・。
見る人の経験や感受性が大きく関わる作品
是枝監督がもうこんな福山雅治は見たくないというギリギリのラインを探ったイヤミな奴を主人公にしたとおっしゃられていたが見た感想は普通の人じゃん!!当たり前の言動じゃん!!ということ。仕事から帰ってきて息子のピアノを見てあげるなんてむしろ凄いよ。
物語的には主人公に据えるにはたしかにリスキーだしリリーさんがキャラ勝ちでむしろ立ってる!と思うかもしれない。
でもこれを現実世界に置き換えたらみんな仙人みたいにならなきゃいけない。
リリーさんご本人が言っていたがまさにこの雄大という父親はファンタジーだ。実際にあのご主人がいて内外装ぼろぼろの家に住まい、ろくな稼ぎのない夫に子供を任せて自分は安いパートで家計を支えていたら妻は出口のない迷路のような気分で毎日を過ごし、いつしかキレるし出て行くかもしれない。実際ならそんな人多いと思う。子供たちは親が思うより早く成長して行くので経済面が重くのしかかる心労の日々はどのようなものだろう。これ幸いと慰謝料の計算ばっかりしてるんじゃないよ!!・・・とは思いつつ物語としてのセオリーに操られてまんまとこのろくでなしの父になぜかやられてしまうのは痛い・・・。
それよりも、必死に働く人を駄目みたいに扱えるかな?できないでしょ?!て感じ。一緒に見に行った主人は冒頭で既に怒りが先にきてしまったみたいでまともにストーリーが頭に入らないくらい怒っているのが傍目に感じられて私ははらはらしながらの鑑賞となってしまった・・・。(うちの主人は猛烈な仕事人なのでね)
現実、共働きのご夫婦が多いご時勢でこれを見たら夫婦共に子供と接する時間は食事とお風呂などのお世話のみ。休日に全員が揃うのは土日祝日でも少し難しいという家庭ならもはや救いもない思い。保育園任せで人に育てて貰ってたらあかんやろ?自分にしかできへんことあるんちゃうか?と雄大に叱られそうだ。こんなこと上から言われたらまさにふざけんな!!て感じ。良多は言動はアレだが人の助言はすんなり受け入れる場面がそこかしこにあってなおさらそこが温度感のない父親に少し人間味をだしてくれててそこがいい。
でも、これはあくまでもドキュメンタリーでもなく普通の人が普通に悩み、苦しみ、答えが出ない煩悶を繰り返す序章にたった物語。本編は映画が終わった後に鑑賞した人々の心の中で続いて行く。
あまりにリアルで演技を超えた感情や動きが見られ、それが胸に迫り、痛いくらいひりひりする瞬間がちりばめられている。これは間違いなく出演者の誰もが世界で認知され後世に名作の一本として残っていく代表作となったことは必至だ。目線や子供に添える手、妻を支える手、子が親を求める気持ちなどの表現がリアルすぎる。この家族の傍らで静かに寄り添い、息を殺して見つめる感覚に陥る。こらえきれずに落涙してしまう。何日も心を支配された映画は久しぶりに見た。
福山雅治というエンタメの申し子のようなアイコンがいるだけにテレビドラマ版ガリレオのような刺激を求めていたり、是枝監督作品に初めてお目にかかる人はいささか戸惑い、多くを語らず詩的で色んなものを孕んだ行間の余白を読ませる・・・そんな大人の世界観にはもはや理解不能で問われているものに追いつけない。
今は向かなくても自分の人生経験が違うステイタスに変わった時点で何回と無く見返したらいい。ありきたりな表現をすると見るたびに心に響く部分が違うだろう。
つまり、作品が見る人を選んでいる。
やがて親になる。
実際に起こった取り違え事件を原案に描かれた物語である。
「血の繋がり」か「過ごした時間」かという普遍的なテーマを
メインにしているが、これはなかなか選べるものではない。
大方は必然と(将来を考えて)血の繋がりを選ぶそうだが、
離れ離れになった他人の子を我が子と重ねて苦しまないか。
親なら何度考えても、相応しい答えが見つからない。
6年も(しかも生まれてからの)過ごせば愛情は計りしれない。
そして貴方の実子だと言われればもちろん愛情が湧いてくる。
元々選びようのない残酷な仕打ちを迫られる物語だ。
物語は淡々と展開する。ある日突然、取り違えを宣告された
夫婦二組は、事あるごとに場を設けては親子同士で対面をする。
いかにもエリート家の息子・慶多と、電気屋で育った息子・琉晴。
主人公の良多は自分と似ていない優しい性格の慶多が歯がゆい。
わんぱくで元気一杯の琉晴には手を焼いて逃げられてしまう。
子供が自分の思い通りに成長するなんてそんなことあるかよ、と
つい笑ってしまうのだが、母親同士のみどりとゆかりは納得の
いかない取り違えに憤慨しつつも、子供に精一杯の愛情を尽くす。
「愛せますよ、もちろん。」というゆかりの言葉に嘘はない。
母親は(というか女は)強いな、やっぱり!と思わずにいられない。
あたりまえじゃない、どっちも自分の可愛い子供なんだから。
(リリーが慶多の入学式をわざわざビデオ撮りするのも納得)
監督は独身の二人を父親に据えて、じっくりと彼らを追っている。
福山雅治はエリートというより神経過敏で小煩い父親という感じ。
彼の実際の性格がそうらしいので(爆)上手く出ていたなぁと思う。
片やリリーにはいかにもいい加減が似合う。子供相手にずいぶんと
振り回されて遊ばれたそうだ。金をケチっても時間はケチらない。
子供にとって居心地のいい家って、あんなタイプの家だったなーと、
今でも思うのだ。まず良多のような家に子供は遊びにいかない。
どちらの家にもリアルに良いところと悪いところがある。
子供にとってどちらがいいかなど、今の時点で言えるものではない。
結局15年以上(森林が育つのにも人格が育つのにも)かかることだ。
カンヌで審査員賞を受賞したとあって劇場は超満員。
ハンカチを持ったオバ様方がしかし、「泣けなかったわねぇ~!」と
文句を言いながら出ていく姿が、妙に気の毒で笑ってしまった。
是枝作品を観慣れていると今回のも観易いが、感動号泣を期待して
観てしまうと、エ?これで終わり?と肩透かしを食らうのかも。
しかし監督は、随所で非常に上手い演出をしている。
子供の自然な演技。いかにも良い子の慶多と、腕白坊主の琉晴。
どんなに可愛がられても「早くお家に帰りたい。」と訴える琉晴と、
良多から「これはミッションだ。」と告げられ、我儘を言わない慶多。
良多が、家出をした琉晴に昔自分も同じ様に家出したことを重ね、
慶多が残したカメラに「大好きなパパ」が映されているのに泣く場面。
ストローを噛み潰す行為を、同じようにリリーと琉晴が行うシーン。
実父が「血が大事だ」と言ったそのままを良多も拘ってしまうシーン。
親子だから似てしまう部分があり、親子でもまったく違う部分がある。
シーン毎の何気ない挿入の繰り返しが「絆」を多角度から描いている。
そして素の演技を醸す息子たちから、大人の俳優たちが自らの表情を
どんどん引き出されているのだ。これは観ていてとても面白かった。
ハリウッドでリメイクも決定したそうだが、どう作るのか楽しみだ。
(何はどうあれ子供の幸せを考える親と、親から学びとっていく子供)
モヤっと…
これさん
もう、ほろっといってしまいました。
もし自分がお父さんだったら、号泣していたでしょう。笑
父親としての在り方はその家族でさまざまかもしれません。斎木雄大と野々村良多、両極端のお父さん。しかし、どんなお父さん、というのは問題でなく、子どもへの愛情はどんなお父さんでもかわらないよ。というのが、ラストにかけてわかってきます。野々村良多が息子の慶多が撮ってくれていた家族の写真を見返すシーン、泣けました。
話はかわって、オススメの見所は‥‥
真木ようこのウインクシーン。
僕にしてくれたウインクです。
さいこー
最後が・・・
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