コッホ先生と僕らの革命

劇場公開日:

コッホ先生と僕らの革命

解説

ドイツサッカー界の父と言われるコンラート・コッホの実話を映画化したヒューマンドラマ。第1次大戦前、反英感情の高まる帝国主義ドイツに、初の英語教師としてイギリスからコンラート・コッホが赴任してくる。コッホは、イギリスや英語に対する偏見を植えつけられていた生徒たちの心を開かせるため、授業にサッカーを取り入れるが、イギリス発祥のサッカーは反社会的なスポーツだと非難される。しかし、子どもたちは次第にサッカーの虜になっていき、抑圧されていた自立心を取り戻していく。コッホ役に「グッバイ、レーニン」「ベルリン、僕らの革命」のダニエル・ブリュール。

2011年製作/114分/G/ドイツ
原題または英題:Der ganz große Traum
配給:ギャガ
劇場公開日:2012年9月15日

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(C)2011 DEUTSCHFILM / CUCKOO CLOCK ENTERTAINMENT / SENATOR FILM PRODUKTION

映画レビュー

4.0さまざまな「わくわく」がつまった快作

2013年1月4日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

よそ者が街にやって来る。彼は新しい風を吹き込み、少年たちは新たな世界へ一歩踏み出していく。…そんな定番の物語を、期待にたがわず爽快に描ききる。年始めにふさわしく、晴れやかな気持ちになった。 本作には、さまざまな「わくわく」が詰まっている。新しい出会い、偏見を打ち砕く価値観、スポーツのおもしろさ、恋の予感、かけがえのない仲間、障害へのチャレンジ。熱血過ぎない好青年、コッホ先生の魅力もさることながら、生徒たちのキャラクター付けもひねりが効いておもしろい。お高くとまったブルジョアの息子が転落し、プロレタリアの少年がサッカーで頭角を現す…のは常套だが、ブルジョアに代わってクラスを引っ張っていくのは、パッと見は冴えない太っちょの少年。彼は中流の工場経営者の息子だ。家業のミシンやボールの脚さばきは苦手でも、アイディアのひらめきやゴールキーパーとしての手腕を発揮し、自信を深めていく。さらには、サッカーボールが商売になると見抜いて試作を指示し、最後は父親さえ彼の言われるままに値段を釣り上げる。親との対立、自立がテーマのひとつになっている中、彼はあっさり親を越え、共に商売に邁進していく。資本主義が台頭していく近現代の流れを示唆しているようで、興味深く感じた。 クライマックスのサッカーゲームでは彼らと共に手に汗握り、エンドロールでは友情を歌う「蛍の光」で余韻を味わう。最後まで押し付けがましさゼロのさじ加減が好ましい。 …それにしても。「グッバイ、レーニン!」の心優しい青年ダニエル・ブリュールが、髭を蓄えた先生をゆったりと演じるようになるとは! ちょっとしみじみした。

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cma

3.5初めての試みは大変だ

2024年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

初めての試みは大変だ

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トシ

3.5サッカー超大国の黎明期

2023年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

難しい

幸せ

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あっさり醤油ラーメンが好き

4.5【”フェアプレーの精神”帝政ドイツにあった名門校に赴いた若き英語教師コンラート・コッホがサッカーの真なる意義を生徒に伝える姿に泪する作品。サッカーとは貧富、国を超えるスポーツなのである。】

2023年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

ー ご存じの通り現代サッカー界でドイツは世界最強国の一つである。だが、私は今作を鑑賞するまでは、その根底を築いた人物を知らなかった・・。- ■「ドイツ・サッカーの父」と呼ばれる実在人物が主人公だそうである。全く知らず・・。  イギリス発祥のサッカー(フット・ボール)が、反英感情の高まるドイツで受け入れられていく過程は、サッカー好きには堪らない作品である。 ■1874年、帝政ドイツにある名門校に若き英語教師コンラート・コッホ(ダニエル・ブリュール)が赴任。  学園の封建的風土や生徒らの偏見・差別意識に直面した彼は、授業にサッカーを取り入れる。  一部を除いて、生徒らは夢中になり、フェアプレー精神を学んでいくが、教師らはコッホを危険視していく。 ◆感想 ■今作でキーになる生徒は二人いる。  一人は、級長で学園を支えているリヒャルト・ハートゥングである。彼は父の威光を笠にして弱きプロレタリアートであるヨストを苛めている。  もう一人は、ヨストである。苛めに会いながらも、コンラート・コッホが導入した”フット・ボール”の授業で、その才能を開花させていくのである。 ・今作が物凄く心に響くのは、リヒャルト・ハートゥングが苛めをしつつ、自分が恋心を抱いた女中との関係性である。 ー 彼女は、ハートゥングの父により馘首されるが、それによりリヒャルト・ハートゥングは旧ドイツの身分制に疑問を抱いて行くのである。ー ・小柄なヨストとその母親の存在は、この作品には欠かせない。苛められていたヨストのドリブルテクニックとシュートテクニックは、大袈裟に言えばメッシである。 ・そして、コンラート・コッホの自由なる精神性を受け入れた生徒たちが学校外でサッカーを楽しむシーン。 ー サッカーが貧富の差が無いスポーツである事を、示している。実際にブラジルでは貧困そうから成り上がった名選手多数である。- <今作は、個人的な感想であるが物凄く心に沁みた作品である。  苛められて居たヨストからのセンタリングを苛めていたリヒャルト・ハートゥングがヘッドで決めたシーンなどは涙が溢れました。  今作の様な作品があるからこそ、映画鑑賞は止められないのである。> ■追記  ドイツを舞台にした映画は、矢張りドイツ語で観たいよね。  ダニエル・ブリュールはそういう意味でも貴重な俳優だと思います。

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NOBU