横道世之介のレビュー・感想・評価
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2013邦画No.1
間違いない作品です。こういう奴はいないんだけど、こういう奴いたなーって昔を振り返り切なくも幸せな充足感を胸に抱くこと間違いない。
出てる人すべてにキュンキュンがとまらないよ。原作は読んでないので、こんなこと言うのもあれなんですが、世之介を殺す意味はあったのですか??誰か説明して欲しいっす
生涯のベスト映画に出会えた喜びはデカイ!
先ずは「横道世之介」を撮って下さった、沖田監督を始め、この映画を企画したプロデューサー並びに、出演者の皆様は勿論の事、この映画撮影に関係した総ての方に、ありがとう!と心から私はお礼の言葉を伝えたい思いで気持ちが一杯になった。
こんなに心が温まる映画を観られた事は、本当に嬉しくありがたい事であり、たとえ映画であっても、私もこの映画で、世之介の友達になれた気がして、その事が嬉しいのだ。
気の良い世之介が直ぐに誰とでも友達になってしまうのと同様に、私が映画を通して世之介と友達になったよと、言ったとしても、世之介なら怒らずに受け入れてくれる気がする。
何も80年代と言うあの頃に限った事では決して無いのかも知れないが、誰の人生にとっても、学生時代と言う青春時代は、輝いていて人生の中でもダイヤの様な価値を放っている、たとえそれが浪人生活や、失恋だの、留年などの不運に遭ったとしても、それでも過去を振り返ってみたら、今の自分を支える為に用意された、輝きの時だったと断言しても良い。しかも、本当にあの80年時代は特に時間が未だ緩やかに穏やかに流れるままに、青春を楽しむ為の時間が残されていた時代だ。
今から当時を振り返ると携帯電話も無く、ファックスも無い時代で、地方から都会の学校に出て来て下宿している学生寮などには、エアコンも無いし、今にしては不便極まりない生活だったが、それが普通の生活だった当時の学生時代の私などには、それを不便だと思った事も無く、自分にはそれはそれで楽しい学生生活の毎日だった。
そんな誰の生活にもある学生時代の平凡過ぎるくらいの日常の変化の無い普通の生活の幸せな日々を、淡々と描ききってくれたこの映画は、それだけで素晴らしいメッセージの塊だ。
勉強と、バイトと友達、或いは彼女や彼氏と付き合う事が、誰でも学生なら普通に有って、当り前過ぎ去る普通の時間が、こんなにも尊い事だとは当時は、思いも因らず、無駄に時間だけが過ぎた気がしたりもしたが、その総てが心の財産になっている事を今改めて思い起こさせてくれるこの映画は最高だ。
高良健吾は今回も憎い程良い役を演じていて素晴らしいし、吉高由里子のお嬢様ぶりが、これがまた愛らしくて、愛おしくって最高に似合っていてたまらないのだ。
それともう一つ、この「横道世之介」の物語が、あの12年前のJR大久保駅での人身事故の救出をされ、亡くなられたカメラマンの方のお話だったと言う事を知らなかった私は、更にまた感動的な思いで心が溢れた。あの哀しく切ない事件は今も良く憶えている。ホームからの転落を見た瞬間に反射的に、あのような救出行為を行う事は決して誰にでも出来る事では無く、あのご両人だからこそ、行う事が出来た素晴らしい瞬間の出来事だったと思い、今もあの事故の事は、記憶に深く刻まれている。韓国人留学生については「あなたを忘れない」と言う作品で直ぐに映画化されたが、当時韓流ブームの波に押され、あの日本人カメラマンについては、メディアで殆んど何も語られる事は無かった気がしていたが、今こうして、あのカメラマンの方の青春当時を振り返る映画が出来た事は、日本人として誇らしく嬉しい事だ。あの惨事が起きた事で、その後転落事故防止の為の改善が図られ、転落事故の防止に、今も尚大きくあの事件の教訓が生かされているのだから、決してあのお二人の方の尊いお命は無駄にはなっていない筈なのだ。ご遺族の方には、哀しく耐えがたい重荷であることだろうが、あのお二人が生きていた事の素晴らしさは、私は決して忘れない。そして、この「横道世之介」と言う作品の事も、決して私は生涯忘れる事は無いだろう。最後に再び改めて、素晴らしい映画をありがとう!
人間の人々を想いやる優しい気持ちの大切さと、一人一人の命の尊い可能性を見直す機会を再び映画を通じて作って下さった皆様にありがとう!と御礼申し上げると共に、あの事故で亡くなられた皆様のご冥福をお祈りしています。
もう一度劇場でと思ってたけどあと17館ですか…
いろんな人がレビューしているので1点だけ。
「ばら鯖」さんのレビューに、「世之介の母親から祥子への手紙は、原作の全文を使って欲しかった」とあったのが気になって、その2ページだけ立ち読みしてから観に行きました。
35歳(原作では40歳)の世之介が線路に落ちた人を助けようとして、韓国人留学生と落命したのは、JR高田馬場駅?での実際の事故がモデルになっています。
この事故にあわれた方へのリスペクトの気持を込めて、原作者は母親の手紙を最後に書いたはずです。
その意味からも省略はして欲しくなかった。
この作品観た帰り、『蛇にピアス』『婚前特急』レンタルしました。吉高由里子、良いですね。
小沢と清兄ちゃんも気になる。
予告編で
・主人公はカメラマン(?)
・既に亡くなっている(らしい)
・可愛いお嬢様な彼女がいる(できた)
程度の情報量で鑑賞。
場面設定は1988あたりらしいが、印象としては1985あたりな雰囲気に感じた。
(ファッション等は1988以降と思われるものだが)
地方出身者が上京するとあんな感じか。
普通と言いながら、やや上流の人たちとの交流があったりして、1年目にしては良い滑り出し。
羨ましいぞ、世之介。
隣人の写真家の影響か?写真を始めた世之介に、初めて現像したフィルムは「私が最初に見る女になりたい」と言い、体まで許していた祥子がなぜ世之介と別れることになったのか、興味が湧く。祥子の「現在」が難民との関わりを持つ仕事をしている点で、世之介との長崎での出来事が大いに影響していることは想像でき、別れたとはいえ、祥子の人生にしっかり根付いているのだなと思わせ、感慨深い。
都会の色に染まっていった、世之介と同郷、同期の小沢は、その後どうなったのだろうか・・・
世之介も東京でカメラマンになったことからすると、同じスタンスで仕事をしていたかもしれないが。
長くは感じない(むしろもうちょっと観てみたい気も)が、疲れた時に観ると寝落ちしそう。
実際、上映最後の日に疲れた体で観たとき(4回目)は一部、寝落ちしてしまった。
どうでもいいが、吉高由里子はロボジーの頃よりぽっちゃりしているような・・・
個人的にちょっと残念だったのは雪のシーン。
なんとなくジオラマ的で雪の質感と空気感が雪国の人間から見ると物足りない。
それ以外は良い流れで観ることができた。
もっと売れるべき映画
大きなクライマックスやハラハラドキドキがあるわけじゃないけど、すごい作品だった。ちょっと切ないんだけど、劇中で語られるように世之介を思い出すと「なぜか笑っちゃう」。こういう友達ができるなら、学生時代のしょうもない時間も捨てたもんじゃないよなぁ。
まるで自分の共有した思い出かのように蓄積されていく世之介と周囲の人のエピソード。
内容だけ切り取ると長尺のように思えるんだけど、この映画にはこの長さが必要だった。世之介という人物を伝えるには何なら足りないんじゃないかくらい。
中盤の世之介が亡くなっているという事実は読めてしまっていたものの、あっさり出してきたのが巧いと思った。もうちょっと引っ張ってたらここまでのバランスで成立しなかった。
これから観る人は絶対得した気分になるよ。世之介とこれから出会えるなんて羨ましい。そして何より祥子ちゃんのド級の可愛さにひたすら驚くんだ。
素晴らしかった
横道が極めてダサいのにとても可愛らしい彼女ができるという素晴らしい映画だった。こんな夢のような語り方もあるんだな~と感心した。吉高由里子がキュートすぎて、すっかりメロメロ。うちに来てカーテンにクルクルくるまって欲しい。
しかしそんな可愛らしいカップルが一体なぜ別れてしまったのか、とても残念だ。
世之介のような存在は、物語では生活感がない、幻のように語られる事があるのだが、この作品ではそうではなく、アパートで暮らし、盆暮れには長崎の実家に帰って地元の同級生と遊ぶような極めて実在的だった。実在するファンタジーとして描こうという意図があったのだと思う。
横道入って回り道。
まさかこの作品が160分もの長丁場だとは知らなくて、
劇場のスケジュール表を見て驚いた。
えぇ、こんな作品にこんな長さってどういう…?と焦り、
恐る恐る観てみたところ、これがちっとも長くない。
つまり最後まで、ぜんぜん、飽きなかったのである。
しかしながら油断したせいか、ちょうど午前の回に一番
後ろの列を陣取った私を含め3人の鑑賞客は、揃いも
揃ってお腹がグーグー鳴ってしまった^^; あぁ恥ずかし~。
原作の面白さなのか、脚本の妙なのか、
監督の力量はもちろん、あとは世之介の魅力だったのか?
ゆらりゆらりと語られる一見おっとりした懐かしい想い出が
16年を経た現在の友人たちによって、所々で切り替わる。
自分が学生だった頃に、そういえば、そんな奴がいたっけ。
一時仲良く話したことが、一緒に遊んだことが、あったっけ。
なんて、今では疎遠になった友人を想い出す時のあの笑顔。
だけどそんな風に想い出した時、人を笑顔にさせるような
そんな人物でありたいと、なんだか思ってみたくなるのだ。
結論から言ってしまうと、今の現代に横道世之介の姿はない。
冒頭から語られる'80年代の想い出があまりに普通で温かい
せいか、ふと、あれ?どうしたんだろう。なんて思ってしまう。
ただその事実が知らされる後半になっても、世之介の姿は、
まったく変わることがない。ごくごく普通の大学生のまんまだ。
彼が彼らしくそこにいてくれることで、
その'80年代にいた私たちも、今の現代を生きている私たちも、
スクリーンの中の同級生や友人と戯れながら、過去を体験する。
もろに'80年代が青春だった自分からすると、ややもすれば、
ちょっと微妙な描き方がされているのだけれど。
パソコンもケータイもなかったあの頃、公衆電話で10円玉を
積み上げて、実家に電話する主人公が愛おしい。
長崎の港町出身ということが、やけに親切で何でも引き受けて
しまうという、お人好しの主人公をよく物語っている。
都内の専門学校に通っていた頃、地方から上京して寮に入った
同級生たちが、やたらと元気にはしゃいでいたのを思い出す。
まぁ学ぶ場所がどこであろうと、われら青春!だったのだ(古)
世之介が味わう暮らしや友人たちとの学生ライフに、取立てて
何が起こるというわけではない。
彼が片思いする年上の女性や、妙に好かれる富豪のお嬢さまなど、
面白キャラは点在するが、その一つ一つを丁寧に描いているだけ。
今作が映画として成立するのは、そういう何気ない日常の大切さ、
素朴な人生のひとコマを積重ねると物語になる、ということである。
漫然と生きたとか、無駄な時間を過ごしたとか、過去を振り返り
思うことは多々あれども、これが案外あとで役にたつことに驚く。
この世之介くんのエピソードだけで(しかも1年間の)
こんな映画が作れちゃうんだから!人生捨てたもんじゃないのだ。
今作の吉高由里子、これがまた最高に似合っている。
この子がお嬢さま?なんて訝しく思うところだが、ゼンゼン。
むしろ彼女がいてくれて、本当に良かった。世之介も、私たちも。
現在の彼女がラストで出てくるが、おそらく今やっている仕事を
含め、彼女の半生を、たった一人の男が、彩っていた。その一瞬、
一瞬の眼差しは涙が出るほど愛おしく、幸せだと思わせてくれる。
周囲が忘れてしまっても、彼女は一生忘れない(られない)のだ。
(最近私もあの頃が懐かしく想い出されて仕方ない…歳ですかね^^;)
半分はやさしさでできた作品
ストーリーは原作同様起伏が少ないため、映画に「何か」を求めて観ると肩透かしを食らうかもしれません。
映画というより、仲のいい友達のホームビデオを一年分編集して観ているような、いい意味でゆったりした作品です。
2時間40分と長い作品ですが、構成が短いエピソードの連続で、クスりと笑える場面もあるので長さは感じませんでした。
沖田監督作品らしい会話の間と、ユーモラスで魅力的なキャラクタ描画、演技は必見です。
ただ、個人的に一つ不満があるとすれば、最後の母親からの手紙は原作の全文欲しかった点です。
とても好きな文章なので…。
人を選ぶ作品だと思いますが、登場人物のセリフを拝借すると、出会えたことでなんとなく得した気分になる映画です。
興味のある方は、ちょっと下調べをして作品の性格を理解してから観るかどうかの判断をすることをオススメします。
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