「想いは、必ず手から伝わる。」プラチナデータ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
想いは、必ず手から伝わる。
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映画「プラチナデータ」(大友啓史監督)から。
「東野圭吾」さんの小説は、映画化しやすいのだろうな、
今までに数多くの作品を本で読み、映画で観てきた気がする。
この作品は究極のデジタルとも言える「DNA」がテーマなので、
メモした単語も「DNAプロファイル」や「DNAモンタージュ」、
さらには「DNA捜査」「DNA法案」まで登場し、
「DNAで全てが決まるわけじゃない」と主張する側と、
「DNAはその人間の全てだ」と主張する側の攻防は面白い。
さらにタイトルになっている「プラチナデータ」の意味さえも、
人、立場によって違い、私たちを楽しませてくれる。
とはいえ、後になって思い出せるインパクトのある台詞を残したいと、
多くのメモを整理したら、DNAに関連しない台詞が浮かび上がった。
それが「想いは、必ず手から伝わる」というフレーズ。
描いていた絵が「手」をモチーフにしていたり、
お父さんが陶芸作家だったことも含めて、なせが「手」に拘っている。
「想いは、必ず手から伝わる」と言った後、
「その手から、土は形作られる」と続くフレーズが引っかかった。
言葉だけの「愛している」より、黙って「手を繋ぐ」ことの方が、
好きだという気持ち、大切にしたいという想いが伝わる気がしている。
「手は、苦労すれば苦労したなりの手」「楽しければ楽しそうな手」など
「その人の全てが手に表れる」という話も耳にしたことがあるが、
「DNAはその人間の全て」と似た表現になっていて興味深い。
言葉で多くの人の前で演説するよりも、一人ひとりと握手するのは、
「想いは、必ず手から伝わる」からなんだろうな。
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