「プラチナ女優たち。」プラチナデータ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
プラチナ女優たち。
東野圭吾の原作は読んでいない。けど、
彼の作品は映画化されても面白いので、楽しみにしていた。
観終えた感想は…ふーん、なるほどねぇ。という感じで、
スッキリ爽快というのでもないし、意味が分からないでもないし、
可も不可もなく…ってこんな感じなのかしら。の類に落ち着いた。
ネタバレしていいのか?と思ったけど、主人公が二重人格であると
いうのはどこでも堂々と書かれているので、いいんだろうと思う。
真犯人はその分裂した人格の方なのか、はたまた他にいるのか?
DNA検索システムが割り出した犯人は、それを作った本人だった。
わ~!如何にも推理小説に出てきそうなこのプロット。
というわけで、冒頭~神楽が逃げまくる辺り、まではまずまず。
ただ個人的には、この天才科学者を演じる二宮和也が、どうしても
そう見えなくて(演技はいいとして顔つきが幼いせいか)入り込めず。
相手役のトヨエツがあまりに渋い顔と演技のため、余計に落差が
目立ってしまったというか…まぁ、科学者も若ければああいう顔を
しているのだろうと思うことにして、気にしないで観ていくことに…
今回、女優陣がなんだか面白い立ち位置で目立ってましたねぇ。
杏はスパイのくせしてずいぶん目立っているし、水原希子は特殊
メイク?で目立っているし、あとは鈴木保奈美だ、以前どこかで
彼女が役を得る時、ある意味主役級の役でないと承知しない。と
いうのを読んでいて、今作を観て、はぁ~そうきましたか。と思った。
良い悪いのレベルを超えて、脇が目立ちすぎ(爆)
これでは二重人格の主人公神楽が、なんか女たちにやり込められて
しまった感が強く、傍で見守りながら救いの手を出そうとする浅間
(トヨエツ)まで、変な感じで封じ込める演出になってしまっている。
原作でどこまで彼らが絡んでくるのかは知らないけど、
もう一人の人格リュウがあまり出てこないので(出さないのかしら)
後半の何やらラブストーリー的な部分でエ?という間延びの余韻…
まぁ好き好きなんだけど、あんまりスッキリしない展開でしたねぇ。
結局「プラチナデータ」ってのは、それでしたか。
こんな検索システムが導入されて国家レベルで扱われるということは
つまり、どうしても、そこに繋がっちゃうんだ、全然驚きがない。
あーまたか。結局それかよ。と昨今のドラマ的な解明にややうんざり。
いちばん面白かったのは、少し前に公開されたとある洋画と同じく
「視点を変えてみましょう」という名目で、神楽を暴いたあたりかな。
主人公の存在そのものを、浅間が解き明かしていくクライマックス。
このラストに落ち着くまでこんなに時間がかかったか。というくらい
連続殺人が行われ、不可解な犯人の動機と合わせても、スッキリせず。
DNA鑑定に委ねられたあらゆる捜査や特定情報は、もちろん精密だと
疑いはしないけど、果たしてこれで「完璧」とはいえないと思う。
それだけで人間の総てが分かって堪るか。は誰もが思うことでしょう。
(個人情報保護だって、かなり厳密保管されながら漏れ続けているしね)