その夜の侍のレビュー・感想・評価
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もう少し面白い映画かと期待したのに
途中、引き込まれるような部分はありましたが…
最後の最後まで意味わからんです。
俳優陣の存在感や演技力に助けられてるなと思いました。
個人的にですが、マジで時間返せと思いました。
俳優さんたちの演技は本当に凄くて、そういうのを堪能したい方にはいいのかもしれません。
そしてけっこう高評価があることにも驚きました。
とにかく僕には合わなかったのですね。
何もかも分かる必要はない
一筋縄ではいかないが、思い返す度に不思議と味わいのある映画だった。スッキリしない、だがそれが良い、そんな映画だと思う。
「その夜の侍」の主人公は勿論中村なのだが、裏主人公は加害者である木島である。
妻・久子を亡くし「平凡な日常」から締め出された中村が「平凡」を取り戻す物語であると同時に、全力で「平凡」を築き上げて来なかった木島の孤独の物語だ。
久子の事故を焦点として陰と陽のように向かい合う二人。この構図の妙が「その夜の侍」の醍醐味だと思う。
中村の話は色んな人がしてくれているので、私は木島の話をしよう。
木島は元々最低なサイコパスクソヤローなのか?
それはノーだとハッキリ言い切れる。
事故直前、しょーもない話をしている木島に対して小林は漫画を読みつつ適当に相槌を打っている。しかし、事故後出所してきた木島から小林が視線を外すことはない。
「注視していなくても問題ない」言い替えれば「ヤバくない」存在だった木島が、明らかに「目の離せない・ヤバイ」存在になったからだ。
日常から滑り落ち、平凡とは程遠い人生を歩まざるを得なくなった。事故を起こした後、「全力で平凡に」救急車を呼んだりしていれば木島はああはならなかった。それを小林の目線1つで演出仕切ったのも素晴らしい。
刑務所に入り、色眼鏡で見られ、支えてくれる人もいない。中村が「平凡」な世間話を出来ないように、木島もまた「平凡」な人間関係を築けない。恐れられていることを利用して粗野に振る舞い、遠巻きにされていることを目の当たりにして孤独に傷つく。
星が口走るように、「独りは嫌だから」。誰かと一緒にいるための手段が、平凡でない木島には「恐怖による支配」しかなかった、ということなのだ。
中村と木島が対峙した時、木島は何を思っただろう。全力で「平凡」を取り戻そうとする男に何を見ただろう。泥だらけで電話する木島は中村を見たとき、少し淋しそうに見えた。
多分中村だけが木島を恐れていなかった。中村だけが木島と普通の話が出来る男だった。きっとこれから中村は全力で生きていく。では、自分は?
木島が「平凡」を取り戻せるかどうかは木島次第だ。何となく生きていたのでは、「平凡」にはなれない。
中村の、渾身の助言を木島が活かしてくれたら良いな、と個人的にはそう思っている。
タクシー運転手
俳優陣がすごく豪華。妻をひき逃げで殺され、やがて犯人・木島(山田孝之)が出所してから執拗に「お前を殺して俺も死ぬ」という予告状を出し続ける中村健一(堺雅人)。2人の対立構図の周囲には個性的な役者たちが配置されている。ひき逃げ事件の際に助手席に座っていた小林(綾野剛)。さらに中村の亡妻の義兄である青木(新井浩文)、木島に脅されながらも腰巾着のようになっていく星(田口トモロヲ)、木島に脅され情婦に転ずる警備員バイトの関由美子(谷村美月)などなど・・・
俳優の演技が凄くいいだけに、木島にへつらっていく者たちの心情にどうも納得できない。更生したのかと思えば、逆に恐喝・暴行など半グレ状態になっていく木島を訴えることはできなかったのか。それとも中村との決闘を楽しみにしていたのか・・・と、理解に苦しんでしまう。まぁ、小林に関しては共犯者としての贖罪もあったのかもしれないが。
もっと合点がいかなかったのは、ひき逃げ死亡事故を起こした者が簡単に二種免許を取れるはずがないということ。3年間免許取消になるはずですから、二種免許取得にはさらに3年、出所後から計6年かかります。ちょっとタクシー業界をバカにし過ぎ。秘密をバラしたとか言いふらしたとか以前の問題だ。どうしてタクシーという職業にしたのだろうか・・・?
ラストの直接対決はけっこう好きですが、暴力を使わずに侍にはなれなかった主人公。むしろ山田孝之の方が脅迫状に怯えて荒んだ生活を送る浪人風なのだ。現代的ではあるし、復讐の虚しさをも上手く取り入れていると感じます。プリンまみれになる姿もある程度共感。「夢芝居」を歌えなかった老人にも共感・・・タクシーという職業じゃなかったら3.5くらい。
お前を殺して、俺も死ぬ
山田孝之演じる木島はある日、堺雅人演じる中村の妻をひき逃げして殺してしまう。
堺雅人が奥さんの服や下着をずっと抱いてたり気持ち悪かった。
山田孝之は徹底的なクズ役になってた
中村の妻以外にも田口トモロヲや新井浩文を殺しかけてた
綾野剛も新井浩文もいい役だった
特に綾野剛がいい人でかっこよかった
全体的に重たい話だったのだが、ラストは2人とも死なずにそれぞれの道を歩いていった
どうせならどちらかが殺されるというラストの方が似合っていたし、そっちの方が面白かった
誰が侍なのか?
愛する人を殺された思いは、経験したことないので分からないが、
きっと計り知れない思いだろう。
でも衝動的に復讐するのではなく、
果たし状(殺害予告残り〇〇日)を出しているから侍なのか?
果たし状を受け取った犯人は、
逃げずに決闘場に行き一騎打ちに挑んだから侍なのか?
妻の言いつけを守らず、プリンを食い続ける主人公は侍なのか、
ただの自堕落人間なのか?
轢き逃げの懲役は7年~10年らしいが、
5年で社会復帰している犯人は侍なのか、模範囚なのか?
殺されかけても、子分のように付き従う田口トモロヲ。
性的被害を受けても、尽くしてしまう谷村美月。
悪い仲間だと知っていながら、離れようとしない綾野剛。
山田扮する犯人はよほどのカリスマなのか?
侍はビニール袋に包丁を入れて徘徊などしない。
隠しているはずの包丁はビニール袋を突き破り狂気をさらけ出す。
怒りに任せて投げつけたビニール袋はヒラヒラと漂う。
轢き逃げの車に無残に踏みつけられるビニール袋。
ビニール袋は弱さの象徴。
「そんな物が存在する現代日本人は侍にはなれないよ。」
本物の侍に笑われているような気がした。
⭐️は全て演者たちへ
ほぼ10年前の作品。
この豪華キャスたちはその時どういう位置にいたのか。
一般人私の目線で振り返ってみる。
堺雅人は、新選組の沖田をやった時はあまり好きな役者ではなく、その後の南極料理人、リーガルハイ 等でかなりイメージが変わったのだがリーガルハイがこの映画と同年代。
そういう転換期だったのだろうか。
山田孝之は、ランチの女王での認識が最初。
その後 私の中ではニセ妻夫木、と言った使われ方だったイメージで 信長協奏曲で完全脱却。
今は押しも押されもせぬ巨大俳優。
綾野剛は、初めて私が彼を認識したのは2010 あの名子役 芦田愛菜を一大知らしめたドラマmotherでの、顔もよくわからないくらいの端役。
その後の最高の離婚で坂元裕二に見事なまでに世間に拡散された。
木南春香は山田とのコメディ 勇者ヨシヒコのムラサキさんで大ブレイク、今は玉木宏の奥さん。
新井浩文を初めて見た時の記憶がない。いつの間にか好きな役者の一人であったし しゃべくり7での面白さ(危なさ〜しかも性的に)は拡散されていたのがその後の事件での彼の評判を感覚的に緩和させた理由のように思っている。
再登場待望の役者。
といったような主要キャストが今ではどれも主役クラスの作品。
安藤さくらは これほんと
悪意に満ちてるくらいブスに撮られている)
内容について。
セリフ 立ち位置 感情の動機
これが時々わからない。
堺雅人 中村 の義兄 が山田孝之に対する絡み方
財布を取り返すためとは言え 山田孝之についていく道路警備員の女性
留守電の使い方 回想シーンの挟み方が 時系列を混乱(少しだが)させる。
交通事故
車側が悪いとは言え この場合の過失責任はそれ程ではなく逃げなければ執行猶予は楽にあったはずと思われる。
ただ 五年入っていたならその五年 周囲の人々が平穏だった事だろう。
灯油をかけられ火をつけられそうになる人間のその後の行動など、何が彼らを惹きつけるのか
暇だと思った事がない人生なので 全くさっぱり理解不能。
安藤さくら演じるデリヘル嬢の理由も暇。
全然 わからないが殺されかけるよりはまだわかる。
義兄の同僚教師の
よくわからない見合いの仕方とか。
心情動機はほんとどれも説得力なし。
それでも見終わるまでずっと目を離せないのは
演者たちの なみなみならぬ演技のせい。
最後 なんか全部回収してくれるのかと思ったが差程そうでもない。
見終わるまでは「うわーすごい作品」と思ったが
小一時間たった今は脚本の稚拙さが浮き彫りになる。
舞台を映画化する時は
もうちょっと日常に寄り添う事が必要なのではないだろうか。
サイコパスの心情は理解し難い
何を言わんとして何を伝えようとしているのか、全くわからない。
妻を殺された復讐が、出来なかった男。人は人を簡単には殺めることはできない、ということだけはわかったが、内容のないストーリー。
ストーリーと主役に違和感
堺雅人にこの役はあわないと思うのです。
ストーリーは破綻していますが、それ以上に主役の人物像がより破綻しています。
無気力な割に細かいことに気がついて丁寧だし。
復讐に燃える割に野放図な感じてもあるし。
堺雅人のただずまいは、合理的な感じなので、より一層の違和感を感じるのです。
元になった舞台はあるようだが、この映画は香港映画みたいに、脚本とか...
元になった舞台はあるようだが、この映画は香港映画みたいに、脚本とかなくて現場でオールスターの達者な役者陣にカメラ回しっぱなしにしてアドリブで好きにやらせて後から繋いだんだろうと見てて確信した。
出てくるキャラがどうしてこう動くのかがさっぱりわからないし。
テレビ屋さんが作る映画特有の数字の獲れる役者さんは押さえました!で、仕事終わっちゃったんだろうなあ。。。
【堺雅人さんがあの笑顔を封印し、山田孝之さんの狂気が炸裂した作品。物凄い緊迫感、重苦しい雰囲気に飲み込まれていく作品でもある。】
冒頭から、不穏で重苦しい雰囲気が続く。
ぶ厚い眼鏡を掛けて、表情すら良く分からない笑わない堺雅人と狂気を帯びた山田孝之演じる人物のラスト対峙する雨中のシーンは必見である。
今や邦画界の中堅の座を確たるものとした綾野剛はじめ、新井浩文の姿。(更正してきちんと帰ってこいよ!)
山田に良いように支配される人物を田口トモロヲ、谷口美月など今(2019年)にして思うと豪華な俳優人を配して、自らの舞台の作品を見事に映画化した赤堀監督。
「葛城事件」に引き続いての新たな赤堀ワールド作品の映像化を希望します。
エンタメに流れ過ぎる事無く、しかし魅力溢れるとても印象深い作品である。
<2012年11月17日 劇場にて鑑賞>
どんな対決になるのか? そこだけの興味で最後まで観た。 どうなるの...
どんな対決になるのか?
そこだけの興味で最後まで観た。
どうなるのか?ほんとそれだけのために我慢をし続けた。
我慢して我慢して出てきたものが、あれか?
典型的な邦画
ストーリーやこの作品が伝えたかった事なんてどうでも良くなるくらい作り方が生理的に合わないというか。。
山田孝之をはじめ良い役者さんが揃ってるけど、何というか一つ一つの演技が舞台並みに大袈裟すぎて気になって仕方ない。
最後の激しい雨の中のシーンも何というかよくありがちな演出でいかにも雨を降らせてます!って感じで、役者さんはそれに負けない迫力ある演技をしてくれました!と言わんばかりのベタな作り。
古い時代劇で切られたお侍さんが大袈裟な顔芸で死んで行くみたいな演技をずっと見させられてる感じです。
2度見たら良かった
高校生の時に堺雅人目当てで見て、作品全体のセリフが気持ち悪くてダメだった。映画っぽくない、演劇っぽい?台詞だと思う
あらためて見直したところ、終盤の役者の演技がすごすぎる。君はなんとなく生きてるよ、と繰り返すところやプリン……
山田孝之と堺雅人でこの映画を撮ってしまった罪は重いが、泥乱闘とプリンの為だけにも見る価値はあると思う
運が悪かった事故に
1つの事故から始まった最悪な日々を加害者と被害者の遺族を取り巻く環境や状態を見せながら進む話で、どういう生き方かどの役にもしっかりとあってセリフが割と少ない作品だったので、色々考えるものがあって感情移入させられた。どのキャストも演技派だったので観やすかった。聞き取れないセリフも何個かあったが許容範囲だった。展開には不自然さは無く観やすかった。ラストシーンは事故からの5年間を断ち切ったようで印象的であった。8月11日からは違う人生がそれぞれ始まったり始まらなかったりしたのだろうと考えられる。ハッピーエンド、バッドエンドの判断は難しく、余韻が残る作品になっていると思った。
とても残虐的で、ラストは希望
この監督が撮った1本目の作品。監督のことはよく知らなかったが、まわりを固める俳優人と作品内容に興味があったので、公開初日劇場に足を運んだ。山田孝之が演じた残虐な人間そのものには迫力があり、堺雅人が演じる復讐にすべてをかける人間には、その悲劇さは少しばかり大げさに見えたものの、ラストの希望と救いには「ああ、良かった」と心に残るものがあった。とくに自分にとっても家族のことで心に残る日でもあったので、それが後押ししたかもしれないが。
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