私が、生きる肌のレビュー・感想・評価
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肌に隠された秘密
屋敷の一室に監禁されボディ・ストッキングをまとった美女ベラの登場シーンからいきなり始まます。彼女の存在、天才医師ロベルとの関係そしてなぜ監禁されてボディ・ストッキングをまとっているのか一切分からず進んでいく物語です、観るものは頭が???のまま、前半はただベラの美しさに見惚れるしかないのです。
美しきロベル妻は、炎に包まれ命は助かったがその姿に絶望し、自殺を選ぶのです。それが故に、助けられなかった形成外科医であるロベルの"究極の肌”への尋常ならぬこだわりが感じられます。
が、常識的に考えるとものすごく変態的な狂気です。軟禁した人間を亡き妻そっくりの美女を作り上げるのですから。しかし、さすがのアルモドバル監督といいたいです。すべてのシーンに無駄がなく美しく、それゆえロベルの異常なまでの行動が美化されてしまいます。官能シーンも幾度かか出てくるのですが、いやらしさが感じられない美しきエロスと感じます。
ただですよ、この映画が変態的な美しさだけで終わるわけはないのです。はい、映画を観ながらずっと引っかかること、それは妻そっくりに変えられる人間はいったい誰なのか?という謎なのです。観終わった後に邦題をよく考えると恐ろしさを覚えました。
いや、これ凄い映画なんだけどさ…
凄い映画なんだけど、
もう少し先が観たい。
正直、これまだ第一章でしょって思っちゃった。
でもそれはやっぱり、
現代の概念で観ているからで。
これ2011年の映画ですよ。
「彼は秘密の女ともだち」が2014年、
「ナチュラル・ウーマン」が2017年。
そう考えると、とんでもないのかもな。
多分、監督自身は人体とか肌に興味がありそうだし。
でもやっぱりあのラストシーンの先で、
母親がどんな事言うのかは見たい。
もっと言えば、どうやって自分の人生に戻っていくのかが見たいのよ。
期待していただけに。
TSUTAYAでレンタルしてチラ見しました。
ネットで2chまとめサイト(狂気じみた映画BEST!云々..)とか見て、初めて聞いたそのタイトル、そのストーリー展開に期待して観ましたが、いまいちモノ足りなかったかな。
ストーリーのアウトラインだけ聞くと、ものすごく狂気的で且つ、猟奇的な映画だと思ったんだけどね。映像美も画角とかも、もちろん問題なく上質だし、バンデラスという一流俳優出てるし、女優さんは奇麗だし..だからこそ、自分的には非常に期待していただけに、そのぶんガッカリ差も大きかったです。
けどそれは監督が超一流監督だからこそだよね。ストーリーの狂気さを、その手腕の上手さが殺してしまっていて、こその雑味もなくて少し退屈。
見ている自分の感情の起伏もラストまでほぼ平坦に進んでいきました。
他の方のレビューはいろいろと書かれているけど、私的にはとても退屈でした。
~劇終~
亡き妻を造る・・・
面白い邦題をつけましたね♪ すごい物語ですねえ~、男を監禁して妻そっくりに手術して抱いちゃうんですから・・人はみんな大なり小なり変態ですが(笑)、これはかなりの・・変態?狂気?どちらかな?どちらもかな(笑)
アルモドバルはマッチョがお嫌い
公開当時、今はなきシネマライズで鑑賞して、8年ぶりに改めて再鑑賞しました。今作は、アルモドバルの芸術的センスと変態的な思考の集大成ですが、珍しくオリジナル脚本では無いんですよね。オリジナルでもおかしくないくらい、アルモドバルWORLD全開で大好きな作品です。
今作は内容がサイコですが、どんな作品でもアルモドバルから感じるのは、マッチョイズムに対する嫌悪です。マッチョな考えで女性を支配し傷つける男は、必ず死ぬか酷い目に合います。そして、男も女も最終的に必ず頼って帰る場所が、女性(母親)の元であり、助け支え合うのも女性達なのです。これが、アルモドバルの作品を理解するポイントだと思います。
アルモドバルが数多くの女性達から熱烈に支持されるのは、マッチョであり権威的な男性中心社会を意識下でも無意識下でも嫌っている女性の感情に共鳴をしているからなのでしょう。
ラストでベラが一番初めに行った場所は、母親のドレスショップです。つまり、息子が最終的に頼り帰る場所が母親のいるドレスショップであり、息子の生存を証明できる物こそが、来ていたドレスであり母親なのです。ラストに至るまでのドレスの伏線が、実にアルモドバルらしくて、流石だと唸りました。本当に素晴らしい作品です。
遺伝子の二重螺旋のような不思議な映画。アルモドラル版「ピグマリオン」「めまい」といったどころか。※因みに「変態」という言葉は嫌い。人は大なり小なり皆変態だから。それをいう輩は無自覚なレイシスト並み。
①いつものアルモドバル映画と少し違うなと思ったら原作ものでした。②しかし、時空と視点とがあちこちに飛んで予測不能な筋書、でも最後はキチンと収束するところはアルモドバルらしい脚色のうまさ。③一種のマッド・サイエンティストものだが、誰もが被害者で誰もが加害者のようで誰にも感情移入出来ずにいる内にラストを迎えるが、何故か最後は戦慄を覚えて肌が粟立つ。
何よりも強い人肌の研究に没頭する主人公。 目的は亡き妻を創造するこ...
何よりも強い人肌の研究に没頭する主人公。
目的は亡き妻を創造すること。研究のために人体実験を行う。
この映画は展開も衝撃的だし、何よりも主人公の強い復讐の力に圧倒される。
ただ亡き妻を再現するだけでも狂気を感じるがそれ以上の狂気がこの映画にはある。観ていて少しグロテスクな場面もあるが非常に引き込まれていった。最高のサイコだと感じた。
視覚よりも精神的にやられる。柔らかな狂気。柔らか、な部分が実は一番...
視覚よりも精神的にやられる。柔らかな狂気。柔らか、な部分が実は一番危なかったり。思い出しただけでゾッとする。サイコ系苦手な私がきちんと観れるくらいだから、本物のサイコ好きには物足りないかな?、、
たまにこういうの観ると面白い
スカッといい作品だった〜って手放しで思えないのがこういう作品。でもたまになら新鮮で面白い。いつもだとつまらない。それくらいが丁度いい。ムカデ人間を観ているようだった。
予想の斜め上をいくとはこの作品のこと。原作読んでないけれど、本のほ...
予想の斜め上をいくとはこの作品のこと。原作読んでないけれど、本のほうも凄そう。ラストはそりゃそうだと思うものの、他は全然思いもよらない。斜め上って観た人みんなが言いたくなるとおもう作品。
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