「カヲル君の謎や結末について考察と解説」シン・エヴァンゲリオン劇場版 レイさんの映画レビュー(感想・評価)
カヲル君の謎や結末について考察と解説
ざっくりネタバレについて書きます。
・カヲルについて
カワルは『生命の書』にシンジの名前があると言っていました。生命の書は死海文書とは異なりますが、どちらにせよカヲルの発言から読み取るに、その書に記されているシンジの名はQの世界にいたカヲルが書き記したものではありません。(死海文書はゲーム設定ではアダムス、生命の書は謎のまま)
カヲルはこの書によってシンジを知り、そして好意を持ち、幸せにしようと動いていたと思われます。
ここでループ説についてですが、序→破→Q→シン・へと時系列は変わっていません。それと旧アニメや旧劇場版からの作品上で直接の繋がりはありません。
ですが、カヲルの存在によって今までの数ある世界には“エヴァンゲリオン”があり、インパクトが繰り返し起こされていたであろう事は認められるので各作品での世界線については変わっていないとは言い切れません。
今作で、カヲルは何度も自分の『役割』を果たそうとしていた事が語られます。
この『役割』とは“エヴァ世界におけるカヲル”に与えられた役目の事であって、メタフィクションな発言が含まれています。(※追加のメタ表現としてカヲルとの別れのシーンで、新劇のシンジが見ていないはずの旧作でのカヲルとの思い出の場所が映し出されます)
様々な世界があったからカヲルは無数ある棺から世界が変わっては目覚めて、変わっては目覚めてを繰り返してシンジを幸せにしようとしていました。
結果、世界線が違うエヴァの世界は存在していたし、ループしていたかもしれないといえばそうとも言える。あくまでそれは主人公であるシンジがエヴァありきでやり直す事を望んだ世界があったならですが…
私的には作品上の世界ではループは起こってなくて、カヲルだけはループしていた世界から登場してきたという結論です。(カヲルが経験したループ世界の中に旧作のような世界もあった可能性はあり)
シン・エヴァでシンジがカヲルの助けもいらない大人になり、エヴァンゲリオンの無い世界を選んだのでカヲルの役目も終わりました。
・ゲンドウはユイに会えたのか?について。
最後にゲンドウはシンジの中にユイがいた事に気づきました。ですが、気づいたと同時に舞台から降ろされてしまいました。
ユイは破で覚醒により初号機とシンジが同化した時に、シンジの中に入ったと思われます。
結論ですが、ゲンドウはユイと会えていたが最後の瞬間まで存在に気づけなかった。
ゲンドウが裏宇宙でユイを探しましたが会えなかったのは、シンジがアダムスの魂を有し、ゲンドウと同じ存在だった為に生命のコモディティ化?に巻き込まれず、シンジの中に留まっていたからです。
向き合い方が分からず最後まで息子と接触する事を恐れていた為にシンジの中のユイに気づく事ができなかったという悲しい結果です。
最後に気づいた事でゲンドウが報われていたのならいいですけどね、最後の背中がちょい寂しかった。
・シンジがマリと手を取った最後
私としてはレイやアスカやカヲルが一緒の学校、一緒のクラスで楽しく過ごす的なありきたりなエンドがベストでした。マリとは繋がったままレイやアスカとの関係が切れてるのを受け入れてしまうのが正直ツラかったです。
エヴァの無い世界を望んだら、本来エヴァがあってこそ関われた者と『他人』になるのは当然の結果なので、受け入れるしかないんでしょうね。
マリは現実という宇宙でシンジを見つけてくれた大切な存在だろうし、ファーストインパクトが無かったら存在しなかったレイやカヲルが、他人ではあるが人間としてどこかで生きていてくれるだけで良かったと思うようにします。
でも俺、レイが好きだったんだよぉおおおおおおおおおおお!
何でカヲルと一緒におんねん!?どういう関係なんや??似てるって言ってたから兄妹か?恋人ちゃうよなぁ?イケメンと美女でお似合い過ぎやわ。せめてシンジとくっついてえな。オオオオイイイイ泣
※追記です
・最後にゲンドウが電車を降りた描写について
裏宇宙ではATフィールド(心の壁)を持たないシン化(疑似シン化)したような者しか存在できません。(長くなるのでマリやミサト、冬月が一時的にでも入れた理由は省きます)
ゲンドウはネブカドネザルの鍵(おそらくアダムスのうち一体の素体)を体に取り込み魂に定着させて第13号機(同じくアダムス素体で作られたエヴァンゲリオン)と一体化をし、シンジは破で覚醒しているので初号機(同じく以下略)と一体化しています。(※ただびとではDSSチョーカーをつけて監視される事はないのでシンジの頭部(魂)が人の魂ではなくなっている為に前記で『アダムスの魂』と表現しました。心の壁を持たないエヴァンゲリオンと一体化する為の資格のようなものです)
ゲンドウはシンジに深層心理で心の壁を作っていた事に気づいてしまったので『人』に堕ちてしまい資格を失ってしまいました。電車から降りただけに見えますが実際には冬月のようにL.C.Lに還っています。
・式波シリーズについて
そういう設定が無い世界線がある事も考えられますが、今作においては人に使徒を“寄生”もしくは“共存”させる計画で作られたのだと思われます。
ゲンドウの事なので第13号機の覚醒に利用するためのシナリオとしてアスカの行動、その結果すら全て予定されていたのかもしれません。
もう真希波シリーズがあったとしてもおかしくないですね…
815oroさん、うさきんぐさん、コメントありがとうございます!
今作では私のようにレイやアスカ推しでショックだった方も少なからずいたみたいですね。
あのあと渚司令について考えたのですが、あれはカヲルが司令の立場だった別の世界線での出来事を思い出していたのかなぁとか思ったり。
司令室での姿を見るとゲンドウと重なって見えたので、ただのミスリードなのかもしれませんが、カヲル自身がメタフィクションな存在だから、今作においてカヲルはゲンドウのクローンなのでは?と思ってしまいました。
誰かのレビューにもありましたがピアノが好きな共通点などありますし、それなら最後にレイとカヲルが一緒にいても違和感なく思えました。
考察面白かったです。
私もアスカが好きだったので最後シンジと手を繋いで欲しかったなんて思ってます。
レイとカヲルは実質リリスとアダムなので運命的に結ばれたのかと
見事な解説ありがとうございます。
シンジとレイの関係性ですが、スピチュアル的に言えば、一つの魂を二人で分け合ったツインレイです。
お互い学びを終えて統合されているので、必ず出会えます。ご心配なく。