「終わっても、しばらくは余韻に浸っていたい映画。別に面白くもないし、感動して泣く事もない。」桐島、部活やめるってよ マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
終わっても、しばらくは余韻に浸っていたい映画。別に面白くもないし、感動して泣く事もない。
「少女は卒業しない」(2023.2)公開記念で、同じ朝井リョウ原作の「桐島」(2012)が、3/4(土)~3/10(金)1週間限定上映。ということで鑑賞。ありがとう立川シネマシティさん。
原作に不思議な魅力があったので、公開時(2012.8)に見た。さして面白くもないのにナゼか気に入ったので何回も見た。
高校時代は遥か遠い太古の昔で、断片的記憶があるだけで、映画を見ても全く懐かしさも覚えない。もちろんスクールカーストなんて概念もなく、微かな記憶ながら、バスケ部だった自分が文化部や帰宅部をみくだしたこともなく、見聞きした記憶もない。
今回、久しぶりに見て、いやまさに、心に響いたとか、心に刺さったというのは、こういう事を言うのだろうと思った。特に面白い出来事もドキドキもハラハラもワクワクも何もない(微妙に少し有るが)。ふつうの高校生の日常の4~5日がただ描かれるだけだ。印象に残った場面はたくさん有るが、感動して心が震えたという事もない。
だのに、映画が終わり場内が明るくなっても、しばらくこのまま余韻に浸っていたいと思った。端の席だったので仕方なくたった。場内のお掃除もあるし。
ちなみに私は、本編終わったらサッサと出る派で、エンドロールは作品の一部とは(絶対)認めない派だ。基本エンドロールは人生最大の無駄時間と決めつけている人種(あるいは悪魔族)だ。オマケ映像があるのを知ってても見ないで出るときがある。
そういう人でなし(?)の人間が、明るくなってもしばらく余韻に浸っていたいと思ったのだ。うまく言語化出来ないが(するつもりもないが)、「桐島」とは私にとってそういう作品だ。1週間やってるのでまた見に行く。
公開時は「スペック」の神木隆之介さんしか知らなかった。この作品でファンになった。橋本愛さんはまだ「あまちゃん」でブレイクする前だし、東出昌大さんはコレがデビュー作。今回出ていたのを初めて知った仲野太賀さんはまだ太賀で活動してた。松岡茉優さんは何の役だか知ってなかったら分からなかった。
今回、はじめは当時知らなかった役者のことを気にして見ていたが、だんだん映画に引き込まれていった。
名作だと言われてるが、「少女は」がつまんなかった人は、きっと、もっとつまんないと思う。映画館でよく寝て疲労回復には効く。