おおかみこどもの雨と雪のレビュー・感想・評価
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過去は思い返せば美しい
この監督の映画は初めて観ましたが、素直に描写力が凄いなと感心しました。
雨と雪のマイノリティ的な心情は自分が幼少期の頃に感じていた感覚と少なからず似ていたのもあってか「思い返せばそういうこともあったなぁ…」という情景の連続で、中盤辺りから完全に入り込んでしまい涙腺崩壊。
映画が終わった後にレビューを流し読みしていると「意外性がない」、「花は苦しいはずなのにスムーズに話が流れすぎる」、「単調…」といったものをチラホラ見受けるのですが、
雪(か、雨)の独白で物語が始まるのをことから、良い意味で美化された経験を思い返しながら話しているが故の感覚だと思えば納得のいくストーリーだと思います。
ただシーンが変わる事に主軸が母、娘、息子、母…とさり気なく移り変わっていたり、時間軸が1日なのか1ヶ月なのか1年単位なのか所々分からなくなる部分で混乱してしまったのは残念かなと。(しかし、そこが曖昧だからこそ泣けたのかも…。)
総評では観て良かったと思える作品でした。お盆の時期に観てこそ真の力発揮する映画だと思います。実家に帰りたいです(笑)
一番大切なのはいつも笑顔でいること!
おおかみこどもの子育て映画
親として共感!
親に連絡したくなりました
開始2分で涙がとまらなくなり、、、
理不尽な不幸に対しいつも笑顔の花が気持ち悪い
2人のおおかみこども(狼人間)の姉弟とそれを育てる母の話です。
アニメの画風はおとぎ話でもなく現実でもない不思議な世界観によく合っていたと思います。
ところでこの作品を見ていて、この作品の主人公である母親・花に嫌悪感を覚えました、いつも笑顔で気持ち悪いと思ったのです。
作中で人間ではない子供を育てるために花は理不尽な不幸に襲われます。
国立大の学生という、恐らく苦労して手に入れただろう立場を捨て、住居を移り、陰口を叩かれ、都会人はと馬鹿にされ、子供は問題ばかり起こし、慣れない田舎の生活に苦労し、子供の将来のことについても気が重かったでしょう。
そういった状況で常に笑いつづけている花は非人間的な自己犠牲の塊であるように感じました。
男の身ながら母性というものは痛々しい程の自己犠牲を笑顔でやってのけるものなのか、とも思ったのですがやはり違和感があります。
自分は子供を育てた事はないので自分の母親のことを考え、母は自分を育てる時に、これほど自己犠牲の塊だったか、とも考えました。
母は人生のかなりの部分を子育てに費やし苦労もしていましたが、それは自己犠牲と感じさせるものではありませんでした。
その2つの差が何であるかを考えたとき、この映画には人生の8割を占めるであろう平凡な生活のちょっとした幸せが描けていないのではないかと思わずにはいられません。
映画というジャンルの特性上、2時間という短い時間のなかで話を完結させる必要があり、どうしても描かなければいけないイベントの目白押しになってしまいます。平凡な幸せをじっくり描くのは難しかったのだと思います。しかしそれを表現してこそはじめてこの作品の花の行動に説得力が生まれるのだと思います。
子育ては大変ですが子育てから得られる喜びもあるはずです。前者についてこの作品はしっかりと描けていると思いますが、後者についてはおざなりになってしまっている。そのためこの作品はリアリティに描けてしまっていると考えます
情報出しすぎ
こんな作品を作れるのは日本だけ!
小学3年生以上の女性に是非観てもらいたい映画!
当たりの数だけハズレがあるのが映画ですね。
125分に入りきらないほどのストーリーなんですね。
恐らく半分程度のストーリーで良いかと思います。
アンパンマンがなぜ、どういう仕組みで空を飛ぶのか誰も考えずに見てるのは、数十年間の歴史であり慣れなんですね。
どうしても、はじめてみた映画のストーリーには、なぜこうなるの?に答えなければストーリーに入っていけないと思います。
現実的には、一瞬で変身出来ない訳ですから、変身の様子をもっと時間をかけて丁寧に描くと、良かったのかな?
まぁ、変身自体も現実的ではないのですが、そこまで追求すると、全ての映画が成り立たないと思います。
映像的には、実写をトリミングしている場面が多いのですが、私には、手間をかけずに安く作るために感じます。
私には微妙・・・
映像がとてもきれい
小さなお伽噺を聞いた感じ
綺麗にまとまっているけど、素っ気なく終わった感じで、何か寝る前に小さなお伽噺を聞かされて、途中で寝てしまい、それで最後どうだったっけ?って感じの雰囲気です。
大人が映画館で見るほどじゃなく、感動する訳じゃなく、かと言ってつまらないって程じゃない。
まぁ小奇麗にまとまってる感じですね。
主人公少女がお母さんに謝るシーンなどでは、少々目が潤みかかりましたし、幼い姉弟の行動に笑わされ、娘の成長に感心し、息子の変化に動揺する。
そんな感じで小綺麗にはまとまってるんですよね。
非難するほどではないし、滅茶苦茶絶賛する感じでもない。
あえて、おや?って部分を言うと、前半セリフもナレーションもが少なく、淡々とシーンを進める辺り、ちょっと不思議な映画でした。
「時をかける少女」「サマーウォーズ」は、私の好きな映画に入るので、今回も細田さんの映画に期待してた部分は、少々残念な感じは残ったかな。
肝っ玉母ちゃんの子育て奮闘記
んー賛否分かれそうだなー、と観賞中なんとなしに思いながら観てました。
大雑把な説明をすれば『おおかみこどもの兄弟を産み、一人で育てると決意した花ちゃんの子育て奮闘記』とでも言えば分かり易いでしょうか。
まぁーこの花ちゃんがですね、兎に角!性格が菩薩様なんですな。
心が透き通るほどに無垢で純真で優しくてひたすら健気。
狼に変身しちゃう子供2人を、彼女なりに愛情たっぷり育て上げる姿を我々は追ってく訳なんですけど、ここまで底なしの優しさと前向きさをストレートにぶつけられると、少しこっちへの当て付けっぽくも感じてしまってw
母と子というか、人に対しての献身さをここまでちゃんとお前ら持ち合わせているのか?みたいなw
世界中探してもまずそんな慈愛に満ちた女性いないよね?ていう(全く存在しないとは言いませんよ?)。おまけに可愛いし。
ジャンルとしても逞しく大らかな女性像を描きたかったってのは分かるんだけど、少し美化され過ぎやしませんか?という。
多分ですけども、この花ちゃんの性格って観客の好き嫌いが大きく分かれるんじゃないかなー、とも思ってですね。
これも賛否両論の要因になり得るなー、と。
あと、唐突にダイナミックなスピード展開を途中で挟んできたり、大いなる壮大な情景描写を見せてきたり、それがちょいとテーマとかけ離れた演出だったりするんで、少し散漫というかチグハグというか、そこも評価分かれるかなー、と。
いや、ただですね。今挙げた部分が決してダメって訳でもなくて。それを額面通り素直に受け止めれれば決して悪い作品でもないと思ってて。
自然描写がリアルで繊細で瑞々しいし、流麗に流れるアニメーションをそのまま感受すれば、それは素敵な寓話、ファンタジーである訳ですから。絶対楽しめるハズ。
アナタはどう思われましたか?
今この時、一緒に何をしようか
親離れ、子離れ
大学生の花が、キャンバスで見かけた〈彼〉とすぐ仲良くなるのはわかる。惹かれるというのは、そういうことだからだ。
その〈彼〉が実はオオカミだったというのが物語の発端だが、花はその事実をあっさり受け入れる。なんの葛藤もないのは不自然だ。
二人の間に、人とオオカミの顔をもつ雪と雨の姉弟が産まれる。
ところが〈彼〉は、あっけなく死んでしまう。
このあと花の苦戦ぶりが描かれ、ようやく話に本腰が入る。近所とのトラブルや家主からの苦情、行政指導員の訪問などは現実感がある。成長していく子供たちをいつまでも人目から遠ざけることはできない。
花が子供たちを連れて、遠く離れた山中に引っ越すことを決断する動機付けは充分に描かれている。
山の生活に入ると、絵はますます美しくなって、日本の原風景を堪能できる。
ところが、これにCGの手が加えられたとはっきりわかるコマを見せられた瞬間、「おおかみこども」の世界から現実に引き戻されてしまうのだ。
とくに水がよくない。フルCGのアニメでも、水が妙にリアルで全体の画から浮いてしまうことがよくある。「タンタンの冒険」や「カーズ2」でも、海のシーンだけアニメに見えなくなる。実写映画でCGの水を描き加える時代だ。リアルに見えるのも当然だ。それだけに、せっかくの美しい手描きのセル画にCG処理を加えるときは慎重さが必要だと思う。
本作の雨のシーンはたしかに描写が細かい。だが、背景の画との違和感はフルCGアニメの比ではない。せっかくの絵が作りものに見えてしまう。
物語に戻るが、人の目を避けてこの山村に逃れてきたはずが、思いもしない人情に触れることになる。
とくに韮崎の爺さんがいい。花が耕す畑をもっと広くしろという。その理由が分かったとき、人付き合いの温かみを知る。
ぶっきらぼうだが思いやりのある爺さんに菅原文太の声がよく合っている。
成長してきた雪と雨、ふたりともまだ小学生だが、精神的には逞しく育ち、それぞれ自分の将来を見据えていく。
この作品は、意外なほど早く訪れる、親離れと子離れを描いた物語だ。
ただ、話が散漫で、親と子の心が充分に描かれたとはいえず、凝った画づくりよりも花が自身の子離れを受け入れるまでの親の成長を見せて欲しかった。
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