裏切りのサーカスのレビュー・感想・評価
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2回目でようやくいろいろとわかった。
劇場公開当時、映画館で観たときは
「おお!なんだか知的な感じで面白い! で、モグラはスマイリーの可能性があるということ??」
と全然間違った解釈をしていたことに、今回じっくりアマプラで観てはじめて気づいた。。。「モグラはスマイリー」の方が深いけどね(笑
しかし、豪華俳優陣だったんだな。。
・ゲイリー・オールドマン
・ベネディクト・カンバーバッチ
・コリン・ファース
・トム・ハーディ
・トビー・ジョーンズ、、、
あと、「男同士の恋」や「敵との恋」、「寝取られ」など、全編に渡って色恋が重要なピースとして散りばめられていたんだな。。男たちの知的な謀略戦争ぐらいしか当時は記憶にない。 (何を見ていたんだ!)
あと疑問に思ったのだが、「こちらは実はしょうもない情報を渡していて、相手も実はしょうもない情報をもらってたのなら誰も被害にあっていないのでは?」と思ったのだが。
こうやって繋がることで、米の「しょうもなくない情報」が東側にいくのがダメということなのかな?
あかん、まだわかってないわ。。
鏡の世界と対峙するような迷宮のラビリンス
派手な銃撃や爆破、アクションは一切なし。むしろファイルを盗み出したり、裏切ったり裏切られたりといった最低限の動きにこそカタルシスがある。鑑賞中、ついつい眠気に襲われたり、あるいは難解さに音を上げてしまうケースも多いだろうが、しかし、本作は逆に何度も繰り返し観ることで楽しみ方が深化していく稀有な作品でもある。最初はストーリーに主眼を置き、今度は名優の演技に酔いしれ、それからこの物語を取り巻く「様々な愛の形」にも注目しながら鑑賞してみることをお勧めする。するとスマイリーと妻の愛とはまた別に、彼と“カーラ”もまた、何やら言い知れぬ深い愛で結びついているように見えてくるのだから不思議なものだ。鉄のカーテンの向こう側の敵と戦いながら、最終的な目的は最も近くにいる妻を取り戻したいということ。あるいはその逆も真なり。この鏡の世界と対峙するような感覚こそ、ル・カレが描きたかった迷宮のラビリンスなのだろう。
複雑だが、良く出来たスパイ・スリラーだ。
英国諜報機関の内部にいる、二重スパイの探索を描く。全編を通じてシリアスで、緊張感を持った映画だ。アンサンブルキャストの抑制された演技が、キャラクターを完璧に表現している。
観る者に、忍耐を要求する作品ではある。登場人物が多いし、次々と起こる、たくさんの事柄を追っていくだけでも、大変かもしれない。一度見て分からなかった人も、二度三度と、間をおいて繰り返し見直すと、分かるかなあ?
全体的に、穏健で奥深い映画だ。無駄な要素が無いし、数多くの要素を、非常に良くまとめていると思う。その一方で、もう少し長くなっても良いから、ちょっと説明がほしかったと思う観客もいたかも。
派手なアクションは皆無だが、複雑な関係の駆け引きを巧みに描いた、スパイ・スリラーだ。美しく魅力的な演出だし、中身が理解できれば、良く出来たスパイ・ミステリーとして評価されると思う。
鑑賞動機:原作10割
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』既読。と言っても4人の中の誰がもぐらなのかという、ミステリ的興味で引っ張っていく話だとは覚えていたが、誰かは忘れてたけど。
余計な説明セリフないので、かなり集中して観ないと/観ていても「え、今のシーンはどうゆうこと?」ってなってしまう。溜めて溜めてから「お前かー!」と明かされるわけだが、まあそんなに意外ではないし、この映画のポイントもそこではないんだろう。見せる/見せないの選択や情報の出し方は、意図があってされているようだが、それをどこまで汲み取れるか。
この頭のキレるダンディなスマイリーが、アンが絡むと途端にへにょへにょのいじけたオジさんになってしまうのが、何ともやるせない。
128分間一瞬も気が抜けない緊張と集中を求められるスパイサスペンス映画の大傑作!
4月20日を以て国内での上映・配信が終了する『 #裏切りのサーカス 』を #新文芸坐 さんの粋な計らいで35㎜フィルムにて鑑賞。
会場も完売満席。
128分間一瞬も気が抜けない緊張と集中を求められるスパイサスペンス映画の大傑作!
キャストも豪華で誰が真犯人か最後まで翻弄されましたね。
国内最終上映にギリギリ間に合って良かったです。
難しいけど大好き
ゲイリー、コリン・ファース、剛さん、ベネさん、と
英国の名優揃いがうれしい。
ただ日本人が初見で理解するのは不可能かと。
イギリス人にとっては、原作小説はとても有名らしいけど、
私は初回でポカンとして、
解説サイトを完読してからの2回目でストーリーを把握、
3回目でやっと細かいところを楽しめる感じでした。
でも分かってくればくるほど、スマイリーの狸親父っぷりとか、カーラについて語るときの演技とか、当時のイギリスの雰囲気やファッションとか、イリーナが死んでることを最後まで知らないターとか、、たまらないんよね〜!!
一度くらい劇場で観たいから、再上映してくれないかしら。
じわじわと面白くなる
裏の世界の男たちによる緊迫感のある出だし。
しかし、話が進むに連れて登場人物それぞれの人間臭い部分が徐々に見えてくる。そして、それぞれの繋がりが明らかになってくる終盤、霧が晴れるように謎が明らかになってくる爽快感がたまらない。
ラスト、こわばっているようにも見える主人公の表情。その後カーラとの間でどの様な駆け引きを繰り広げる事になるのだろうか。
ゲイリー・オールドマンを筆頭に、大人の男の色気を漂わせた登場人物たちを観るだけでも楽しめる。気づいていない事がまだたくさん有りそうで、直ぐに見直したくなる、そんな作品だった。
能く解らない・・
自分の理解力が悪いのか? ル・カレを読んでる人はすぐに解るんだろうか。
雰囲気はバリバリ、英国人の名優オールスターで眼福ではある。でもこんな高評価なんだろうか?
酒で面白いシーンが有った。仕事中もウイスキー飲んでる、医者に止められてる人にも勧める、勧められると飲んじゃう、勧められたウオッカには手を出さない、英国人って・・・
難しすぎ。私のようなアホには無理(笑) とにかく裏切りスパイを探せ...
難しすぎ。私のようなアホには無理(笑)
とにかく裏切りスパイを探せばいいんだなと思いながら見たが、誰が誰か、何のために何をやってるのか、部分的にしか分からず。分からぬところが多すぎて話が繋がらない。よってスパイが分かっても驚きも感動もなし。
もっと親切心を持って作ってほしい(笑)初めて見て理解できる方を心より尊敬します(笑笑)
ネットのあらすじ片手の鑑賞をおすすめします。ただしネタバレにご注意。
難しかった。難解や解釈違いとかでなく難しい。人物名もそれぞれの役割...
難しかった。難解や解釈違いとかでなく難しい。人物名もそれぞれの役割も覚えきれないまま終わった。きっと何かあるんだろうけど2回は見ない。そこに傑作との違いがあるのだろう。
ゲイリー・オールドマンがむちゃくちゃカッコいい
東西冷戦下、ソ連との情報戦を繰り広げてきた英国諜報部、通称"サーカス"の幹部連の誰かに二重スパイの可能性があるとして、かつて、ある失態を理由に解雇された、元サーカスのトップスパイがその疑惑を解き明かしていく。
スパイという職業の虚無性は想像を絶する。もはや孤独という領域を超えて無に近い。一方で、この上なく不確かな存在と気付いていながら、そこに魅了され、思考と行動を抑えきれない性。
ハリウッド的なスパイとは一線を画し、非常に静的にミステリーが解き明かされていく。登場人物それぞれの歯噛みするようなドラマが盛り込まれて、多層的で重厚なヒューマンストーリーに仕上がっている。
ゲイリー・オールドマンがむちゃくちゃカッコいい。英国紳士然とした佇まいにスパイの虚無性を内包する眼差しと沈黙。何よりも声のトーンと抑揚が科白ひとつひとつを詩に昇華させる。
画面の設えも生々しく常に緊張感を伴う。登場人物が多く、映画全体の世界観を重視するため説明的要素をがっつり端折っているので、理解には若干苦労するが、上質なミステリーに仕上がっている。
なるほど、わからん…だが、
伏線が多く、時系列も入り乱れる。関係図が複雑でセリフだけではわからないシーンが多い。一度見て「なるほど、わからん…」となるも、不思議と退屈さを感じなかったのは役者人の名演のためか。
原題である「Tinker Tailor Soldier Spy」は、マザーグースの「Tinker Tailor Soldier Sailor」から来ていて、男の子が将来を占ったり女の子が将来の結婚相手を占うときに使われる定番の唄らしい。珍しく邦題が良い映画。
冷戦の終結によってスパイ小説作家の仕事がなくなったともいわれるが、ミュージカル「CHESS」と同じで冷戦時代の独特空気はなかなかソ連崩壊後を生きる人々には掴みにくいものなのだろうか。
この作品の面白さを理解できませんでした
最初からストーリーに乗れず、いつになったら面白くなるんだろうと思いながら観ていたら、結局終わるまで面白く思えませんでした
ストーリーが理解できてなかったのかもと思ってネタバレを読みましたが、しっかり内容を理解してるのに面白さが理解できてないという事でした
英国人ばかりの豪華キャスト、スパイ映画と、かなり期待していたのに面白さが理解できないとは自分にガッカリです
説明は除き、全てを映像で語ろうとしている、様々な愛のかたちを描いた映画?
スウェーデン出身のトーマス・アルフレッドソン監督による2011年製作のフランス・イギリス・ドイツ合作映画。原題:Tinker Tailor Soldier Spy、配給:ギャガ
有名らしいが、ジョン・ル・カレの原作は読んでおらず。
時間系列と登場人物、種々のエピソードが入り乱れて分かりにくく、観客の観察力・推理力に挑戦する様な映画との印象。無駄な説明は省き映像で人物像を語らせ、細部まできめ細かく作り込まれた映画で、随分とできる脚本及び監督とは思った。
最初のタイトルバックに重ねる映像、更に住まいやルーチン行動も示す一連の映像が随分と格好が良い。主人公ゲイリー・オールドマン演ずるスマイリーの立場や状況、更に性格まで、上官ジョン・ハートへの追随行動、そしてドアに挟む木片や郵便物の仕分け等で、見事に映像により語らせている。退官後、眼鏡フレームの色を変えるのも、観客に時間系列を明示する意味で上手い。
意味ありげに映す絵は、後に裏切り者コリン・ファース(「英国王のスピーチ」でアカデミー賞)がスマイリー妻にと持ち込んだもので有ることが明かされる。出ていった妻を深く愛しているせいか、その絵を捨てないでいるスマイリー。職員パーティーでスマイリー妻を誘惑していたコリン・ファースと、それに気づかないスマイリー。
両刀使い?のコリン・ファースはハンガリーで撃たれる工作員マーク・ストロングにもパーティーで色目を送っていた。解雇された女性職員キャシー・バークが持ち出す写真が示す、長い二人の関係性。スマイリーのために情報取るベネディクト・カンバーバッチも男性の愛人がいて、同性愛がやけに目に付く。諜報組織には多いのだろうか?
一方、イスタンブールに派遣されたハンサムなトム・ハーディは美しいソ連工作員妻スベトラーナ•コドチェンコワに恋し、彼女の西側脱出希望を成功させようとする。組織内上層部にスパイがいることを愚かにも本部に連絡し、必然的にソ連工作員から攻撃を受ける。ハーディは知らないが、美しい彼女が無惨に呆気なく撃ち殺される映像を観客は見せられる。
スマイリーは死後の住居訪問で上官ジョン・ハートにスパイである嫌疑持たれていたことを知り愕然としていたが、部下として動いてくれているカンバーバッチにも重要な情報は伝えていない。車内に入り込んだハチを慌てず冷静に窓を開けて外に出て出す姿やキャシー・バークに高級酒を土産に訪問し欲しい情報を得ること等も含め、諜報員としての戦略的資質をうまく表現。
スマイリーは、かつて愛妻からのプレゼントであるライターを、寝返りを促していたソ連諜報員カーラに渡したらしい。彼は今や敵側の長となリ、ハンガリーでの待ち伏せの指揮を取っていたことが、そのライターを映す映像で示される。スマイリーとカーラは敵同士であるが、何処かお互い恋愛をしている様な関係性が醸し出されるのが何とも不思議。
ラスト、コリン・ハートを撃ち殺すマーク・ストロングは深い愛の故にも思えた。スパイ映画の外形ながら、本当のところは、一方的な愛、同性愛に異性愛、更に宿命のライバル同士の愛と、様々な愛のかたちをこの映画は描こうしている様に思えた。
製作ティム・ビーバン、 エリック・フェルナー、 ロビン・スロボ、製作総指揮ジョン・ル・カレ、 ピーター・モーガン、 ダグラス・アーバン、スキー デブラ・ヘイワード ライザ・チェイシン 、オリビエ・クールソン、 ロン・ハルパーン。
原作ジョン・ル・カレ「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」、脚本ピーター・ストローハン、 ブリジット・オコナー、撮影ホイテ・バン・ホイテマ、美術マリア・ジャーコビク、編集ディノ・ヨンサーテル、音楽アルベルト・イグレシアス
出演ゲイリー・オールドマン(ジョージ・スマイリー)、キャシー・バーク(コニー・サックス)、ベネディクト・カンバーバッチ(ピーター・ギラム: スマイリーの下で働く)、コリン・ファース(ビル・ヘイドン(テイラー))、スティーブン・グレアム、トム・ハーディ(リッキー・ター、「ダークナイト ライジング」のべイン役等)、キアラン・ハインズ(ロイ・ブランド(ソルジャー))、ジョン・ハート(コントロール)、トビー・ジョーンズ(パーシー・アレリン(ティンカー))、デビッド・デンシック(トビー・エスタヘイス(プアマン))、サイモン・マクバーニー(レイコン次官)、マーク・ストロング(ジム・プリドー: ハンガリーで撃たれる)、スベトラーナ・コドチェンコワ(イリーナ: 敵側工作員妻)。
原作はジョン・ル・カレのスパイ小説
スパイ小説の金字塔をほぼ忠実に実写化。私は原作を読んでいたので凡そついていけたが、映画を一度観ただけで内容分かる人は殆どいないのでは。
それでも冷戦下にあった英国のどんより重苦しい空気感を再現し、その中で多くの名優達が緊迫したやり取りを終始繰りひろげる展開は非常に見応えがあるかと。なので私的には満点。
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