とらわれて夏のレビュー・感想・評価
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脚本をもカバーするケイト・ウィンスレットの力量
個人評価:3.7
人質と犯人との愛を描くという、他にも何本か見たような設定だが、少し違うのは母親が奪われてしまうという息子側の目線も描いている点だろうか。
わずか5日間の出来事で、ここまで関係が進むのは違和感があり、惹かれ合ったお互いのバックボーンの伏線の描写も分かりづらく弱い。しかしながら作品として見入ってしまうのはケイト・ウィンスレットの力量に他ならない。
また息子役の眼差しが常に悲哀を帯びており、役柄によく合っていた。
ちょい役だがJ・K・シモンズが出てくるのが嬉しいところ。
何度となく使われてきたような話なんだけど、でも好きだな~この映画
話としてはホント直球のメロドラマでしたが、正直現実的にはありえない、いかにも映画映画したメロドラマで、展開も分かり易く、何度かこんな話を見たような気もするので新鮮味もなかったのですが、でも・・・いい!単純に好きです、こう言う話、分かっていてもドキドキするし、ハラハラするし、最後は思わずグッと来てしまいましたよ。
直球な話だけに、作り手次第ではただクサいだけの話になった可能性もあったと思うのですが、そこはさすがジェイソン・ライトマン監督、人間の描き方が分かっている、三者三様どの人物の描き方も素晴らしかったし、どの視点で見ても感情移入できる見応え十分な作品に仕上げましたね。
それぞれの想いが集約したラストは本当に素晴らしかった、これ以上ない落としどころに素直に感動させられました、大人が見て楽しめる愛の物語でしたね。
物語の主たる視点が思春期の少年だったのも、物語によりよい味わいを与えていた印象でした、ちょうど大人の階段を上る時期、その危うい時期だからこそ、ある種スリリングに物語が推移した感じで、何かとドキドキさせられました。
ちょうど女に、エロいことに興味を持ち始める年齢ですもんね、その辺の描き方が本当にリアルに描かれていたと思いましたよ。
それと同時に、精神的に不安定な母親を僕が守ると言う、自覚が芽生えてきた時期だったのも、様々な感情に揺れ動かされるのが手に取るように伝わってきて、見る側も思わずもどかしい思いに駆られてしまいました。
母親を取られるかもしれないと言う不安感と、今まで得ることができなかった心地良い父性の温もりの中で揺れる少年の心が、とても印象的な作品でしたね。
そんな少年の視点に彩を与えたのが、ケイト・ウィンスレットが演じた精神的に不安定な母親とジョシュ・ブローリンが演じた脱獄犯のフランクでしたが、さすがは演技派の2人です、2人の演技には最初から最後までずっと惹き込まれっぱなしでした。
何とも言えないエロティシズム、脱がなくても、ラブシーンが無くてもエロい、演出も見事でしたが演技もホント見事だったなぁ、その間に息子がいるってとこがまたねぇ~、ピーチパイ作りが官能的でまたエロかった、ピーチパイがこの作品の象徴とも言えるキーになってましたね。
まさかのトビー・マグワイアも素敵なサプライズ、温かくて官能的でホントいい映画を見た余韻に浸れました。
勿論突っ込みどころも多々ありましたけどね、でもまあベタでも見つかるか見つからないかのスリルも味わいつつ、官能的な愛や少年の成長物語も見れた訳で、そこは個人的には大目に見たいかなと。
母子と心優しい脱獄犯の人物背景がしっかりと描かれていたので、彼らが打ち解けていくまでのプロセスにもあまり違和感は感じず見れましたし、それぞれが欲していたものを埋め合う夏の5日間は、映像の色褪せた感じも相まってその世界観にずっと惹き込まれっぱなしでした。
しかしケイトはこう言う役が本当に嵌まる女優さんだなぁ、逆にジョシュのこう言う役は初めて見た気がしました、本来は普通に凶悪犯だもんなぁ、あの顔だと。
あの夏出会った人は、忘れられない脱獄犯でした…
1987年のある夏の日、シングルマザーのアデルと13歳の息子ヘンリーは買い物中に脱獄犯のフランクと出会い、強要されて匿う事に…。
やがてこの脱獄犯に惹かれ…という、はっきり言えばベタなメロドラマ。強引な点やツッコミ所もあるし、オチも出来すぎで、ご都合主義。
しかし、アダルトなムードと情感たっぷりで、なかなか魅せられた。
何と言ってもメイン3人の演技が素晴らしい。
離婚が原因で精神的に不安定。が、フランクとの出会いで再び女を目覚めさせる。
ケイト・ウィンスレットが生活臭漂うエロス。
ジョシュ・ブローリンも顎髭と脂ぎった肉体から感じさせるセックス・アピール、そして人間味。
特筆すべきは、ヘンリー役のガトリン・グリフィス。
思春期真っ只中、この5日間の夏の日の事を、彼の視点で描いているのが面白い。
母親を気遣う年齢以上に大人の精神の持ち主で、脱獄犯…と言うより、再び男と艶かしいロマンスに落ちる母をどう見ていたのか。
自身もまた、フランクに対してどんな感情を抱いていたか。彼にシンパシーを感じていたのは確かだが、母親ほど心を開いてはおらず、心の片隅に引け目や後ろめたさを感じた。
思春期、彼が目の当たりにした出来事、愛の形を繊細に演じ描く。
たった5日間だが、知れば知るほど凶悪犯には思えないフランク。
アデルには女を潤させ、父親不在のヘンリーには父親のような存在。
時折挿入されるフランクの過去からもそれを感じさせる。人を殺めた事は間違いないが、苦しい悲しみを抱えた男。
そして、作ってくれたピーチパイ。
このピーチパイが、最後に巧く効いた。
出会った男は脱獄犯。
でも、その後の人生に影響を与えたピーチパイの味とあの夏の5日間の思い出。
私はこの作品が好き
こんなに官能的なパイ作りを観たのは生まれて初めてでした。
やっぱり男性の料理してる姿って素敵!笑
そして、この脱獄犯いい人で悪くないじゃん!
まぁ悪いけど笑と思ってしまった。
ケイトは寂しい役。流産のシーンは彼女の抱えてる悲しみ、笑えない理由が何だったのか痛いように伝わってくる。
脱獄犯が突然やって来て家族になる。
けったいな話だけど、母子家庭に突如お父さんが現れる感覚って、こーなんだろうなぁと描かれている。
しかも、母親が選んで連れてきた人ではなく突然の訪問者だということ。
男の子が、母親を守りたいと思うこと。
そして段々家族になっていくシーン。
男の子が状況よーく観察している視点も上手に描かれていて、多感な時期を上手に図書館の女の子で表現しているし、あの少しスモッグ掛かった撮り方も時代と状況を表現していて良かったです。
ママ想いな男の子の視点、息子を思う母、複雑な家庭で育つ子供を強く感じ取れたのも良かった。
文学っぽい原作が元ネタな作品なのに、きちんと味わえて退屈しなかった素晴らしかった。
あぁ、あのピーチパイ食べてみたいなぁ!
泣けたが
映画だから、
奥様向け
ほんの数日間の恋を、数十年後まで引っ張る「マディソン郡の橋」の変形バージョンの様な作品でした。しかも、ふたりが結ばれないのは、不倫ではなく相手が服役しているから。
ジョシュ・ブローリンのワイルドな男気とケイト・ウィンスレットの薄幸な感じがお似合いです。
ストーリーはベタすぎで物足りなさはありますが、ロマンティックな非日常を味わいたい奥様にちょうどいい作品です。ラストもハッピーエンドです。
なんか強引に感動作を作った感じ。
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