「心は堕ちずに済んで良かった。」フライト MAPLEさんの映画レビュー(感想・評価)
心は堕ちずに済んで良かった。
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名誉と正直の天秤がテーマになっている。せっかく誰もができないほどの名操縦士なのに、アル中ヤク中のせいで身を滅ぼしてしまう主人公。
ただの底辺生活のどうしようもないろくでなしなのではなく、端から見ればパイロットで名操縦士だからこそ、プライドや失う物の大きさのせいで簡単にはアル中と公にできない。飛行機事故そのものの責任は、機体破損のせいと認められ、パイロットのせいとはならずに済んだ。操縦の腕を讃えられながら一生隠し通せる道もすぐそこにあったが、最後に、心まで堕ちずに済んで良かった。もし邦画ならもっと揺れ動く心の葛藤を表現しているだろうと思った。ただのやんちゃパイロットの落ちぶれ、みたいに見えなくもない。
妻と息子を失い、飛行機事故が起こり恋仲だったCAも失い、乗客4名が命を落としても尚、辞めたくてもお酒をやめられない。更には、裁判で庇ってもらい奔走して貰い、散々世話を焼いてもらっても、結局お酒に手を出してしまう主人公。依存症の怖さを知った。
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