劇場公開日 2014年7月5日

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マレフィセント : 映画評論・批評

2014年6月30日更新

2014年7月5日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー

おとぎ話の悪女を現代的視点で描き直し、アンジーの魔法で仕上げたファンタジー

ディズニーが1959年に製作したアニメーションの古典的名作「眠れる森の美女」を、魔女のマレフィセントの視点から描き直した本作は、実写で、しかもハリウッドきっての美形、アンジェリーナ・ジョリーがタイトルロールを演じるというので、そのビジュアルとともに公開前から大いに注目されてきた。そして、注目されているもうひとつの理由が、同じくおとぎ話を下敷きにしたディズニーのCGアニメーション「アナと雪の女王」の世界的大ヒットにあるのはいうまでもない。意識的にせよ、無意識的にせよ、たいていの人がマレフィセントに「アナ雪」の雪の女王エルサを重ねてしまうのではないだろうか。

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「アナ雪」のもとになった童話に出てくる雪の女王も、「マレフィセント」のオリジナル版「眠れる森の美女」の魔女も、ともに「善」の存在たる主人公に害を及ぼす「悪」であった。こういう勧善懲悪ものは、すべてのピースが完璧にはまったパズルのようなものだ。意外性はないかもれないが、調和がとれている。そこへ、「現代的視点」というメスを入れ、いったんバラバラに解体してみたら、まったく別のタングラム(「雪の女王」の原作で女王に囚われたカイ少年が遊んでいたパズル)が組み上がった、それが「アナ雪」であり、「マレフィセント」である。では、「現代的視点」とは、具体的には何であろう。それは、「女王の/魔女の動機は? 隠された行動原理は何なのか?」という点と、「<真実の愛>とは何か?」という疑問にほかならない。2つの作品がそれぞれに出した答えが何なのか、それは是非ご自身で確かめて欲しい。

もちろん、ディズニー映画のこと、そんな大上段に構えなくても、美しい画面を心ゆくまで堪能されるのが良いだろう。特に、目千両なアンジーの美しい魔女に、「魔法にかけられて」しまうのは請け合いだ。にっくきオーロラ姫の幼少時代の愛苦しさに、思わずほだされてしまったマレフィセントが、「子供なんか嫌い」とひとりごちる場面があるのだが、この時のオーロラ役が実の娘のビビアンちゃんなだけに、実子も養子もまとめて育てているアンジーの実生活と二重映しになって、なんともいえない妙味を醸しだしている。

(有澤真庭)

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