劇場公開日 2012年3月31日

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「最も危険で優しいドライバー」ドライヴ カタツムリンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0最も危険で優しいドライバー

2012年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

こちらはLAを舞台にした犯罪映画。
主人公は名前を持たない。エンドクレジットも「ドライバー」と出るだけ。
男は、車のメカニックとスタントマンの傍ら、犯罪者を犯行現場から逃がす運び屋もやっている。
車は逃走し、追撃し、物陰に潜み、クラッシュする。
車は生き物のように呼吸し、表情を変える。
特に、夜の街を疾走する主人公の車はとても自由で官能的だ。
男は、偶然乗り合わせたエレベーターで一人の女性に好意を抱く。
女性とその家族を守るために、出所した夫の運び屋を引き受ける。
小さな犯罪と思われたものが、暴力の連鎖を生んでいく。
主人公のライアン・ゴズリングとキャリー・マリガンが、
エレベーターの中で交わすキスシーンが切なすぎる。

映像、シナリオ、音楽、キャスト全てが噛み合って、
これほどの陶酔感を味わうことのできる映画はそうない。

カタツムリン