ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのレビュー・感想・評価
全217件中、201~217件目を表示
亡くなった魂は死後も生き続づけ、遺族をきっと護り導いていてくれているだろう
映画フリークの私としては、アカデミー賞に関係する映画は一応観て置きたい衝動に突き動かされるが、この映画を観るには相当迷いがあった。あの911事件から僅かに10年しか時が経っていない。私は、被害者遺族でもなければ、アメリカ人でもないが、あの事件の後も幾度もNYを旅して、決して被害者遺族のみならず、あの日、NYにいた人々であの悪夢の影響を受けてなどいない人は恐らくいないと言う事実を知ったから。
事件後、911の恐怖がトラウマとなり、その後の人生を辛い想いの中で現在も生きている人に何人も出会った。その後、アフガニスタンやイラク戦争へとその被害は拡大され、イラク戦争などで亡くなられた人命は数え切れない。その遺族の事を思うと冷静に映画を物語として観ている事が難しいのだ。
あの911には謎が多く、陰謀説なども存在しているが、その総ては‘藪の中’であり真実が明らかにされる日が巡って来るのは、きっと遠い未来の事だろう。
公式発表では、2753名の方が亡くなり、うち日本人は24名と発表されているが、その亡くなられた方々全員に、家族があり、友人・知人がいるのだ。そしてその被害者を知る人達の多くが、今もその苦しみを克服しながら懸命に毎日を乗り越えようと生きている事実があるのだ。
この映画は、特別に911で父を亡くしてしまう息子のドラマでなくても、父と息子のドラマとして存在は出来なかったのだろうか?
しかし、その一方でオスカー少年と変わらぬ想いで暮している現実の遺族も、必ず何処かにいるのだろう事を想う時、決してこの、忌まわしい事件を埋もれさせてはいけない気も同時にする。
そして、この映画の唯一の救いは、亡くなってしまった父親の存在が、そこで終わってしまうのでは無く、遺族の心と暮らしの中で、今も共に存在し、悲しみの原因ではあるけれども、同時にその死が遺族との関わりを絶ってしまう別次元の世界の出来事ではなく、遺族への愛を立派に育んでいて、ついにはオスカーの希望へと昇華している事だ。ラストのブランコを懸命に漕ぎ続けるオスカーが心に焼き付いた。
オスカーを演じたトーマス・ホーン、そして間借り人のお爺さんを演じるマックス・フォンシドーがこの映画の命であったのは確かだ。彼らの素晴らしい感性無くしてはこの作品の成立は無かったと思う。
オスカーが、このお爺さんを、家に呼び入れた時に、オスカーと父トーマスの写真がリビング置かれている、そのアップショットで、私は涙が溢れ出し止まらなかった。
オスカー少年が鍵を探している事を知った母親が、内緒でブラックと言う苗字の家々に先回りしていたと言う話しは、少しばかり出来過ぎているようで、そんな話しにしなくても良かったのにとも考えるのだが、そんな事にナンクセを付けようする自分の小ささに嫌気がさした瞬間でもあった。
何故911のような人災が起きてしまうのか、その原因の特定はとても一口で簡単には語れないだろう。真実が明かされるのも、ずっと先かもしれない。
しかし2度とこのような惨事が、この地上の如何なる地域でも起きない事を願い、911で他界された被害者のご冥福とご遺族の今の日々が安らかである事をお祈りしてレビューを終わる事にしたい。この映画を制作してくれた事に感謝を捧げたい。
間借人に完全しびれました
愛する大事な人を唐突且つ永遠に失う事は何て残酷で痛いんだろう。
トムの演じた父の愛はどこまでも大きく、少年の傍らに“ものすごく”近く、サンドラの母は“ありえないほど”(同じ母として私にはここまでの力はないと感服)深く、強い。
主人公の少年の演技力はもちろん卓越しています!!!!
が、私はこの両親に泣きました。
そして両親をも凌ぐ、素晴らしい存在が“間借人”…心にしみました。もっていかれました。
辛い内容だったけれど観てよかったです。
ニューヨークのブラックさん達(拒否した方も)私からもお礼を言わせて下さい。
子供らしく
時として子供は凄く残酷だ。
大人の事情などまったく関係なく本能のまま生きてる。
でもここで描かれたオスカー少年はそんな一面を見せつつも
利発で物事をしっかりと分析して考えられる。
だからこそ精神不安定な状態に陥ってしまう。
子供に縁遠い自分だからなのか、そんな「大人子供」のオスカーの言動や行動
に少しも共感できぬまま時間が過ぎていった。
世の中にはオスカーのように利発ゆえに同世代の子供たちに巧くとけ込めない
思いをしている子が沢山いるであろうこと
そんな子供達が日々、精神との葛藤をしているであろうこと
そんなことを考えながら鑑賞していたときに、オスカー少年が母親に言い放つ一言。それを受けての母親の言葉。
たまらなくグッときました。
人はさまざまな人とのかかわり合いの中で、人生を生きていく
でも、究極自分自身で乗り越えていかなければ行けないことは山ほどある
最後に小さな希望を見出したオスカー
がんばれ、君により良き人生が舞い降りますように!
もう、タンバリンは鳴らさない。
好きな映画です。とても良かった。
オスカー少年は、自分が人と違う感性の持ち主だと知っている。
それを自覚しつつも、どうにもできない。
父の死に関すること全て、感受性という名のアンテナが際限なく辛い事象をキャッチしてしまう。
故に感情の波に折り合いが付けられない。
向き合えないけど向き合いたい。
再び父に会いたい。
父のメッセージを聞きたい。
やがて迎える旅の終着点は何処へ。
9.11後の世界。
その被害で亡くした父を思い、苦悩する少年と、彼を支える周囲の大人達を描いている本作品ですが、これに限らずとも、身内の死を経験しそれとどう向き合うか、どう乗り越えていくのか、というテーマは非常に難しいものがあると思います。
描き方にしても、余りに重苦しいと観ているのが辛かったり、かと言ってライトなポップ調にしてしまうのも、何だかちょっと違うなあ、と。
でも、この映画はその「あいだ」を上手く汲み取ってくれていると思いました。
所々に軽い笑いの要素を入れ、それが重くなりがちな展開に緩やかな役割を果たしてくれてるというか。
トム・ハンクスのコミカルな動きや、祖母とのトランシーバー交信、物言わぬ老人との交流、出会う大人や子供達の個性的な性格なんかで、かなり救われるというか。
ただ、オープニングの表現は結構ヘビーだと個人的には感じました。
このモチーフ使っちゃうのか、と。
人によっては結構不愉快になってしまうんじゃないかな、という。
劇中でもこのモチーフは度々挿入されるんですけど、本国ではどういう受け取られ方されたんでしょうか。
それ以前に『9.11』を描く、という時点で拒否反応示す人も居るでしょうし。
いやまでも、このモチーフがラストに繋がる布石でもあるので、そこ含めて自分はとても好きなんですけどね。
オスカー少年の心の叫びを129分間、ずっと浴びせ続けられるこの映画。
率直に言って、人を選ぶと思います。
ナイーブなテーマです。
日本も3.11を経験しました。規模にも辛さにも大小など有り得ず、感じるものは人によって様々な訳で。
この映画に嫌悪を抱かれたとしても、それは仕方のないことでしょうし、本当に難しい。
自分は、見当外れかもしれませんが『考えることを止めてはいけない』というメッセージを、自分なりに受け止めました。
絶望、そして希望
阪神淡路大震災から15年が過ぎて「劇場版その街のこども」が上映された。そして2001.9.11から10年が経ちこの映画が作られた。未曽有の悲しみを負った遺族の絶望感、恐怖、不安を映画にするにはこれだけの時間が必要なのかとあらためて感じた。この映画がこの時期に公開されたことは、とても重要ではないか。日本はまだ悲しみから抜け出せないでいる。当然だ。家族を亡くした悲しみは消えないし、失ったものは返らない。解決などないのだ。唯一あるとすれば、自分の力でそれを乗り越えることだと、この映画は教えてくれる。そしてそれを陰で支えてくれる人がいることも…「日本もいつか立ち直り、振り返れる日が必ず来る。だから今はたとえ意味のない扉だとしても、探して開けてみろ、怖いけど勇気を出して橋を渡ろう。先に渡った僕らが言うんだから信じて踏み出してみよう。必ず出来るから」この映画はそう伝えているように思えた。この映画の日本公開に感謝したい。
原作も読みたくなりました
こういう映画って、何と言ったらいいのか。
ほんとうに心に迫る映画……、言葉に詰まってしまいます。
主人公の少年、もちろんとてもよかったです。
トム・ハンクスも、嫌みなく「お父さんお父さん」していて。
サンドラ・ブロックのお母さん、自分も傷つきながらも、
小さな心で悲しみを受けとめようともがく息子を見守る感じが
自然で、よかったです。
それから、少年のおばあさんと、間借り人のおじいさんの存在。
温かくて、でも子供だからといって、少年に優しくするばかりでなく、
少年とちゃんと向き合っていて。
それぞれの登場人物が、それぞれのつらい現実を見つめるシーンは、
涙があふれて仕方ありませんでした。
この映画から、たくさんの宿題をもらった気がします。
原作もこれから読みたいです。
この主人公の少年に、大人として共感が持てるかどうか。
911で父親(トム・ハンクス)を亡くしたオスカー。彼は父親がのこした遺品の中から鍵を見つける。何処の鍵だか、何の鍵だが、わからない。けれど永遠に父親と繋がっていたいオスカーは、その鍵に会う穴を見つけるため、ニューヨーク中を探し廻る。
パニック障害を持つオスカーは、無償の愛を注いでくれた父親を亡くして、光の無い世界に突き落とされた。その突然の死を受け入れられないし、その感情を何処に持っていったらいいか図らない。当然暗闇の世界で恐怖心にも満ちみちている。それで、周囲の大人たちにその抑えきれない感情をぶつけてしまう。母親(サンドラ・ブロック)に汚い言葉で罵り、ベットの下や戸棚の中に自分の世界を作って引きこもり、自傷行為をしてしまう。祖母の部屋に間借りしている老人(マックス・フォン・シドー)には、父親の最後の留守電を無理矢理聴かせる。
母親との口論の場面は非情な緊迫感があり、観ていて非常に辛くなる。なぜなら、母親は現実に直面している。夫を亡くしての悲しみ、喪失感。大人だから必死に耐えている。そして決して子供にはその姿を悟られまいとしている。しかし、のちに彼女は息子の「冒険」を知り、それをサポートすることで自分自身も癒されていく。
また老人は過去の辛い体験に、自ら言葉を失うことでその気持に対して封印をしてしまっている。けれども、彼はオスカーと共に鍵を捜すという「冒険」をしているうちに、次第にオスカーの純粋さに惹かれもしていく。
普通の大人は時として、子供の純粋さを自分たちにはもう持ち得ないことへの嫉妬と共に、その美しさを賞賛する。ただし、ここでのオスカーの気持ちはそれに当たるかどうかは、人それぞれだろう。むしろ、マックス・フォン・シドーの演じた老人やジェフリー・ライトが演じるビジネスマンのような、過去の後悔に悩みつづけている人たちの姿のなかに、心の重荷をずっと抱えながら生きて行くこと対して、思わず頷いてしまう自分がいた。このように、彼を取り囲む人々それぞれが持つ悲しみ、苦しみに共感する観客が多いのではないか。
911の悲劇を、11年かかってやっと、それに巻き込まれた人々の感情を表現するのに十分な作品といえる。ただし精神的に酷な表現描写もあり、当事者でない人間であっても辛くなる場面が多々ある。これの是非は、暫く経ち、この作品を離れてみてからでないと、何とも言えない。
2月18日 TOHOシネマズ六本木ヒルズ
やっぱりトム・ハンクスとサンドラ・ブロック。
9.11により父を失った少年が、父の遺品の謎を追う物語。
物語に9.11が取り入れられていますが、9.11をテーマにした作品ではありません。突然の父の死を、象徴的・衝撃的に描くために9.11が選ばれています。その意味では、交通事故でも、飛行機事故でも良かったのかもしれません。ただ、9.11を取り入れることで、周囲の人間を物語により取り込みやすくなったのは事実。そういう意味では、9.11と言う事に意味はあるのかもしれません。
トム・ハンクスやサンドラ・ブロックと言うアカデミー俳優を従えて主演をはったのは、トーマス・ホーン。オスカーはちょっとクセのある少年ですが、自然に上手く演じています。でもやっぱり、この映画のキモは、トム・ハンクスとサンドラ・ブロックですね。息子オスカーを愛で包む両親の姿を、すごく自然に演じています。特に、トム・ハンクスは、いきなり亡くなってしまう役で、その後は回想シーンで出てくるだけですが、それでも尚且つ、その存在感を示しています。流石です。それと、サンドラ・ブロックも上手い! 『スピード』とか『デンジャラス・ビューティー』や『あなたは私の婿になる』の、ちょっとコミカルなイメージが強いんですが、この作品では一点、息子を愛する母親の姿を上手く演じています。
結局のところ、一人の少年が数々の障害に立ち向かい成長していく姿、そして、その少年が関わった周囲の人々も、少年から受けた影響で幸せになると言う話ということで良いでしょうか。はっきりとした結論とか、そう言うものは無いかもしれませんが、人間の成長、人間の愛というものを見られた様な気がします。
違和感
9.11で父親を亡くした(たぶん)アスペルガーの少年が、
悲しみを乗り越えてゆく。。というのが、おおまかなストーリーです☆=
脚本として、言いたいことはよくわかるのだけれど、
アスペルガーの少年を主人公にしたことで、
逆に暖かさのようなものが薄れてしまった気がします。
アスペルガーを理解していないと、わかりづらいところもある半面、
映画の中のアスペルガーの描写そのものに、疑問がある点もありました。
良かったのは、やっぱりトム・ハンクス演じる父親と、(老人)の心の暖かさです。
いつものことながら、トムの演技は本当に素晴らしかったです!!♪
逆に、サンドラ演じる母親が、実は器用に手をまわしていた。。という愛情の示し方は、
「対等に扱って」という少年の心の叫びを、無にしているようで、好感がもてませんでした。
父親の、「この子が最初に恋する相手は・・」というセリフ、
そのひとことで、映画すべてが救われた気がしました。 ^-^
人に薦めたくなる秀作。
引き裂かれる
苦しくて、心が引き裂かれます。 事実から目を背けてはいけないけれど、それを受け止めるには 相当の体力がいります。 なので、鑑賞後は 疲労困憊でした。。
9・11テロで 最愛の父を亡くした少年オスカーは、クローゼットで1本の鍵を見つけ、父親が残したメッセージを探すため ニューヨークの街へ飛び出していく。 鍵の先にある奇跡を追って、最愛の者を失った人々の再生と 希望を描き出していく(作品情報より抜粋)。
主人公・オスカーを演じた トーマス・ホーン。 素晴らしい演技でした!! が、トムにもサンドラにも似ていないところが ちょっと浮いてたかも(苦笑)。 アスぺルガー症候群の疑いがある少年の心の揺れ方を、見事に表現していたと思います。 将来がとても楽しみな イケメン君☆
オスカーの父親を演じたトム・ハンクス。 助演に徹して、トーマス君をしっかり盛りたてていました。 ますます太って オッサンになっていましたが、家族を支えていた立派な父というイメージが しっかり残る演技でした。
オスカーの母親を演じた サンドラ・ブロック。 彼女の そつのない演技も好印象。 泣けました。 頑張るママを演じさせたら(今のところ)世界一。
その他、オスカーと出会う“話せないおじさん”を演じた マックス・フォン・シドー(『シャッターアイランド』)、オスカーが鍵を探し訪ねた先で出会う女性に バイオラ・デービス(『ヘルプ 心がつなぐストーリー』)、などなど 助演の皆さんも素晴らしいです。
この作品を通して… 立ち止り、9・11で家族を亡くした人々の痛みに触れ、考え、そしてまた歩き出す勇気を持つことの大切さを 少年の葛藤を胸に刻みながら学ぶ。 ストーリーもキャスティングも、演出もシーンごとのコントラストなども 緻密に計算されてるなと思いました。 ただ、もう悲しすぎて。。。トーマス君の演技が完璧すぎて。。。 良い作品であるのは間違いないですが、「もう一度観たいか」と聞かれたら 正直迷うと思います。。 でも、感想を聞かれたら「ぜひ観てほしい」と お勧めすると思います。
***『最後だとわかっていたなら』(ノーマ・コーネット・マレック作)
あなたが眠りにつくのを見るのが最後だとわかっていたら
わたしはもっとちゃんとカバーをかけて神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう
あなたがドアを出て行くのを見るのが最後だとわかっていたら
わたしはあなたを抱きしめてキスをして そしてまたもう一度呼び寄せて抱きしめただろう
あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが最後だとわかっていたら
わたしはその一部始終をビデオにとって毎日繰り返し見ただろう
あなたは言わなくてもわかってくれたかもしれないけれど 最後だとわかっていたら
一言でもいい・・・「あなたを愛してる」とわたしは伝えただろう
たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで今日ですべてが終わるのだとしたら
わたしは今日どんなにあなたを愛しているか伝えたい
そしてわたしたちは忘れないようにしたい
若い人にも年老いた人にも明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは今日が最後になるかもしれないことを
明日が来るのを待っているなら 今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたらあなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや抱擁やキスをするためのほんのちょっとの時間をどうして惜しんだのかと
忙しさを理由にその人の最後の願いとなってしまったことをどうしてしてあげられなかったのかと
だから今日あなたの大切な人たちをしっかりと抱きしめよう
そしてその人を愛していることいつでもいつまでも大切な存在だと言うことをそっと伝えよう
「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を伝える時を持とう
そうすればもし明日が来ないとしてもあなたは今日を後悔しないだろうから***
現実は残酷だ
911で父親が亡くなった少年の心の変化と再生。と言えば聞こえがいいが、その傷はあまりに大きい。
留守電に残されたメッセージも変に感動を誘うような内容では決してなく現実的だ。
死を覚悟しているはずなのに、このメッセージを聞く(聞いている)息子の事を考えているんだろうなと。
息子の父親に対する愛情は全編を通し伝わってくるけど、父親の息子に対する愛情はより深い。
作品としては、悲しいながらも、最後は希望がもてるストーリーだけど、現実とファンタジー的要素の落差が大きくてノリきれない部分もある。
現実の出来事を絡めた内容で作品をつくるのってつくづく難しいと感じます。
そういう意味では、今作よりダイアナ妃の事故を効果的に使用したアメリは上手かった。
何かを期待しまうという点でトムハンクスはミスキャストだったと思います。
対峙して受容する。
試写会にて。
監督がS・ダルドリーということでかなり期待してしまった。
9.11で大好きな父親を失ってしまった少年の心の変遷を、
繊細すぎるほどの描写で丹念に描いた作品。
T・ハンクスとS・ブロックというコメディなら大成功役者を
夫婦役に抜擢しながら、彼らの見せ場は皆無というくらい^^;
少年役のT・ホーン君のまさに独壇場的な場面がほとんどだ。
この演技未経験?な男の子の天才的小生意気演技は凄い。
クイズ番組優勝経験で抜擢されたという頭の良さが伺える。
しかし冒頭から知的な会話ばかりが埋め尽くすテンポの速さ、
心温まる父子関係を想像していた自分は肩透かしを食らった。
えー。なんかT・ハンクスらしくないな。
S・ブロックにしても見せ場があるのは最後の最後くらいで、
この息子がなぜこうなったのか(元々の性格云々においても)
まったく見えてこない。夫婦の葛藤も。家族の背景も。
突如父と子の「第6区」探しが始まり、唐突に「あの日」が訪れる。
向かいに住む祖母と謎の間借り人、少年を支える人間は多い。
が、この少年にはトラウマともいえる「あの日」の記憶がある。
それが何なのかを探し当てることが
少年にとっては父親との「穴」を埋めるカギであり、
観客にとってはこのクソ長いタイトル(汗)を解くカギになる。
ビルから落下する父親の映像(確実ではないが)を映し出す
シーンはこの上なく辛い。
一家を突然襲った不幸は、幸せだった少年の心を痛めつける。
極端に神経過敏で他人との距離を巧くとれないこの少年の
唯一の味方で理解者がこの父親だったのだろう。
その父親亡きあと、彼に同じような温もりをもたらす人物は、
ある程度の謎に包まれているが、この作品の謎は何といっても
このタイトルなんじゃないかと私は思う。
原作を知らないので作者の意向は分からないが、
私にとってのタイトル通りの存在といえば「親」である。
どうふり払おうとふり払えない。遠く離れようと心は離れない。
(声を発しようとしまいと。シドーが最高に巧い)
常にうるさくてありえないほど近くにあるのは、その存在と記憶だ。
死者の記憶は消せるものではない。
というより、消してしまうものではない。
自分が受け入れられる時期がくるまで苦しみは続くと思うが、
自分にとって大切な存在は記憶になっても大切な存在なのである。
哀しみを心強さに置き換えて、いつも自分を見守ってくれている
心の中の存在、ものすごくうるさくて、ありえないほど近い存在で
あり続けるべきだと私は思う。
あんなに苦しんだ少年が初めて安堵の表情を示すラストの場面で
彼は誰にそれを見せたか。
いちばん大切なひとって、ちゃんと傍にいるんだよ。。。
(傷みを知れば成長もできる。頑張れ少年!お父さん見守ってるから)
人を亡くした痛みから、一歩前へ
試写会にて
題名が「なんなんだ?」と思っていたのですが、
何かの番組で内容を知って観たくなり、
試写会鑑賞させていただきました。
人や環境に対応するのが苦手な少年が、
テロにより亡くなった父が壷に隠していた
鍵をみつけ、Black氏を探す・・
という大まかなストーリーなのですが・・
最初は、少年の態度にイラッとさせられますが、
少年が心に溜めていた事を、おばあさんの家の
「間借人」の老人に打ち明けるシーンは、
ダムのように止めどなく吐き出し、
その圧倒感で心情が伝わり、いつの間にか涙が・・
一人で、そして間借人と一緒に
N.Y中のBlack氏を探す時など、
クスクスっと笑えるシーンもあり、
感動だけでなく、少しユーモアもあります。
個人的には、母親のサンドラ・ブロックと
間借人のおじいさんがよかった。
間借人が誰なのか?は途中で解りますよ。
人とのふれあい等で成長していく少年。
ちょっとありきたりな話かもしれません。
今の日本だから、9.11の犠牲者家族の心情が
より痛みとして感じる作品です。
でも、悲しんでばかりではなく、一歩一歩と前へ
歩き出せる思わせてくれる作品です。
ラスト、少年がブランコに乗るシーン、
あったかい気持ちになります。
ただ、あの『鍵』の最終地点での
先も知りたかったな~。
劇場でもレンタルでも、どちらでもよいと思います。
見ないと勿体ない!
心して鑑賞してください。
すごい映画だった・・・体力消耗した。すぐに立ち上がれなかった・・・
ティッシュ1コ使い果たしました。
感動の涙なんて甘いもんじゃない。悲しすぎて涙が止まらない。
それにしてもオスカー役のトーマス・ホーン君がものすごい。
激しい感情の表現や、字幕を追うのがやっとのほどの
早くて長くて難しい言葉の台詞。それが初めての演技とは!
この子ホントの天才?よくこの子を見つけ出したなと思いました。
もちろん、トム・ハンクスとサンドラ・ブロックの両親は素敵だし
アカデミー賞助演男優賞ノミネートのマックス・フォン・シドーがとてもいいんです。
もともと前売券を買っていたのでもう一度観に行かねば・・・
心して鑑賞します!
過程が大事
全217件中、201~217件目を表示











