劇場公開日 2012年9月1日

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コロンビアーナ : 映画評論・批評

2012年8月22日更新

2012年9月1日より新宿バルト9ほかにてロードショー

ベッソンの代表作「レオン」と「ニキータ」を上手く合体させた納得の継続作

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男は少女に言う。お嬢ちゃん、パパが隠しているこれぐらいの小さなもの知らない? おとなしく出せば望み通りのことをさせてあげる。コロンビア・マフィアの幹部だった父、そして母は目の前で殺されたばかりである。目を見開いたまま9歳の少女カトレアは静かにうなずく。そう、いいコだ、いいコだ。で、お嬢ちゃん、一番の望みは何かな? ドン・ルイス(抹殺指令を出したボスの名前)の命よ! 反撃の瞬発力……WOW。演じたアマンドラ・ステンバーグがとてもいい!

アマンドラの逃亡がこれまたスピーディで見惚れる。丘陵地を覆い尽くし重なり合う家々の屋根、バルコニー、他人の家の内、そして階段を駆け抜け、飛び降り、すり抜け、追っ手を振り切る。アマンドラは父親に言い聞かせられた指示通りに動き、コロンビアからアメリカ上陸、シカゴの叔父のところに身を寄せる。当然のようにやばい商売をやっている叔父は聞く、ところで将来なにになりたい? 少女は間髪をいれず答える。殺し屋になりたい、復讐したい! すぐにも殺しのテクを学びたい少女に、叔父は諭す。まず、学校へ通っていろんなことを学ばねばならないよ。この描写から話は15年後のカトレア=ゾーイ・サルダナ(「アバター」)へ飛ぶ。ここからゾーイの殺人スキル、暗殺スキルが全開する仕掛けだ。自分の手を汚すばかりではない、<イート!>(お食べ)を使った猛犬利用はお気に入り。

レオン」の少女=ナタリー・ポートマンがレオンに殺し屋修行を申し出、「ニキータ」の状況に自ら飛び込むような「コロンビアーナ」。リュック・ベッソン(脚本・製作)は二つの自作を上手く合体させ納得の継続作としたのである。

滝本誠

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