劇場公開日 2011年11月26日

「暴力描写の意図が見えず [スコア修正]」ハードロマンチッカー 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0暴力描写の意図が見えず [スコア修正]

2011年11月26日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

ネタバレは無いが酷評に近いので、読みたくない方は読み飛ばしてください。

もし「松田翔太のファンだから」という理由で鑑賞を考えている方が居られたら、注意してほしい。
まず、暴力描写に慣れていない方には勧めない。
拳や鉄パイプ等での殴打・流血シーンが10分ごとに登場する。
また、女性への暴力に敏感な方にも、勧めない。
この映画に登場する女性の殆どは、相当に悲惨な暴力に遭う。
これらが当てはまらないという方なら観てみるのも良いかも知れない。

暴力描写があーだこーだと書いたが、僕は別に暴力描写が苦手な人間じゃない。

問題はその描写に“意図があるか”だと思う。
理不尽な暴力を描く意図が見えれば何も文句は無い。
(北野武とかミヒャエル・ハネケとか)
だが本作の場合、僕にはその意図が見えなかった。

己の境遇に対する怒りが暴力に繋がっていると匂わせる台詞はあるものの
(「俺達が生きる場所はここには無いけぇ」)、
“匂わせる”だけで説得力のある描写がある訳でも無い。
それどころか、同じ境遇の人間からも「狂っとる」と言われた時点で
もう誰にも理解できない存在になってしまってる気がする。

あー、なんつーかな、僕にとって、
この映画の暴力は結局単なるファッションにしか映らんのですわ。
切実なものに見えんのですわ。
単純な話、口に合わんのですわ。
ワルに憧れる諸兄の心には響くものがあるのかもだが、ワタクシにゃ共感し難いです。
それとも皆は主人公の心が理解できたのか……僕だけズレてんのか……
うう、なんか不安になってきた。
あとロマンチッカーという言葉はロマンチストと同じ意味で取っていいのかな。
どの辺りにロマンチシズムを感じれば良かったんかな。

まあ、僕が本作を気に入らなかった理由を煎じ詰めると
「埋めがたい価値観の相違」という離婚の常套句みたいな理由でしか無いのだろう。
だから、頭でっかちのつまらんレビュー書きやがってと一蹴してくれて構わない。
僕は、この映画は好きじゃない。

役者はみな頑張ってるし、撮り方の面白い箇所もある。
だがプロットに凝ってる訳でなく、むしろかなりテンポが鈍い。

最後まで寝る事は無かったのと、厳格なバアちゃんのキャラと、
東京スカパラダイスオーケストラの演奏にスコア0.5プラス。

[スコア修正:最初の判定は幾ら何でも低過ぎた。修正します]

<2011/11/26鑑賞>

浮遊きびなご