劇場公開日 2023年11月17日

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「シリアス路線の到達点」007 スカイフォール y.yさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0シリアス路線の到達点

2012年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

カジノロワイヤルでシリーズをリセットし、新たに、と言うか原典に戻ったと言うべき007シリーズ。
原作の世界ではジェームズ・ボンドという屈折した反骨心と悲しき十字架を背負う秘密諜報のエージェントが映画の世界では諧謔主義的スタイリッシュの権化と化し、リアルスーパーマンよろしく、ファンタジー路線で世界最長のシリーズとして確固たる地位に君臨したが、第20作ダイ・アナザー・デイの空虚感満載のお祭り騒ぎによって終焉に向かう危機に陥った事をイオンプロは敏感に察したに違いない。
よってカジノロワイヤルより急激に舵を切り、原作原典に立ち返った凄まじいまでの愛憎飛び交うスパイ映画テイストを徹頭徹尾追求したいわゆるクレイグ路線は見事007シリーズを死臭から解き放った。
カジノロワイヤル、慰めの報酬、そして本作スカイフォール、この真生ボンド三部作によってジェームズ・ボンドは完全に過去のイメージを払拭した。
大まかに総括すればこの三部作は真生ボンド誕生篇と云えるかもしれない。
念を押すがあくまでクレイグボンド路線は新たに始まった真生ボンドシリーズであって、それ以前の過去20作と混同して同列に批評するのは愚の骨頂である。別映画として捉えるべきである。
何はともあれ今から次回作が楽しみだ!

y.y