ミッション:8ミニッツのレビュー・感想・評価
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デヴィッドボウイの息子の作品
アメリカ映画「SOURCE CODE」、邦題「ミッション:8ミニッツ」を観た。なかなか おもしろい。
監督のダンカン ジョーンズの二作目の作品。最初の作品は、SFスリラーというか、ミステリー心理劇と言うか、人の心を描いた映画の「月に囚われた男」。
この監督の父親は 役者や映画監督もできるマルチで ロックの神様、デビット ボオイだ。
ストーリーは
アフガニスタンに派遣されていた空軍パイロットの コルター ステイーブンスが あるとき目が覚めてみると シカゴに向かう列車の中に居た。前の座席にすわって 親しげに話しかけてくる女性は 自分の知り合いらしい。どうして自分が列車に乗っていて クリステーンという女性から ショーンと呼びかけられるのか、全く覚えがない。混乱して、列車の洗面所に駆け込むと、そこの鏡には 見た事のない男の顔が映っている。ポケットの中の財布には鏡に映ったショーンという学校の先生の顔写真が入っている。
その瞬間に列車は火を吹いて爆発。コルターは 吹き飛ばされて気を失う。目が覚めてみると 彼は鉄の箱の中で 座席に拘束されている。
鉄の箱の名は ソースコード。
奇妙な 電気コードばかりが張り巡らされている鉄の箱には、テレビのモニターがあり、キャプテン ゴッドウィンと名乗る軍人の女性が コルターに語りかける。キャプテンはコルターに 乗っていた列車に仕掛けられた爆弾と、爆弾犯を見つけるように命令する。
猶予は8分間。
脳には死亡する直前の 8分間の記憶が死んだ後もしばらく残っている。その記憶に 別人の脳がトリップして入り込むと 死ぬ前の8分間を追体験することができる。ソースはコルターの脳だ。ショーンが死ぬ前の8分間の脳に コルターの脳が入り込むことが出来れば 爆弾犯を捉えて、次の犯行を未然に防ぐことが出来る とキャプテンは言う。
シカゴ警察は、シテイーの中心を走る列車に爆弾が仕掛けられている という予告を受けていた。第1発目の爆弾は シカゴに向かう列車で すでに爆破されていた。ショーンもクリステイも含めて 乗客は全員死亡していた。第2発目は 市の中心を走る列車に仕掛けられ 規模も大きな爆弾だと犯人は言う。もし爆発すれば 被害の大きさは計り知れない。是が非でも 爆発を止めなければならない。
爆破予定時間が迫っている。
コルターは 再び列車の中に送り込まれる。8分間で爆弾を見つけて 犯人を探し出さなければならない。コルターは必死で爆弾を探し出す。爆弾は見つけた。しかし犯人を捜す途中で8分間は過ぎ 爆発。コルターは 何度も 爆弾犯が見つかるまで 8分間ごとに 列車のなかに送りこまれる。
コルターは何度も失敗し、キャプテンと話すうちに 自分が すでにアフガニスタンの空軍戦で死亡していることを知る。しかし、軍は内密にコルターの脳だけを生存させておいて その脳をソースに死ぬ直前の他人の脳にトリップする技術を開発していた。キャプテンの命令は絶対だ。コルターは何度も何度も列車に乗せられて 8分間の爆弾犯探しをさせられる。
コルターは 父親をとても尊敬 敬愛している。自分の脳が生きていることを父親に伝えたいが、それはできない。
彼は、死に物狂いの犯人探しの末、とうとう犯人を捕らえる。ついにシカゴ市内で列車が大爆発することは 未然に防ぐことが出来た。しかしそれまで生かされ利用されていた コルターの脳は、、、、。
というお話。
サイエンスフィクションともミステリーとも言える。面白い映画だ。デ カプリオの「インセプション」同様に 観ている人が 自分なりの理解の仕方ができる。よくわからない映画は それだけ解釈が多様で どんなふうに理解しても許される。
反戦映画「ジョニーは戦争に行った」の先を行っている。手足体を失ったジョニーの脳は生きていた。同じように この映画では 戦闘で体を失ったコルターの脳は生かされていて 死ぬ人の8分前の脳に乗り移って 犯人探しまでやらされる。死んでも死ねない軍の新兵器だ。タイムスリップならぬ、ブレインスリップ。
しかし人の脳は 命令に従うだけのために あるわけではない。人はたった8分間にも 人を愛し 恋して 歓びも哀しみも感じることが出来る。それを、コルターを演じたジェイク ギレンホールは、とても上手に演じている。
人がこんなに悲しかったり、嬉しかったり、怒ったり 愛を求めたりする生きものだった ということが改めてわかる。
コルターが心から敬愛して慕っていた父に コルターの友達だと言って電話をするシーンがある。涙が出る。
最後に コルターが脳の生命装置を打ち切られると知っていて、クリステーンと笑いあって抱き合いながら死んで行こうとするシーンがある。自分だったら8分間だけ命を預けられたとき、何をするだろうと思って、とても切ない。
ジェイク ギレンホール、テイーンのアイドルだった可愛い子ちゃんから、人間の哀しみを体言できる良い役者になった。
おもしろい映画だ。「インセプション」が好きな人、「月に囚われた男」が好きな人ならば 絶対楽しめる。
騙された、のか?は不明ですが、これは面白い!
オープニングから緊張感ある音楽が流れる中、列車走行の空撮から本作は始まります。
予告編で「列車爆破」が関係していることはわかっているので、次第に高まる音楽のクライマックスで爆発シーンを見せられるのかと身構えたところ、突然車内にいるジェイク・ギレンホールのアップに切り替わって話が動き出します。
私はまずここで予想と違った展開に「おっ!?」と興味を惹かれました。
そこから主人公のスティーブンス大尉と同様どんな状況下かよくわからないまま二回目の「8分間」が始まり・・・というの導入部の本作。
大尉と同じペースで全体像を次第に知っていく構成に興味をそそられます。これがまた、説明臭くなく足りないところもなく、スピード感と緊張感が上手に保たれる展開に惹き込まれっぱなしでした。
大尉の現実の状況については、ストーリーで説明される前になんとなく気づけましたが、先を行けたのはせいぜいこのくらい。94分の間映画の世界に浸らせていただきました。面白い!
エンディングをどう解釈するかは個々の感性によるのでしょうが、「猿の惑星創世記」やちょっと前なら「アイアムレジェンド」などと同様、科学を人間が制御できるとは限らない、というメッセージとも感じました(東京電力原発事故のことは言うまでもないでしょう)。
設定のオリジナルさに惹かれて見に行って「当たり」を引き当てることが出来ました。
見てみるものですね。
ちなみに、どのあたりに「映画好きが騙される仕掛け」があるのでしょうか?
もしもの世界。
多くのD・ジョーンズファンがおっしゃっているように、
私も「月に囚われた男」でやられてしまった一人である。
まぁ~泣いた、泣いた、心でむせび泣くっていうの?(古)
まさにそんな感じだったなぁーなんて思いながら観た本作、
やっぱりラスト近くではむせび泣き(T_T)、また同じだった。
本作もテイストはよく似ている。
なんですか、あの予告(だいぶ反響をよんでるみたいだけど)
映画通ほど…ってやつですね。そもそも映画通って何なの^^;
そう言われて「あ、はい私映画通ですから」と思える人は素敵。
私は通じゃなくてバカの方なので…じゃあどっちなんだろか?
と期待しながら観てしまった。結果は…う~ん泣かされた(爆)
ま~話の運びが巧い。
観客までも列車に同乗させ、主人公と一緒に犯人探しをさせ、
さらにロマンスまで絡める。かと思えば悲しい過去を露呈させ、
人生にやり直しは利くのか?という難問を突きつけてくる。
原題「ソースコード」、これはプログラムの中での出来事である。
テロによる列車爆破は起きた後、第二の予告テロを防ぐための
ミッションがこの8分間なのである。繰り返される転送と爆破、
このままずっと主人公は転送され続けるのだろうか、と考えて
より切なくなってくる観客に、少しずつ変わる環境を味わわせ、
待てよ、これって何とかできるんじゃないのか?ひょっとしたら
この乗客全員を助けることが可能なんじゃないのか?と期待を
膨らませる方法が巧い。結果、最後までミッションが展開する。
確かに人生、そうは巧くいかない(T_T)
理想(仮想・夢想・構想・妄想)と現実世界とは異なって然りなのだ。
人生のもしも。はどちらかといえば後悔の念が引き起こす。
もう戻らない時間や人間や物体をいつまでも追い求める脳内世界。
特に今回のようなテロにあっては、犠牲者の魂が救われないのが
何より辛い。博士が開発したこのソースコードの目的が犯人特定
に絞られることに対し、主人公が最も重要視するのが救済である。
この監督、こういった自己犠牲的なテーマをこれは如何にもという
目線でなく、ごくサラリと描いてしまうところがすごい。
なぜ大尉が選ばれたのか。なぜショーンの身体なのか。どうして
彼は父親と話がしたいのか。このミッションを成功させたいのか。
謎が謎を呼ぶ(考えるとキリがない)展開の中、物語は佳境に入り、
ついにラストの8分間へと向かっていくが。。。
ストップモーションの中、列車内に散りばめられた笑顔の光景は
おそらく誰もが今作の冒頭からは予想し得なかった映像だと思う。
J・ギレンホール(ホントに名画座みたいな名前^^;)
監督を逆指名し今作を作り上げたのだが、とてもいい演技を見せる。
一瞬しか顔を拝めないショーン先生(だったよね)が一番の犠牲者
(言い方が悪いかしら)では?という気がするのは私だけだろうか。。
いや違う、運命は、信じた方が勝ちなんだから。魂よ、永遠なれ!
(どの世界、どの時間、どの相手とであれ、幸せならばそれが一番)
「映画通ほどダマされる」に騙されないで😣
目覚めると別人の身体。
8分という限られた時間を繰り返し、列車爆破テロ事件の犯人を捜し出す。
斬新な設定と緻密に練られた展開で観る者を引き込むサスペンスアクション。
監督は「月に囚われた男」(09)で英国アカデミー新人監督賞に輝いたダンカン・ジョーンズ。
私が敬愛するデヴィッド・ボウイの息子サンです😂
父と暮らしていた監督サンは幼い頃から「全身全霊で情熱を傾けられる何かを人生で探しなさい」と言われていたそうです。(素敵に親父しているボウイに乾杯😂)
さて、日本公開に際して本作に付けられたキャッチコピー、
「このラスト、映画通ほどダマされる」
に、騙されないで下さい😅
本作は謎解き映画ではありませんし、映画通(寧ろSF通)ほど先の読める映画です😣
しかも、時間やパラドックスなどのSF要素を利用している為、完璧に人を選ぶ映画です💦
こうした挑戦的キャッチコピーや細かい矛盾を孕むSF要素がアダとなり、あちこちで酷評を招く作品になる事は間違いないでしょう😓
ちょっとした矛盾が気に掛かる方には少しも面白くない作品になってしまうかもしれません。
ですが、「怪獣や宇宙人もなし、ましてやアメコミや原作に頼らない」というSF好きや、一風変わったシチュエーションの映画が観たい、という方には持って来いの作品です。
状況設定が電車という限られた空間にも関わらず、登場人物が多い本作。
ほとんどが使い捨てキャラなのですが、終盤で彼等の存在がいい味を出してくれており、本作最大の見せ場になっておりました😂
昨今、ヴィジュアルに拘る監督が多い中にあって、人間性に重点を置く演出に非常に好感が持てました😂
しかも、70年代に大量生産された電車を扱う映画を彷彿させてくれる作品でもあり、オジサンでも安心して観れましたよ😅
全てにおいて、こじんまりした印象は拭えませんが、酷評を招く要素を含む作品としては良質な部類といえます。
脚本に惚れ込んだと語る監督は、下手に内容をいじりたくなかったそうですが、ダークでシリアスな展開だったので、主演のJ.ギレンホールと共同でユーモアを盛り込んでいったそうです。
そして、最も拘ったといわれている結末は当然、脚本にはなく、監督の頭に浮かんだ「これしかない」というアイデアを活かしたそうです。
結果として賛否両論を産み出すラストとなっておりますが、シカゴの街全てを映し込んでいる事で有名なオブジェ「クラウド・ゲート(三次元鏡面立体)」を効果的に利用しており、少し感心致しました😂
挑戦的なキャッチコピーや細かい事に頓着せず、気晴らし程度に鑑賞する事をお薦めしたい作品です✨
どう捉えるか
最後をどう捉えたら良いのだろう?そこがイマイチ難しいところだ…
全体的にはテンポ良く進んで、見応えがありました。現実に起きた事故前の8分間の任務。それを何度も繰り返して犯人を見つけ出し、次の犯行を未然に防ぐ。未来を変えるのであって、過去を変える訳じゃないはずなんだけど…?あのラストだと過去が変わっちゃってる気がするんだけど…しかも都合良く…。
でも、まぁ見応えある作品なので、どうぞ皆さん観てみて下さい。観る価値はアリます。
いいもの見た
1度見ただけではいまいち理解できていないです。
同じシーンの繰り返しでも微妙に異なる情報が入ってきたり
ジェイク・ギレンホールが学習していくことによって
話を転がしていくところは面白かったのですが・・・
わからないところが2つ。
ジェフリー・ライトが説明しているところが未だに理解できていないのですが
転送した先の人の記憶しかないのに、なぜ爆弾を見つけられたのか。
多くの人の記憶を頼りにシステムが補完していたから?
転送シーンですでにラストシーンのカットが挿入されていますけど
なぜ?
ミッションが新たにスタートするかのような音楽で
これからまた始まるのかと思わせるラスト。
これはループの映画だったのか???
どの瞬間、どの時点へ飛んだ!?
もう一度観ないといけないようです。
安心して観れる。
短くまとめて正解かと
「映画通ほどだまされる」ってCMでやってたので楽しみに観に行きましたが、正直騙されたとも思いませんでしたね。
話の内容だけなら「普通」の3.0点より少し評価して3.5点くらい。
ただ8分の繰り返しを、今流行の難しすぎる内容にしないで、次々に流して、途中はうまく省略して。飽きさせないつくりにしてあるのは編集がうまいって感じましたよ。
疑う材料をいっぱい盛り込んで、誰が犯人かまったくわからなくして、最後の最後でも全部種明かししないで、ネットの上で議論してね、みたいな作りだったらうんざりしてたと思う。
そう意味で、騙されなかったけど楽にスリルを味わえたので+0.5点で「4.0点」としました。
これ、94分でよかったと思う。
120分だったら退屈だったろうなぁ・・・。
「月に囚われた男」に続くSFスリラーの佳作
まず、導入部の撮影と編集の巧さに目を奪われる。美しく、そして鋭く、次のカットで何が起こるか分からない緊張感を呼ぶ。本篇への入り口は、列車の通過とのタイミングがドンピシャだ。新鋭のクリス・ベーコンが、これまたいいスコアを付けている。ここまでの数分で、ダンカン・ジョーンズの映画センスの高さが窺える。
本篇だが、ジェイク・ギレンホール演じるコルター・スティーヴンス大尉が、列車事故で亡くなった乗客のひとり、ショーン・フェントレス教師の意識にどうやって入り込むことができるのか、はっきり言ってその仕組みはよく分からない。本作の場合、ここは深く考えずに〈成るものは成る〉と割り切って見ないと、ストーリーに置いて行かれる。
ここは、列車爆破直前の8分が繰り返されるところに妙味がある。そう思ったほうがいい。
では、8分でどうやって爆破犯人の手掛かりを掴むのか?
その解答が、繰り返される8分の体験の蓄積だ。
列車に放り込まれるたびに、目の前にはミシェル・モナハン演じるクリスティーナがいる。毎回、戻るたびに彼女との会話から始まる8分。何もしなければ同じことが繰り返されるだけだ。
ところが、舞い戻るたび、コトは微妙に変化する。繰り返しの中で学習し、それが生かされていく過程が面白い。
さらに、この映画ではそこにもう一工夫を加える。
自分がなぜここにいるのか、なぜこのプロジェクトに参加しているのかという疑問を差し込む。実は、意識を他人の中に転送するというだけではSFとしては不完全で、ただのお伽話になってしまう。ここに主人公の存在意義を入れてこそ本物のSFとして成り立つ。同監督のデビュー作「月に囚われた男」も、まさに“自分は誰でどこから来たのか?”というテーマを持ったSF佳作だった。
小さなカプセルの中で何度も何度も死を繰り返す8分、自分の身はいったいどうなるのかという不安が膨らんでいく。
外界とのコンタクトはヴェラ・ファーミガ演じるコリーン・グッドウィン大尉だけだ。彼女の存在が大きい。ときに、人として判断に躊躇する姿は、唯一、人間味のある人物として癒される。
そしてSF作品として成功させるラストのひと捻りも怠りない。ここでは内容を伏せておくが、自分の研究成果にしか目をくれないラトレッジ博士に対して、コルターがある決断をするとだけ言っておこう。
94分という上映時間が120分にも感じる密度の高さは「月に囚われた男」と同様で、SFスリラーにおけるダンカン・ジョーンズ監督の才能を確固たるものにした。
コンパクトだが中身がギッシリ詰まっている感じの映画
『インセプション』程複雑では無い。しかしラストの予想不可能で楽しさ8倍!
最近は120分を超える大作が目白押し、しかもその殆んどが長くつまらない映画!しかしこの作品、尺はコンパクトでエコ的だが面白さはダイナミックな驚きのジェットコースター映画だ!
と言ってもこの映画舞台の殆んどが、列車の中の出来事。つまり有る意味での密室劇なのだから、観客を飽きさせない工夫が全編に散りばめられている秀作と言える。
舞台はシカゴ近郊に到着した長距離列車に時限爆破装置が取り付けられる。
そして事故が起きてしまうのだが、その爆破犯人をその列車の乗客の一人の過去の記憶に入り込み犯人を捜査すると言う摩訶不思議な捜査法を行うと言うストーリーなのだ。
やや物語は複雑ではあるが、過去にさかのぼり起きてしまったテロによる列車爆破事故をその事故の発生前の過去に戻って犯人を捜し出し、列車事故発生後である現在以降に起きるであろう、近未来の爆破事件を過去から犯人を割り出し、未然にテロ事件の発生を防ぐと言うものだ。アインシュタインの唱える相対性理論では光速が最も早いと言われていたが、現在では光よりも早い存在がこの世に存在しているだろうと言われ、正確に時間軸はどう存在するのだろうか?量子力学など苦手な私には正直良く理解出来ない分野であるが、割とこの手の作品は昔から多数有るのだ。これらはきっと謎を究明すると言う人間に備わった好奇心を呼び覚ますもののようだ。
実際にこの様な研究開発が何処かの国で、誰かの手により事実行われているのか否かは決して解らないが、好奇心のアンテナが全開する。
この真犯人究明の為に幾度も記憶に戻るので、同じ映像が展開されるのだが、少しずつ変化し続ける状況を見せる事で、真犯人捜査を主人公と同時に観客を巻き込んで行くと言うもので、最後まで目が離せないのだ。デビット・ボーイの息子であるダンカン・ジョーンズと言う監督の前作『月に囚われた男』を未だ私は観ていないが、このD・ジョーンズに私は囚われた男の一人かもしれない。これからの作品が楽しみな監督さんである。
僅か90分の映画で何度同じ様なシーンが繰り返されたのかカウントしていないので不明だが、本当に8分刻みで繰り返されていたのかさえどうでも良い程に気にならなかった。
この映画では列車がシカゴ駅に到着直前に爆破され、シカゴの街中で再びテロ事件の惨事を未然に阻止すると言うものだが、このシカゴと言う都市は私の記憶に間違いが無ければ確か全米一の飛行機の1日の離発着機数が多い空港のある都市だったと思う。
NYで発生した世界同時多発テロ事件から丁度10年目を迎えた今年、あのテロ直後より米軍のアフガン介入に始まりイラク・アフガニスタン戦争で、今年の年末ようやくイラクからの撤退を表明したオバマ政権であるが、テロと戦争の悲劇をこんな形で描く作品も珍しいと思う。
主人公の米軍エリートのスティーブは、幾度となく戦地に派兵するが、最後の派兵となるその前に父と口論したままで戦死した事を知る。
そしてこの列車で過去にさかのぼる過程で、父との喧嘩別れを許して欲しいと友人に成りすまして電話で伝えるシーンが切なくて忘れられない。私も父と死別2日前に口論したままで謝る事も出来ないままに別れた事が20年近く経つ今も悔やまれる時がある。私にもこの映画みたいに過去に戻れるなら、過去で起きた事実をたとえ取り消せなくても、新たに今のこの気持ちを伝える事が出来るならどれだけ嬉しいか!人は身近な人を大切にして生活し、決して照れずに素直に自分の気持ちを速やかに伝え続けると言う事の必要性をこの作品で教わった気がする。明日に延ばさずに、家族に感謝の気持ちを伝えて欲しくなるそんな作品だ。
軍の女性と列車の女性を交代した方がいいかも
水面を飛び立つ鳥から列車の爆発につながる。ミッションの度にこれが繰り返されると、ちょっとウザイと思ったがほどほどだったのでよかった。
プロジェクトを指導した博士は「これはタイムトラベルではない。並行世界へのアクセスだ」と言う。GANTZの世界観に似ている。
無数に分岐した世界が並行しているのだ。たとえば、列車は爆発しシカゴも爆破される。また、列車は爆破されるがシカゴは救われる。列車もシカゴも爆破されない。スティーヴンスにしてもスティーヴンスとして生きる世界もあれば別の人間として生きる世界もある。また、死んでしまう世界もある。無数に分岐した世界が同時に存在するのだ。おそらく、ひとつの個体は複数の世界を行き来することはできない。だから、ひとつの個体は今いる世界が唯一の世界だと思う。
あの時ああしていればこうしていれば、今頃どうなっていたろうと考えてみるのもいいかも。でも、考えすぎると疲れるからほどほどに。
騙されずとも満足します。
監督、上手いなぁ~!
列車爆破テロ犯人を捕まえるべく、爆破8分前に遡り、乗客の意識に入り込む、ジェイク演じる大尉。
いきなり列車の中で目覚める所から始まる。
ジェイク自身、自分の置かれた状況が分からない。
それを見る私達も同じくわからない。
ストーリーが進むにつれ、自分の置かれた状況がわかってきて、同時に私たちにもわかるようになっている。
同じシーンが繰り返し、繰り返し行われるが、状況を掴むに従って、次の一手を打つことができるようになる。
あまりにテンポ良く他人の意識内に潜入するので、「ジェイクの体は大丈夫なんかなあ~?!」と心配になる。
が、終盤、≪そうだったのか~!≫と納得。
父に電話もできず、せまいカプセルに閉じ込められ、それでも、今この時を精一杯生き抜くんだ!というチカラ、力。
とても優しくて、力強くて、信念を持っている。
そんな温かい心に触れたら、普通の人間なら、手を差し伸べるだろう。
クライマックス、いいなあ。
こういうの、好き。
ラストは、「エエ?! そうなの?!」
ということは・・・
あの時ああだったから、今はこうなってるんかいな・・・?!
ちょっと謎だ。
しっかり理解できていない。
あっ!そうか。難しく考えなくていいのだ。
あの時こうなったから、今はこうなってるのだ。
犯人探しの謎。
ジェイクの謎。
クリスティーナとの未来。
パラレルワールドで起こるねじれ。
孤独な男の心理をとても上手く表現していたと思う。
ダンカン・ジョーンズ監督、上手いなあ~!
エッ! パパは、デヴィッド・ボウイなの!
楽しめました。
「映画通ほどだまされる」という煽りには映画通ほどだまされない
ダンカン・ジョーンズ監督、「月に囚われた男」に続いて独特な世界観、限定された状況下での物語の展開がうまいです。
繰り返される部分もしつこくならず、適度にサクサクすすむし、ラストも人によってとらえ方がいろいろありそうでよいです。
「もしテロがなければ…」という世界は、やはりどうしてもあの9・11テロがなければ…という思いにもつながるのかなと想像してしまいます。
作戦・実験のために植物状態で生かされているスティーブンスを生かすか死なすかの部分で人の命の尊厳を問い、そして「もしテロがなかったら」の世界でスティーブンスは光と笑顔に満ちている。
なにやらじんわりと考えさせられるラストでした。
しかし「映画通ほどだまされる」というCMの煽りは、「たぶんそういう映画じゃないだろうけど、まあ、苦肉の策でこういう方向で宣伝してるんだろうな」と思っていったので、特になんとも思いませんが。
だまされる云々の映画じゃないですよね。シャマラン作品じゃないんだから。
いろいろ日本の映画の宣伝をみている映画通ほど、この煽り文句にはだまされないんじゃないですかね(笑
今年一番の映画です
あまりに切ない状況の中で
冒頭の美しい空撮からその世界に引き込まれ、堪能しました。
死が確実な乗客達に繰返し出会う、あまりに切ない状況の中、主人公の心の動きも彼の推理もすんなり入ってきました。登場人物にずっと共感し寄り添える緻密で丁寧な語り口は、無駄口があんまり無くて品がいいんです、上手いものです。
その割に博士のザッパリした描きよう、とってもいいです。
キャスティングも良く考えられていて、隅々までピッタリでした。
スティーブンス大尉を演じたジェイク・ギレンホール、すごく良かったです。テンポがゆっくりの時こそ彼の真骨頂、温かさが心にしみます。
せっかくディズニー配給で広く公開されるんだし、もっと間口が広くなるようなキャッチコピーなら良かったですね。
久しぶりに満足
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