「男たちのはやぶさ」はやぶさ 遥かなる帰還 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
男たちのはやぶさ
去年の秋から今年の春にかけて連作されたはやぶさ映画。
それぞれ特徴あって、「はやぶさ HAYABUSA」は堤幸彦監督らしくユーモアを交え、「おかえり、はやぶさ」は松竹らしく家族の絆を軸とし、そして本作は東映らしい男たちのドラマである。
大まかな話の流れは堤幸彦版を見ていたので新味は無いが、幾多のトラブルを乗り越え、小惑星イトカワからサンプルを持ち帰ったはやぶさと技術者たちの偉業には身震いする。
今回は技術者たちの苦悩をより掘り下げ、下請けの町工場長やその娘の新聞記者などそれぞれの形でこのプロジェクトに関わった多くの人たちの思いと苦労が報われ、やはり感動的。
見応えあるアンサンブル劇で、グッときたりドキドキもしたが、展開が少々淡白で一本調子。専門的なやり取りや用語が飛び交い、小難しく感じる。
竹内結子が入り口となって説明的でユーモアのあった堤幸彦版や3Dの松竹版のような何か特色が欲しかったが、生真面目なストレート勝負の作風は本作に合っている。
真摯な東映版も悪くはないが、僕は堤幸彦版が馴染み易い。先に見たからかな?松竹版も見てみなきゃ。
どのはやぶさ映画が好みかは、人それぞれ。
余談だが…
はやぶさ映画、各映画会社が競作したが、珍しく東宝は作らず。
結果的に共倒れ。東宝はこうなると分かっていた?だとしたら、さすがというか先見があるというか…。
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