ツレがうつになりまして。のレビュー・感想・評価
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なかなかよかったと思います
なかなかよかったと思います。
取り上げているテーマは「うつ」で、なかなか辛い状況が描かれているのですが、一貫してほのぼのした雰囲気。くすりと笑え、泣け、あったかい気持ちになれます。ストーリー展開は、だいたい予想通りでしたが、それでも充分満足できました。
宮﨑あおいと堺雅人はさすが。
宮﨑あおいは、ああいうマイペースで頑張らない役をキュートに演じるのが本当に上手。役柄と本人が完全に一体化して見えました。
堺雅人は、几帳面過ぎてうつになってしまうというキャラにピッタリで、本人的にはどんより落ち込んでいるのに、はたから見ると妙なおかしさをかもし出していて絶妙だと思いました。
この二人は、大河ドラマ『篤姫』で、徳川将軍と正室を演じましたが、それ以上にお似合いの夫婦役だったと思います。
宮﨑あおいは、実生活の方では夫と別居などと報じられていますが、作品中で彼女自身が言っている台詞がまるっきり矛盾していて、あらためて役者って大変だなあと感じました。
あとはやっぱり、イグアナのイグの存在が、ストーリー展開には大して影響はないものの、いい間を作っていてよかったと思います。
うつという病気については、この映画を見ただけで理解できるわけもないでしょうが、特別なことではないと感じることはできました。
ふんわり夫婦
こんなにツレーのに(涙)
素敵な奥さんです
「篤姫」を見ていなかったので、この二人が夫婦役ってどうなんだろう?と思いましたが、予想以上に素敵な夫婦でしたので驚きました。
宮崎あおいさんのハルさんは、ツレを支えるしっかり者でもありながら、チャーミングですし(部屋着もかわいい!つい服ばっかりに目がいってしまいました)
堺雅人さんは、今までツレのような役柄を見たことがなかったので、本作での堺さんは、新鮮に感じました。
私は過去にうつ病にかかったことはありませんが、うつのような兆候が現れることがあるので、「頑張れ」と言われて余計に落ち込むことや、「自分がいなくなっても誰も困らない」と自分を責めることが、私とダブって涙が出ました。
観終わった時、心がほっこりする作品です。
主演二人に拍手!
夫婦が繋がっておりまして。
以前、NHKドラマでやっていた本作を見ていた。
ハルさんを藤原紀香、ツレを原田泰造が演じていたが、
映画版のキャストをみて、絶対こっちだろう♪と思った。
実際に観てみて、もちろんこちらが圧勝!の出来。
ドラマ版では、どうもうつに対しての描写がキレイすぎるし、
加えてハルさんも生活感ないし(ワザとだらしなくしてたけど)
個人的にイマイチだったので、こちらを観て素直に感動した。
しかし宮崎あおい、いま私生活でもこんな感じなのかな(汗)
夫婦なんだから苦労がまるでない、なんてことはないけれど、
どちらかがいっぱいいっぱいになった時、片方の支えなしで
見事に立ち直れた例など聞いたことがない。人間は弱いのだ。
自分ひとりで何でも頑張ろうとするツレのような人間は、必ず
どこかで歪みが出てくる。私の周囲にもうつを患った人がいて、
どうして「頑張って」と言っちゃいけないのか考えたことがある。
常にいっぱいいっぱいで頑張っている人にさらに「追い打ち」を
かけることになるのだそうだ。責められていると感じてしまう…
私はまずそんなこと思わないけれど^^;でも、そんなデリケートな
心身の相手に、気の置けない台詞などとても言える訳がない!
頑張らなくていいんだよ~v
ダラダラするのが仕事なんだよ~v
ホラ、ゴロゴロと寝っ転がってお昼寝しようよ~v
映画の中でハルさんが言う台詞はせめてものアドバイスだ。
自分が好きな仕事をやってこられたのは、
結婚してからもずっと幸せに生きてこられたのは、
なにはなくともツレの存在。自分を愛して励ましてくれる存在
あってこそ、だったのだ。ということに気付く回想シーンには
ポロポロと涙がこぼれた。宮崎あおいが演じると、なんでだか
ハルさんがだらしなく見えない(爆)夫想いの妻、になっている。
何とか会社を辞めさせて(あれが原因だし)薬と怠惰を徹底させ、
代わりに自分がバンバン漫画を書くぞ!と意気込むハルさん、
とはいえ仕事が少ない。売れっ子なら味わわない苦労を支える
のが、ハルさんのご両親である。この両親がすごくいい。
結局この物語は、繋がって繋がって相手にたよることから学ぶ、
ひとりで考え込まなくていいこと、抱え込まなくていいこと、
他人でもなんでもいいから吐き出して、喚いて、声に出してみる、
愚痴を言ってはいけない、なんてことはないのだ。
言い過ぎるから、嫌われるということである^^;
でももし、迷惑がられても嫌われても、自分のことをちゃんと
分かってくれる相手がひとりでもいるなら、それでいいじゃない!
完全無欠の人間など、この世にはいないのだから。
私のように言いたいことを言っている(書いている)人間が
黙々と頑張っている人にとやかく言えることではないのだが^^;
しかしそれが辛いのなら、我慢しなくていいんだよ!と言いたい。
聞きたくないことは右から左へ流してしまう、これもいい方法だ(爆)
うつの実態、私は介護したわけではないので詳しくは分からない。
何よ、ドラマでこんなに明るく描いちゃって…と思う方もいるだろう。
でも私はこの原作をおおいに褒めたい。
くだらないひとコマに、こんなにも夫婦愛が満ちているのだから。
(しかし妻が夫をツレ。と呼ぶのには驚き。名前で呼んであげても^^;)
優しさがいっぱい♪
NHKで実写ドラマ化もされた
細川貂々の同名コミックエッセイの映画化です。
物語は~
漫画家の晴子(宮崎あおい)は真面目な性格の夫のツレ(堺雅人)と
のんびりと幸せな日々を送っていました。
しかしある日、ツレが「死にたい」などと言い出して・・。
病院での診察結果は“うつ病”。
晴子は原因が仕事のストレスだと考え、ツレに会社を辞めさせますが
病状は一進一退を繰り返します。
そんなツレをゆっくり見守りながら
晴子はツレの様子をイラスト日記に綴っていく。というストーリー。
宮崎&堺の夫婦役は、NHK大河ドラマ“篤姫”に続いて2度目。
ということもあってか、とっても良い雰囲気~♪
“うつ病”という重いテーマの映画ですが
穏やかに、温かく物語が進行していきます。
頑張らない!
コレって患者さんにとっても、支える家族にとっても
大事なことなんですよね~。
キャストで光っていたのは、晴子のお母さん役の余貴美子っ!
優しくて優しくて優しくて。
ほど良い距離感で娘夫婦を見守っていますよ。
バファリンは半分が優しさで出来ているらしいけど
このお母さんは全部、優しさの塊です。
こんなお母さんに私もなりたいっ!まさに目標です。
それと患者さん仲間の吹越満。
ツレの環境とは違う、悲しい患者さんの役。
出番は多くないんだけど存在感あるわぁ~。
この映画を観ている時、気になったのが
斜め後ろに座っていたオバサマ2人組。
ペチャクチャ話す話す。ホント!とっても迷惑でした。
【上映中は私語を慎む】って、基本ですよね。
でも私も近頃は1人で映画を観てばかりだからなぁ・・
子供と出掛けた時には気をつけなくちゃ!!
でね。更にチッ!って思ったのが
ツレが苦しんで、体を丸くして布団にくるまり泣くシーン。
何回かあるんだけど、その度にそのオバサマたちがね
笑うんですよ。
作品の楽しみ方は、人それぞれだから良いのだけど・・・。
実は私、産後うつの経験者。
だからツレの苦しさが痛いほどわかって、切なくって。
“自分はダメだ。”“こんな私でごめんなさい。”
映画のツレと同じように
本当にそんなことばかりを考えて口にしていたの。
今だから笑っても話せるけどね。
だから、イラっとしちゃったワケ。
この映画、うつ病なんて関係ナイって思っている人にも
観ておいてほしいな~と感じました。
こんなストレス社会ですからね。
いつ、自分が、大切な人が患うかもしれませんから・・・。
“ツレがうつになりまして”星は4つです。
幸せな
良い作品にめぐりあえました。
鬱病の症状やそれに対する周囲の言動をおもしろく、わかりやすく表現されていました。
私は、鬱病と診断されてはいませんが、数年前ツレさんと似たようなことになりました。映画を見ながら、その時のことを思い出し、辛いと感じる場面がありました。
でも、ツレさんに対するハルさんの言葉に私も勇気づけられました。私もハルさんみたいなパートナーにめぐり会いたいです。
映画そのものというよりは、この作品を知ることが出来て良かった。
自分が精神的にまいってる時に観ると良いだろうな。
この映画を観たことをきっかけに原作の本を購入しました。今日から読み始めてます。
映画の細かいことを言うと、宮崎あおいがオシャレでした。
あと、絵が飛び出す所が、ん?って思った。いきなりの現実離れ映像だったし…。
また、ツレさんだけでなく、ハルさんやハルさんの両親、仕事場の人など様々な人のことをやっているのも見やすかった。鬱病の人って、世の中にたくさんいるんだな。
観て良かったです。
イイ話だ。いい映画だ
筋書きは単純なのだが味付けがいい。
まず、超マジメで神経質なツレ。曜日で締めるネクタイを決め、好みのチーズを使った弁当を自分で作って出掛ける。満員電車に揺られ、会社からも顧客からも無理難題を押しつけられる日々。そこへ、自分の立場しか考えない上司、ツレの味方だがチャラい部下、それに名物クレーマーの3人だけを登場させ、ツレがうつを発症させるまでを描いてしまう。分かりやすくて効率がいい。
発症してからは、心配するハルさんの実家を絡ませて家族ドラマに仕立てていく。今度は、同じ病気を持つ患者や、落ち込んだ神経を逆なでする兄を登場させ、ここではうつ病についてのレクチャーが施される。うつに対する偏見を取り除き、ハルさんとツレを応援する気持ちでいっぱいになる。
いよいよ妻のハルさんの奮起だ。何事にもネガティブでマイペース、しかも家事が不得意。そんなハルさん、奮起の起爆剤は行きつけの骨董屋でみつかる。なんでもないただのガラスの瓶だが『割れなかったからここにある』という主人の言葉に目が覚める。主人役の犬塚弘が言うから余計に心に響く。クレイジーキャッツのメンバーでご存命は犬塚弘さんと桜井センリさんだけだ。
次は同じ教会で同時期に式を挙げたサークルの同窓会のエピソードだ。これがまた、いい味付けとなる。今作のメインディッシュといってもいい。
世間にうつであることを隠さず、励まし合い、前にも増して互いを思いやるハルさんとツレ。ホントは頑張ってるんだけど「頑張らないぞ」と言い聞かせるふたり。ここ数年の作品の中でも、心温まるラブストーリーとして珠玉の出来栄えだ。
さて、デザートはというと、それは観てのお楽しみだが、ある御仁が美味しいところを持って行く。
もちろんこの作品のシェフは宮崎あおいと堺雅人。絶妙なさじ加減で息もぴったりだ。
そして、作品にアクセントをつけてくれたウェイターといえば、イグアナくんだ。
オープニングと同じアングルで締めくくられるエンディング。季節の移り変わりをはめ込むことも忘れていない。
イイ話だ。いい映画だ。
病める時も健やかなるときも
割れないことに価値がある
身内の不幸を笑いのオブラートに包んで表現する「毎日かあさん」的作品。
ファーストシーンは古い民家。今はあまり見られない縁側がある。そんな家に住む髙﨑幹男は妻からツレと呼ばれている。ツレは弁当のチーズとネクタイの組み合わせを月曜から金曜まで決めている。名字の「髙」と「高」の違いを指摘する。超A型的性格。まあ、うつになるわな。
妻はツレのうつ発症に対して頑張らないで付き合うと言いつつ、「ツレがうつになりまして仕事ください」と頑張る。「野菜は重いから買いたくない」でも、うつに効くからと両手にいっぱい買う。
うつの人は観ないと思うけど、うつ予備軍は多いから参考になるかも。失敗しても怒られても右から左的人はうつにならないだろう。そんな人、周りにいるでしょ。
ほのぼのと鬱に向かい合うアンバランスな夫婦噺
鬱病に苦しむパートナーを支える夫婦噺やと、映画では、リリー・フランキー&木村多江の『ぐるりのこと』が、
漫画では、吾妻ひでをの『失踪日記』が傑作やと思う私は、今作の妙にほのぼのとした世界観に出足から戸惑ってしまう。
しかし、闘病生活の痛々しい現実と微笑ましいのんびりしたテンポとのシンクロが絶妙で、メリハリの効いた空気を『篤姫』以来の夫婦役となる宮崎あおい&堺雅人が愛嬌豊かに演じ、見応えがあった。
悲しいけど何か笑える。
笑えるけど妙に寂しい…
そんな鬱病に揺れ動く2人の心情が繊細に表現され、原作が持つ不思議な画のアンバランスさを再現している。
特に退職当日、満員電車で突然泣くじゃくるダンナに困る妻のやり取りは深刻さに反して思わず笑ってしまい、ユルさの重要性を実感した。
ペットのイグアナを筆頭に、妻の両親(余貴美子&大杉漣)etc.のトボケた存在感も陰を和らげる効果を発揮し、観る者が病気に対して受け入れやすい敷居の高さに調整してあるのが大きな魅力であると云えよう。
総合的には、予想より病状が軽いような印象を感じ、克服するまで闘病生活がスムーズに過ぎていったのは物足りなかった。
しかし、元来ズボラな怠け者なのに、介護福祉士という常日頃、神経を細かくして対応しなければならない職業を勤める私には2人の苦悩は他人ごとでは無い。
2人それぞれの不安や葛藤から生まれる名言にいちいち頷いている自分に気付く。
・休む時は休むのが宿題
・うつ病になった原因を考えるのではなく、うつ病になった意味を考える
・頑張んなきゃいけない時だからこそ、私は頑張らないet
c.etc.
仕事上いつ自分が患ってもおかしくない病気なので、良い心構えになったと思う。
それにしても、退職したダンナに代わり、生活費を稼がなきゃと仕事に励む宮崎あおいの健気さが妙にリアルで愛おしかった。
では最後に短歌を一首
『遠ざかる 振り子にハネを 寒椿 雨はツレヅレ 添い寝のスケッチ』
by全竜
ツレの気持ちがよく解る。
自分も『うつ病』に悩まされた時期があるので、ツレの悲しみ、辛さ、苦しみが痛い程よく解りました。何に対しても申し訳ないと、自分なんか居なくても誰も困らないと強く自分を責めて、自分で自分を追い詰めるのです。
そんなツレと、ツレを懸命に支え続けるハルさんの温かさ、優しさに号泣しました。
ただ、最後の方で漫画のキャラが飛び出す描写にはチョイと引きましたね。必要あったんでしょうか?
全体的にはホンワカしてて、気持ちがあったかくなる、そんな作品です。
人生晴れのち曇り、そしてまた晴れる!最高のヒーリング映画
堺雅人と佐々部清が再びタッグを組んで、今の日本を切り取ってくれる!頑張らないで生きると言う女房役の宮﨑あおいの熱演に涙!
心の風邪と言うらしい鬱病になった夫の治療の過程を漫画にした作者の体験をドラマ化しているのだが、これが暗く無くて、観ていてうなずけて、しかも予防薬的効果も有りかも?と期待も出来る、好印象の映画だ。
今や3大成人病に新しく2つの病気が加わり、我が国では5大成人病と数えられる疾病の中の一つにこの、鬱病と言う面倒臭い、完治に至る迄の長い道のりの病気が加わったのだ。
何とも日本人にとって残念な事に年間3万人以上の人達が10年以上に渡り自殺をしている不思議な自殺大国日本。それらの自殺者の中にも、きっと鬱病を患い、発作的に自殺されてしまった方もおられるのだろうと、この映画を見ていると感じるのだ。
この悲しい現実を目の前にして、結婚5年目の若い夫婦が、鬱との闘病を漫画にして、ベストセラーにした奇跡の物語が、ドキュメンタリーでは無く、またアニメでも無く、実写のドラマとして創られたと言うのも、その時々の時代の一部をもぎ取り描くと言う事も一つの映画の大きな使命であり、この映画は今の日本を現した作品として、その存在価値を高く評価したい。
実際のこのドラマのモデルの家では、クラッシック音楽を頻繁に聴いていたのかは分からないのだけれども、ピアノ曲がとても効果的に使われていて、まったり、のんびりと極力肩の力を抜きながら生きて行く事に徹した夫婦の物語を観る事で、私達は、一種の癒し効果を得ているような気がした。
最近元気が足りなくて、心の風邪かもと思っている鬱病の初期段階の軽症患者には、ヒーリング効果と言うかリハビリ映画としてもお勧め出来そうな程である。
これは、単なる闘病日記的な映画では無く、若い家族の新たな再生の物語で有り、ラブストーリーでも有る点が救いである。
良い意味で予想に反して、ややもすると重く暗くなりがちな題材を、敢えてコミカルに描きつつも、程良くリアル感を残した作風が絶妙の作品だ!
正直『日輪の遺産』では、少々現実味が薄れていて、堺さんと佐々部コンビには、ガックリさせられたのだが、今回は、ハナ丸だ。
『陰日向に咲く』『ソラニン』と献身と純真な役ところが好感の持てる宮﨑あおいを起用したと言うのもこの映画の成功の要因の大きな点だと思う。
これからの季節は、何とは無く、物悲しく、切ない気持に成り易い秋だ。頑張らないで、
でも決して後ろ向きに成らずに、ゆっくり、一歩一歩、確実に人生を前進させる事の素晴らしさ、それに向かい合って行く事の素晴らしいさを教えてくれたこの映画に感謝したい。病める時も、健やかなる時も共に、これを敬い、愛し生きて行く事を心に秘め、この311後の日本をみんなで共に生き抜いて行けたらどんなにか、素晴らしい事だろうか!
明日は、また新しい日だ、人生晴れる日が来ない事などないとツレが言っている!!
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