戦火の馬のレビュー・感想・評価
全32件中、21~32件目を表示
馬が好きなら・・・
馬が好きなので観に行きました。
途中から終わりごろまでは嗚咽がするほど泣きました。
悲しみと感動と両方の気持ちでしたが観て良かったです。
CGを使ってないのに馬のジョーイの演技は凄いとしか言い様がないし、本当に賢くて逞しくて良い馬でした。
主人公とジョーイの深い絆を感じました。
ジョーイが行く先々で様々な人間や運命に出会い、残酷な戦争の中をひた走るジョーイに圧巻でした。
ジョーイが様々な人に渡されていくなか改めて戦争の愚かさや残酷さ、悲しみを思い知らされました。
完璧な理想映画を求めて行くとすれば納得できないシーンも多々ありますが、主人公とジョーイの絆は深い所で感じ取る事も出来たし最後は安心出来たので全体的に良かったと思います。
最近のスピルバーグらしいご都合主義に万歳!
映画とはわかっていても、サラブレッドを農耕馬として使ったり、
鉄条網に絡まっても深刻なケガを負わなかったりと、ツッコミどころが満載です。
最初は主人公にしか、なつかなかった馬は、物語が進むうちに、誰にでもなついてしまいます。
なんというか、この馬の立ち位置ってどう観たらいいのでしょう?
その割りにこの馬に関わった人達は、主人公以外、みんな不幸になるんですよ。
ある意味呪われた馬ですよね。
結局、無理矢理のハッピーエンドで大団円。
ほんとおめでたい作品だと感じました。
共感しっぱなしでした
当方学生時代馬術部でしたが、ジョーイを可愛がる主人公のアルバートに共感できてとても楽しめました。
子馬のときに一目ぼれした気持ち
親父がつれて帰ってきて、世話を申し出た際の責任感
徐々に自分に懐いてくれる嬉しさ、可愛さ
家族を守るため親父に売られたときの悲しさ、悔しさ、やるせなさ
諦めていただろう時に戦地で再開した驚きと喜び
他にもどんな時にもいた馬達を可愛がる人達に一々共感してました。
私が世話してとても可愛がってた馬は走ることが出来なくなり、よそに移りましたが
ジョーイは帰ってきて本当に良かった!!譲ったおじいちゃんステキ!!!辛かっただろうけどね!
ご都合主義バンザーイ!
警戒してるときにも耳ピン立ちといった不自然な馬の様子も気にならないくらい
良かったです。
物語の原点。
本国ではあの「タンタン」と同日公開だったんだとか…^^;
すごーい!
今作と其作。対極にある作品をドンと蔵出しスピルバーグ。
日本の観客は多分、タンタンを鑑賞後に今作を観ているので
うわ、ゼンゼン違う(爆)雰囲気にビックリさせられる。
でもどちらにもスピルバーグ魂は健在だということに気付く。
私的に最近では彼の映画に勢いがなくなった…という気が
してならないのだが(それは仕方ないか)完成度の高い作品を
未だに私達に提供してくれることに感謝したい。さすが巨匠。
馬が大好きな私は、ほとんどの馬映画を観ている。
しかし今回は素晴らしい、なんて美しい馬たちを(何頭だ?)
おそらく駆使して撮りあげたのだろうが、まぁこの馬たちが
見事な演技を披露する。モノ云わぬ馬同士が視線を絡ませ、
俺に任せろ!と云わんばかりに歩み出るところなんか号涙!!
なんなのよもう、この子達ったら…(T_T)アカデミー賞あげるわ。
もちろん主役のジョ―イ、そしてライバルの黒馬も見事だった。
そして今作、牧歌的風景から戦場へ送られ、様々な人と出逢い
ながら、戦火を潜り抜けて生き抜く馬の力強さに圧倒される。
どう考えても生き残れるような現場ではないのに、まさかと
思う活力でこのジョ―イは生きて、更に帰ろうとするのである。
それを圧倒的なスケールで見せる監督の映像表現も見事だが、
所々に笑いも取り入れ、名作へのオマージュまで表現している。
思えば先に観た「ヒューゴ~」でスコセッシが描いていた世界を
スピルバーグはこういう形で(馬を使って)表現したのかなと思う。
古臭い、ありふれた、単純で、地味で、オーソドックスな物語を
これが「原点だよ」とわざと観客に見せているような気がするのだ。
なんだこれ、古くせぇ。つまらねぇじゃん。と思う観客がいるのは、
映画がそれだけ進化して(してしまって)方向性を変えたのである。
人間同士の心の触れ合いや家族の絆など、そういう要素はあまり
変わっていない気がする。奇想天外な話の中にもちゃんとそんな
要素のある作品がヒットしているのは、どんなに時代が変わっても、
物語の原点は常にここにあるからだ、というのを言いたくて仕方ない
巨匠たちの「想いに浸った」作品が公開される所以と繋がるだろうか。
さらに今作は原作が児童文学ときてるから^^;敷居も低い。
おそらく子供が観ても、このお馬さんはどうして走り続けてるの?
えーと、それはねぇ…と説明ができるいい話だ。
馬を人間と同様に戦場へ駆り出させた愚かさと、大金を積んでも
ひと(馬)の心は買えやしない、という現実が最後まで胸に染み渡る。
よくぞ生きて、よくぞ帰ってきた!と
終戦後、我が子に声をかけることができた親はどれだけいただろう。
(これを舞台でやったというんだから凄いですね。観たかったなぁー)
美しいのだけれども??
沢山のエピソ-ドを詰めるよりも、主人公の少年と馬の巡り会いや、すれ違いにもっと焦点を当てた方が良かったのではないのかな。ひとつひとつはとっても素敵なな話しなのだが,時間的にとても短くて深く描き切れていなかった。結局あの馬を競り落とした老人の孫娘がどうなったのか知りたかった。でも、あの馬があんな状態で助かるとはとても思えない。
英国
2012/03/12
今月は本命映画と大本命映画ばかりで困ります。
2012.3第一弾!!!!
WWⅠ時のイギリス軍が見られると聞いて(ガタッ
なな何がってイギリス大好きだし・・・・
軍服大好きだし・・・
映画の衣装大好きだし・・・・・・・・
ねっヽ(´∀`ヽ)
という訳で観てきましたが、
兵士達がいかに過酷な状況下に置かれていたか・・・ひしひしと感じました。
先日まで近現代の戦争に関する勉強をしていたので増々。
塹壕 塹壕と聞いたり古い映像を見てはいたのですが、今回の映画でイメージがより鮮明になった気がします。頭がおかしくなりそう(´・ω・`)
やはり戦争は言葉では言い表せない程、辛く過酷で悲しいもの・・・・
・・・・・だとは思うんだけど、これでは期末試験で戦争に関することで自分の出した(出してしまった)結論に疑問が残ります。もっと考えるべき事かと思いました。
っと、ところで
1人もーーーーーのすごく軍服の似合う俳優さんがいました。
うわわぁぁぁぁ。名前がわからんっΣ(゚Д゚;)
誰か名前を!!!キャプテン(=大尉)ってことはわかったから・・・・
ニコルズ大尉でいらっしゃいますかーーー(n‘д‘)η゚・*:.
とわかったは良かったのだが、わかってすぐに戦死してしまったorz
↑最後まで引きずってしまいましたよ・・・
でもって俳優さんの名前を調べてみると、
トム・ヒドルストンさんですか。ほう。
ってロキーーーーーーお前かぁぁぁぁぁぁぁぁぁ←
なんていうか、気が付かなかった自分にびっくりだけど彼の軍服の似合いっぷりにもびっくりでした。
マイティ・ソー大好きですよ。
アベンジャーズも楽しみにしていますよ。
でもね。軍服着てた方が素敵だと思うよ←
自分がいつからこんなに軍服好きみたいになったのか知らないけど・・・・
(・・・いや、確実に映画ワルキューレを観て以来映画の中の衣装と軍服に興味を持ったのは明らかだけど)
最近ひどいよな(;゚д゚)
帰る勇気!
素直に心打たれましたーー!!
中でもジャムのおじいちゃんの伝書鳩の話は、ジョーイの激走と重なり、胸が熱くなり涙が…
そぅだよね、帰る、って命がけよね。
(…と、3.11の自分の帰りたかった気持ちをうっすら重ねて。)
あまりのも純粋なその姿、人の良心が呼び覚まされるのかな。
その真逆の戦争の残酷さが際立ってました。
離脱した兄弟、大砲を引く馬の命を容赦なく絶つ。
不条理で残酷で何の為に戦っているのか全く分からない…苦々しくしみじみ感じてしまいます。
それゆえコインの場面は反戦をヒステリックに叫ばずとも答えのひとつになっていた。
ジャムおじいちゃんを再登場させたのも良かったし…
小さなエピソードを拾い上げゆく物語の進行が美しく響きました。
何より、何でも分かっている馬達。
素晴らしい演技!!
濡れた黒い瞳が忘れられないです!!
みんな、家に帰りたいだけだ
まず一番の不満点から語ってしまう事にする。
僕はハリウッド映画で英語圏以外の人間が英語で話すのを
あまり気にする方では無いが、今回は物申す。
この映画は言語を英語で統一するべきではなかった。
ドイツ人は独語で、フランス人は仏語で語るべきだった。
母国も思想も持たない一頭の馬の目を通して見えてくるのは、
家族、友人、そして生命への慈しみの心。
母国も思想も異なる人々にも共通して存在する温かい感情だ。
だからこそ、
国と国・人と人とを分断する上であまりに大きな役割を果たす“言語”という要素に手を加え、
人間の表面的な違いを曖昧にすべきでは無かったと強く思う。
しかしながら、良い映画。
この映画には、音楽・映像共に古典映画のような落ち着きと温かみがある。
まずはお馴染みジョン・ウィリアムズのスコア。
本作の音楽は台詞以上に雄弁に場面を語り、観客の感情をリードしてみせる。
音楽で物語をここまで豊かに語る映画は今や少ない。
そしてヤヌス・カミンスキーの映像だ。
かねては陰影が強くザラリと冷たい質感の映像が持ち味の彼だが、
今回は作品に合わせてそのスタイルを大きく変えた。
人の慕情に訴え掛ける柔らかな光と、冷たく澄んだ空気を感じさせる映像。
農村を照らす朝焼け、清々しい緑の山々、綿舞う黄金色の草原、
戦地の雨の冷たさ、ラストの燃えるように美しい夕焼け……
(しかしながら塹壕での戦闘シーンは、『プライベート・ライアン』
ほど凄惨では無いものの十二分に恐ろしい)
なかでも圧倒的に美しかったのは、
身動きの取れなくなったジョーイを救い出そうと
イギリス兵が無人の戦場を歩くシーンだ。
灰色の朝霧に包まれた戦場は、静謐で、厳粛で、まるで死者の棲む領域のようだった。
ドイツ兵とイギリス兵が協力してジョーイを救出するあの場面は
ここだけで短編映画として成立しそうな出色の出来。
とてもユーモラスで、わずかに物悲しい。
あれは一種の寓話だが、似たような逸話は幾つも聞く。
国の思想や戦争の大義名分はどうあれ、
やはり『怖い、死にたくない』と感じるのがいきものとして当然であって、
一人間どうしで面と向き合った時には、この映画のように
「お前は死ぬなよ」と言い合うのが本当の所なんだと思いたい。
みんなこんな事は望んでないんだ。家族の所に帰りたいだけなんだと思いたい。
古典的にして普遍的な反戦映画。
<2012/3/3鑑賞>
馬も人間も戦争は逃げるが勝ちである
舞台は第一次世界大戦のヨーロッパ。
装甲車や機関銃で大量殺戮が繰り広げてる真っ只中の戦場を如何に生き延びるかに感心が集まり、息を呑む。
たまにドライブ中にはぐれた犬が何日もかけて歩き続けて、飼い主の家まで無事に辿り着いたってぇニュースをたまにやるけど、それとはワケが違うのだ。
(当たり前じゃねぇかというツッコミは敢えて無視する)
小作人一家で調教される穏やかなトーンと、戦地に送られ、
絶体絶命の危機を重ねる緊迫シーンとのギャップに戸惑い、重苦しい世界観に慣れるまで、とても時間がかかる。
そもそも奇跡の馬云うても、戦地では殆ど活躍しちゃいない。
初戦で早々に射殺された大尉は、あまりにも間抜けで唖然の一言である。
しかし、血塗れの酷たらしい状況に応じて、バトンタッチされ、二転三転していく飼い主の人生模様リレーを見つめる馬の汚れなき瞳がとても印象的だった。
馬の瞳の輝きを通して、殺し合う事でしか存在価値を見いだせない人間の愚かさを突き付けられ、平和について考えさせられてしまう。
全体的に大味やけど、スピルバーグならではの上手いアプローチだ。
戦争の被害者は、まず第三者であり、彼らがメッセージを発しないと平和は逃げていく一方であると、面と向かって叫んでくれたのが、人間では無く、馬だった。
この意味って採点とか賞とかでは上手く解ってこないと思うけどね…。
まあ、それがハリウッドにおける戦争事情なのでしょうな。
では、最後に短歌を一首
『駆け抜ける 嵐を独り 帰るため 燃ゆる瞳は 絆を託す』
by全竜
人の思う『希望』になる馬
試写会にて
いろいろ説明しようと思いましたが、
とにかく、観たいと思われたなら観てほしい。
映像もきれいだし、戦中映像も迫力があります。
無意識ですが、馬のジョーイが逃げ出すシーンでは、
思わず祈りのポーズしてしまいました。
ジョーイは、人間並みの優しい馬。
出会う人々の思う「希望」になったり、
同じ立場の馬の代わって過酷な労働したりと、
どんな苦境でも諦めません。
最初は、少しだけ間延び感があるのですが、
どんどん引き込まれます。
絶対に、という程ではありませんが、
劇場で割り引き等での鑑賞なら納得!かと思います。
犬っこ馬
戦火の馬
in仙台、鳥越俊太郎さまの試写会参加したんだども、すごく混むんだろうなあと思いつつも、仕事終わりにぎりぎりの時間で行ったから、前の方の座席しかとれなくて、前から2番目の横っきわでヘンテコな席最悪!開演時間18時30分~って早すぎて友達誘っても時間早すぎて終わらないから結局一人鑑賞で寂しくね?って思ったけど、
それが功を奏して、馬の美しさと戦争の恐ろしさを大迫力で体感できて、止まらない涙で(も周りを気遣わなくて済んで)の大感動を味わえました。鳥さまは20分くらいの挨拶で、自分のお母様が大腸がんを患ってお見舞いに行くも、鳥さまのことを誰だかわからんかったらしくて、でも自分の息子ですよ、とおっしゃって初めて思い出してくれて、両手で鳥さまの顔をなでて、にっこり笑った‘奇跡の再開’の話をしてくれまして、片手にマイク、もう片手に原作者の原作本を小脇にかかえておりました。
鳥さま「ホーホー」て言うと馬が駆け寄ってくるんですよ!ここはお見逃しなく!
ってフクロウのまねはじめっから場内大爆笑だったけど、
そこでだいたいストーリー読めるじゃん、(戦争用に連れてかれた馬っこがホーホー言うたら‘奇跡の再開’がや?)ほんっとにそっくりそのまんまでシーンが来たっけども、そのシーンで涙止まらんかったや。女の子大好きな映画だわこれ。後の席からスンスン泣いてる女っ子多がったや、早く封切りしないかなあ、またジョーイに会いたいな!
最後に、この作品の上映時間は・・・何分だったかな?2時間・・・そのくらいでしょうかね?って適当こいていて場内大苦笑(笑)でその時になんか私と目が合って笑ってくださっておりまして鳥さまなんてダンディーで素敵な方なのだろうとほれぼれする次第でありました。
作品の感想は・・・最初から、うるうる来てしまったよ!大草原の小さな家みたいなメルヘンちっくな女ウケするつくりが最高にたまらんかった。馬が産まれてその光景をずっと見つめている男の子がいるんだけど、あれ、ここどこ?男の子=アルの家?じゃなさそうだし・・・何故にストーカーしてるん?ここきみの隣ン家か?そんで競売マーケット経て競り落としたずんつぁん家がアルの家じゃんか。なんで親父までおなじ馬に惚れてんのwwwうーんでもアル15歳には見えへんなああなんつーか鳥羽純ぽいよ。
馬のジョーイだけじゃなくてアヒルのハロルドさんもっと出番欲しかった!あの子名わき役だったな。クスッとするシーンていうか・・・もう少し出番くれても良いのではなかろうかと思った。
苦労して作付した作物が雨でだめになって、気持ちが沈んだ流れで「戦争だ!」の流れなんか秀逸っすな。でも戦地の仏国なのか自分の国の英国なのか、理解しかねるシーンがあったな。帽子のトンガリ具合で判断してたっけどね。あの可愛い娘さんはフランス娘だそうです。ジョーイに乗馬し「やっほーい」とぱからんぱからんしてたらどっこい!兵隊さんに囲まれて、おじいちゃんは向こうの川岸だからどうすればいいかガクブルでそのシーンで娘が犯されはしないかとドキドキしてしまってキャラメルポップコーンこぼれちったよ。
アルが戦地に行った場所はどこ?ってなったけどいちいち吹き替えてらんないよね。毒ガスで目が見えなくなっても最後には治ってんだ?治って良かったね、続編の妄想しちゃうけど、奇跡の馬ジョーイを探しに来たフランス娘のじいちゃんと、また運命の出逢いして、アルと結婚してめでたしめでたしにならんかな。一生をかけてこの映画について考えて行きたい作品です。また見ますわ。
馬の美しさに魅せられる
スティブン スピルスバーグ監督、米英合作の映画「WAR HORSE」、邦題「戦火の馬」を観た。1982年に発表された英国作家、マイケル モルパーゴの小説を映画化した作品。早くもゴールデングローブに ノミネートされている。
ストーリーは
ところは イギリスのデボン地方。
石ころだらけの土地を開墾する貧しい農家。
15歳のアルバートは 父が農耕馬として買ってきた馬を見るなり その美しさに心を奪われた。父親のテッドもまた この馬の姿に魅かれて 競売に参加して競り合っているうちに 引っ込みがつかなくなって競り落としてきたのだった。テッドはお金のない農夫の身なのに 農耕馬の代わりに美しい競走馬を買ってしまったのだった。帰るなり、妻のエミリからは、足の細い競走馬に畑作業などできやしない、と叱咤され罵倒され、近所の農民達からは馬鹿にされ、領主からは 借金が増えるばかりだ と笑われる。
しかしアルバートは この若馬に ジョーィと名をつけて、心を込めて訓練を始める。親から引き離されたばかりの若馬ジョーィと、孤独な少年アルバートとの間には、やがて友情が芽生え、ジョーィはアルバートの言うことなら何でもわかるようになっていった。ジョーィは 家族の願いを聞き届けるように、農耕作業も懸命にやって、家族を助けた。
時は1914年。第1次世界大戦が始まる。デボンの街からも男達が率先して志願し戦争に出かけて行った。借金に苦しむ父親テッドは 高額で馬を買いたがっている騎馬隊に、ジョーィを売る決意をする。アルバートは 無二の親友ジョーィを取られるくらいなら、自分も騎馬隊に志願して戦地に行きたいと懇願するが、アルバートはまだ兵役に満たない年齢だった。ジョーィとの別れに嘆き悲しむアルバートにむかって、騎馬隊の隊長は 戦争に勝って必ず連れて帰るから、と説得する。アルバートは 父がボーア戦争に行ったときに 優秀な兵士として表彰され受け取った旗をジョーィのクツワにお守りとしてくくりつけて ジョーィを見送った。
しかし しばらくしてアルバートが受け取ったのは 騎馬隊長の描いたジョーィのスケッチ画と、隊長の戦死の知らせだった。すでに、兵役の年齢に達したアルバートは、入隊してジョーィを探そうと決意する。
戦場は過酷な状況だった。英仏とも、戦況は膠着状態で死者が増えるばかりだった。アルバートは 歩兵として突撃要員として、駆り出されて、、、、
というお話。
映画の最初に、上空からイギリスのデボン地方の映像が映される。どこまでも続く緑の豊かな穀倉地帯、放牧も盛んに行われていて、ところどころに農家が点在する。広がりのある 美しい絵葉書のような景観だ。やがて、カメラが地上に下り、牧場を映す。豊かな緑を背景に 走り回る馬の美しさ。馬の出産、赤子が立ち上がり、歩き出し、母親馬のあとを 飛びまわって跳ねる。愛らしい子馬。風を切り勇壮に走る競走馬。馬の筋肉の盛り上がり。細い足で土を蹴る後ろ足の力強さ。走る馬の その姿の美しさは例えようもない。
そんな美しい生き物が戦争に駆り出され、砲弾をかいくぐり 重い大砲を運び、騎馬隊として敵地に飛び込んでいく。
ジョーィが自由を求めて、鉄条網で体中傷だらけになって 重い木の柵を引きずりながら力つきるシーンや、ぬかるみの中を重い大砲を引く労役を強いられて足を折るシーンなど、胸がつぶれる思いだ。第1次大戦の まだ近代兵器が開発される前の戦争の残酷さ。肉弾戦の冷酷無比な様子は、見るのもつらい。
戦場の非情さが淡々と映像化されるが、しかし哀しいシーンばかりではない。フランス片田舎の少女が出てくる。両親を殺され 戦火に脅えながら、おじいさんと暮らしている。自分が見つけた美しい2頭の馬を 軍に取られまいとして 必死に自分の部屋に隠す。それを見守るおじいさんの優しさ。
自分の馬ジョーィを探すために 戦場に行ったアルバートのひたむきさが胸を打つ。戦争場面が残酷だが、デイズニー映画らしい終わり方をして、子供も大人も楽しめる映画に仕上がっている。そして、強い反戦へのメッセージが込められている。
かつて、世界大戦のために、オーストラリアから136000頭の馬が戦場に送られた、と記録されている。そして帰ってきたのは たった一頭だった。現在、戦争記念館には、一頭の生きて帰ってきた馬、サンデイーの像が建っている。なんという おびただしい犠牲だろう。人が始めた戦争のために、人を心から信頼している動物が利用されて残酷な扱いを受けて死ななければならなかった。改めて、動物達を駆り出していった戦争を憎む。
この映画を撮影するために オーストラリアのゴールドコーストから14頭の馬と、ゼリ ブレンという40歳の動物訓練士が海を渡ってハリウッドに行った。彼女は、戦争で犠牲になったオーストラリアの、136000頭の馬を代表して 映画作りを手伝ってきた と言っている。
良い映画だ。
全32件中、21~32件目を表示