劇場公開日 2011年10月28日

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「ズル賢い男VS更にズル賢い女という構図は奪還モノの宿命」三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ズル賢い男VS更にズル賢い女という構図は奪還モノの宿命

2011年10月29日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

飛行船やマシンガンetc.を駆使し、時代交渉お構い無しに大暴れする何でもありの世界観は娯楽性重視の3Dでは適した面白さだったかな。

英雄であるべき存在なのに皮肉がキツい三銃士を筆頭に、フランスのリシュリュー卿(クリストフ・ヴァルツ)もイギリスのバッキンガム卿(オーランド・ブルーム)も曲者揃いが揃い、騙し騙され合う駆け引きは盛大で、愉快な合戦を好むアンダーソン節を物語っている。

『バイオハザード』シリーズで確立させた徹底的な破壊の美学を更に追求したエンターテイメントに仕上がっており、脳ミソ空っぽ状態でも親しみやすい賑やかさだ。

故に難解さを取り外し単純明快な分、物足りなさが全体的に残ってしまう。

アンダーソン組では哲学的な要素が強く複雑怪奇なSF『イベントホライズン』が一番好きなんやけどね。

それにしても、男共のド派手な喧嘩をぶつけながらも結局は2国を股に駆けた女スパイのミラ・ジョヴォヴィッチにオイシい所を全部持っていっちゃうのは、旦那としても監督としても呆れた御愛嬌だ。

創っていて、恥ずかしくないのかな。

公私混同も甚だしい。

頭も腕っ節も根性も一枚上手な女では、峰不二子以来の強豪である。

男が束になっても女にゃ〜かなわないっていう《ズル賢い男VS更にズル賢い女》構図は、ルパンに限らず、奪還モノの運命なのかもしれない。

『黄金の七人』しかり、『オーシャンズ』各シリーズしかり。

まあ、男共のアホな性分をカッコよく堪能できるので退屈はしない。

でも続編はもうエエかな。

空を主軸にしてるため、3Dやと酔いやすい恐れあり。

今後、観る予定の方々は要注意と警報出したところで、最後に短歌を一首。

『クビを賭け(掛け) 飛んで火(妃)に入る(射る) 雲(蜘蛛)の城 剣に誓ふ 勝利の美酒を』
by全竜

全竜