東京家族のレビュー・感想・評価
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小津監督の凄さを再発見
「東京物語」をなぞった、という山田監督のコメント記事を読んでから観てきました。
冒頭の長男一家のシーンが本当にそのまんま、でびっくり。さらに、まったく古くさくない、今でもごく普通にありそうなやりとりであることに驚きました。
失われた人間模様などノスタルジーの中で語られがちな・語りがちな小津監督作品ですが、現代風に色付けしてもまったく遜色ありません。むしろ、生き生きと今を写し出しているように感じました。
一方、新たに加味した要素は、活きているとは言い難かったです。特に、あえて震災を持ち出す必要があったのかは疑問。取って付けたような印象が拭えませんでした。「この国」発言の繰り返しも、違和感がありました。
役者さんたちは、それぞれ気持ち良さそうに演じていたと思います。杉村春子→中島朋子は力が入りすぎかと感じましたが…巧いです。とはいえ、個人的には、夏川結衣のでしゃばらない演技に好感を持ちました。
改めて、「東京物語」を大きなスクリーンで観返したくなりました。
ぬくもりのある演出
小津安二郎の「東京物語」のオマージュ。
橋爪功、吉行和子の演じる夫妻が穏やかな口調、ゆったりとした物腰といった老夫婦の感じをすごく自然に出していた。とある島の田舎で暮らす老夫婦は、東京で暮らす長男、長女、次男、3人の子どもたちに会いに、東京に旅に出る。ホテル住まいではなくて、長男、次男の家に泊るところが、いまの感覚と少し違っているけれど、家族のつながりを感じたい気持ちがあれば、いまもありえなくもない。
子どもたちが、気を遣って高級ホテルを手配するも、1泊すれば、また長女の家に戻ってきてしまう。老夫婦が東京に子供たちに会いにいく数日間の間に、親子の関係を見つめ直し、家族の絆を感じ合う、そんなひとときがぬくもりとともに演出されていて、何より自然で感動しました。
風景画のように自然な演出が続く、山田洋次監督の匠の技だと思った。
蒼井優が作品に恵まれているのか、 蒼井優が上手いのかはわからないが、 とにかくいろんな作品で見る蒼井優はどれもいいとオレは思う。
動画配信で映画「東京家族」を見た。
劇場公開日:2013年1月19日
橋爪功
吉行和子
西村雅彦
夏川結衣
中嶋朋子
林家こぶ平
妻夫木聡
蒼井優
小林稔侍
風吹ジュン
監督
山田洋次
脚本
山田洋次 平松恵美子
「家族はつらいよ」シリーズは3作とも見た。
キャストがほとんど同じなので家族はつらいよの前段なのかと思ったが、
あっちは平田家で、こっちは平山家だった。
住んでいる場所や家族の職業などもそれぞれ違っていた。
橋爪功、吉行和子夫妻が瀬戸内海の島から
東京に住んでいる3人の子供たちに会いに来る。
西村雅彦は医師で、
中嶋朋子は美容院のオーナー。
妻夫木聡は歌舞伎などの舞台の裏方をやっている。
それぞれの家庭を見た老夫婦は東京で立派に暮らしている3人と家族を見て、
誇らしいと思い、また満足した。
吉行和子がとってもいい人だった。
中嶋朋子のきつい感じの長女がまるで実在の人物のような気がした。
2人が東京に来て数日後、
大事件が起きる。
これは山田洋次作品の常套手段で、
「男はつらいよ」シリーズからずっと変わらないやり方だと思った。
数日後島に集まった家族一同。
終劇から7分前、橋爪功と蒼井優の泣ける場面がある。
蒼井優が作品に恵まれているのか、
蒼井優が上手いのかはわからないが、
とにかくいろんな作品で見る蒼井優はどれもいいとオレは思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
安易に登場人物を殺すな
やっぱり家族の死は感情を揺さぶり、安易に共感してしまいます。
悪く言えば感動ポルノ。
あくまで日常を描いて普遍的な美しさ、徒然を表現するなら非日常の母の死を使わなくも表現できたのではないかと思ってしまいます。
普通の話
どこにでもある普通の話。俳優は豪華。吉行和子と中嶋朋子は上手い。橋爪功も上手いが間合いが橋爪スタイル過ぎるかな。蒼井優の演技がいまいち。小津安二郎ってこんな話かなと思ったら最後に捧ぐと出たので納得。
自分は好きだけど、ちょっと時代遅れのストーリー
2回目の鑑賞
(1953年の東京物語は見ていません)
老夫婦が東京に住む3人の子供たちに会いに上京するという物語
3人の子供たちは上京した両親に、何かしてあげようとするのだが
急用ができたりなかなかうまくいかない
両親も子供たちとコミュニケーションが取れず手持無沙汰
でも出来の悪い子と思っていた次男(末っ子)には
しっかりした彼女がいて、紹介された母親は
「これからも上手くやっていってくれそう」と一安心
「東京来て良かった」と夫に話す母だが突然倒れてしまう
自分はこういうストーリーは好きだ
子供たちも何とかもてなそうとしてるし
長男も父親を自分で引き取ろうとしたり
古き良き昭和時代の物語で
ちょっと時代が合わないかな~
というのが正直な感想
年寄りの悲哀
橋爪功扮する平山周吉は、吉行和子扮する妻と東京のへ出て来て息子家族の家に来た。両親が泊まりに来た回りのドタバタ劇が展開されるが急用が出来て結果的には誰も両親の相手が出来なかった。ホテルへ 泊まるもどうも要領を得ず、1泊で帰ったら邪魔者扱い。ふらついた妻が急死。年寄りの悲哀だね。
形見の時計
子供たちの住む東京へ。子供たち孫たちに会える。とっても楽しみ出てきたんだろうなぁ~
それなのに親の気持ちにとは違うおもてなし
高いホテルに泊まって二人だけの時間を過ごす
何のために東京に来たのか寂しさが……
ダメな子と思っていた末っ子の彼女の優しさに息子の良いところが見えてきた。母親の優しいところが似ていると思い重ねる。
年を重ねると橋爪と吉行の親の思いが凄く胸に
響いてくる
遠くの親戚より近くの他人 正しくその通りですね
日本の失われつつある優しさに溢れた作品
慎ましく真面目一徹に生きる父を演じた橋爪功さん、慈愛に満ちた母を演じた吉行和子さんの味わいのある演技が秀逸。
夜眠る前、恋人との馴れ初めやプロポーズした時の話を母親に語る、次男晶次を演じた妻夫木聡さんの柔らかな表情とナチュラルな演技に魅了されました。
長女役の中嶋朋子さんを始め、キャストの皆さんの個性溢れる演技もいい。
病院の屋上でのシーンに涙が溢れました。
山田洋次監督の新作「キネマの神様」の上映が待たれます。
-何をしてるって、うな重がくるのを待ってるんだって
-空でも眺めとるほかなかろうが
NHK-BSを録画にて鑑賞
橋爪でなく邦衛もあり。
支持。
「智衆、杉村、原、不在」より「橋爪、中嶋、蒼井、妻夫木」の方が巧いから東京物語より良い、とぶち上げてみる。
唯一、東野は稔侍に優った。
蒼井の化粧が濃すぎるが、ヒロインだけ異常に綺麗なのは山田の常。
大いに泣いた。
中嶋朋子の健闘を讃えたい。何というエレガントで平凡な俗人。
北の国の蛍と純という俳優は、山田によって育ったと思った時、そうか本作は橋爪でなく邦衛という手もあったのか、と気付いた。
女優が監督を、監督が女優を
映画を知れば知るほど、小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男の存在が大きくなる。その次に黒澤明と木下恵介が挙げられるが、映画会社や製作者とのトラブルがありながら撮りたい映画を撮れた幸運な時代に作家人生の絶頂期を迎えたことが大きいと思う。山田洋次は、現役でそれが出来る名実共に巨匠の監督である。さすがに「西鶴一代女」「浮雲」のリメイクは無いだろうから、小津監督の「東京物語」は予想が付く。まだまだ若い山田監督の制作に懸けるエネルギーを感じれば良い。魅力は俳優人の安定した演技が観れること。唯一残念なのは、現代に原節子の様な絶対的な女優がいないことで、それは仕方ない。
特に何も起こらないのにおもしろい
親子の確執があったり、子供は都会に出てきて両親だけ田舎に住んでるごく普通の家族の話です。
特にめずらしい事も起こらないのに、あったかい気持ちになる不思議な作品だと思います。さりげないけど素敵なセリフがたくさんありました。
日常を客観的に見ることで親子の愛情や平凡な幸せを感じれるストーリーだと思います。
ひとり残ったお爺さんを近所の人が当たり前のように世話を申し出るのがいいなと思いました。
今回初めて蒼井優の演技を見たのですが、特別な雰囲気があってきれいだと言われる理由が分かりました。
でも、前半と後半ではちょっと統一感がないように見えましたが、他の作品も見てみたいと思いました。
長男の子供二人もよかったです。まさに今時の子供で、せっかく来てるのにこんな風だったなと思いました。
じんときました。
松竹。まさにタイトルどおりの内容。小津安二郎の東京物語をオマージュした作風。
シュージ。わたしには彼のキャラクターがすごくわかる。この作品のなかでは、少し浮いた存在のシュージではあるが、平成版の寅さんのような感じもしなくはない。
西村雅彦が長男で、東京郊外に開業した町医者。奥さんが夏川結衣で、この夫婦が悪くない。子どもが男の子が二人いる。中嶋朋子が町の美容室を経営する奥さん。林家正蔵が旦那で、この夫婦もいい。末っ子が舞台美術(大道具)をやっているフリーターのようなシュージ。妻夫木聡。中盤にきて蒼井優が登場するのだが、彼女がでてきてからが物語的にはぐっとよくなる。
老夫婦は、橋爪功と吉行和子。二人は離島から出てきた。息子や娘たちも離島の出身者たちだ。
全体的にコメディ要素の多い作劇ではあるが、後半では泣かせる。
悪い映画ではない。でも山田太一監督の言いたいことがストレートにすぎ...
悪い映画ではない。でも山田太一監督の言いたいことがストレートにすぎてて深みに欠ける映画。
ステレオタイプな若者像を山田太一の同世代に向けて実は素晴らしいんだから見直せ、とか。地方のコミュニティを、もっと見直せ、とか。地方から東京に生活の場を移すと人間卑しくなるとか。
俳優の演技は素晴らしい。でもガサガサと台詞の会話が煩い。もっと静かな映画が観たくなった。
現代邦画界の中で、気品すら漂う気骨ある作品を次々に世に問う山田監督に改めて敬服した作品
この作品が制作されている中、人知を超えた災厄が日本を襲った。
山田監督は撮影を一時中断をし、黙祷ののち、更に気合を込めて家族の再生をこの映画で描き切った、と様々なレビューで知った。
東北地方で青春時代を送り、多くの友人が福島県庁を始め、東北の各所で働いている中で、個人の力で出来る事の限界を感じていた身として、申し訳ない気持ちとともに日本映画界の大監督である山田監督が上記の気概で映画を撮ってくれたという事実に、映画人としての気概を感じるとともに、感謝の気持ちで映画館に足を運んだ事を思い出す。
映画としての完成度は流石というものであり、作品の面白さに満たされて映画館を後にした。
山田監督はこの作品の後も現在日本の抱える重いテーマを喜劇の風味をまぶしつつ、鋭い視点で我々に問いかける作品を早いペースで上映されている。
しかも、商業ベースで、きちんとした結果を出しておられる。
凄い監督である。
<2013年1月19日 劇場にて鑑賞>
時の流れ
かつてはひとつの家族だった人々が独立し、結婚して、それぞれの住まいを持ち、それぞれの暮らしがある。
それが両親の上京と母親の死亡という出来事で数日間一同に会す。
3人の子供たちとその家族が親を気遣いながらもそれぞれが抱く困惑と疲弊がリアル。
結論がない物語だが、誰しも人生の終わりに結論などないというのが正しいのだろう。
時間は絶えず流れて様々な出来事が生まれては消える。
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