英国王のスピーチのレビュー・感想・評価
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素晴らしい人たちに囲まれて
爽やかな映画かと思ったのですが、意外と苦悩映画だったこの作品。とは言えだからこそ感動できる映画でもありました。
実話のおなしで戦争直前のイギリスが舞台で、コリンファースさん演じる吃音障害を持った英国王ジョージ6世が主人公。人前で思うように話せずスピーチもろくにできない彼がいかにして、第二次世界大戦前に国民に向けて見事なスピーチをすることが出来たのかを実話をもとにして描かれます。
どうして彼がこのようなことが出来たのか?それがわかるわかっていくにつれ英国王ジョージ6世がどれだけ国を思いどれだけ英国王としての責任と覚悟を持っていたかも分かっていきます。
英国王の立場が非常に共感を得られるつくりで、同時にそのひた向きに自分の短所を克服していく主人公の姿は思わず応援したくなります。
しかし彼があのスピーチを成功させることが出来た一番の要因やっぱりヘレナボナムカーターさん演じる奥さんだったと思う。主人公が英国王になった直後に思わず弱音をポロリと漏らすシーンの彼女の態度を見ると一段とそう思えました。彼を必死で支えようとする姿はとても立派に思えました。
もちろんジェフリーラッシュさん演じる言語治療士の助けもあってからこそだと思いますが。
なんせこの映画は登場人物それぞれの立場や考えが鮮明に描かれていて、そんな彼らに共感したり腹立てたりすることにより映画の世界に自然に入り込みやすかったです。この映画に出ている役者さん全員が素晴らしいのでなおさらです。
アカデミー賞作品賞を受賞したそうですが、それが納得出来るくらいいい映画でした。
幼い頃の厳しいしつけに涙....
主人公であるジョージ六世(コリン・ファース)がまだヨーク公と呼ばれていた時代。
父王の代理で博覧会の閉会スピーチを行う場面からこの映画は始まる。
張り詰める緊張感の中行われたスピーチは惨憺たるもので周囲の者をはじめ国民達は思わず下を向いてしまう。
この冒頭シーンを見ただけで思わず涙が溢れそうになった。
言葉を発するまでの長い間(ま)、時折発せられる息が漏れるような小さな音。
話を聴く側は、気まずさにどこに視線を向ければいいのか困り始める。
下を向き始める人々。
話したい言葉がなかなか出てこない当人の傷みはどれだけのものだろう。
ヨーク公がオーストラリア人の言語聴覚士、ローグ(ジェフリー・ラッシュ)に吃音を克服する訓練を受けながら幼い頃の記憶を語るシーンを見てショックを受けるとともに納得できた。
世が世ならば虐待と受け取られる厳しい教育を受けて育ってきたのだ。
幼少期にあのような仕打ちをされたら…すっかり自分の幼児期と重ね合わせ、自分までも息が苦しくなった。
「英国王のスピーチ」というタイトルだが、この物語は弟王が英国の王位に就くまでの英国王室の歴史物語ではなく、一人の人間がオーストラリア人の聴覚士の力を借りて苦悩を乗り越えるまでの過程、また2人の繋がりを描いたドラマである。
ラストのスピーチの緊張感は観ている私も緊張で体が固まってしまうほどだった。
あのシーンの緊迫感、空気感の描き方は素晴らしかった。
聴く者、そしてマイクまでもが敵….ただ一人、目の前にいる男ローグだけがジョージ六世の味方だった。
この山場となるラストシーンは見事なまでに観る者にも緊張感と感動を与えている。
全体的にゆったりと静かに流れるような音楽を巧みに使いジョージ王とローグとの激しいまでの訓練の緊迫感を際立たせている。
それと、ローグのおもにレッスンを行う部屋(診察室?)の壁に注目せずにはいられなかった。
あの壁の前にそれぞれの役者が立つ事により1枚の絵画を観ているような印象を受けたのだ。(個人的感想ではあるが)
それぞれの役者の立ち位置の配置が完璧なのだ。
余談ではあるが、このスピーチが功を奏したのかその後のジョージ六世は国民から好評価を受けたらしい。
(自分のブログ記事から)
思わず拍手したくなる
きつ音障害をかかえ克服しようとする日々。国王となるジョージ6世はもちろんですが、言語療法士としてよくパートナーとして支えたローグが最高だった。最後のスピーチのシーンも安心して観れました。感動的なスピーチが終わった時にはつい拍手をしたくなるほど。
家族からの愛、自国民への愛
よかった(笑顔)
でも、期待しすぎたかも(苦笑)
これなら『ソーシャルネットワーク』にも、
もう少しオスカーの何部門かをあげてもよかった気がするなぁ。
結局、アカデミー委員の人って、英国ロイヤルファミリーもの&
実在人物なりきりモノが好きってことに行き着いちゃうんだろうなぁ。。。
※心に残ったセリフ
〈伝えたいことがある。伝えたい人がいる〉
吃音症というと、どうしても
『裸の大将』山下清画伯の姿が、
頭に浮かんでしまう典型的日本人のわたし。
さすがに、コリン・ファースの口から
「おにぎりが欲しいんだなぁ」の言葉は
出ませんでしたが、突然歌いはじめたり、
Fワードを連発したりと、まるで今年の、
アカデミー賞、メリッサ・レオの事件を、
予兆したかのような内容になっていて驚きました。
日本では、どうなるかわかりませんが、
あまりにもFワードを連発しているため
アメリカでは、その部分をカットして上映を
しようとする動きがあるとのことです。今作に
ご興味のあるかたは、カットされないとも限りませんので
お早めに映画館に足を運ばれることをお勧めさせて頂きます。
◇ ◇
本当の王になった瞬間
本当の友人になった瞬間
映画化の話が出てから、
今作が陽の目を見るまで25年の歳月。
それは、映画化の条件として、
前女王から(今作ジョージ6世の奥様)、
「私が生きているうちは、映画の上映はしないで欲しい」
との、希望があり、それを尊重したからだそうです。
英国王室の隠れざる事実
そこにオーストラリア人が関わっていたこと
英国の懐の深さ、自由度を
さり気なく、映画を通じて世界にアピール。
そんな今作に、アカデミー賞を多数授与したのは、
米国が、英国よりも懐が深いことをアピールしたかったからかもしれません。
笑えるはずなのに、
オスカー受賞作だから、
笑ってはいけないとでも思っていたのでしょうか。
あまりにも劇場の雰囲気が硬くて、
こちらにも驚きました。周りのお客さんによっては、
ドッカンドッカン笑いっぱなしの回もあったと思います。
笑いあり
感動の涙あり
夫婦の愛あり
親子の愛あり
祖国への愛あり
ありとあらゆる愛が今作の中に、
万華鏡のように色々な形で映し出されていました。
映画鑑賞客は、用意された
贅沢な食材を、一品ずつ堪能すれば良いだけでした。
あ~~~、
美味しかった。お腹一杯でございます(大笑顔)
☆彡 ☆彡
今作で更に注目を集めたコリン・ファースの次回作。
『オールド・ボーイ』『渇き』の
パク・チャヌク監督、初ハリウッド進出作品になるそうです。
パク・チャヌク監督が、
どんな作品を作り上げるのかも、楽しみです。
スピーチに始まり、スピーチに終わる
失望に始まり、喝采に終わる
ラストのスピーチは
まるで私たちも当時の英国国民に
なったかのように耳を傾けてしまいました。
こんなときだからこそ、
今の日本にもパフォーマンスではなく、
弁舌爽やかでなくてもかまいませんから、
心を震わせ、勇気を与えてくれる、スピーチを
届けてくれる人物が必要なのではないでしょうか。
心痺れる118分を、ありがとうございました(拍手)
当時のBBCの放送機器が垣間見える。
「静かな感動」の映画
言葉って
日本の目指す姿を感じた
静かな興奮に身を浸し、劇場を出ても余韻を味わい続けることが出来る、素晴らしい作品でした。
幼少時から吃音という問題を抱え、王族として理想を持ちながらもそこにたどり着けない自分に内なる怒りを燃やしているジョージ6世。
なんといってもコリン・ファースが素晴らしい。一見すると癇癪持ちでわがまま、とも取れそうな立ち居振る舞いを取るのだが、心根には慈愛を持ち、国民への深い思いを持っていることが伝わってきます。
そもそも英国の王族が、オーストラリア人に救いを請う、という時点でかなりのストレスを持っているはず。それでも吃音をなんとかしたい、との一念で通い続ける・・・この時代の英国人が羨ましくなるような責任感。
そして圧巻は第2次大戦開戦にあたってのスピーチシーン。一語一語が重みを持って響き、国民を戦争に向かわせざるを得ない国王としての無念さ、それを超えた決意が全身で感じ取れました。
私は常々、政治とは言葉でもって行われるべきであり、翻って日本の政治では、本質的には重要でない他の要素ばかりが取り上げられ、一番重要な「言葉」がないがしろにされすぎている、と思っていました。(わりと最近絶大な人気を誇った元首相は言葉でほめられていたようだが、個人的にはあのワンフレーズ政治は全く評価していない。説明責任を放り出して雰囲気だけで進めたものだから。)
英国の政界では、「言葉」が今も重要性を持っていると聞いてはいましたが、本作を見て、このような伝統があることが心底羨ましいと思ってしまいました。
この国でもいつか、ジョージ6世のようなリーダーに出会いたい。より一層真剣に選挙に向かおうと思わされる映画でした。
スピーチが。。。
王様って大変!
俳優の力ってすごいね
2010年イギリス・オーストラリア合作映画。118分。2011年9本目の作品。きつ音障害を抱えた実在の英国ジョージ六世が題材のヒューマニズム作品で、本年度アカデミー賞を受賞。
内容は:
1.観衆の前に立つとどもってまともに話せないジョージ六世の妻は内密に新たな言語療法士を捜し、無名のオーストラリア人「療法士」を見つけ、一悶着の末、診断してもらうことに。
2、その間にも王族では色々と問題が起こり、彼が繰り上げで王になる。
3、時は第一次世界大戦の勃発間近。イギリスの民は王のスピーチを求めていた・・・。
一言でいうと、ザ王道!コリン・ファースとジェフリー・ラッシュの演技がぴかいち。英国王のスピーチが作品のクライマックスと下手すれば何一つ盛り上がらない所を、2人の名演技でけっこうドキドキハラハラ。
本作品のテーマは「誰でも1つは乗り越えられない問題がある。でも、それは必ず乗り越えられる」。こんなヒューマニズムがあるから、王族が題材でもやっぱり根っこは同じ人間。かなり感情移入しながら見てしまいました。
最初は斜め目線で観てしまったけど、主演2人がとても素晴らしく、いつのまにか無心になっていたと思います。
こういうストレートなヒューマンドラマもいいっすね。
う〜ん…
あまりにも手際が良すぎる映画
英国王室——恐らく世界で一番人々の関心を集める王室であると言って差し支えない存在だろう。英国王室はなぜこれほど世界中の耳目を集めることができるのか。アカデミー賞で4部門を獲得した本作が、その理由をおしえてくれるはずだ。
舞台は戦間期の英国。パクス・ブリタニカの栄光は歴史の彼方に去り、ナチスドイツとソビエトロシアの台頭もあって国力の衰退は隠しようもなくなっていた。王室も最早世間から超然とした態度を取り続ける訳にもいかず、国家の象徴として国民と向き合い、鼓舞することが求められていた。こうした時代背景を念頭において本作を見ると、重度の吃音を克服しようともがくジョージ6世(コリン・ファース)の奮闘ぶりと、英国人の象徴としての新たな立ち位置を模索する王室の姿が重なって見えてくる。それがためにクライマックスの演説シーンで訪れるカタストロフィーがジョージ6世のみのものではなく、新たな立ち位置を獲得した英国王室の、ひいては国民に向き合う姿勢を持った王を頂いた英国という国家のカタストロフィーとしてもとらえられ、見るものに大きな感動を与えているのではないだろうか。
本作は新進気鋭の若手監督、トム・フーパーの指揮の下、コリン・ファースやガイ・ピアースといった英国の有名俳優がその実力を遺憾なく発揮している。その中でもジョージ6世の吃音矯正を任される偏屈オーストラリア人、ライオネルを演じたジェフェリー・ラッシュの演技は目を見張るものがある。普段は偏屈な人間を決め込んでいるが、状況によっては卑屈になったり、優しさをみせたりする人間らしい「ぶれ」を演技だけで表現しきったのには脱帽した。物語の軸は終始ジョージ6世に据えられているので、本来はライオネルには焦点が当たりにくいプロットだったにもかかわらず、ジョージ6世との交流を通して素直な心を獲得するライオネルの物語も浮かび上がってくる。
とはいえ「大満足!」と言える映画ではなかったことはたしかで個人的には物足りなさが拭えなかった。それは映画として手際が良すぎることに起因するように思われる。クライマックスを除けばドキドキさせる場面でも、笑わせる場面でも、気まずくさせる場面でも、最低限の描写を揃えたらすぐ次のカットに移行してしまう。サクッと見られる娯楽映画としては正解なのだろうが、あまりにも薄味過ぎるような気がしてならない。(★★★☆☆)
これぞ映画
映画の醍醐味溢れる映画だった。
ド派手な爆発やCGが凄いのではなく、無論3Dでもない。
演出、脚本、演技、映画の最もな基本が一級品なのだ。
メイン3人の演技が素晴らしい。
オスカーを受賞したコリン・ファースは言うまでもない。吃音演技の難しさ、ラストのスピーチには胸躍るものがあった。
ジェフリー・ラッシュは相変わらず嫌みなほど上手い。クリスチャン・ベールの受賞も分かるが、彼にも受賞して欲しかった。
ヘレナ・ボナム・カーターは最近多い特異な役ではなく、愛情溢れる役を好演。名女優だと改めて認識させてくれる。
英国王室を題材にしているが、これは一人の男がコンプレックスを乗り越えるまでの話。だからこそ共感出来、現代人にも通じる。英国王だろうと一般人だろうと変わりないのだ。
それを見事に昇華させた脚本の妙、おそらくイギリスではタブーであったろう題材に挑戦したトム・フーパー監督に拍手。
それにしても、何故日本映画界は、皇室を題材とした映画を作れないのか?
色々な事情は勿論分かるが、それを恐れず、タブーに挑戦する監督は居ないのだろうか?
ロイヤルファミリーは辛いよ。
今週のおはシアは~
“英国王のスピーチ”をご紹介しました。
実在した英国王ジョージ6世が吃音を克服するまでのストーリー。
アカデミー賞4冠ということもあって
劇場は平日の20時過ぎの上映にもかかわらず
結構な入りでした。
アカデミー賞主演男優賞に輝いたコリン・ファースの演技
GOODでしたよん。
吃音=どもり 日本では裸の大将の山下清さんを演じる方が有名だけど
もっともっと研究されているっていうか~本当に上手でした。
王様になる前のヨーク公は、この吃音のせいで何度も演説に失敗・・。
人格的には本当に優しくて立派な王様になれる素質があるのに
自分に自信を持てないでいるのですよ。
それを手助けしてくれるのが、優しい奥様のエリザベス妃と
スピーチ矯正の専門家ライオネル。このライオネルがスゴイ!
医師の資格はないので専門家を名乗っているんだけど
吃音矯正のトレーニングの他に、心的原因を探って治すセラピーもするんです。
それには、プライベートなことも話さなくてはならなくて
ヨーク公はライオネルの治療の際は対等な立場という条件を
なかなかのめないんですよ。当然といえば当然。だって王族なんだもん。
何度かの治療中断を経るうちに、ヨーク公が王様になることになって
結局、戴冠式の時もラオネルのお世話になるのよね。
そして運命の第2次世界大戦への参戦演説。
もうハラハラドキドキです。
ジョージ6世(今のエリザベス女王のお父様)って
奥様・娘さん達を心から愛していて本当に素敵な人ですよ~。
この映画、英国王が主人公とあって、英国人俳優が多く出演しています。
英国人ばかりの映画といえば~ハリーポッターですが・・・
主要キャストに3人もハリーポッター出演者がいるのですよ。
ジョージ6世の妻、エリザベス妃にヘレナ・ボナム=カーター 。
ハリーポッターでは悪~い魔女の、べラトリックス・レストレンジ役。
ジョージ6世のお父様、ジョージ5世はマイケル・ガンボン。
ご存じホグワーツの校長、ダンブルドア役。
そして後のチャーチル首相にはティモシー・スポール。
ヴォルデモートの手先、ピーター・ペティグリュー役。です。
そんなことも気になりつつ鑑賞しておりました。
先週の“ヒア・アフター”同様、温かい気持ちになれる映画です。
“英国王のスピーチ”星は~
4つです。
歌うように語れ
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