英国王のスピーチのレビュー・感想・評価
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やっぱり助演男優賞はジェフリーにとってほしかった
飛行機のなかで観ました。 期待通りの すばらしい作品でした。 一国の王も 一人の人間なんだと。。 そして その王を支えるのは 家族や側近だけでなく かけがえのない友人だっていると、感じさせてくれる。 助演男優のジェフリー・ラッシュの素晴らしさ。 彼に オスカーをとってほしかった。。。
きつ音障害を抱えた内気な ジョージ6世(ファース)が、言語療法士の助けを借りて 障害を克服し、第2次世界大戦開戦にあたって 国民を勇気づける見事なスピーチを披露して 人心を得るまでを描く(作品情報より抜粋。)
実話を基に描かれた作品なので 終始シリアスなのかと思えば、ウィットにとんだ会話や表情で 親しみの沸く内容でした。 ジョージ6世を演じた コリン・ファースの演技も もちろん素晴らしかったです。 ヘレナ・ボナム・カーターも、いつも変な格好してるオバチャンのイメージですが “さすが女優!”って貫禄 見せつけてくれました。
個人的に好きだったのが ライオネル(ジェフリー)の奥さんが 驚きの表情を見せる場面。 ライオネルの満足げな表情と あの空気が忘れられません。
これをきっかけに ジェフリー・ラッシュ作品を もっと観てみたくなりました。
友情っていいな。
王を演じる
古典的イギリス映画
近場の劇場で意外にも上映していたので、さっそく鑑賞しました。
主要キャスト3人がアカデミー賞にノミネートし、主演のコリン・ファースがオスカー受賞だけあり演技面では圧倒されっぱなしでした。
内容は日本にはあまり馴染みの無い英国王室が中心に描かれます。しかしオープニングからラストまで解らなくなる場所はありませんでした。イギリス映画独特の雰囲気が苦手な方は、少し退屈かもしれません。
さて型破りなセラピーをするジェフリー・ラッシュですが、彼がこの作品に面白みをだしています。この作品には不可欠です。またヘレナ・ボナム=カーターも珍しく普通のメイクで、国王を支え続ける妃として素晴らしい演技を観せてくれました。
最後にイギリスの名優ティモシー・スポールのチャーチルが個人的に良かったです。
終わりが見えている映画は良いものだ
最後のスピーチに泣けました
なんといっても圧巻は、ドイツへの開戦を国民に伝えるスピーチ。バックにBeethoven Symphony No.7 II mov. が流れる中、最初は実にたどたどしい喋り方で、矯正士のローグが逐一素振りでアドバイスをするが、少しづつ良くなり、というより喋り方は相変わらずちょっとたどたどしいけれども、気持ちがこもっていき、ローグも何のアドバイスもせずに聞き入っているだけになってくる。
このシーンがあまりにも感動的で、この曲の、少し躊躇いながら確実に盛り上がっていく雰囲気とあまりにもぴったり合っていたので、うちに帰ってからこの7番の第2楽章をもう一度と言わずなんども聴き直しました。映画を見ているときには、このスピーチと音楽の協演にまさに感動を覚えて、涙が止まりませんでしたが、ウチでこの曲を聴いているとその感動がよみがえってきて、またこの映画の良さををもう一度かみしめることができました。
人は、単に何かが出来るということに感動するんではなくて、何かができるようになるということに感動するのかもしれません。じょうずなスピーチももちろん人を感激させるでしょうが、いままでうまく喋れなかったジョージ6世が、その欠点を克服して不得手を乗り越えて話す姿に、多くの国民は感動を覚えたのではないでしょうか。この映画のテーマがそんなところにあるのではないかという感じがします。
また、スピーチの内容的にも人を鼓舞して開戦するのではなく、相手の戦争への意志に対してやむを得ず戦争を始めるという苦渋の決断を、国民に伝えるというシテュエーションが、よどみなく話すのではなく時に言葉に詰まりながら話すスピーチにぴったりだったんだろうと思います。
主演のコリン・ファースの演技も素晴らしかったし、メインの3人がこの映画を盛り上げたのは間違いありませんが、やはり良い演出が最大のこの映画の良さだと思います。それが実によく現れているのが、それまで映画の中で音楽がまったく流れていなかったのに、クライマックスのこの時にまさに雰囲気がぴったりと合ったベートーベンの第7番第2楽章を流すという、素晴らしい演出に表れていると思います。映画の中で確か9分間のスピーチと説明されていたので、あの曲はそんなに長かったかなと思ってもう一度聞いてみたら、映画の中で流れていたこの曲は約3分(第2楽章全体は約9分)しかなかったので、多分部分的に繰り返していたのでしょう。実にうまい曲の選択だと思いました。
アカデミー賞を受賞する前から見たいと思っていたのですが、賞に先をこされてしまい、「とてもいい映画だ」と言っても、ただの追認だと思われてしまいそうですが、是非ご覧になるのをおすすめします。
こんなコリン・ファースは観たことない!
私のコリン・ファースのイメージといえば、誇り高き知識人という感じ。だが、今回の「ジョージ6世」役では、吃音に気をとられがちだが、かんしゃく持ち、ヘビー・スモーカー、コンプレックスのかたまりといった今まで演じてきていないタイプの役柄だ。それを大げさに演じずに、気品を持ってなりきっている。オスカーは、実在の人物やハンデがある人を演じると獲りやすいのは確かだが、納得の演技だった。また、いつもは一風変わった女の人を演じることが多いヘレナ・ボナム・カーターが、夫を愛し、陰ながら支える良き妻を演じている。こんなに温かみのある女性を演じられるとは思ってもみなかった。ジェフリー・ラッシュのうまさは今さら言うまでもない。この3人の演技のコラボレーションが感動を呼ぶのだ。また、吃音について、ただ対症療法を行うのではなく、その原因を背景から探ることも必要だというのも興味深かった。国民にとっては、たかがスピーチじゃないかと思っていたが、する側にとってはこんな気持ちが込められていたのかと知った。そのため、3月11日の東北・関東大震災に際した天皇陛下のビデオのスピーチに思わず、姿勢を正して聞いてしまった。イギリスと日本の差こそあれ、違いはないと思われたからだ。礼。
メディアの功績と罪
テレビ的な・・・
よく出来ています。出来てはいるけど、映画全体の見せ方やストーリーの語り口がいかにもテレビ的な印象を受けて、あえて劇場で観ることもないかと…。特に最後のスピーチが“一世一代”というにはほど遠く、果たして国民の心を鼓舞するものだったのか、イマイチわかりづらい。しかも、それは平和を希求するスピーチではなく、ナチスドイツへの開戦布告宣言(!)なのです。
役者の演技では、やはり主役のコリン・ファースが圧倒的に素晴らしい。アカデミー男優賞賞にふさわしい名演です。もうひとりの主役というべきジェフリー・ラッシュも、一歩誤れば王にすり寄る怪僧ラスプーチンのように見えかねないところを、絶妙の演技バランスで巧みに回避。掛け値なしの好演でした。しかし、その他の脇を固める役者陣に、良くも悪くも「大英帝国」といった風格や威厳があまり感じられなかった。1980年代ぐらいまでのイギリス映画、例えば「グレイストーク」のような駄作(苦笑)にすら漂っていた、英国独自の香りが、本作には希薄なのです。これは役者の層の問題?それとも演出家の力量の問題??
メッセージ性はあるけど…
よく練られた話だった
メッセージは饒舌でないほうが伝わる。
英国王ジョージ6世はヒトラーの演説をフィルムで観て、「何を言っているか分からないけど、とても上手だ」と評する。
ドイツとの開戦。その勝敗の決め手となるのは国民の士気を左右するリーダーの言葉だった。
ヒトラーを身振り手振りも含めたあらゆるテレビ的な演出で国民の支持を得ようとする。これに対して、ジョージはマイクの先に立っている、スピーチ矯正の専門家ライオネルに話しかけるようにして、なんとかスピーチをやり遂げる。
たどたどしくやっと絞り出す声。しかし、饒舌でないその言葉に力がこもる。
最近、テレビは本当に人のメッセージを伝えているのだろうかと思うことが多い。わが国では、短い言葉、一瞬のパフォーマンスで人気を博した首相がいたが、まさにパフォーマンスに向いているのがテレビだ。
しかし、昔も今も、じっくりその人の肉声、本心を伝えるスピーチこそが、一国のリーダーに求められているのではないだろうか。
痛みを知っている王様だから応援したくなる
いやーアカデミー賞、4部門受賞しましたね。
人ごとながらなんかウレシイ♪
今作は観る前の予想より断然良かった。
これは上手く説明できないけど、観ると納得という感じ。
素直に祝福です☆
英国王ジョージ6世(愛称=バーティ)がなぜ愛されたのか
がよくわかる。
彼の抱えたコンプレックスとプレッシャーを知ることで
王家だろうと一般人であろうと、同じ人間であるとこに
変わりはなく親近感すら覚える。
(弱さを強さに変えて人にも優しくなれたんだなぁと)
バーティを演じた(コリン・ファース)。
空気をかむようなあの演技、やっぱ上手い。
昨今では「シングルマン」とかも良かったけど
繊細な心の感情のふれ幅、魅せてくれるよねー。
弱いとこも癇癪持ちなとこも、でも品格や気高さは
ちゃんとあるたたずまいも、ステキでした☆
主演男優賞受賞、心からおめでとうですw
最後のテロップでもちゃんと事実上、生涯の友として
記されてたのがうれしかった言語聴覚士
ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)。
今回もめちゃハマり役☆
コメディに感心が強いだけに間の取り方が絶妙。
時に型破りな治療法をし、屈託ないユーモラスさと
シリアスな本音の織り交ぜ方の緩急のバランスが良かった。
バーティの感情を刺激し、頑な心を開かせ本当の友達だと
思えるよう打ち解けてくシーンは、とても温かく
怒りを希望に変えてくれるマジックのようでした。
実際、ジョージ6世は継承者が誰もが兄だと思っていた中
王としての教育も期待もされてなかったから、
彼の抱えた問題”吃音=どもり症”は、紐解いていくと
結構、小さい頃の王室であるゆえのメイドからの兄贔屓や
強制がトラウマや引き金になってたりで、なかなか切ない。
そんな中、兄エドワード8世が思わぬ「王冠を賭けた恋」に
走ってしまったもんだから、王座のお鉢が廻ってきてしまい
自信も勇気もないジョージが泣いてしまうシーンは
もらい泣きしてしまった。
そこで、また妻(ヘレナ・ボトム=カーター)の台詞が
深い愛情と包容力でぐっときたりも。
あと、ラストのナチスとの開戦を前に不安と緊張感の高まった
国民の前でするスピーチがお約束でありながらもやはり良かった。
たどたどしい口調でセンテンスごとに慎重に発せられた言葉が
一人一人の心にしっかり響き、ただのスピーチだというのに
バックに流れるベト7も相乗効果で、手に汗握る高揚感と涙でしたw
この作品、心と心が近づく瞬間(ジョージ6世&ライオネル)
だったり(王家と民衆)だったり、よく知らなかった相手との
距離が縮まり親近感がわく持っていき方、自然さに感服です。
人間なんて口先1つで成功もすれば、失敗もする。身分は二の次である
頂点であるはずの立場の人間が、己の弱点をさらけ出し、トレーニングに明け暮れる様を、上下関係無く斜めから捉えていくイギリス独特の人間描写が健在しており、終始、気楽に嗜むことができた。
普段は紳士なのに、いざ話すと、ドモってしまう国王のアタフタしたキャラクターは、同じくイギリス映画の傑作『ワンダとダイヤと優しい奴ら』のマイケル・ペイリンを思い出し、笑顔が零れる。
スピーチで咬みまくって恥をかいても王の権威を保とうと強がったり、落ち込んだりする焦りが妙に人間っぽくて親しみやすい。
コーチ役の胡散臭いカウンセラー(ジェフリー・ラッシュ)、周囲が呆れる中、常に優しく見守ってくれる王妃との人間関係もユーモラスで、言葉はチグハグでも息のあったキャッチボールが交わされ、興味深かった。
個人的にはもう少し笑いの色が強くして欲しかったけど、歴史ドラマの観点からやと、あれぐらいのバランスでちょうど良かったのかもしれない。
実娘のエリザベス女王がダイアナ妃の交通事故に悲しむ『クイーン』でもそうだが、誇り高き王室だからこその苦悩を大胆にかつ、繊細に映画として作り上げる洋画界の度胸と、それを認める王室の懐の深さは凄いと思う。
皇室のスキャンダルが未だにタブー視されている日本では到底考えられない。
イッセー尾形が昭和天皇を演じた『太陽』が限界であろう。
国の存続を揺るがす危機に、マイクに立ち、国民を説得する責務を負った主の立場は、東日本大震災に襲われた現代の日本の管総理に重ね合わせてしまい、仕方なかった。
ある意味、失った権威を取り戻す絶好の機会だったわけだが、情報に振り回され右往左往するばかりで、一貫性が無く、結局、総理のスピーチには勇気どころか落胆するばかりだった。
本気で国家で立て直そうとする意志はあるのだろうか?
んまぁ、
「津波は天罰だ」と言い放った石原慎太郎よりはマシか…。
口は災いの元であると改めて感じたところで短歌を一首。
『乱の道 つか(仕)へど言葉 咬み(神)死なん(指南) マイクに向かふ 冠の下(舌)』
by全竜
こんなもの!? でもBBC『高慢と偏見』にハマッた人なら必見。
面白いことは面白いが、こんなもんかねえという感想も一方では抱いてしまった。
役者は申し分なし、お話も面白いが、演出的に全体の流れがうまく抑制されているとは言いがたく、最後のスピーチをもっと切実なものにするには、その前段をもう少し引き締めて展開したほうがよかったのではないかと思った。王位から退く兄の挿話をはじめ、そこにたどりつくまでが、ちょっと雑然としていて物足りない。
しかし英国の俳優陣、こういうものをやらせるとさすがに盛り上がる。シェイクスピアの台詞の引用なんか朗々たる響きで、さすがジェフリー・フィッシュ。だからこそ監督は、映画のトーンを整えるべく、より洗練された語り口に努めるべきだった。まだ若い(38歳)から今後に期待したい。
BBC『高慢と偏見』にハマッた人なら、ダーシーさんことコリン・ファース(英国王)以外にも、エリザベス・ベネットことジェニファー・アーリー(ローグ夫人)、コリンズ牧師ことデイヴィッド・バンバー(劇場のオーディション監督)が登場し、2倍楽しめます。ジェニファーそれにしても痩せたなあ。
アカデミー賞に弱いので…
なるほど
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