英国王のスピーチのレビュー・感想・評価
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「だが『W』でつっかえたな」「わざとさ、私だとわかるように」
映画「英国王のスピーチ」(トム・フーパー監督)から。
現イギリス女王エリザベス2世の父ジョージ6世の伝記という。
吃音障害を克服して、最後は見事なスピーチを披露するのだが、
その努力にスポットをあてた台詞ではなく、
克服後に、言語療法士と交わした自信に満ちた台詞を選んでみた。
以前の彼の経験から、英国民は息を殺して耳を傾けていたが、
予想に反して、彼から勇気づけられ、拍手喝采の渦。
そんな中、障害克服に共に歩んできた言語療法士が、賛辞とともに
「だが『W』でつっかえたな」と皮肉を言ってみせる。
それに答えて「わざとさ、私だとわかるように」と返すシーン。
私は、2人にだけしかわからない、素敵な会話だと思った。
英国王(ジョージ6世)を演じた、主役のコリン・ファースの顔つきが、
不安に満ちた覇気のないものから、自身に満ちあふれたものへと
変わる瞬間がわかるほど、声にも張りがあった。
「彼は怯えてるんだ、自分自身の『影』に・・」と原因を突きとめ、
「運動や療法も必要だが、心の治療こそ、大切だ」と主張する療法士、
こんなプレーンが傍にいて、英国王は心強かったに違いない。
スピーチ・挨拶が仕事の一部である私も、実はあまり得意ではない。
しかし、彼が演説前に呪文のように唱えた「聞いてもらう権利がある」を
参考にして、私ももう少し自信がつくまで、努力してみようと思う。
今更であるが、さすがに、第83回米アカデミー賞で作品、監督、
主演男優、脚本賞を受賞した作品である。
思わず拍手したくなる
きつ音障害をかかえ克服しようとする日々。国王となるジョージ6世はもちろんですが、言語療法士としてよくパートナーとして支えたローグが最高だった。最後のスピーチのシーンも安心して観れました。感動的なスピーチが終わった時にはつい拍手をしたくなるほど。
スピーチっつっても
原稿は他の人が書いてるんでしょ?吃音症克服という設定ですが、始まりが戦争スピーチなのが何か素直によかったね〜という気持ちになりませんでした。あなたは吃音が多少治せ、国民を勇気づけるのがお仕事かもしれませんが、戦争をして一番ひどいめに合うのは貧乏な平民ですから。吃音どころじゃありません。食事もままならない人が出たりするわけで。決して感動していい映画ではないのでは。戴冠式スピーチが素敵ならまだしも、戦争始めま〜すだからなぁ
家族からの愛、自国民への愛
よかった(笑顔)
でも、期待しすぎたかも(苦笑)
これなら『ソーシャルネットワーク』にも、
もう少しオスカーの何部門かをあげてもよかった気がするなぁ。
結局、アカデミー委員の人って、英国ロイヤルファミリーもの&
実在人物なりきりモノが好きってことに行き着いちゃうんだろうなぁ。。。
※心に残ったセリフ
〈伝えたいことがある。伝えたい人がいる〉
吃音症というと、どうしても
『裸の大将』山下清画伯の姿が、
頭に浮かんでしまう典型的日本人のわたし。
さすがに、コリン・ファースの口から
「おにぎりが欲しいんだなぁ」の言葉は
出ませんでしたが、突然歌いはじめたり、
Fワードを連発したりと、まるで今年の、
アカデミー賞、メリッサ・レオの事件を、
予兆したかのような内容になっていて驚きました。
日本では、どうなるかわかりませんが、
あまりにもFワードを連発しているため
アメリカでは、その部分をカットして上映を
しようとする動きがあるとのことです。今作に
ご興味のあるかたは、カットされないとも限りませんので
お早めに映画館に足を運ばれることをお勧めさせて頂きます。
◇ ◇
本当の王になった瞬間
本当の友人になった瞬間
映画化の話が出てから、
今作が陽の目を見るまで25年の歳月。
それは、映画化の条件として、
前女王から(今作ジョージ6世の奥様)、
「私が生きているうちは、映画の上映はしないで欲しい」
との、希望があり、それを尊重したからだそうです。
英国王室の隠れざる事実
そこにオーストラリア人が関わっていたこと
英国の懐の深さ、自由度を
さり気なく、映画を通じて世界にアピール。
そんな今作に、アカデミー賞を多数授与したのは、
米国が、英国よりも懐が深いことをアピールしたかったからかもしれません。
笑えるはずなのに、
オスカー受賞作だから、
笑ってはいけないとでも思っていたのでしょうか。
あまりにも劇場の雰囲気が硬くて、
こちらにも驚きました。周りのお客さんによっては、
ドッカンドッカン笑いっぱなしの回もあったと思います。
笑いあり
感動の涙あり
夫婦の愛あり
親子の愛あり
祖国への愛あり
ありとあらゆる愛が今作の中に、
万華鏡のように色々な形で映し出されていました。
映画鑑賞客は、用意された
贅沢な食材を、一品ずつ堪能すれば良いだけでした。
あ~~~、
美味しかった。お腹一杯でございます(大笑顔)
☆彡 ☆彡
今作で更に注目を集めたコリン・ファースの次回作。
『オールド・ボーイ』『渇き』の
パク・チャヌク監督、初ハリウッド進出作品になるそうです。
パク・チャヌク監督が、
どんな作品を作り上げるのかも、楽しみです。
スピーチに始まり、スピーチに終わる
失望に始まり、喝采に終わる
ラストのスピーチは
まるで私たちも当時の英国国民に
なったかのように耳を傾けてしまいました。
こんなときだからこそ、
今の日本にもパフォーマンスではなく、
弁舌爽やかでなくてもかまいませんから、
心を震わせ、勇気を与えてくれる、スピーチを
届けてくれる人物が必要なのではないでしょうか。
心痺れる118分を、ありがとうございました(拍手)
当時のBBCの放送機器が垣間見える。
「静かな感動」の映画
人生万歳!友情と家族愛!自分の小さな悩みよ飛んで行け!
吃音障害に悩む英国王ジョージ6世の真実の物語と言う事で、エリザベス女王1世が他界するまでは、映画化が叶わなかった作品だと言う話しを聞いた。たとえ国王と言え、欠点をも持ち合わせる、内気な一人の人間だと言う、当たり前のその真実が、今こうして映画で明かされる事で、どれだけの人々が救われる事だろうか!
地位や権力、名誉も財産も、およそこの世で人として持てるものは総てを手中にしている筈の国王にも、実は凡人と同じように、欠点や悩みが有り、その欠点克服を目指して、日夜や努力を続けて生きていると言うその事実。その姿を観る事こそ、この世界に生きて行く事の素晴らしさを訴えかける物語として、絶好の存在ではなかろうか?
素晴らしく希望に満ちた話しで、多くの方々がこの映画で自分の欠点を受け入れ、そして許し、その欠点の克服を試みる事にチャレンジする事が出来たのではないかと、推測するのだ。
誰もが生きる中で抱えている‘思い悩み’それは、考え方いかんでは、克服出来ない事では無く、むしろその欠点克服のプロセスこそがその人の人生の生きる希望や励み、そして生き甲斐へと、昇華する事が出来、そのプロセスを誰か他の第三者が知る事で、その誰かの心の救いと励みになり、自分では分らないかも知れないけれども、大勢の人々の生きるプロセスの励みになってゆく事に気付かせてくれる作品だ。そう映画の中で「自分の影に怯えずに、きっとそれを克服出来る」と言うセリフがあった。
一人一人、生きている環境や、その能力や才能、性格、健康状態、経済状況と全く同じ人生など存在しない。そしてこの世に生を受けた人達は、みんな生きる権利を平等に持ち、その人生を存分に生き抜く事が、その人に課せられた使命ではないだろうか?
そして、この映画の魅力は、コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュと言う確かな演技力を持つスター俳優の芝居力に支えられている。
特にコリン・ファースの演じる英国王の初めの弱々しさも、ラストでは全くの別人を想わせる程の立派な国王になっているその姿は、まるで蝶の脱皮のプロセスのような美しい変貌である。そしてイギリスならではの、ウイットなユーモアたっぷりのセリフ展開により、テンポ良く観客を映画の世界へと誘ってくれる近年稀にない秀作の1本と言えると思う。アカデミー賞を獲得する事こそ、正にふさわしい作品だ。
しかし、このトム・フーパーと言う監督は、本作が3作目ということ、脚本も彼が手がけている事には驚かせられる。
このように素晴らしい作品を広く世に送り出す事が出来る英国王室の在り方にも感動を憶える。この監督の素晴らしい本作はきっとその影には、このジョージ6世の人生さながらの素晴らしい努力の人生が有った事だろうと推測するのだ。今後の彼の作品が益々楽しみである。
人は皆、多くの人たちとの繋がりの中で、その人生を互いに影響し合って生かされている。多くの人達がこの映画で、1歩でも、より良い満足を得る人生を選択するきっかけを、本作から得る事を願って止まない。映画のある人生、これも本当に素晴らしいものだ!是非この感動を分かち合って欲しい!
作品賞
とても楽しみにしていた映画。
内容は国王の演説についての映画なのだが、
一大事に民衆へスピーチをする国王としての重圧などが
とてもコミカルにテンポよく表現していると思う。
とても見やすく感動する映画。
3.11以降の天皇のスピーチが重なる映画。
愚直に、にじり寄る
「くたばれ!ユナイテッド」などの作品で知られるトム・フーパー監督が、コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュといった実力派俳優陣を迎えて描く、群像劇。
彼の後ろを、歩いてはいけない。自分を傷つける敵かと思われて、蹴り倒されてしまうから。彼に、いきなり馴れ馴れしくしてはいけない。警戒心の強さから、避けられてしまうから。ゆっくりと、敬意を示しながらにじり寄ることが、大切だ。彼とは、さて誰でしょうか。
本作は、そんな「彼」に対する誠実な姿勢を踏襲した真っ直ぐに、愚直な心が生んだ佳作である。物語が動き始める冒頭部、観客は少なからず違和感を感じるのはそのためだ。
役者の美しい顔をスクリーン一杯に映しこむズームカットに慣れ親しんだ観客にとって、作り手が主人公、ジョージ6世に対して示す最初の態度は、スコーンと空白の壁を移し込む引きの画面から見えてくる。「すいませんね、ちょっと、撮影させていただきますね?」とでも言わんばかりの他人行儀なカメラが見つめるのは、内にこもって不機嫌な表情のジョージ。
ジョージ国王がもつ苦しみを、和らげようと奮闘するライオネルの診察と同様に、作り手は焦らず、尊敬の念を持って国王ににじり寄っていく。空虚な隔たりは破天荒な治療と共にその間を埋め、熱を持ち、信頼を持ち、国王の息遣いが聞こえるまでに近付いていく。
そして、最後のスピーチ。開け放たれた窓、小さな部屋。国王の意固地な顔のアップを許されたカメラは、ライオネルの静寂なる指揮の元で、力強い言葉の飛翔を観客に提示する。その丁寧な描写、暖かな賛美、この9分間という短い演説が本当に観客の心に届くために、作り手は嘘偽り無く国王と信頼関係を築こうとしたのだ。
風吹き抜ける空へ向かって、言葉よ、勇気を持って翔べ。英国の歴史に隠された小さな奇跡を、どうやって描くべきかを考えれば、極めて的を射た演出の形だと私は思う。そして、その作り手の思いに実力派キャスト陣は的確に応える事に成功していたと言えるだろう。
「彼」は、誰か。動物に少なからず造詣の深い方なら容易に想像つくであろう。この場で偉そうに正解を語る必要も無い。
ただ、「彼」に対する誠実さを私は正しいと思う。それだけである。そう思わせてくれるこの物語もまた、私は正しいと思う。それだけである。
言葉って
日本の目指す姿を感じた
静かな興奮に身を浸し、劇場を出ても余韻を味わい続けることが出来る、素晴らしい作品でした。
幼少時から吃音という問題を抱え、王族として理想を持ちながらもそこにたどり着けない自分に内なる怒りを燃やしているジョージ6世。
なんといってもコリン・ファースが素晴らしい。一見すると癇癪持ちでわがまま、とも取れそうな立ち居振る舞いを取るのだが、心根には慈愛を持ち、国民への深い思いを持っていることが伝わってきます。
そもそも英国の王族が、オーストラリア人に救いを請う、という時点でかなりのストレスを持っているはず。それでも吃音をなんとかしたい、との一念で通い続ける・・・この時代の英国人が羨ましくなるような責任感。
そして圧巻は第2次大戦開戦にあたってのスピーチシーン。一語一語が重みを持って響き、国民を戦争に向かわせざるを得ない国王としての無念さ、それを超えた決意が全身で感じ取れました。
私は常々、政治とは言葉でもって行われるべきであり、翻って日本の政治では、本質的には重要でない他の要素ばかりが取り上げられ、一番重要な「言葉」がないがしろにされすぎている、と思っていました。(わりと最近絶大な人気を誇った元首相は言葉でほめられていたようだが、個人的にはあのワンフレーズ政治は全く評価していない。説明責任を放り出して雰囲気だけで進めたものだから。)
英国の政界では、「言葉」が今も重要性を持っていると聞いてはいましたが、本作を見て、このような伝統があることが心底羨ましいと思ってしまいました。
この国でもいつか、ジョージ6世のようなリーダーに出会いたい。より一層真剣に選挙に向かおうと思わされる映画でした。
日本人にとって、つまりどう云う意味が?
大人の男の友情物語だと思いました。
ただ、物語に抑揚がなく、結局、おじさんが頑張りましたね~という話であって、そりゃ大変な時代ですから1つのエピソードとしてイギリス人や欧米の人には大事な事だったのかもしれませんけど、こんな小さなエピソードを大して面白くもなく紹介されたところで、あんまり感じることがなかったのです。
スピーチが。。。
王様って大変!
俳優の力ってすごいね
2010年イギリス・オーストラリア合作映画。118分。2011年9本目の作品。きつ音障害を抱えた実在の英国ジョージ六世が題材のヒューマニズム作品で、本年度アカデミー賞を受賞。
内容は:
1.観衆の前に立つとどもってまともに話せないジョージ六世の妻は内密に新たな言語療法士を捜し、無名のオーストラリア人「療法士」を見つけ、一悶着の末、診断してもらうことに。
2、その間にも王族では色々と問題が起こり、彼が繰り上げで王になる。
3、時は第一次世界大戦の勃発間近。イギリスの民は王のスピーチを求めていた・・・。
一言でいうと、ザ王道!コリン・ファースとジェフリー・ラッシュの演技がぴかいち。英国王のスピーチが作品のクライマックスと下手すれば何一つ盛り上がらない所を、2人の名演技でけっこうドキドキハラハラ。
本作品のテーマは「誰でも1つは乗り越えられない問題がある。でも、それは必ず乗り越えられる」。こんなヒューマニズムがあるから、王族が題材でもやっぱり根っこは同じ人間。かなり感情移入しながら見てしまいました。
最初は斜め目線で観てしまったけど、主演2人がとても素晴らしく、いつのまにか無心になっていたと思います。
こういうストレートなヒューマンドラマもいいっすね。
アカデミー作品賞
吃音の英国王と、その矯正トレーナーの交流。
全体的に静かな作品で、ラストシーンもスピーチがうまくできたという地味なものだが、吃音をテクニカルに克服しようとするのではなく、その原因まで遡ろうと信頼関係を築いていく流れが優しくてほっとする。
どこまで史実に沿ったものかわからないが、実在の人物を描いているだけにリアリティがあり、その地味なストーリーを背景事情のスケールの大きさでうまく脚色できている印象。
アカデミー作品賞として十分に納得(前年のハート・ロッカーが少々厳しかったので。。。)。
う〜ん…
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