しあわせの雨傘

劇場公開日:

しあわせの雨傘

解説

「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督とカトリーヌ・ドヌーブが再びタッグを組んだコメディ。ブルジョワ主婦のスザンヌは、雨傘工場を経営する亭主関白な夫ロベールと優雅で退屈な毎日をおくっていた。ある日、心臓発作で倒れたロベールに代わり、スザンヌが工場の運営を任されてしまう。彼女は主婦ならではの感性で、傾きかけていた工場を見事に立て直すが……。

2010年製作/G/フランス
原題または英題:Potiche
配給:ギャガ
劇場公開日:2011年1月8日

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(C)Mandarin Cinema 2010

映画レビュー

3.0お飾りマダムの覚醒

2024年8月13日
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鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

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SpicaM

4.0【”女性に自由を。”全ての女性に捧げる映画。所詮男などは社会的地位が高くなっても女性には敵わないのである。カトリーヌ・ドヌーヴが専業主婦を軽やかに演じている姿が印象的な作品である。】

2023年7月17日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

■スザンヌ・ピュジョル(カトリーヌ・ドヌーヴ)は朝のジョギングを日課とする幸せなブルジョワ主婦。
 彼女の夫・ロベール(ファブリス・ルキーニ)は雨傘工場の経営者で、亭主関白。
 ある日、ロベールが倒れ、スザンヌが労働者がストライキをする工場の対応及び運営することになる。
 彼女ならではの労働者たちの意見を取り入れ、労働環境を改善する中で、傾きかけていた工場は大盛況となる。

◆感想

・フランソワ・オゾン監督作という事で、ムズカシイ問題提起をする映画だと思ったが、その通りではあるのであるが、爽やかな女性賛歌の映画であった。
 フランソワ・オゾン監督、私より少し年上だが、作品の幅がある名監督である。

・今作では、会社経営の夫から”飾り壺”と呼ばれている、ブルジョワジーのカトリーヌ・ドヌーヴ演じる夫人の奮闘が描かれている。
 夫の浮気にも目をつぶり(序に彼女も若き頃に浮気してしている・・。ウーム・ジュテーム・・。)家をしっかりと守るスザンヌ。

・そんなある日、子供達が家に集う中、夫が会社の労働者のストライキにより、窮地に陥る中、スザンヌの出番が回って来る。
■労働者代表たちとの団体交渉の場で、一切怯む事無く労働者たちの労働時間短縮、有給休暇取得、時間外労働に対しての賃率向上の要求に対し、総てイエスと答えるスザンヌの姿が印象的である。
  ココには、彼女の器の大きさと共に、主婦の過酷な労働環境も反映されていると私は思う。
  私は、アメリカの経済雑誌を読んでいるが、専業主婦の土日にも休みがない状況を時給換算すると、年収、1200万円になるそうである。
  私事で恐縮であるが、私の家人は大変聡明な、私には過ぎた女性であるが子供が出来た時から専業主婦である。(彼女の申し出による。子供の傍に長く居たいという理由であった。)勿論、速攻で是非!とお願いした。
  今ほど、男性が子供の面倒を見る制度が無かったせいもある。

<今作が素晴しいのは、夫が労働者側に屈した後に登場した専業主婦であったスザンヌが、自分の子供達にも頼りながら会社を再建していく姿である。
 それを、仏蘭西の国民的女優であるカトリーヌ・ドヌーヴが軽やかに演じているのである。

 男など、幾ら社会的地位が高くなろうとも、女性の前では一切頭が上がらないのである。
 故に、私が物凄く腹が立つ事としては、自らの妻や子供を虐待する男なのである。
 私は、全ての女性は菩薩であると思っているのである。
 ケド、自分の家人が過去浮気していたら、嫌だなあ・・。ホントスイマセン・・。>

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NOBU

4.0森のリスのじゃれ合いから人間の触れ合いに発展した作品

2023年6月21日
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鑑賞方法:VOD

1977年の時代に裕福であるが退屈な生活を
送っていた婦人、スザンヌが夫のロベールが
心臓発作で倒れたのを皮切りに、
傘を作る工場で働くことになり、目覚ましい
進化を遂げていくストーリーでした。

若き日のカトリーヌ・ドヌーヴとジェラール・ドパルデューの路上での車のアクシデントからの出逢い!
原題の飾り壺にあるように、旦那の薄い影ではない、お飾りで終わらないカトリーヌ・ドヌーヴの存在感、傘工場を発展させていく
女性が社会に進出する前兆を感じる
サクセスストーリーでした。

格調高いお屋敷の部屋に赤いジャージ姿が
ミスマッチで面白かったです。

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美紅

4.0観たかった度△鑑賞後の満足度◎ これは『シェルブールの雨傘』へのフランソワ・オゾンのオマージュ。そしてカトリーヌ・ドヌーブへの賛歌、女性への賛歌。

2023年6月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

①ただいまフランソワ・オゾン監督作品を製作年の古い順で観ているので、順番が回ってきたので観ることにしただけだったのが、以外に楽しめてしまった。オゾンの演出力も上がっていると感じる。
②如何にも政治好きなフランス人を皮肉ったようにも思えるブルジョア(経営者)と労働者との対立を背景に、一専業主婦が女性議員になるまでのドタバタを描いたコメディ。
③本格的に映画を観始めた10代中頃、年代にすれば1970年代半ば、カトリーヌ・ドヌーブといえば世界の映画界を代表する美人女優で憂いのある風情の役が多かったし、そういうイメージでみていたのに、最近は中年になってからの彼女の映画をよく観ているので(こんなに息の長い女優人生を送るとは思わなかったが)、私の中では段々キレイなオバサン女優というイメージが出来つつある。(是枝裕和監督の『真実』では殆んどオバハンだったし。)
今は亡き橋本治さんは、私の愛読書でもある『虹のオルゴール』の中の、(『終電車』の)カトリーヌ・ドヌーブを取り上げた章で、“カトリーヌ・ドヌーブは優雅な美人女優とみなされているが、実はドタドタ歩くオバサンが似合う女優なのである”と書かれている。
正にそういう女優さんになってきているわけで、さすが橋本治さんだと思う。
④カトリーヌ・ドヌーブに(正確にはヒロインのスザンヌだが)若い頃はヤリマンだったという役をふるなんてオゾン監督にしか出来ない芸当だろう。(『昼顔』もある意味ヤリマンの話だったけど)。
『マンマ・ミーア』は舞台は本作より前に始まっていたが、映画はずっと後だし、メリル・ストリープがヤリマン役をやったのが“へぇ~”だったが、先輩がいたわけだ。

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もーさん