のぼうの城のレビュー・感想・評価
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実は甲斐姫((榮倉奈々)が最強
史実に基づいた痛快娯楽時代劇として楽しい作品でした。主演の野村萬斎さんも良かったと思います。田楽踊りのシーンはさすがホンモノというところを見せてくれました。この映画の見所のひとつになっています。
物語が進むにつれ、本作の舞台となった忍城、その城趾に行ってみたい衝動を抑えつつ観ていくと、なんと最後に現在の様子がちゃんと用意されていました。
そこがこの映画最大のカタルシスになってしまうという変な見方になってしまいましたが、そこもこの映画の魅力なのかもしれません。歴史萌えですかね。
本作はいい作品というよりは楽しい作品。DVDで観るより映画館で皆で一緒に楽しむ作品です。
とりあえず行田に行ってみたくなりました。
そこでこの映画「のぼうの城」の合戦シーンや田楽踊りや水攻めに思いを巡らせてまた感動しそうです。
人はだれもが歴史の1ピース
テンポがいいのであっという間の2時間半でした
映画を見ている間は、存在感のある豪華な役者さん達に見惚れ、次々に展開していくストーリー,迫力のある映像に夢中になりました
けれども、この映画の良さはなによりも終わった後の清涼感だと思います
今も昔も、人の営み、感情は同じなのだと
生きるために、それぞれの立場で戦い、力を合わせ、うまくいくこともいかないこともあるし、納得できなくても我慢しなければならないこともある。
時には、弱く見えたものが一番強いこともある
それらがすべて歴史の流れの中では小さく見えても必要な事なのだと感じました
石田堤が残っているのは、そこに生きた人の誇りだからでしょう
エンターテイメントとして楽しませてくれて、なおかつ今の時代に失われている物、必要な物を感じさせてくれる
何度でも見る価値のある映画だと思いますし、そのたびに新たな発見があると思えます
長過ぎまする
野村萬斎演じる成田政親は、領民からはでくのぼうの「のぼう様」と慕われる城代でした。自軍500人対秀吉軍2万人の勝ち目の無い戦に、のぼう様は自らの命を掛けた秘策で戦士たちの度胆を抜いてしまいます。
水攻めに対抗するための、野村萬斎の軽妙洒脱な演技を見るだけでも、この映画を観る値打ちはあるでしょう。
が、しか〜し、長い!長過ぎまする!
テレビでも唄っているように、最初から超大作のラベルを貼られているのは、監督にとっては大きなプレッシャーでしょう。大きなセットは、長々と使わなければいけなかったのかも知れませんが、どっちみち壊す為に作った物なのですから、潔くぶっ潰してくだされ!中だるみでござる。
2時間24分は長すぎ、後、30分はフィルムをぶった切ってくだされ!
それに、エンドロールでの場面説明は、まるで某大河ドラマです。あんな物、全く用なしではござらぬか?
と、思いまするよ。
あらら知らぬ間に、野村萬斎の演技力に引き込まれてしまったようでござりまする。
男心をくすぐる娯楽映画
男心をくすぐる台詞や画面で全体が彩られています。映画俳優の土俵にはいない野村萬斎さんの醸し出す空気と、脇を固める俳優陣、脚本、バランスがとれていて、キャラクター全員に愛着を感じられます。エレファントカシマシの主題歌は、現在のエレカシだからこそ歌える世界観で描かれていて、これがうまく映画の世界観と重なってくれる。最後まで男心をくすぐり続ける、パワフルな娯楽作品です。日本人に広く受けそうだし、男性受けはさらによさげです。「娯楽映画」の見本ですね。ただ、ドラマ性や内容の充実を求めるのなら違う映画を観たほうが時間が有効ですよ、エンターテインメントですから。
でくのぼうという程でかくない
本は楽しかった、実写化するのは難しいと思っていた。
水攻めなどの実写が難しい部分も
ちゃんと映像になっていた。
話は面白いので普通に観れる。
一部の役者が浮いてた感があり気になったが、
基本的に楽しめた。
つまらなくは無いけど、後に残るものが無い。
あえて原作を読まずに見ました。
それでもこの評価にしたのは他の人もレビューしてましたが登場人物と物語が薄すぎる事です。
主人公ののぼうにしてもある面 危ない奴にしか見えず、なかなか感情移入し辛かった。
良かった点としてはこの作品の肝である水責めのシーンの迫力
これだけ迫力が有るとやっぱり延期も止む無しです。
合戦シーンも迫力が有りました。
知略がほしい。
「500が2万に挑むにはどうすればいいか?」
という問いは、色々な立場から共感できる興味深いテーマだと思います。
のぼう様の「民を思いやる人徳」「正直さ」も確かに大切でしょう。
しかし、それだけで2万に勝つのは厳しいのではないでしょうか。
以後ネタバレになりますが、
あの田楽踊りの狙撃で、城の総大将が命を落としたとしたら、その後本当に勝てる目算がつけられるのでしょうか?
民衆に人気の、のぼう様が撃たれたことで反旗を翻すことを狙ったとしても、あの場ではどう考えても撃たれて当然、だと思うのですが…。
行き当たりばったりの作戦、挙げ足とりの口述が偶然に偶然を呼んで、奇跡的にうまくいっただけとしか思えず、頭脳戦を期待した自分にはずいぶんガッカリのお話でした。
洪水の特撮に不満…
500人対20000人、外国映画の‘300’でも似たような謳い文句がありましたが、こちらの映画は仲間意識を美しく前面に出した映画でした。
戦のシーンは首チョンパや火だるま、血しぶき‘ドバッ!’っていうのが結構あって情け容赦はなかったですね。
水攻めの決壊シーンは昔の大映映画にような完成度?
もう少し迫力出せなかったのかしらん?
あと、萬斎さんが演技すると全部‘舞台’な感じになってしまい俺的にはいまいちだったかな-…。さすがに表情はすごいんですけどね。
意外だったのは上地雄介やグッサンがいい味出していたこと。
お客様も落ち着いた方がおおかったです〜。
前情報で見所は終了してるかも・・・
原作のイメージと配役が私的にはかなりずれていて
どうしようかと迷いつつの鑑賞。
エピソードはなぞらなきゃとつぎはぎな感じに
昨年上映なら、タイムリーでしょうが
無駄な芦田愛菜ちゃんの出番もありで
長尺↓↓↓
謳い文句の水攻めも「う~~ん」な中途半端さ
頑張っているでしょうが、
ぐっさんの演技はコントじゃないんだからって興ざめ
TV鑑賞で十分かと思います。
全家族向け
間違いなく良作です!
ここしばらくの邦画時代物としては一番ではないでしょうか。
上映時間は二時間を超えますが、それを感じさせません。
演出としては北野武の『座頭市』をイメージしてもらえればよいです。
音楽を併せ持って楽しい出来になっています。
座頭市はタップダンスで少し無理がありましたが
こちらは狂言+田楽踊りなので時代的にも無理のない感じ。
出演俳優も豪華ですし、画角もすばらしい。
CG合成だって違和感なく迫力があり楽しめます。
戦は槍に人をぶっさして持ち上げるくらいの描写じゃないと!
のぼう様のような人に統治してもらえれば幸せでしょう
達成感がある。
話し言葉が全員、早口ゆえ軽さを感じて違和感。
しかし、
日本のお家芸、特撮の痛快に満ちた"城攻め"アクションと、
野村萬斎の緩急巧みな振る舞いの数々に目が離せなかった。
人間ドラマが弱いし、
多勢に無勢をひっくり返すカタルシスも薄いが、
エンドクレジットの合間に映し出される現在の風景が、
戦った意味、心意気、精神性を如実に伝え、
みごとな達成感を味わわせてくれた。
面白い。
のぼうが終始バカ殿キャラで一貫して描かれるのに、不思議とその偉才さを感じさせる上手い演出を堪能できました。
ダ イナミックな水攻めシーンと忍城決戦に至った緻密な脚本構成、さらに主人公ののぼうが終始バカ殿キャラで一貫して描かれるのに、不思議とその偉才さを感じさせる上手い演出を堪能できました。惜しむらくはラストがやや冗長に終わり方をしたことです、それを引いても、時代劇エンターティメントとして楽しめる作品でしょう。
ダブル監督としても注目してみていました。やはり目立つのは特撮担当としての樋口監督の手腕です。現在の行田市の城跡周辺の地形をそのままに、当時の忍城を忠実に再現していました。『隠し砦の三悪人』同様に、極力CG使用を控え、ロケセットで再現しているので臨場感たっぷりです。本作では忍城に立て籠もる500人の軍勢の少なさばかりに注目されがちですが、城郭としての忍城も城というよりも中世の砦のままといったほうがいい風情で、よくぞこんな貧相な城で石田軍2万の兵の攻撃を凌ぐことができたものだと思います。そんな忠実なディテールのこだわりが、一層に忍城側の悲壮感を感じさせてくれました。
注目の水攻めのシーンもさることながら、初戦の攻城戦もなかなかの迫力でした。石田軍の先鋒の鉄砲隊を惹き付けておいて、1発目を挑発して打たせた隙に、忍城側は騎馬鉄砲隊で先鋒の鉄砲隊を急襲し一網打尽にするところはなかなか痛快!そして一騎当千の忍城側の諸将が躍り出て、石田軍をバッタバッタとなぎ倒していきます。忍城側にとって城への通路がどこもあぜ道の如く細いのが幸いしていました。
最後は、わざと石油を貯め込んだ門内に敵を引き込み、火矢を射かける戦略で、敵の戦意をくじきました。これには石田方の参謀が、闘うべき城を間違えたと絶句したほどだったのです。
一方、犬童監督の分担として、脚本の詰めや人物描写を担当しているものと思います。なかでも石田三成がなぜ小城相手に、大規模な水攻めを行ったかという伏線がきちんと描かれていることに好感を持ちました。
その動機として、冒頭に備中高松城での羽柴秀吉による水攻めを描き、随行した三成が自分もいつかこのような大きな戦がしてみたいと語らせるのです。
家中では、戦下手と噂され、いつも内政面で辣腕をふるってきた三成にとって、なかなか将となって、戦を陣頭指揮するチャンスがありませんでした。初めて巡ってきた現場に臨し、三成の一度はやってみたかったという思いがよく伝わってきました。ただ水攻めの独断は、活躍する場が無くなると、諸将たちの志気を奪ってしまうところが、三成の人徳のなさなんでしょうね。
しかもこの戦、秀吉は三成の戦下手をちゃんと織り込み済みで、内通した当主氏長と降伏の確約を取り付けていたのでした。何とか三成にも武功を立ててやりたいという親心からのデキレースだったのです。
そんな根回しを屈辱に感じた三成は、忍城の軍使にわざと軍使に弱い敵には、傲慢な振る舞いをする長束正家を送り込みます。予想に反して、決戦を選択する知らせを聞いたときのにんまりする三成の表情が意味深でした。
このように犬童演出の特徴は、説明調の台詞を廃し、前後の流れや微妙な表情の変化で起こっている出来事の深部を観客に裏読みさせてくれることです。これは主人公の成田長親も同様でした。
家臣はおろか百姓らからも、その姿から「でくのぼう」を略して「のぼう様」と呼ばれる長親でした。将に求められる智も仁も勇も持たない軟弱さが徹底して描かれます。農作業が好きで、よく領民の作業を手伝いたがるが、不器用なため、どちらかというと迷惑をかけているのに、百姓・足軽等、身分の低い者達からは非常に慕われており、百姓達も長親の為ならば命を掛けることさえ厭わないところか不思議です。
しかし犬童演出では、時折見せる長親の誇り高き表情や、長親に任せると物事が上手くまとまっていくという周辺人物の噂話を描くことで、この男がもしかしたら非凡ではないのかとおもわしめるのです。
松下幸之助翁は、現場主義を唱えました。経営の神様と崇められる存在になっても自ら最前線の販売店巡りを欠かせなかったそうです。領民の人心の把握には、苦楽を共にすることが一番効果があることを長親は分かって、農作業に勤しんでいたのかも?と思えるくるような演出だったのですね。
その際たるシーンは、水攻めにあって孤立した忍城から、長親が単身船を出して田楽踊りをするシーン。ユーモラスな踊りは、一瞬にして敵味方無く惹き付けてしまいます。問題なのは、その目的。敵近く船を寄せて踊る姿は、まさに自殺行為、まるで早く討ってくれといわんばかりの無謀さだったのです。案の定、石田方のスナイパーに狙撃された長親は、瀕死の重傷を負います。それを知った長親を慕う領民たちは、怒り心頭。有志が決起し、石田方が築いた堤防を決壊させてしまうのです。
三成は、これを長親の高等な策略と評価。戦後、直接目通りしたい望むまで高く評価します。しかし、長親は知らぬ存ぜぬの一点張り。最後までのぼうぶりは変わることはありませんでした。
唯一マジになるのは、降伏の条件に思いを寄せる甲斐姫を秀吉の側室に差し出せと迫られたときくらい。このとき突然長親の表情が険しくなり、主君の降伏の言いつけを破って、決戦を判断したのでした。しかし不思議なのは、戦が終結し城明け渡しとなったとき、いともあっさりと甲斐姫を手放してしまうのですね。もう少し、甲斐姫との交情のところを盛り上げて欲しかったです。
さて、野村萬斎ののぼうぶりはまさにはまり役。飄々とした掴みどころの無い表情に狂言師としての面目躍如たるものを感じました。特に田楽踊りの可笑しい振り付けは絶品です。
まさ女性の観客は、武士頭役を演じた佐藤浩市の荒武者ぶりがかっこいいと好評でした。参謀役の成宮寛貴は、ちょっと現代っ子風の台詞回しで、笑いを誘われましたが、結構見せ場となるシーンがありますので、成宮ファンの方も期待してください。
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