「人とはこんなものなのか」のぼうの城 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
人とはこんなものなのか
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映画「のぼうの城」(犬童一心・樋口真嗣監督)から。
数年前に原作・同名の小説を読み、映画化を楽しみにしていた。
当時は「のぼう様(成田長親)」に関心が向いていたが、
今回は、なぜか、攻め落とせなかった敵将、石田三成に
私の好奇心が興味を示した。
こちらの兵の数を聞いただけで、相手方は開城するとの噂を
耳にした石田三成が、大谷吉継に嘆く。
「大谷吉継よ、人とはこんなものなのか。
銭と武力で圧倒すれば、これほど簡単に性根を失うものなのか」
「性根」とは「根本的な心の持ち方・根性」とか
「1つのことを長くやり続ける気力」のこと。
もっと人間としての誇りみたいなものはないのか?と、
石田三成は、自分の戦のことより、人間に興味を示した。
大谷は「勝利者のみが抱ける甘美な感傷だなぁ」と答える。
その後、20,000対500(小説では20,000対2,000だった?)でも、
戦うと決めた相手方の動きに、また嬉しそうに反応する。
「わしは、人と言うものに高を括ってしまうところだったぞ」
「高を括る」とは「せいぜいそんな程度だろうときめてかかる」
「みくびる・あなどる」などの意味だから、
「人間、まだまだ捨てたものじゃないな」という、
石田三成の心の叫びが聞こえてくるようだ。
P.S.
先日他界した「夏八木勲さん」が、お坊さんの役で出演していた。
ナレーションは「TBSアナウンサー・安住紳一郎さん」
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