彼女が消えた浜辺

ALLTIME BEST

劇場公開日:

彼女が消えた浜辺

解説

第59回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したイランのミステリー。セピデーは離婚したばかりの男友だちに紹介しようと、幼稚園の教師エリを誘い、カスピ海沿岸へバカンスに出かける。美しい浜辺にある古い別荘にたどり着き、穏やかで楽しいひとときを過ごす。しかし翌朝、エリはこつ然と姿を消し、浜辺では子どもがおぼれていた。捜索が始まり、セピデーはエリのことを名前以外、何も知らなかったことに気づく。

2009年製作/116分/G/イラン
原題または英題:About Elly
配給:ロングライド
劇場公開日:2010年9月11日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2

(C)2009 Simaye Mehr.

映画レビュー

4.5【”永遠の最悪より、最悪の最期。”仲の良き3組の家族が出かけた楽しき三日間の休暇が絶望に変わる様を描いた作品。名匠、アスガー・ファルハディ監督の秀逸な脚本が冴えわたる作品。】

2024年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■テヘランからカスピ海沿岸の避暑地にやってきた大学時代の友人たち。
 唯一エリだけがセピデー以外の全員と初対面であり、一泊だけで帰ろうとする。
 だがその日、或る家族の子供が海でおぼれる事故が発生する。
 子供は大人たちの必死の救助で助かるが、エリ(タラネ・アリシュスティ)の姿が見当たらなくなり、残された3組の夫婦はお互いに疑心暗鬼になる中、或る家族の妻セピデー(ゴルシフテ・ファラハニ)は、泣きながらある事実を皆に告げるのである。

◆感想

 ・ご存じの通り、イランの名匠アスガー・ファルハーディ監督は、脚本も全て手掛けるが、その脚本の見事さ故に、今の地位にあると言っても過言ではない。

 ・今作も、3組の仲の良い家族と、一人の離婚したばかりの男と、或る家族の妻セピデーが誘った娘の幼稚園の教師のエリの間で起きた悲劇を描いている。普通は、これだけ登場人物が多く、ロケーションもほぼ固定であると脚本を作り上げるのは困難を極めると思うのだが、アスガー・ファルハーディ監督の脚本のは、それを軽々と飛び越えて来るレベルの高さなのである。

<今作では、悪人は誰も居ない。だが、”幾つかの隠し事”が重なり、悲劇が起きる様を息を尽かせぬ展開で魅せ切るのである。
  物語としては、悲劇出るが、イランの名匠アスガー・ファルハーディ監督の巧みなる脚本に基づいた俳優達の演技を堪能したい作品である。>

コメントする (0件)
共感した! 1件)
NOBU

5.0落語を聞いているみたいだった。

2022年4月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

カスピ海の波の音をバックにした心理劇。舞台のようで素晴らしい。傑作だと思う。
笑えないけど、落語を聞いているみたいだった。
オチは言えない。
無知でした。あの『別離』の監督なんだね!

コメントする (0件)
共感した! 1件)
マサシ

4.0コーランの教えと人間性

2021年2月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

個人評価:4.0
アスガー・ファルハディらしいコーランの教えと人間性とを対比させた物語。
嘘をつく事への拒否反応。それは犯罪を犯す以上の罪深さであり、それは隠し通さなければならない。
後半はエリの安否ではなく、彼等のついた嘘をどう隠すかにベクトルが変わっていく奇妙さ。ムスリムの教えの重さと、そこに応じる人間性とのバランスを物語に組み込んでいる。
普段の生活では見せないムスリムの裏の心が、何かの事件をきっかけに顔を出す。
この監督の一貫したテーマが毎回興味深い。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
カメ

2.5責任逃れと嘘の上塗り

2019年12月15日
iPhoneアプリから投稿

強引に旅行に誘われ、あまり気乗りしないまま1泊だけならと参加したエリ。2日目に帰ろうとしたが帰らせてもらえず、子守を頼まれた時に子供が溺れてしまう。助けるために自分が溺れて行方不明に。
残された3組の家族はお互いに罪をなすりつける。挙句には婚約者がいながら付いてきたエリが悪いと言い出す。なんて身勝手な人達だろうか。人は窮地に追い込まれるとこんな風に保身に走ってしまうんだろうか。人間ってコワイ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
アンディぴっと