クロッシングのレビュー・感想・評価
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"怒り""不満""失望"の爆発
リチャード・ギアは正義や警察その全てに冷めていて、イーサン・ホークは家族のために一人で全てを抱え込んで、ドン・チードルは偽ることに消耗し続け憤る。
ざっと簡潔に考えると、主役三人はこうだと思う。どっちも息すらし辛そうで、噴火しかねない苛々付き。だからかずっと息苦しくてエンドロールも重いまんま。気軽な気持ちじゃ見れないし、お薦めしにくい映画だった。
それでも"出口"を探す姿は、警官でなくても共鳴するはず。もしかしたら見えた"出口"は、主役三人の末路のように悲惨へ通じているかもしれない。それでもそれぞれ辿った道に、答えは確かにあったかもしれない。そんな儚い光明も同居するから見逃せなかった。
今行く末に迷う人、決断のきっかけ求める人はこの映画を一度見て、見つめるきっかけにしてみてるのも悪くないと思いますよ。
邦題がおかしい それぞれの正義を扱った社会派作品
毎日繰り返される強盗、レイプ、殺人・・事件の数々 その中で3人の主人公が三者三様の正義をもつ警察の視点で描かれている
正義とは何か この人間が作りだした難しく重たいそれは、それぞれの立場、価値観によって歪み、正しくもなり、誤りにもなる
人は理性や法により、本質や本能を押さえ込んでいるが、その本性となる野蛮さや残酷さが放たれたとき、それが正義なのか、悪なのかは見る人によって違ってくるものだと思う
またそれは簡単に放たれてしまうものでもあると思う
一人は家族を守る為、一人は友と恩義の為、一人は人を助ける為
角度を変えると、私利私欲に走るようにも見え、報復と怒りに我を忘れ暴走してる姿にも見える。
本題は冒頭に全て語られている言葉に集約されている
人はより良くなるか、より悪くなるか
クロッシングという、内容を把握していないようなタイトルをなぜ付けたかは疑問が残る まさに三人が交錯し影響を与え合うものではないし、交錯するのが本題ではなく映画としての演出なだけで、最近流行のクロスオーバーのような類ではないから
ただ内容もそうだが鑑賞時間の長さからも、3本分観たようなずっしりとした疲れを感じた 軽快に展開するわけでもないので見る人によっては好みが分かれると思う
邦題を批判しておいてなんだが、もう少しクロスしてもよかったのではないかな あと正義というものを描くのは、すごく難しいテーマであるから結局納得して見終えることはないと思う
クロスしてなくてもおもしろい。
ギア扮するエディは「正義」に悩み、真の「正義」を知る。
ホーク扮するサルは「愛」に悩み、行き過ぎた「愛」の末路を知る。
チードル扮するタンゴは「地位と信頼」に悩み、葛藤の末「それ」を断つ。
ストーリー、演出、展開、すべてに於いて、伝えたいものが痛いほど伝わってきた映画でした。
バランスのいい見やすい映画でした。
なんだかね
ブルックリンの警察官
普通の人生が一番ですね。。
三人の子供と双子を身籠った奥さんを養い家を購入する事で希望を見出そうとしている麻薬捜査官(イーサン・ホーク)。
争いごとを避け続けて7日後に定年なのに犯罪地域で新人教育を任されてしまった巡査(リチャード・ギア)。
黒人マフィアでボス(ウェズリー・スナイプス)の右腕として働きボスの人柄に惹かれていく潜入捜査官(ドン・チードル)。
この3人のエピソードをランダムに追いながらやがてラストに同じ場所へ微妙に「クロッシング」していく男達の物語です。
イーサン・ホークは麻薬捜査官なので突入する時以外は私服なのですが、背中にタトゥ―がドンとあったり言葉使いや目つきもそーとー悪いので初めはチンピラだと思う事間違いなしです。
リチャード・ギアは唯一濡れ場のある有り難い存在です。女性ファンは過去に比べるとたるみきった身体を目の当たりにする事になるのである意味お薦め出来ません。
そして、何と言ってもドン・チードル!一番頑張っているのに一番報われていない存在です。30~40代の男性で自分の仕事とダブらせて観てしまう方も多いのでは・・。潜入先のボスが自分を一番評価して認めてくれているという皮肉ぶりも何とも言えません。。
そのボス、ウェズリー・スナイプスの存在感と格好良さは際立っておりスーツ姿がまた似合う!超かっこいいです。
あと、エレン・バーキンも少し出てきますがかなりヒステリックでむかつく女上司でアメリカ社会を皮肉った様な役です。マジで殴りたくなりますよ。
要するに・・
①自分を待っていてくれる家族はいるがお金が無い。
②仕事の悩みもなくお金に不自由もしていないが孤独。
③リッチな生活はしているが仕事と家庭でトラブルが絶えない。
の3人なワケですよ!それぞれが。
あなたならどの人生は良いですか?もしくは当てはまりますか?
私は普通で十分です。。
こんな3人が同じ場所へ向かった行くんですよ。
クライムムービー好きなら堪らない展開です。
ただ、もう少し3人を絡ませて欲しかったです!
本当にただ「クロッシング」しているだけで直接的にお互いの人生には絡みません。そこがもっと厚みを増せばより強度のある映画になったと思います。
でも全体的にはまとまった作りにはなっているので、このジャンルでは久々に「観て良かった」と思えました。
という訳で、警官になってみたいし犯罪にも手を染めてみたいというよくばり野郎は今すぐ「DVD」で借りて観る事をオススメします。
ザッピング感の妙味
うわあ、ここまで?ここまでなの?というヘビー感。
ただただ、目の前のスクリーンで起こる出来事に固唾を呑む。
というか、ブルックリンで働く警察官て、ここまで過酷で見返りの少ない職業なんですかね?
本当、圧倒されたというか、この展開に圧巻というか…。
ラストまでストレート、一直線に楽しませて頂きました。
まあ、楽しんでは居るんですがw
三人の刑事を主人公に据えて、巧みなザッピング感で話を切り替えていくストーリー展開。
織り交ぜていくし、微妙に交差していく。
話の決着、着地点が皆目見当も付かぬまま、重い展開はひたすら続く。
クライマックスでやっと話の全貌―「ああ、こうするのか、貴方達は」という腑の落とし方。
三者三様に用意されたやり切れない結末。
いやあ、凄かったなあ。
ま多少、強引というか、ラストへ向けての都合で無理矢理ストーリーを繋げてってない?て感じる部分もありましたが…映画全体を包む重厚感に有無を言わせぬ説得力を持たされて、まあ、そこは突っ込んでも仕方ないか、という。
なかなか良い映画を観たな、という充足感を得られました。
良かったです。
終始重厚なトーンで描かれる物語。
汚いお金。されどお金。
A・フークア作品らしくサスペンスの練り方は悪くないが、
132分という上映時間は長すぎやしないか?と思った。
中盤~後半にかけての、いよいよか?と期待する3人の
絡みはほんの一瞬、そこが巧いかどうかは置いといて…
とにかく前半は、文句なく長い^^;
冒頭の、エ!なにそれ?的なシーンは凄い。
このE・ホークの突然の銃撃が何を意味したのかを知ると
とりあえず切なくはなるが、だからってその切羽詰まった
家庭内の状況を、捜査にまで持ち込むのはどうなんだ!
同僚のアドバイスをよそに、家を買うことにのめり込む
半ば狂った麻薬捜査官を、迫真の演技で彼は見せる。
潜入捜査官のD・チードルは、もはや身も心もボロボロ。
妻には離婚を切り出され、逮捕目的であるボスに親近感
すら抱いてしまう。どうすりゃいいのさ、という不安の中、
最もやりたくない仕事を新女捜査官から強制依頼される。
(これ誰かと思ったらE・バーキンなのね~)
この描き方は、けっこう他作品でも観てきた気がする。
いちばん情けないんじゃないか?と思わせたのが、
我らがセクシーガイ(だった)R・ギアなんだけど、エ?
何だかとっても普通というか地味な引退間近の警官役。
新人からもバカにされ、とはいえこのまま無事に定年を
迎えたいと頑張ってきた彼は、最後の事件まで自我を
押さえ続けてきたが…。
同じ警官同士(課はまったく違うけど)ということで、
この中の2人が絡むシーンが少しだけある。その時壁に
貼られている写真が、あとで重要な事件に繋がってくる。
…こんな感じで、作りや練り方は巧いのだけど、今一歩、
緊張感に繋がるピーンとしたものがないため退屈に。。
其々を其々のスタンスで描こうと身辺を色々と見せるが、
ドラマチックに描きたいのか、職務を全うさせたいのか、
様々な要素を盛り込み過ぎて、ワケが分からない状態。
だから、ラストの惨劇で…観客は唖然としてしまうんだと
私は思うのだけれど、いかがなものか。
(汚いお金は汚ないところに流れ着く。より善か、より悪か)
暗い映画でした・・・
リチャード・ギア、ドン・チードル、イーサン・ホークの3人の出演者に惹かれてみたのですが、原題は、「Brooklyn's Finest」(ブルックリンの警官たち)
直訳より、「クロッシング」のほうがいいのかもしれませんが、どうも昨年の韓国映画と同じタイトルなので、どうなんでしょう。タイトルをつけるのもむずかしいですね。
3人の警察官がそれぞれの心に悩みを抱えている、というアメリカものにしては、暗い映画でした。
3人が出ているのは、もちろん知ってましたが、ウェズリー・スナイプスが出演していることのほうが私にはびっくりでした。結構日本でも有名なはずなのに、映画を観るまでは出ていると思ってもいませんでした。
それに、エレン・バーキンまでも。
3人の出演者だけで充分に人を呼べると思ったからなんでしょうか。
ラストのリチャード・ギアの表情がなんともいえなかったです。
(ネタバレになってしまうので、詳しくは書けませんが)彼はこれからどうするのだろうか、と思わせるラストでした。
クロスしていないよ。
邦題が「クロッシング」だったので、いつかクロスするのだろうな~、と思っていたけど、クロスなし。
ニアミスはあったけどね。
「クラッシュ」のように、主要登場人物が絡み合ってくるのかなと期待したので、残念だった。
もうすぐ定年退職の刑事、潜入捜査官、子だくさんで困っている刑事の1週間の物語。
良いのだけど、何だか、邦題に騙された感じで、イマイチになってしまった。
クロスしないよと思って見ると良かったのかも。
全体に、重苦しい雰囲気があるので、気分爽快になる映画ではない。
でも、さすがの俳優陣。
リチャード・ギアのやるせなさ。
ドン・チードルの人情味。
イーサン・ホークのギリギリ感。
ウエズリー・スナイプスの存在感。
ウィル・パットンの日和見主義。
NYPDって、大変ね。
「クラッシュ」と「トレーニング・デイ」を合わせて、ちょっと中途半端にしたカンジでした。
正義とは何か?
アメリカの闇の部分が描かれていたと思います。タクシードライバー(1976年 ロバート・デニーロ)フレンチコネクション(1971年ジーン・ハックマン出演)ダーティハリー(1971年クリント・イースドウッド出演)の刑事ものを思い出しました。どうなるか、はらはらしましたが、やっぱりそうなってしまいました。ちょっと むなしい。
銃は危険だ
シロと クロと グレイ
シロ(正義)と クロ(悪)と、グレイ(どちらにも当てはまる部分)。
人間 誰しも持っていて、それをどう解釈して・どう対処して 生きていくのか。 家族愛と 友情と 自己愛。 どこまで 守って・どこで 割り切ればいいのか…
テーマは かなり深いところにある気がしました。 激しいクライム(犯罪)ムービーですが、個人的には よい映画だと思います。
以前 『クラッシュ』という映画を観ましたが、少し似ていると思います。 リチャード・ギア、ドン・チードル、イーサン・ホーク、三人の視点から織り成すストーリー。 三人が交差するシーンは あまりにさりげなく、でも一瞬 息を止めてしまうような 衝撃がありました。エンディングも(この一連のストーリーを振り返って)考えさせられます。この“後味の悪さ”がこの映画の良さなのかも。。ここもすごくグレイ。
リチャード・ギア、警察官の ユニフォーム姿で出るシーンがありますが めっちゃセクシー。 還暦過ぎて これだけのスタイルを維持できるなんて すごい!感心しました。 もちろん演技も 素晴らしいです。
ドン・チードル、『オーシャンズ・シリーズ』の名わき役ですが 今回は存在感があって 彼の心の葛藤が とても伝わってくる演技でした。
イーサン・ホーク、ちょっと怖かったです。。でもそこは やはり演技なので、評価 高いと思います。
そのほか、ウェスリー・スナイプスや、ウィル・パットン(『アルマゲドン』で いい役してた彼です)など わきを固めていて 良かったです。 『オーシャンズ13』に出てた エレン・バーキン、たった2年で こんなに老けるなんて ビックリ! 気の強いエージェント役でしたけど、セリフは力強くても 迫力に欠けてました、残念。 シワ顔も、残念。。
☆イケメン☆もいましたよ! 新米警官役の ローガン・マーシャルグリーン(マリサ・トメイと 交際中らしいです、ショートヘアが キュート☆)と、こちらも 新米警官役の ジェシー・ウィリアムス(『旅するジーンズと19歳の旅立ち』で ヌード・モデルもやってた彼です、目がキレイ☆)。 どちらも短い出演シーンですが、リチャード先輩の胸を借りて がんばってました。
スコアは (ストーリー重視で)4.5でもよかったのですが、出血など グラフィックな(生々しい)シーンが多かったので 4.0にしました。
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