劇場公開日 2010年10月30日

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クロッシング : 映画評論・批評

2010年10月19日更新

2010年10月30日よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほかにてロードショー

分裂した今のアメリカを体現する3人の警官の物語

この映画「クロッシング」の原題は「Brooklyn’s Finest」という。意味は、ずばり「ブルックリンの警察官」。主人公はニューヨーク・ブルックリンの中で最も低所得者層が多い犯罪多発地域ブラウンズビルの分署に所属する3人の警官たちだ。

目立った功績もなく、同僚からは冷たい視線を浴びている引退間近のベテラン警官エディ(リチャード・ギア)。長年ギャングと交わり、私生活を犠牲にしてきた潜入捜査官タンゴ(ドン・チードル)。そして、双子を妊娠中の妻と5人の子供を抱え、経済的に苦しい生活を強いられている麻薬捜査官サル(イーサン・ホーク)。3人はそれぞれに行き場のない苦悩を抱えながら、なんとか厳しい現実を生きている。

そんな3人の姿を見ていると、まるで今のアメリカを見ているような感覚になる。後輩(新興国)からは「もう用済みだ」と突き上げられ、長期間の戦争で身も心もボロボロになり、家計は火の車。夢も希望もないお先真っ暗の世の中で、共通の目的もなく、個々がバラバラに現状からの脱出をはかっている。この映画も3人に共通の事件が起こるかというと、そんなこともなく、ただ一瞬、交錯(クロッシング)するだけだ。

“United we stand, divided we fall.(団結すれば立てるが、分裂すれば倒れる)”という標語があるが、本作はまさに、分裂した今のアメリカを象徴する映画といえるだろう。

(編集部)

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