幸福(しあわせ)の黄色いハンカチのレビュー・感想・評価
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「自分、不器用ですからこんなレビューになってしまいました」←うそ!「厚顔無恥にもほどがあるレビュー」
ネタバレもクソもない名作中の名作。『猿の惑星』の「ここは地球だったのか!」みたいな?
ファーストシーンの欽也(武田鉄矢)の部屋。スーパーカーのポスターまみれで「あぁ、時代だなぁ。懐かしいなぁ」と思いました。
どうでもいい話なのですが。私は『サーキットの狼』の劇中で登場する車の中では、トヨタ2000GTシルエットフォーミュラーという架空車が一番好きでした。カウンタックのGr.5も。主人公のフェーリディノRSとかの“でっちあげ”車って、外連味とロマンあるじゃないですか。
スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪ランボルギィーニ!カウンタ―ック!ポルシェー!ナイ―ンワンワンターボォー!フェルッラーリ!ヴェルリネッタボクサァ!マセラッティボーラァ!イッツナンバァーワーン!スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪僕の憧れ♪僕の恋人♪スーパーカー♪
ごめんなさい。当時を懐かしんで、ついYouTubeで『対決!スーパーカークイズ』のオープニングテーマを聴いてしまいました。スーパーカー♪スーパーカー♪スーパーカー♪力は機関車よりも強く!高いビィルディングもひとっ飛び!(もうええっちゅうねん!)
挿入曲にピンクレディーがいくつか流れていたり。キャンディーズの話題がでてきたり。懐かしぇ。どうでもいい話で500文字以上を浪費してしまいました。
ごめんなさい、本題です。オープニングクレジットの“原作=ピート・ハミル”で初めて知ったのですけれど、元はアメリカ新聞誌掲載のコラムだったのですね。いかにもな人情話なので、かなり意外です。米国人に人情がないって言ってるわけじゃないんですが。
武田さん、ロン毛にテンガロンハットよく似合っていました。「百姓みたい」(笑)な白のジャンパー、結局は気に入って買っちゃったんだ。
勇作(高倉健)の初登場、食堂でビール一気に飲み干すシーン。出所後あるあるですよね。私はアルコールがさっぱりダメですし、幸いにもまだ収容されたことがないので、その格別の美味さはよくわからないのですが。
ふっかふかのおふとぅんに感激するシーンも「きっとそうなんだろうなぁ」と胸が締め付けられる思いでした。
この作品、記念すべき第1回日本アカデミー賞では最優秀主演男優賞で故・高倉健さん、最優秀助演男優賞で武田鉄矢のお名前が挙がっていますよね。
私が思うに、この映画の主役って、むしろ欽也(武田鉄矢)だったと考えたんですよ。
贅沢にも、高倉健さんが演ずる勇作を狂言回しにして、武田鉄矢が演ずる、うだつの上がらないダメ男の成長譚を描いたのだと感じたので。
鉄矢さん、映画初出演に関わらず、ド素人とは思えない好演技でした。すっとこどっこいでお調子者でドスケベなんだけれど妙に憎めないヤツ。そういうヤツっているじゃないですか。ここに。“憎めないヤツ”だかどうかは別として(笑)そんな欽也を見事に演じ切っていらっしゃいました。
もちろん健さんの唯一無二の存在感のサポートあってのことなのですが。
桃井かおりの、情に厚いけれどちょっとトロい朱美のキャラ設定も活きていたのも勿論なのですが。←言い方!
そんな3人の珍道中が、この上なく面白くて感動的な物語として描かれていました。
勇作、欽欽、朱美の奇妙な凸凹トリオが、いつしか本音でぶつかり合える間柄になっていく過程が微笑ましくて、涙ぐましかったです。
勇作の欽也への説教に痺れました。
「おまえそれでも九州の人間か」
「いいか…女子(おなご)ちゅうのは弱いもんなんじゃ。男が守ってやらにゃいけん」
これって、いくら年月が過ぎようとも、男女間の普遍的な価値観だと思うのですが。昨今のポリコレて何様のつもりなんですかね?
かつて住んでいた我が家を目前にして、怖気づく勇作に欽也の活が入ります。
「ここまで来たんだろう、なんだよ今さら女々しいこと言うなよ。この間俺に偉そうに説教したくせにさ」
ここでの欽也の成長っぷりに思わず頬が緩みました。
朱美の慰めの言葉も、とことん優しくて涙が出ます。
テレビ放映などで何度も観ているはずの映画なのに、ラストもわかりきっているのに。今回観直してみても、黄色いハンカチが上がっているかどうか、三人の目線でハラハラしながら観ている自分がいました。
なので、黄色いハンカチの列を見つけた時の欽也と朱美の喜びようが、他人ごととは思えなくて。
勇作を送り出してやる時の幸せな気持ちが、じーんと胸に染みて。
邪魔しないようにさっさと車を出した後、陰に隠れて勇作と奥さんの再会を見守っていた二人の優しさが素敵でした。
たった数日間の出来事なのに、何だか長い長い旅だったように思えた勇作の旅がハッピーエンドで締められてとてもよかったです。
欽也と朱美のハッピーエンドも含めて。愛車のファミリアは結構ポンコツになっちゃいましたけれど。
欽也、朱美に惚れられてもいい、素敵な男になりましたよね。
借り物の言葉を使えば、“ロードムービー”の傑作中の傑作だと思いました。
ロードムービーって言葉、この作品について調べるまで知らない言葉でした。←マジでΣ(oдΟ;)!!
一個だけ難点があったんですね。それ、今さら言っちゃダメなんですが。さすがに音楽が古すぎるなぁと思って。
これだけは仕方ないからマイナス点にはしないです。
2011年の日本テレビドラマ版ではどうだったんだろう?テレビ観なくなって久しいから、観逃しています。
阿部寛の勇作役、かなり興味があります。1982年TBSドラマ版の菅原文太さん版もあったのですね。
この映画、海外でのリメイクあってややこしいことになっているんですよね。
アメリカが原作発祥の地→日本にて映画化→アメリカでリメイク。って逆輸入映画なの?
タイトルは『イエロー・ハンカチーフ』っても蓋も無いの(笑)
「まさか!」と思ってアメリカ版をアマプラで探すと!ありましたありました!これも“観なきゃ映画”の候補に入りました。
タイでも、リメイクがあったそうで。『もしあなたがまだ私を愛しているなら』こちらもかなり観てみたいかも。独特の宗教観が色濃く出ていそうで興味あります。「仏様を大切にしろ!大切にしないヤツは死ぬべきなんだ!(名言)」とかの台詞がありそうで怖そうですw
時代背景はありますが
移りゆく時代とともに朽ちていきそうな考え方の多い映画だなと感じました。
古い映画にも時代関係なく感動できるものがあり、そうでないものもあると思います。
現状のじぶんの感覚的にみると浅はかだったり、ださいなと感じてしまう部分が多いように感じました。
言い方が悪いかもしれないけど、単なる当時の話題作という感じました。
名作と持ち上げ過ぎかもと思いました。
古過ぎていい感じ
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女にフラれてナンパしに来た武田鉄矢、失恋旅行に来た桃井かおり、
謎のおっさん高倉健が北海道で出会い、行動を共にする。
前半はしょーもない男の武田が桃井にいやらしい事をしようとしたり、
2人の微妙な関係がコメディタッチで描かれるが、後半急に変わる。
高倉は前科者で、網走刑務所から出て来たところと判明する。
で、獄中離婚したが、出所の際に元妻に手紙を送っていた。
また自分とやり直す気があるなら、黄色いハンカチをかけておくようにと。
でももう再婚してるだろうし、見に行くのも怖い高倉は尻込み。
そこを桃井が激励し、強引に行く。するとハンカチかかりまくり。
良かったねってことで終了。
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桃井っていい女優だなと改めて思った。
武田と桃井が美男美女じゃ成り立たんかった映画かな。
とにかく武田はしょーもない。
今もいるんだろうけど、昭和の頃はこういうのがよくいたなあ。
その対照として、高倉はカッコよく描かれていた・・・はず。
でも平成の今見て見ると、高倉もたいがいカッコ悪い。
妻が流産してヤケクソになってるのも現代的に見ればカッコ悪いし、
勝てて当然のケンカを売って、チンピラを殺してしまうってのもww
ハンカチ上がってるはずないし夕張に戻るのが怖いってのはわかるが、
桃井に説得されて見に行く時の感じがまた最高にダサい。
アンタが嫌なら私が見に行く!とか言われてタジタジなってもてるし、
家に着いても目をつぶって一切のものを見ようとしない高倉。
子供か!多分当時はこの純粋な不器用さがカッコよかったんやろうなww
しかしこんだけ古いとそういった事も許せてしまう。
桃井の存在により全体にリズムが出てるというか、雰囲気が良い。
そのせいで何となく見入ってしまう
こういうのが映画たるものなんじゃないのかなあ。
最近の邦画はTVドラマと同じようなものが多い。
こういう壮大がないと言うか、言葉では言い表しにくいが。
ア○ルフィとかh○roとか、ただ遠出すればいいってもんじゃないよ。
【山田洋次監督による見知らぬ男女三人が不思議な縁で、共に赤い車で北海道を旅するロードムービーでありヒューマンドラマの逸品。何度観ても、ラストシーンは涙する作品でもある。】
◆感想<何度観ても、印象的なシーン><Caution!内容に触れています。>
・刑務所から出所したばかりの勇作(高倉健)が、食堂に入りビールと醤油ラーメンとかつ丼を注文し、ビールをコップに注ぎ一気に飲み干してから、醤油ラーメンとかつ丼を一瞬眺めた後に、醤油ラーメンを掻き込むシーン。
・失恋した欽也(武田鉄矢)が新車を購入し、北海道に行き内気な朱実(桃井かおり)と勇作出会い、ひょんなことから共に旅をするのだが、その中で欽也と朱実との関係性が変わって行く様。
ー 最初はやや軽薄な男として描かれる欽也が、同じ九州出身の勇作から説教されるシーン。そして、内気だった朱実が、勇作が刑務所に入った理由や、彼が愛した妻と泣く泣く別れた事や彼が刑務所を出所した後に、彼の元妻光枝(倍賞千恵子)に”ある事”を書いた葉書を出していた事を知り、徐々に積極的に勇作に対し、彼が元妻光枝に逡巡しながらも会いに行く気持ちを支える姿。ー
■再後半、勇作が車内で欽也に、自分と光枝が暮らしていた夕張炭鉱の家への経路を指示するシーン。
勇作は途中から顔を上げられなくなるが、欽也と朱実が町の一番奥の家に掲げられた数多くの黄色いハンカチが風に靡く風景を見た時の歓声(朱実は涙を流している。)と、勇作がゆっくりと洗濯物を干している光枝に近づき、彼に気付き、涙する光枝の肩を抱き家に入るシーンをロングショットで映し出すシーンは、何度観ても涙してしまう。
<今作は、縁の無かった男女3人の姿を描いたロードムービーの逸品であるし、ラストシーンを見るとどうしても涙が出てしまう、ヒューマンドラマの逸品でもあるのである。>
タイトルはつけられない
高校生の時に、あまりにも褒められすぎていたので却って見逃していました。
恥ずかしながら、確かに大傑作です。
健さんも倍賞先輩も桃井先輩も金八先生もそれぞれ名演ですが、それを引き出す演出力はさすが山田先生ですね。
何となくオチは聞いていたような気がするので予定調和な話の展開ですが、ラスト20分くらいから、わかっているのに泣きそうでした。
クライマックスのカメラアングル、カット割り、間のとりかたが完璧で圧倒的な感動を生みました。
見どころ満載。 今となっては北海道のノスタルジー。 ドライブ中のト...
見どころ満載。
今となっては北海道のノスタルジー。
ドライブ中のトイレ問題。
桃井かおりの個性的な雰囲気。
高倉健のビールの味わい方。
武田鉄矢の話し方。
山田洋次監督は、俳優を映画の中で生活させちゃうから凄いです。
愛と「おかえり」を知るロード・ムービー
第1回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。
第51回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・ワン。
Amazon Prime Video(プラス松竹)で2回目の鑑賞。
高倉健の不器用さがほっとけない感じを醸し出していて、身の上話を聞いてしまったら最後まで付き合うしかなくなる。
倍賞千恵子の美しさと演技も画面をぴしっと引き締めていたし、コメディーリリーフに留まらず成長ドラマがちゃんとある武田鉄矢や相手役の桃井かおりも素晴らしかったです。
ストーリーはとてもシンプル。ストレートだからこそ、最後には胸に染み入る静かで温かな感動がやって来ました。
北海道の雄大な風景が物語に詩情を添えて、ラストシーンも夕張の景色だからこその光景だな、と…。愛と「おかえり」の幸福を思い知らされる、すごくいい映画だと思いました。
[余談]
警察官役の渥美清は、贅沢な使い方のちょい役ながら中盤のいい風味となっていて、島(高倉健)が刑期を満了出来たのもこの人に捕まったお陰なんだろうなと想像出来ました。
高倉健といえば「不器用ですから」だけど俳優だからわりと器用
これは何度も鑑賞
山田洋次監督の最も優れた代表作
監督と脚本は『男はつらいよ』シリーズ『学校』シリーズ『家族はつらいよ』シリーズ『ダウンタウン・ヒーローズ』『たそがれ清兵衛』『隠し剣鬼の爪』『武士の一分』『小さいおうち』『キネマの神様』の山田洋次
脚本は他に山田洋次監督を師事し共に『男はつらいよ』シリーズや『釣りバカ日誌』シリーズにも携わった朝間義隆
第一回日本アカデミー賞作品賞の他数々の賞を獲得した日本を代表する名作映画
北海道で出会った3人によるロードムービー
恋人にふられたショックで仕事を辞め退職金で赤いファミリアを買い北海道への旅を始めた欽也
東京から釧路までフェリーに乗り釧路から網走にやってきた欽也はナンパをしまくりやはり傷心旅行で東京から北海道にやってきた朱美と出会う
欽也と朱美に加え勇作も同行することになり3人の旅が始まる
網走から帯広そして札幌行きを変更し夕張
殺人罪で刑期を終え出所した勇作は迷惑をかけた妻と別れていた
勇作は出所した日に夕張に住む妻に手紙を送った
「今も独身で自分を待ってくれるなら前に住んでいた人が立てた鯉のぼりの竿に黄色いハンカチをさげてほしい」
あえて食事を抜いて演技にのぞみ網走の食堂でビールを注文し両手で飲み干す高倉健の芝居は名シーン
ただ40代半ばで醤油ラーメンとカツ丼は頼み過ぎだと思う
僕は最近試したが食べ過ぎで具合悪くなった
欽也はよくこける印象
演技経験無しで挑んだ武田はこけかたがうまいが山田監督にかなりしごかれたそうだ
山田が誘わなければ金八も101回目も無かったかもしれないと思うと感慨深い
カニを食べるシーンでアドリブかましてそれがスタッフにウケて有頂天になった武田
それを面白くない桃井は「私は真面目にやっているのにウケるのはあんたばっかり油断できないわ」などと因縁をつけ2人が喧嘩するエピソード大好き
その怒りが収まらず朱美がファミリアの運転操作ミスを度々してしまい欽也が叱るシーンで「今日の君はずいぶんいいね」と武田が監督に褒められるエピソードも好き
それにしても普通俳優初挑戦の若い歌手に若手女優が喧嘩を売ったりするだろうか
南田洋子が『太陽の季節』で恋人役の当時大部屋俳優だった長門裕之を楽屋にわざわざ呼び出し「あんたミスキャストね」と言い放つわけだから昔は割とよくあることだったのかもしれない
今はどうだかわからない
酒も煙草もバンバンやるし自宅は全裸だとかそういうカミングアウトはするけど
先輩の女性俳優が駆け出しの男性俳優にガツンとかますことは今でも多少あるかもしれない
最後の黄色いハンカチがたくさん下げられているシーンはあまりにも有名だがそれに関する武田のエピソードも大好き
なかなか晴れずに撮影ができず近所の家に上がり込んで桃井と一緒にどんちゃん騒ぎをしていたってやつ
高倉健は真面目だから朝から夕方まですぐに演技ができるよう現場でずっと立っているというのに
新人だから本番でなかなか涙を流さず武田が困っていたら高倉健が別れの挨拶してくれてそれに感動して泣けることができたって話
高倉健って気配りの天才なんだよな
無口なイメージだけど若手に積極的に声をかけて演技しやすいように配慮してくれるらしい
全く惜しい人を亡くしたよ
それにしてもこんな40代半ばいまどきいないよ
自分の周りはもちろんのこと芸能界でも
なんか高倉健に比べると随分と軽い感じがする
昔の人って老けていたな
阪急のサードでヒゲにサングラスの人いたけどありゃ20代には見えないよな
たこ八郎演じるヤクザもんにキレる瞬間が一番かっこよかった高倉健
あと武田はそののち演技がどんどん上手くなっていくけど桃井は全然変わらないな
デビュー当時から完成されていたんだろう
技術云々じゃなくてそれが彼女の味ってもんだろう
あえて苦言を呈するならラストの武田と桃井のキスシーンはいらない
2人が手を握り合うだけでいいじゃない
桃井はともかく武田のキスシーンは画的に汚い
短めのオープニングクレジットでエンドクレジット無し
いい時代だ
配役
刑期を終え出所してきた元炭鉱夫の島勇作に高倉健
勇作の妻の島光枝に倍賞千恵子
失恋を癒すため東京から北海道旅行にやって来た小川朱美に桃井かおり
失恋を癒すため東京から北海道旅行にやって来た花田欽也に武田鉄矢
旅館の親父に太宰久雄
勇作との喧嘩の末に殺されるチンピラに赤塚真人
警官に梅津栄
警察署で泣く女に三崎千恵子
帯広のヤクザにたこ八郎
警官の渡辺勝次に渥美清
ほら‼️勇さん見えるー❓ちゃーんとあったじゃないのー‼️
山田洋次監督作、高倉健主演作のみならず、日本映画を代表するロードムービーの名作ですね、これは‼️高倉健扮する刑務所帰りの男が、北海道を旅する若いカップルと繰り広げる珍道中‼️健さんは別れた元女房に、もしまだ俺を待っていてくれるなら庭先に黄色いハンカチをかけておいてくれと伝えてあった・・・終着地である夕張を目指すクライマックスはスリリングに盛り上がり、その後訪れるすがすがしい感動のラストは一生忘れることができません‼️モテない、冴えないを体現した武田鉄矢のコメディエンヌぶり‼️カニや下痢のエピソードは、何度見ても大爆笑させられる‼️都会の娘を妙演する桃井かおりのアンニュイ感たっぷりの存在感‼️そして粗野で不器用で自分の想いをストレートに伝え切れない高倉健のイメージは、この作品でまさに決定付けられましたね‼️そんな高倉健の俳優としての特性を一番わかっていたのは、山田洋次監督じゃないでしょうか❓そういう意味で高倉健が不幸だったのは、この作品と「遙かなる山の呼び声」の2作のみで山田洋次とのコンビを辞めてしまったことですね‼️お互いに不幸だったと思います‼️
リアリティ欠如はなんのその、映像芸術の魅力を遺憾なく発揮したエンディングに…
山田洋次のキネマ旬報ベストテン第1位作品
がTV放映されたので改めての鑑賞。
NHKの再放送ドラマ「男たちの旅路」での
桃井かおりの特異な名演技を見ていたので、
彼女の魅力にも注目して観始めたが、
そんな想いなどは
すぐに消し飛んでしまうような、
ただただ、高倉健のたたづまいに魅了される
作品だった。
口数の少ない演技は
スティーブ・マックイーンにも
通じるものがあるが、
特に、刑務所を出たばかりの所作は、
まるで、高倉は経験者であるかのようだ。
そして、
押し殺したような女性への深い愛情表現は
この作品に限ったことではないが、
見事な“高倉健的”名演技に感じた。
そして、
エンディングの分かっての鑑賞ながらも、
事前に配されたタンポポや道路の車線境界線
等の黄色い映像シーンを改めて目にすると、
自然に涙腺が…。
あの多過ぎる数の黄色いハンカチは、
もちろん、妻の愛情の表現として
毎日コツコツくくり付たとか、
彼女に同情する近所の方々に
お手伝いしていただいた結果だとか、
ある程度の理由付けは可能だろうが、
あそこまでしなくても、と感じさせる
描写ではある。
しかし、原作ではどのような
記述になっているのかは分からないが、
そんなリアリティ欠如への邪推などは
消し飛ぶような、
映像芸術としての利点を生かし切った
山田洋次監督の見事な演出だったのでは
ないだろうか。
タケテツのポテンシャルを見抜いた山田洋次
タケテツファンなのでちょっと冷静な採点はできないが、後に彼が役者として発揮する全てがこの映画に詰まっていたように感じられ、山田洋次の眼力に感服した。
コメディを演じるも、そのセリフや動きもさることながら、それ以上にメタ的に「それを演じてる僕、面白いでしょ?」感がうざくて笑えてしまう、刑事物語に顕著なタケテツコメディ。
女に振られるのも似合うし、次の女を口説くのが下手なのもよく似合う、「101回目」でも全く同じ構造を見せたタケテツシナリオ。
時代の現れでもあろうが、北海道の人々をことある度に百姓呼ばわりしたり、女性に襲いかかった挙句「俺だって処女じゃないよ!」という、暴言とイミフでお馴染みのタケテツサイコパス。
これらは、後にミュージシャンではなく役者として名を上げていくタケテツの大枠の要素がほぼ揃っているように思える。
海援隊のボーカルにこれをやらせてハマると見抜いた山田洋次の眼力は一体どうなっているのか。天才の所業に頭が下がる思いであった。
タイトルなし
昔から気になっていたタイトル。少し前に放送された「ガキの使いやあらへんで!」の「遠藤VS陣内 真の大根役者頂上決戦」で2人が演技バトルするテーマ作品として扱われていたのを切っ掛けに観る事とした。古い作品でもある事から、結末や粗筋は何となく知っている状態で鑑賞。
前半はコメディ色強めで観る人によってはイラっとする事が多くなる作品かもしれない。自分は桃井かおりさんが自動車を暴走させるシーンがキツかった。ただ、どこか影のある男の高倉健さんや、時々差し込まれる健さん、倍賞千恵子さんとの短い馴れ初めのシーンが結末への期待を膨らませてくれる。
中盤、高倉健さんの過去が旅の御供達に知られた辺りから作品の雰囲気が変わってくる。コメディ色は薄れ、健さんの過去が明らかになっていくが期待してた物とは少し違っていた。顔見知りの警察が健さんの事を凄く気に掛けてくれていたから、どんな理由で人を殺めてしまったのだろうと気になっていたが、ただムシャクシャして喧嘩相手の頭を地面に何度も叩きつけたという、とんでもない理由。ついさっき、たこ八郎さんの頭を車のボンネットに何度も叩きつけていたが止めが入らなけりゃ、とことんやっていたのかと思うと恐ろしい。刑務所で離婚話を持ち掛ける健さん、気持ちは分るが自分勝手な言葉に千恵子さんが気の毒で涙が出た。
有名なラストは風に揺れる大量の黄色いハンカチから千恵子さんの感情が伝わってきて良かったが、家の前まで来ているにも関わらずハンカチを見ようとしない健さんの姿には幻滅するしかなかった。
普段、洋画を観る事が多いからか自動車が走る車線に違和感が有って仕方がなかった。日本人なのに。運転だってするのに。
これが名作?
今まで何度か見た事がある映画。本日BSで放送していたので、あらためて見た。
正直「これが名作?」というのが率直な感想。
まず、ストーリーのオリジナル性。タイトルにもある、クライマックスの黄色いハンカチは元々日本でもヒットしたドーンの「幸せの黄色いリボン」の歌詞を題材にしている。
その歌詞もオリジナルではなく伝承に基づいたもの。
そのクライマックスに結び付けるために武田鉄矢と桃井かおりの絡みなど創作ストーリーでつなげて映画にしたもの。感動するべきクライマックスにオリジナリティがなく、初めからわかっている。
武田鉄矢が桃井かおりに絡む態度もしつこく見苦しいし、高倉健が犯した殺人も擁護できるものではない。刑期を終える男を黄色いハンカチを掲げて待つその理由や女心にしても十分に描かれているとは思えない。
全てが、たった1曲の歌詞・伝承の通りのクライマックスにつなげるための「つなぎ」。
結果がわかっているため感動する要素もない。
山田監督はじめ俳優陣は皆好きだが、この映画は名作と呼ぶのにふさわしいのだろうか。
「幸せの黄色いリボン」のヒットがなかったら、山田監督がこま映画をつくる事もなかっただろう。
男らしさの定義
昔の漢は「不器用」=「男らしい」の印象。
平成生まれの俺が、30歳でこの映画を観るまでは、そんなのが「男らしい」とは「時代が違うわ」と思っていた。
昔の人の男らしさって、とことん男目線で見ての男らしさなんやろうなー
口下手で、人には厳しく、自分は逃げて、キレたら歯止めが効かんくなって‥それでも女が待ってる。
女に気を効かせんでも、自分勝手やっても女が離れん。
細かいことは抜きにして、男として凄い。
これこそまさに、"男らしい"
ラストシーンが最高過ぎる
後半、目頭が異常を起こしてずっと頭が痛くなるくらい泣けてくる映画。
やっぱり何度観てもこの映画は好きです。
序盤から一本気の男くささの権化のような勇作(高倉健)と、情けない恥ずかしい、そしてみっともないの3拍子が揃った欽也(武田鉄矢)のはまり様。
もう欽也のダメ加減と言ったら見ているだけでこちらが居た堪れない気持ちになってくるくらい。
ミーハーで、かっこつけで、プライドが高くて、威勢は良いのに喧嘩が弱くて、思い込みが激しくて、女のケツばかり追いかけて、おまけに調子乗りでガサツな上に見た目も悪い。
いたよな、こんな奴。
でも、こんな距離を置きたい奴にも拘らず、実は純粋で涙もろく情に厚かったりする。
そして根っこは優しくて、誰かを助ける事にまっすぐに向き合えたりする。
そんな欽也の成長物語でありつつ、完璧としか思えない勇作の「実は。。。」という謎めいた過去が3つくらい出てくる一人の男の強さも弱さも丸裸にして行くような悲哀に満ちた話でもあり、もう一人、朱美(桃井かおり)に関しても色々とドラマはあるのだけれど、もうそこはすっ飛ばして欽也と朱美が純愛に落ちていくラブストーリーでもあり。
それを偶然北海道で出会った3人の3日間の旅で描いてしまうっていうのがまた、良く出来たシナリオだと思います。
序盤は本当に、キラキラした目で見てしまう勇作と、冷めた目で見てしまう欽也という解り易い二人の関係でしかないのですが、後半に入って勇作がひより始めてグズグズしてくるのにつれ、欽也の方は一直線に前だけを向き、調子に乗って勇作を叱ったりする。
思わず欽也に「おい!」と言いたくなるが、どう考えても欽也が正しくて勇作が悪いのだから仕方がない。
ただ、ここで朱美が正反対の二人を取り持つ役どころとして、本当にいい仲裁をしていく。
いや、ほんとこの辺りの3人のバランスがラストにかけて絶妙になっていく一体感も堪らない。
ロードムービーって、ほんとこれだよな。という醍醐味も最高に味わえます。
でも勇作も完璧だと思ったのに、過去を振り返ると酷すぎる。これが。
光枝(倍賞千恵子)じゃなくても「あんたって勝手な人だねぇ。」と泣きたくなるくらい。
「不器用だから。」で許されるのも夕張に向かい始めるまで、向かってからのグズグズ具合はウジウジに近い。
『草野球のキャッチャー』っていうのは本当にこういう人の事を言うんだと思うくらい。
けれど、そんな今にも身投げするんじゃないか?と心配になる様なボロボロの勇作だからこそ、ラストの破壊力がとんでもなく凄い。
何が凄いってハンカチの枚数が凄い!
過去のやり取りでハンカチ1枚を想像していたのに、一面にはためく黄色いハンカチ。
もう見た瞬間に涙、涙、涙。。。
そして、この後の展開も良すぎる。
道端に車を止めて、優しく抱き合いながらキスする欽也と朱美。
もう、欽ちゃん大好きって、あっさり言わせてしまうこのラストシーンがまた最高過ぎる。
そんな感じで、最高に泣けて幸せになれて、男としてのかっこよさも感じられるいい映画なんですが、このどれだけ時代が経っても色褪せない感っていうのは凄いですよね。
特に欽也なんて、僕が産まれた頃の若者、勇作の世代からは異星人と思われるような新人類。
けれど、その世代に育てられ、とうに40も超えた自分が見ても、いつの時代も若さ故の見苦しさ、みっともなさ、情けなさってこんな男だよな。と思いつつ、とは言え、自分の過去を振り返っても、身に覚えがないとも言えず、少し同情した気持ちも感じてしまう。
そんな男の気恥ずかしさを何十年経っても思い起こさせる武田鉄矢の熱演ぶりは、普遍的で時代を超越した存在感のように感じます。
多分、この辺りは女性が朱美を見て気恥ずかしく感じたりする部分もあるんじゃないか?と思いながら。
きっと男が勇作には憧れるけれど欽也には同情してしまうように、女性には光江には 憧れる けれど朱美には同情してしまうという気持ちがあるんじゃないだろうか?
それから、演出もひたすら感心するのが夕張に近付くにつれ道端にある黄色が目立つようになるところ。
標識やら、看板やら、歩く人々の洋服やら、ラストへの暗示の様に黄色を意識させていく展開が納得と言うか面白いと言うか。
こう、3人の感情が一体感を増して進んでいく様が黄色を求める目線に乗り移っていくかのような。
果たしてこれにそういった効果まであるのか?はともかく、今黄色を見付けないといけないという切迫した思いが受け手に乗り移って来そうな熱意は凄く伝わったような気がして、個人的にこの演出も絶妙だと感じました。
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ブログの方では、ネタバレありで個人感想の詳細とネット上での評判等を纏めています。
興味を持って頂けたら、プロフィールから見て頂けると嬉しいです。
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マツダファミリアで北海道ロードムービー
福岡飯塚の直情型暴れん坊が夕張に出てきて
喋るまで半年
流産きっかけでまたキレてしょうもない殺人
あんたって、あんたって勝手な人だねぇ
一緒になる時も
別れる時も(泣
九州男児が吐いた唾のむなやー!
意気地がないって武田鉄矢に言われるし
桃井かおりに説得される
しょうもない男だが、かわいい(笑)。
寡黙で背中で語る印象が強い健さん。
でも、この映画の役では、食べる・説教する・グジグジする。
相手の立場に立って考えることをしない男。妻のことをどう思っているんだ!
欣也に説教するけれど、じゃあ、自分は?
初めての子が流産したショックが大きいのはわかるけれど、それで傷害致死って。死んでしまった男がかわいそう。刑期終えればチャラになるもんではないだろう。
挙句に、「待っててくれるなら~」と手紙を出しているのに、その結果を見るのを怖がって逃げることばかり考えている。朱美に諭されて、恐る恐る勇気を出す。
しかも、最後、お礼も言わずに立ち去るとは。
気持ちはわかるけれど、格好のいい男とは程遠い。
それでも、
「こいつと一緒になれんかったら~」と思い詰めるときのあの表情。
光枝が独身だと知った時のあの表情。
光枝とデートしている時のあの表情。
家族に恵まれなかったからこそ、最愛の妻との間に子が授かった、家族ができると知った時のあの表情。
最後、お礼も言わずに、否、感あり余り過ぎて”言えずに”立ち去るときのあの表情。
かわいいんだなあ。
不器用な恋。
もっと、理性をはたらせて、自分を大切にしてくれる人に恋することができたらいいのに、と思う。
でも、現実は、そんな要領よくはできない。
身勝手な男。でも、誠実に愛してくれることは伝わってくる。なのに、やることなすこと、思いと行動が裏腹。そんな行動に振り回される。
傍目から見たら、損なくじを引いたかのよう。
でも、でも、でも…。なんだ。
そんな女の思いが、哀れで、でも羨ましくもあり。
「この女と一緒になれなければ…」そんな出会いがうらやましい。
二度目の恋。バツイチだからこその戸惑い。そんな女が、宝石のように美しすぎる。
そんな女の思いも察することができずに空回っている男。その逡巡が愛おしい。
こんなに無様なのに、なぜかとてつもなく愛おしい。
喜怒哀楽。一つ一つの表情がとっても新鮮。
そんな二人に対して、軽すぎるだろと思いたくなるような若い二人。でも、この二人も不器用。
イタすぎるけれど、どこか愛おしくなる女を演じさせたら桃井さんの右に出る人はいないな。
そのアンサンブルが見事。
物語の筋・結末は有名(って、タイトルやBOXでネタバレ)。
結果はわかっている。だのに役者の演技に引きずり込まれる。
賭けの結果を知るためのドライブでは、いつも胸が締め付けられる。
欣也と朱美に同化して、辺りを探してしまう。島に同化して祈るように目をつぶり手を組み祈りを捧げてしまう。道路のセンターラインにさえ、ぐいぐい引っ張られる。
光枝には、離婚したんだから、もっといい男探しなよと言いたくなるが、光枝の島に対する思い溢れた表情を見ていると、「島と幸せに」と祝福したくなる。
役者によって不朽の名作となった映画。
最後の欣也と朱美の場面はいらなかったかな。余韻がなくなっちゃう。
私的邦画ベストワン。
傑作。
人が幸福に成る事を見ると自分も幸福に成るという事を確認し、自分も捨てたものではないと救われる。
日本の片隅に小さいが確かな愛が存在すると知らされる事が嬉しい。
だから私的邦画ベストワン。
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