トロッコ

劇場公開日:2010年5月22日

トロッコ

解説・あらすじ

芥川龍之介の同名短編小説を、現代の台湾を舞台に翻案し、「殯の森」の尾野真千子を主演に映画化した家族の物語。共演に台湾の名優ホン・リウ、ブライアン・チャンほか。ある夏、敦は急死した台湾人の父親の遺灰を届けるため、日本人の母と弟と台湾の小さな村を訪れる。そこには日本語を話す優しい祖父がおり、父からもらった大切な写真に写るトロッコを一緒に探してくれた。雄大な台湾の自然のもと、それぞれが失いかけていた家族の絆を取り戻していく。

2009年製作/116分/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2010年5月22日

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(C) 2009 TOROCCO LLP

映画レビュー

5.0 繰り返される負の連鎖にブレーキをかける

2026年4月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

希望は失われ、絶望は怒りに変わった。そして、歪んだ期待が次の世代へと押しつけられていく。─負の連鎖が続いていた。

日本人になろうと決めて、日本人として命をかけて戦ったのに、戦争が終わったら切り捨てられた。
「60年経った今も“ご苦労さま”のひと言さえ言ってくれない」
そして、時代の変化についていけず、古い価値観を息子たちに押し付けた。

その息子は父の思いを受け継いで日本に渡った。そして、台湾には帰ってこなかった。

大きな存在だった夫がいなくなって、喪失感から自分を否定し、やがて期待の押しつけへと変わっていく。
「全部自分で選んできたはずなのに、どれもちゃんとできていないんです。」
そして、そう自分を責める刃は、いつしか矛先を変え、期待を押しつけるように長男を大きな声で叱る。

その長男は、期待が重くのしかかり、弟に優しくできない。そして、母に愛されていないと思い、苦しむ。

走り出したトロッコは、思いのほか遠くまで行ってしまい、楽しみがだんだん恐怖に置き換わっていく。耐えられなくなった弟を、長男は弱みを見せずに支える。

「自分がしっかりしなければ」という思いが、いつの間にか周囲の弱さを受け入れる余白を奪い、同じ苦しみが繰り返されている。

もしかしたら、義弟夫婦も同じ連鎖だったのかもしれない。

裸足で耐え続けた長男の気持ちが溢れ出て、母が初めて気付く。頑張っていたのは、自分だけではなかったことに。

余裕がなくなったときほど、弱さを見せて、共有できるようにならなければ、いろんなものが壊れていくのだと言われているようだった。

「完璧であること」よりも「不完全なまま手をつなぐこと」の尊さが込められていた気がする。

note(YouKhy)ではもう少し詳しく書いています。

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YouKhy

4.0 尾野真千子さんと自然が美しい。子供たちの演技も良かった

2019年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

尾野真千子さんが初の母親役で主演した映画。
彼女が29歳くらいで8歳と6歳の二児の男の子を持つシングルマザー。
この作品のあと「Mother」「カーネーション」「名前のない女神たち」など次々と母親役を演じていく最初の作品。ブレイク前ですが、「Mother」の虐待ママと違う、孤独や辛さを抱えながら子供を想う母親も実に自然に演技れて素晴らしい。トロッコで子どもたちが駆け抜けていくシーンも自然も綺麗で、静かに流れていく作品。

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minaizu

4.5 好きなタイプの作品じゃないわりにおもしろかった。

2018年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

好きなタイプの作品じゃないわりにおもしろかった。

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まるぼに

3.5 ☆☆☆★★★ ※ 鑑賞直後のメモから 日本映画界に新たな才能現る。...

2018年1月8日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★★★

※ 鑑賞直後のメモから

日本映画界に新たな才能現る。

先ずは尾野真千子に惚れた!
これまでもそこそこ好きだったし。この前の『真幸くあらば』は内容的に《あれ!》だったが、彼女は美しかった。◯◯◯ーシーンには驚いたけれど(´⊙ω⊙`)
今回の作品でも、彼女の佇まいの美しさにおじさん参った。
お願い!付き合ってm(_ _)m
子役の2人も、とても良かった。

そして何より1番の収穫は、監督川口浩史とゆう新たな才能有る監督が登場した事。これが嬉しい。

芥川龍之介の短編が基になっているらしいが、内容的に大きな出来事は起こらない。
異国の地に住むお爺さん家族との交流を通して、家族の絆を考える内容。

台湾がその昔、日本の統治下に在った事実が、微妙な関係を及ぼしてほいるのだが。映画自体はそれを一切強調しない。
人によっては、そこに不満を唱えるかも知れないが。子供が主役でも在る児童映画としての側面も在ってか、その辺りはぼかしているのは正解だと思う。
寧ろ、互いの心情を両国間の関係として、いたわる様にみつめ、じっくりと描いて行く演出力に感心した。
次回作も楽しみ。

2010年6月1日 シネスイッチ銀座2

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松井の天井直撃ホームラン