劇場公開日 2010年7月17日

「アリエッティは「アンネ」だと思う・・」借りぐらしのアリエッティ 鬼太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アリエッティは「アンネ」だと思う・・

2010年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

まず最初に言っておきます。
これまでの、ジブリの特徴であった、ストレートな
テーマ表現や、リズミカルでコミカルな動きなどは
まったくありません。

それを持ってして「ジブリ作品ではない」と言う方は、何をもってジブリ作品といのでしょうか?

正直大人向けの内容であり、お子さんには真のテーマの
理解は無理です・・・
女の子は、まだ表面的なストーリーに満足するでしょう
けど、男の子は限りなく退屈すると思います・・・

ここからは鬼太郎の私見です・・・

アリエッティという小人の少女(マイノリティ=少数
民族や貧困国)の目から観た、人間(マジョリティ=
多数民族や強大国)の世界を描いた、とても社会性が
強い映画だと思いました。

ただ、あまり身近に民族問題を抱えていない
(もちろんアイヌやら、様々な地域でありますが
表面化していないという意味で)日本では、
興行的にも、評価的にもあまり上がらないかも
しれません・・・・

ただ、大人であれば、この作品をご覧になるとき、
少しだけ、私たちがアイヌ人や朝鮮人に何を
してしまったか・・ドイツ人がユダヤ人に、アメリカ人
がインディアンやベトナム人に何をしてしまったか・・
少しだけ思い出してください・・

「アンネの日記」を思い浮かべて頂けると、
判りやすいかと思います・・・

それが「人間に見つかったら、引越さなくては
いけない小人」の正体だと、鬼太郎は考えるからです・・

むしろ、そういったことに敏感な、アメリカや
ヨーロッパでの評価を期待したい映画です☆

しかし、いつ観てもジブリ作品は「SFX使って
実写で撮ったほうが楽だろうに・・・」って
思わせるほど、そのセル画一枚一枚に描かれて
いる葉っぱひとつひとつ、虫一匹、水一滴が、
見事に演じてくれていますね~

少し今までの作風とは違うけれど、これは「大人向け」なジブリ作品の真骨頂でしょ?

いつの日か、絶対ハリウッドがジブリの実写版を
作るでしょう!!
(宮崎 駿が元気なうちは、絶対に許さない
だろうけどね~♪)

鬼太郎

鬼太郎
監督さんのコメント
2010年7月26日

例えば、

中東やチベット問題とは、
実際、こんな平穏な世界なのでしょうか?

ホロコーストをイメージできますか?

個人的には、そのようなメッセージが、かなり、弱く感じられ、残念です。

監督