悪人のレビュー・感想・評価
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エエかっこしいと自己憐媚
エエかっこしい とそれの裏返し 自己憐媚 そして自己陶酔 登場人物のだれもがこれを繰り返す。 それを愛とよんで誰が悪人?とハマってしまっている貴方達は あぶないですよ…と作者、監督が暗に問いかけているとすれば たいしたものなのだが…
もったいない映画
何が悪なのか、誰が悪なのか…。
加害者だが被害者でもある、というのは人物を掘り下げる人間ドラマとしては当然の要素なので、そこまでの評価には繋がらない。
そして、深津絵里の感情の流れについていけない。
孤独を出会い系サイトで埋めようとしていた彼女が、青年に何を見出し、何を求め、逃避行に走るのか。
寂しかった、退屈な日常から飛び出したかった、彼は私を必要としてくれた、では弱いのではないか。
原因は彼女が事件そのものと関係がない設定であること。
青年が起こした殺人事件が物語の軸としてるが、彼女は遺族でもなければ、加害者の家族でもない。
ましてや被害者と面識もなければ、青年とも出会ったばかり。
物語の軸と噛み合わない故に彼女が出演するまで時間がかかるし、彼女の動機を描ききれない。
ただひとつ秀逸だったのは、逃避行の果てに辿り着いた海で青年が見せた笑顔である。
母に捨てられ、「目の前に海があると、どこにも行けん気がする」と閉塞した寒村で育った青年の人生で、初めて充実した瞬間だったのだろう。
笑うことを忘れた青年が、絶望といえる状況下、初めて見せた笑顔が悲しさを際立たせている。
予想していた以上に
暗く重い作品でした。 この作品を見れば誰もが 何が悪なのか? 誰が悪なのか? と悩むのではないでしょうか。 しかしながら、どんな事情があっても人を殺せば悪人なのです。 そんな悪人を愛してしまった一人の女性。 彼女は彼の何に惹かれたのか? 彼は彼女に何を求めたのか? 見終わった後も考えさせる映画でした。 そして忘れてはいけないのが役者たちの演技です。 モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した深津絵里はもちろん、妻夫木聡、柄本明、そして樹木希林にも注目してください。 彼らの熱演がこの作品をより暗く重い作品に仕上げています。 時折映る海が暗く重く描かれているのですが、この作品を物語っているように見えたように思えます。
悪人であり善人であり。
観ていて気持ちのいい作品では決して、ないが…
じっくりと腰を据えて考えさせられる佳作だと思う。
悪人。と切り捨てててしまえばそれまでの人間も、
本当にそうなのか。と思わせる柔軟性、
善人。と思われていた人間が、本当にそうなのか。
と一考させる疑問の投げかけ方。
原作はチラ見(いつもすいません)程度なのだが、
なんかスッキリしない感が残って、映画版の方が
分かりやすいラストのような気がした。
考えても考えても、誰が悪人だ。と決められないのは
どんな人間も悪人の身に善の皮を被っているからだ。
欲を剥き出しにし、はしたないと思われたくないから
なんとなくカッコいい自分を演出したりはしてみても、
しょせんお体裁など相手によって簡単に見抜かれる。
このヒトならと思い、真の自分の姿を見せた時、
怖いとか、気持ち悪いとか、バッカじゃねえのなんて
酷い台詞を浴びせられて、一気に逆上してしまった、
なんていう事件が昨今でも起きているように思うが、
ではその、酷い台詞を浴びせた人間が悪人なのか。
いや、手をかけた人間こそが悪人なのだろうか。
いやいや、そんな子供に育ててしまった親はどうだ。
…考えるとどこまでも果てしない(汗)。
個人的にはとにかく孤独の果ての寂しさがこの上なく
冒頭からのしかかり…何でこんなに辛いんだろうかと
観ていて胸が苦しくなった。もともと孤独に生きてきた
人間にとっては孤独感は友達のようなものだと思うが、
満たされない想いが欲情と化し、一気に加速し、その
やり場のない怒りに満ちた行為には愛が感じられない。
差し出されたお金によって、買われたという屈辱感。
あの時の、彼女の失望はどれほどだったろうと思うと
心から泣けてくる。まぁ所詮、出会い系で知り合う仲、
お金同様に割り切ってしまえ。ということなのだろう。
私には解せない…が。
ただ今作に登場する祐一という青年は、妻夫木くんの
キャラもあろうが^^;あまり悪人には見えず、いや、善
のイメージが強すぎるんだろうな…いいヒトに見える。
自分の孤独を、なにでどう消化させればいいのかが、
分かっておらず、とりあえず女と逢って快感を求めて
いたが、真の快感(というか幸せ)を光代という女から
貰ったことによって、活きることに目覚めてしまった。
とはいえすでに殺人を犯した身体、罪を償おうと決意
したその時彼を止めたのは、意外なことに光代だった。
彼女もまた、酷く愛に飢えていた。
深津絵里の演技は確かに受賞も納得の巧さだったが、
彼女は昔からこういう役をやってきたように思えるし
それがまたよく似合っている。ので特に意外性はない。
悪といえば徹底して悪い男を演じた岡田将生の演技力、
それを傍で見つめる友人・永山絢斗の目線、何気ない
バスの運転手からの一言など、僅かな救いともとれる
温かな視点が共同脚本から生まれたことが幸いと思う。
なにはどうあれ、誰かを想い邁進する人々の気持ちを
もっと大切にしなければいけない世の中になっている。
人の気持ちをぞんざいに扱えば自分に反ってくるのだ。
娘の殺害現場に花を手向ける父親を遠目に、タクシー
運転手に向かって話す深津絵里の表情を捉えたラスト
は秀逸。悪人を愛してしまった、と言いながら後悔は
していない凛とした態度と意志の強さには目を見張る。
出逢う順序が逆なら悲劇は起きなかったかもしれないが、
いとも簡単に出逢い、車に乗り、人目のつかない所へ
向かう先に、事件性がないなんてあり得ないと思えるが。
(出逢いそのものを大切にする風潮が懐かしいこの頃。。)
一瞬の出来事の代償の大きさ
原作者自ら脚本を書いただけあって、話の展開がスムーズ。その脚本にも携わった李相日監督の演出は「フラガール」から一段と進歩したようだ。無駄な台詞やナレーションなど使わず、カット割りだけでその人物の心情を表現してみせる。光代が単調な日常から逃れる決心をする場面などがそうだが、安易な演出の作品が目立つ昨今、こうした映画の基本的なテクニックに磨きをかける李監督の姿勢に好感が持てる。 また、映画は光と音の総合芸術。今作は音を使った演出もいい。GT-Rのエキゾーストノートが祐一の心の葛藤をかき鳴らし、雨の音の強弱が光代の心の動きを伝える。控えめな雷鳴も却って効果的だ。夜のとばりに包まれた理容店の店頭サインがカタカタ回る音など、派手さはないが音響的な演出に長けている。 本題の「悪人」だが、文字通り殺人を犯した祐一に非があるわけだが、事件に至る様々な問題点と、事件後の逃亡劇を組み合わせ、悪かったのは犯人だけだったのかと問いかける。 殺人者の青年は、何もない海辺の寒村で年寄りの面倒を見ながら建設現場で働いている。これといった異性との出会いもない。一方、出会い系サイトを利用して漁るように彼氏を求めた被害者と、そんな行動を何一つ察知できなかった両親。被害者のしつこさに嫌気がさして事件のきっかけを作った裕福な大学生。そして殺人者を逃亡させてしまった年上の女。 映画は、おそらくこのあと裁判で取り沙汰されるであろう事象を摘み上げながら構築されている。いろんな要素が絡み合って事件が起きる。だが、事件が起きれば親は娘を永遠に失い、母親代わりを務めてきた老婆は孫を殺人犯として失う。一瞬の出来事の代償は大きい。 樹木希林が相変わらず巧い。昔から実年齢がどこなのか判らない女優さんだ。 妻夫木聡が予想以上によく、目を使った演技ができるようになってきた。 深津絵里はひと皮もふた皮もむけた。光代が祐一に惹かれていく様を、映画という限られた時間枠のなかで無理なく見せた。ここに無理があると作品がガタガタになってしまう。
ありふれた悪。。。それだけに怖い。
出てくる登場人物は特別でもない普通の人ばかり。 悪い面も愛される面も普通に持ち合わせた人ばかり。 ただ若さ故、暴言も感情のコントロールの下手さもありで、、、 主人公含め、被害者の見栄っ張りOL(満島ひかり)や スカした大学生(岡田将生)の暴言も出来心な“悪”さえ ありがちな光景だけにエグイ。。。 殺人を犯した主人公:祐一(妻夫木)の“悪”も揺るぎない 事実だけれど、普段は、祖父母の面倒を観る良い一面も あったりする青年。 孤独から求めた出会いと裏切られた感情の爆発で 犯してしまった殺人は事故のようなモノ。。。 冒頭やさぐれてた祐一が光代(深津)との出会いで、 本来持っていた優しさと良心の呵責に苛まれる姿が それだけに切なかったです。。。 そして最後にとった愛故に突き放す行動も。。。 肝心の深っちゃんの演技は受賞ニュースで期待しすぎたのか 結構フツーに感じちゃいました。。。(上手いんだけどね) 孤独からの出会いで、会ってすぐあそこまで好きになること あるんかなーと、やはりそこは少しひっかかりましたが、 理由が理由なだけに、自分には愛で優しく包み込むしかない +逃避行がこの一瞬を盛り上げたに違いありませんw 祐一の祖母(樹木希林)と被害者OLの父(柄本明) の肝の座った愛情の演技は見物☆ 殴りたくても殴らない、こらえる佇まいだけで泣けます。 悪についてあれこれ考えさせられる面を持ち合わせつつ それ以上にいろんな愛情の面も教えてくれたよな 切ないけど優しい気持ちにもなれる後味でした。
ほんとの悪とは、ほんとうの愛とは、
映画「悪人」を観てきました。 殺人犯と彼を愛する女。 そして彼らの家族、遺族、その周りのひとたちの葛藤と混乱。 ひとことで表すとチープな表現になってしまうが 「苦しい」 この一言。 キーワードでもある「だれが悪か?」 映画を観ながらずっと考えていたが、最後まで分からなかった。 増尾くん(岡田将生)が単純に悪い奴ではあるが、悪か?といったら違う。 彼を育てた親にも罪がある。だけれども親も愛するあまり過保護になり・・ と、永遠に繋がるので答えはでない。 ただ一つはっきりと言える事は 「人の死」 ひとりの人間が死んだことが、これほどまでに沢山の人を悩まし影響を与える。 人が死ぬということは、わたしたちにとってとてつもなく大きい出来事だと。 それは私たちが今を生きているからなのだと。 プラスに影響を与えかわろうとする人。 マイナスに影響を与えかわっていく人。 観ていてとても苦しく胸がいたくてたまりませんでした。 まだ原作を読んでいないので、細かい設定や背景がまったく分かりません。 実際映画を観ている最中も、ああ今はしょったな。とわかるほど。 上下ある小説を2時間ちょっとでまとめるのだから当たり前なので 早速小説を購入しました。
考えさせられた(°□°;)
昨日久しぶりに映画に行った★ 悪人はずっと前から気になってはいたが、実際おもろいやろかと疑って見てみた★ 率直な感想は深いなぁ〜と感じた。 様々な視点から描かれる悪は実際何が正しくてなにが間違っているのではなく、人間は自分しか考えていないことが一番の悪ではないだろうかと思った。 自分を置き換えて考えてみたらより臨場感が沸く作品になるのでは・・・ もう一度自分自身を見直す一本になった。 是非見てない方は劇場でみるべきだ★ P.S.個人的に配役は今まで見た作品のなかでもトップクラスのはまり役やったと思います。(細かい役の人も★)
何が悪いか、誰が悪人かを考えるきっかけに・・・
孤独、出会い系サイト、殺人、詐欺、家族、友人・・・現実に在りうる事件の裏側に迫っていたと思う。もしかしたら、出演者全員が、ある意味”悪人では?”とも思えた。 なぜなら、原因があって結果に繋がるから。そういった点では、大人の社会の中での「自分さえ良ければの精神」が、一番の悪かな。(子育て放棄も詐欺も出会い系も報道人も、よせよと言えない友人も) なぜ殺したのか?→殺したくなるほど、悔しかったかもしれないが、罪を犯して、家族も一生引きずる行為だけは、すべきでなかったね。 幼少時から孤独な人生だった祐一に、光代は 真の大切な人だった。もっと早くに出会いたかっただろう。光代と出会うまでは、愛おしいと思える人が祐一にはいなかった。彼が、光代を大切な人と思えたから、あの最後のシーンになったのですよね。彼女が待たないように。 これは、殺人がいかに人の一生を(それは、家族、知人も含め)変えてしまうかも教えてくれている。 なぜ愛したのか? それは、祐一の心をときほぐすのに、光代が必要だった。 出会い系サイトで、大切な人に出会えるだろうか? 偽らないこと、正直なお互いを認められることこそが、本当の出会いの始まりと思える。
深く、重い・・・
受賞をきっかけに鑑賞しましたが・・・ あまりにもリアルで、孤独、弱さ、ずるさ、闇を多く感じすぎ、心身ともに困憊してしまいました。 ここまで、感情を揺さぶられる作品にはあまり出会わないので、映画としては素晴らしいと思います。 観賞後の立ち直りに時間をようしたので☆3つにさせてもらいました。 主役の二人はもとより、とりまくキャストの演技も圧巻でした。
孤独
登場人物すべてに何か心の中が満たされていない孤独を感じました。 「本当の悪人は誰か」まさに考えさせられます。 この映画は作り手の押しつけが無く、見た者が自分自身で考えられる作品でした。 日常起きている事件にも見えない孤独が隠れているのだろうと考えさせられました。 とても心に響きました。
意外と身近な事件かも
ネタバレなしで観にいったけど、最初から分かり易い展開で進んでいき逆にはまりやすかったかも・・・ ただ一つだけ最後の最後に疑問が~ 殺人現場の端の鉄柱にくくりつけてあった【スカーフ】 あれは・・・おばあちゃんが貰ったスカーフじゃなかったですか? なら、何故あそこにくくりつけてある? 見間違いかもしれませんが、気になりだしたら・・・
深津絵里は思ったより悪人かな
映画賞を獲得しなければ見なかった作品だと思います。妻夫木聡は大人しい今時の青年の一面を表していたが、深津絵里はこの男が相手なので悪人になってしまったが、普通なら付き合わないか、無視してしまうと思う。題名の『悪人』も妻夫木さんの事を指しているのではなく、深津さんのことを言っている気がする映画だった。面白い映画だったけど、なんでそんなに絶賛されたか不思議。深津さんの演技は素晴らしいし奇麗とは思うけど。
共感できる
すべての登場人物の行動が理解でき、また何故そういうを行動、思いになるのか考えさせられる。そんな作品でした。 出会い系で出会った人物が深くつながり合う。一見ありえない展開であるようだが、人と人は出会った瞬間にその人物がどのような人かわかる部分がある。波長と合う部分というか、上手く表現できませんが…。 10年一緒に居てもわかり合う事ができない事もあるし、瞬間的に、普段自分の隠している感情の部分を理解し合い、通じ合う事もある。そんな事をこの作品を通じて、あらためて確認しました。 そう考えるとラストは必然だと思います。 役者も一人一人がベストもしくはベストに近い演技を見せています。特に樹木希林。魚を捌く姿や、米をとぐ姿、何気ない動きひとつからも目を離す事ができない圧巻の演技でした。 またほんのチョイ役ですが、余貴美子も良かった。この女優は本当に出演作品の空気感をそぐ事なくいい演技をみせてくれます。 そして、妻夫木聡。役の上で顔が良すぎという感想もありますが、自分の地元(北海道)にもああいうタイプの友人がいます。顔の肌荒れ具合や唇のカサカサ感、似合っていない金髪をはじめとする外形の役作りももちろん、将来への閉塞感も上手く表現していたと思います。 個人的にはいくつかいらないエピソードがあったのと、頑張っていたけどセックスシーンにもの足りなさが残りました。特にこの2人にとってセックスシーンって重要だと思うんですよね。一回目と二回目で感情の変化を感じる事ができましたが、いろいろな理由はあれども、出会い系で出会った二人な訳ですから上半身だけで無く、全身から沸き出す感情と欲の交わりを感じさせる演出をして欲しかったです。 好き嫌いはあるかもしれませんが、万人にオススメしたい良作です。
リアルと非・リアル
事件は結果だけでは判断できない側面があり、
「誰が本当の悪人か」を見極めるのは難しい、
という問題提起には成功していると思うが、
深津絵里演じる光代が主人公の祐一の告白を聞いて、
あまりにも簡単に「待つ」と言うのを不自然に感じた。
いや、即決してもらうのは結構だが、
出逢ってからそれまでの、
祐一に惹かれる経過がほぼ、無いにもかかわらず、だ。
自分の期待が打ち砕かれ、泣いていたではないか。
そしてその後、祐一が見せた誠意は、
<謝りに来た>、まだ、ただそれだけで、
「これから2人ははじまる予感」どまりだったではないか。
なのに次の瞬間もう「運命の人」のようになっている、
その思い込みが孤独な女の狂気の成せる技というならば、
エンディングは事故現場などへ行かず、
何事もなかったかのように元の生活に戻っていればいい。
祐一の罪を少しでも軽くしたいなら、
祐一の優しさに甘んじることなく
一緒に逃げたのは自分の意思だと言っているはずで、
なにやら女心はわからんのぉという中途半端な思いが残った。
けれども登場人物の設定がどうもリアルで、
そこには深く感じ入るものがある。
達者な役者さん達の功績は大きいと思うが、
キラキラおメメを封印した暗い目のブッキーの新境地に拍手。
どちらかというと、妻夫木聡の方が
予告編は何度も見ましたが、モントリオールで深津絵里が最優秀助演賞をとっていなかったら見なかったかもしれない作品。でも、『フラガール』の李監督だから気にはなったかも。 作品のトーンは『フラガール』のような明るさ、脳天気さが全然なくて、終始暗くてじめっとした感じ。作っている側の意図はわかりませんが、舞台となっている地方都市のさびれた感じと相まって、画面全体に虚しさが漂っています。ストーリー的にも、登場人物が誰ひとりとして幸せにならない展開なので、演出としては徹底しています。 賞をとったのは深津絵里ですが、もともとすごく上手な女優さんなので、『悪人』での演技が彼女のキャリアの中で特別よかったようには思いません。いつもと同じようによかった、という印象でした。私が彼女に一目置くようになったのは1996年の『(ハル)』からですが、この作品でも、日々をけなげに過ごしているけど何か虚しいという女性を見事に演じていました。 どちらかというと、妻夫木聡の方が『悪人』のために役を作りこんで、他の作品での彼とは違う姿を見せていたように思えます。 にもかかわらず星3つなのはなぜだろう?たぶん、この手の路線の映画としては完成度が高いけど、私自身はこの路線がそれほど好きではないからかな。 また、タイトルは『悪人』ですが、妻夫木聡演じる主人公は、それほど悪い人に思えませんでした。もちろん殺人を犯してしまうのですから良い人ではありませんが、積極的に悪の道を突き進む人ではなく、人生に対して消極的でネガティブで、弱くて虚しい人だと思いました。『弱人』、『虚人』とかね。
誰もが皆、重いものを抱えて生きている
俳優人の演技力も高く良い映画だと思います。ただ後味はあまり良くないかも知れません。
寂しい男と疲れた女が出会い系で知り合い必死に居場所を求めた結果が逃亡で
残された被害者の遺族、加害者の家族、其々が言葉では言い尽くせない苦しみと向き合っていく様に胸を打たれました。
主演二人より、その他の役者さん達の演技力が素晴らしくて見ていて
大切な誰かを…
私にとっては家族を抱きしめたい気持ちにさせる映画でした。
最後に
被害者、加害者の家族が出した答えを是非とも見逃さず見て欲しいです。
1000円なら ま、いっか
水曜日のレディスーディに観にいきました。
会場は中央から後ろはほぼ満席状態でした。
しかしながら…
結論から言いますと、なぜ主人公の二人が惹かれあうのかが全く理解できませんでした。
灯台って二人にとっては凄く大事なもののような気がするのですが…(原作を読んでないので、あくまで推測)
それもよく分かりませんでした。
一緒に逃げ始めてからが長く 長く 長く
ダラダラと長い!!
他のキャラにも視点を当ててるもんだから、ひたすらダラダラと長い!
という印象。
メリハリがないんですわな。
正直、いくらもてない女だったとしても(作中の深津絵里演じる女性がそうなのかは分かりませんが)殺人犯と一緒に逃げるでしょうか?
いくら寂しいといっても殺人犯と一緒に逃げるでしょうか?
女がそういう男性と一緒に逃げるっているのは、他によっぽど惚れる何かがあるはずで…
う~ん
伝わらない(残念)
結局、男日照りの女が体の関係をもって、そこに溺れたようにしか見えず(残念)
体はった二人の演技は良いと思うんですけどね。
だけど、一番役にはまっていたのは、殺された女性役をやった方でしょう。
ホントに殺したくなるくらいイライラさせられました。
でも、あの腹のでっぱりは女優さんとしていかがなものでしょう(´-ω-`)
まぁ1000円だったんで、そこまで損した感もなく
可もなく不可もなくで3.0とさせていただきました。
それでも人は「お前は悪くない」と言うんだ
字数制限がキツいので急ぎ足でレビューする。 役者陣の演技が光る力作であった。柄本明と樹木希林の演技は流石に群を抜いているが、主演の2人も素晴らしい。 主人公・祐一を演じた妻夫木聡は、自己表現が下手な人間らしい飛び飛びの語り口、喜びと後悔が入り雑じるラストの表情が見事。 深津絵里演じる光代の憂いを帯びた笑顔にも、彼女の度を越えた“わがまま”を納得させてしまう空しさがある。 光代が同じ孤独の匂いのする祐一に惹かれたのは確かだが、彼が空しい日常を破壊してくれる『手段』だったという身勝手な側面も忘れてはならない。 彼女が彼に抱いていたのは愛情の二文字で括れるほど綺麗な感情ではない。最後の「私が悪いの」という叫びも、祐一を利用した卑劣な自分を責めていたが故か。 対する祐一は、光代が『人殺しを助けた女』ではなく、飽くまで憐れな被害者として社会に戻れるよう——自分を救ってくれた大切な人が平穏な生活に戻れるよう、徹底して“悪人”となる事を選んだのだろう。 『お前は悪くない/俺が全部悪い』 それが彼の行動の真意であり、「私が悪いの」という言葉に対する返答だったのだと思う。 様々な人物が「お前は悪くない」という言葉を口にした。 図らずも殺人を犯した男へ。 身勝手な理由で彼を逃がした女へ。 人殺しを育てたと糾弾される老婆へ。 利己的な性格がたたって殺された娘へ。 しかし「お前は悪くない」と言った誰しも、彼らが少しも悪くなかった、全く落ち度が無かったとは考えていない筈だ。 だけど、それでも「お前は悪くない」と人は言うんだよ。大切な人や辛い思いをしている人が背負った罪を、苦悩を、少しでも軽くしてあげたい、できることならまるごと背負ってやりたいと願うものなんだ。 岡田将生演じる大学生の男は正にその対極だ。 罪悪感こそ抱いていても、それとまともに向き合う勇気もなく、笑いのタネにする事で安心感を得ようとする人間。 自分の罪を贖う手段も知らない彼は、いつしか自分の罪を忘れてしまうのか。それともそのひきつった笑いで恐怖を押し隠し、惨めに生き続けるのか。 彼の最後の姿に最早怒りは湧かない。ただひたすら、憐れなだけだ。 こんな悲しい人間が世に溢れているとは考えたくないが、近頃、巷で話題の裁判のニュースでこれと良く似た男を見掛ける。興味本位の報道によってそう見えているだけだろうか。 何にせよ、悲しい世の中だ。 <2010/9/3鑑賞>
ギョーザが臭くなければ…
試写会で見てたのですが…感想を書くのが遅くなってしまいました。
見終わった率直な感想は“あのギョーザが臭くなければ…事件は起きなかったのかな?”と…
そうなんです。つまり佳乃さんが祐一君に会うのにもう少し気を配ってくれてれば…
あの後、圭吾君に偶然出会って、彼の車に乗ってしまったとしても
ニンニク臭くなければ(祐一君に気配りしてギョーザを食べて無ければ)、
彼女は圭吾君にやり逃げされたとしても
あの時、関係を持てたハズなんですよね。。。
で…祐一君がそんな二人を尾行してたとして二人とも殺してしまったか…
バカバカしいと長崎に帰ってしまったかは分からないけど…
光代さんにしても…私が思うに彼女は凄く淋しかったんだと思います。
いい年だし…出会いも無ければ、毎日変化なしの何のために生きてるのか?な日々に疲れてたんだと…
紳士服を買いに来たおじさんにさえも声かけられたらついて行きそうな勢いだったでしょ?
で…佐賀の駅で祐一君と出会って(ココで祐一君が見た目酷かったらそのままスルーしたと思うのですが)何せ、ブッキーだから金髪でもカッコイイし…そのまま車に乗っちゃうよね。
原作では祐一君の見た目はどう描かれてたのでしょうか?原作知らない私としては、気になります。
彼女がその淋しい人生から解かれたい一心で祐一君の自首を留めますよね。
そこは彼女のワガママ…本当に彼を愛しているのなら、少しでも刑期が短くなるように
自首を勧めるのは当然なことでしょ?
そういう意味からすると彼女も自分のことしか考えてない悪人でしょうか?
しかし…人生ってどこでどうなるか、分かりませんよね。
そんな気も無いのに何だか悪人って呼ばれてしまう生き方が
そこに待ってるかもしれません。
人生って怖いです。
忘れてました。この映画って凄く音楽が良いんです!!
こんなに映画音楽が素敵だと思った映画はありません。
流石、久石譲さんですね。
同じ人間なのに…こんなに才能のある方と…そうでない私…
この違いにも人生の厳しさを感じます。
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