悪人のレビュー・感想・評価
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ずっしり重いけどわかりやすい
なんかだか後からずっしり余韻に浸る映画でした。
妻夫木聡、深津絵里、満島ひかりそれぞれのイメージを覆すような役柄で素晴らしかったです。
愛とは何か、悪とは何か、、
考えさせられました。
人間は誰もが悪人なのかもしれませんね。
うーん。。
満島ひかりがすごかった。こうも嫌な奴になれるのか、ってぐらいやな奴。
でも、映画の内容は、というと…。なんだかな。
出会い系で知り合う→カッとなって殺しちゃう→出会い系で知り合った他の女と会う→控えめでおとなしく、自分を見下さない相手に出会い、自分に自信がでる→あんなことしなきゃよかった→逃避行→捕まる
殺された女の子の親の気持ちになったらつらい、苦しい。殺してしまった犯人の生活環境が、息が詰まる。犯人の祖母の言動すべてがつらい、重い。
でも、どのシーンでも、ついつっこんでしまう。
だからって殺しちゃだめでしょ、って。
何があっても犯罪はだめでしょ。どんなことも理由にならんし、後悔したって手遅れだし。
イマイチ感情移入もできなかった…。
俳優さんってすごいな!とは思ったけど、内容だけ考えたら、あれ…?ってなっちゃう。
ただの悪人じゃなかったんだよ!っていう説明があの映画のいいたいことなの?
でも、犯罪にどんな背景があろうが、だめなもんはだめなわけで…。
なんか、まわりくどい言い訳聞かされた気分になってしまった。
悪人
罪を犯したから悪人、そうでないから善人。
というわけではなく、誰だってそういう面を持ち合わせているのだなと考えさせられました。
一回だけじゃなくて2回以上見たらもっと感じ方も変わるのかなと思いました。
全てはラストの言葉に。
昔、九州に住んでいて、佐賀にいた元彼を思い出しました。見覚えのある景色ばっかり!!!そこに興奮してしまいました。
そんなことはいいとして、
私は悪人である妻夫木くんがやはりいい人にしか思えないのです。
だけど、そうなんですよね。彼は悪人なんです…。ラストの言葉で原作者が伝えたかったことが伝わりました。
大好きな女優さんなのに本当に満島さんは憎たらしいな、と思ってしまいました。彼女の演技力は凄いです。
主演が美男過ぎ
日本にあまたある地方都市が持つある共通した閉塞感。直視する事を避けてきたのかああいう風に見せつけられると息がつまる。自分もそこで生活する若者の気分になってつらくなる。その「若者」である登場人物達の行動や発言にまたつらくなる。つまらないからではなく(気持ちが)つらいから見るのを断念か!と何度も思ったが、そうならなかったのはやはり監督のおかげだろう。最後の主人公の取った行動とそれをしながら叫んだセリフには一瞬耳を疑ったが次第に彼のあまりにも悲しい心のうちがなんとなくわかったような気がして思わず泣くところだった
悪人。
人間誰しも悪人になりえる。
秀逸なタイトルですよね。作品にこめられたテーマがとてもわかりやすくある意味ハッキリ表現されていて、それだけに心に深く突き刺さる。
樹木希林は素晴らしい女優ですね。
樹木希林だけでなく、俳優陣みな素晴らしい演技でした。妻夫木聡の新たな一面をみれた気がします。
社会の陰にいる人々の描き方が絶妙
総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 80
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 70
いきなりネタばれです。まだ映画を見ていない人は注意してください。
何故深津絵里の首を絞めたのか。警察官にそれを見せて「男に脅されて無理やり連れまわされていた」と思わせる。また「ずっと待っている」と言った深津絵里にも、自分を忘れて前向きに生きて欲しいと思わせる。自分を捨てた母親に小銭をせびるのも同様。加害者であるはずの母親に、まるで被害者であるかのように錯覚させて負い目を軽減させる。それが彼なりの優しさ。最初は腑に落ちなかったのだが、ちょっとネットを検索してみるとこのような解釈もあるようだ。
なるほど、それも可能性として有り得る(もちろん正解とは限らない)。しかしそれでも彼は感情的な女の言動に動揺して人を殺した。死体を崖に落して隠蔽工作をした。その後も普段どおりの生活をした。根本的な悪人ではないのかもしれないし、人との交流や愛情が少なく自己表現が苦手で孤独で幼いだけかもしれない。彼は運が悪くて理解者が少なかったことには同情するものの、それでもこの人物をそれほど好きにはなれないし許されるものではない。そのような人が人を殺して同情されるのならば、実にたくさんの犯罪者がただ単に可哀想な人で済まされてしまう。やってしまったことの重さは理解されなければならない。
それよりもこの映画で興味深かったのは、それぞれの人々の描き方。淡々と狭い世界で日常生活を送っているうちにふと気がつくと愛情もないまま孤独に歳をとっている深津絵里、田舎でなんとか親に捨てられた孫を育てているのに詐欺に引っかかりその孫が殺人事件を起こす樹木希林、普段はいい子ぶってもちょっと親に隠れて恋愛ゲームを楽しむ満島ひかり、傲慢で自分勝手なボンボン息子の岡田将生、親の前で見せる姿しか知らず大事な娘に愛情を注ぐどこにでもいる普通の彼女の両親。もちろん、27歳にもなって幼く人との関わりあい方が下手な妻夫木聡。登場人物の演技も良かったと思う。
みんな自分の人生や背景があり、何が良くて悪くてなど絶対的な正解などない。派手に生きる人もいいが、ひっそりと生きる人々の陰の部分のえぐりだし方が実に絶妙。妻夫木聡や深津絵里みたいな人って実は世の中にはたくさんいて、連綿と続く日常の閉塞感と孤独感に苦しみ悩み、何とかそれを変えたいと思っていることだろう。殺人事件などなくてもこのような社会の陰に焦点を当てて違う映画を撮影しても良いものが出来るのではないかと思った。
誰にでも悪は潜んでいる。
「誰が悪人か?」とキャッチコピーにあるが、この映画から出した答えは「誰にでも悪は潜んでいる。」
心の奥深くに、日常の中に、いろんな形の悪がある。一見、何気無い瞬間瞬間に、悪があらわになる。
登場人物の全員に。嘘、エゴイズム、ナルシシズム、無関心、妬み、怒り、驕り、愚か、正義と言う名の暴力、悪意と無頓着…。
殺人という法的なる絶対悪を主題にすえながら、その周囲にある様々な悪をまざまざと映し出している。
「俺はお前が思っているような人間じゃない」と、相手の首を締めた彼の叫びは、彼女をかばうためではないと感じた。
盲目的に自分に執着する彼女によって、楽になれたらよいが、そんなに簡単に魂の痛みから解放されえるだろうか?
そんなに簡単に楽になれるなら、人を殺してしまうくらい激情したりしない。
それでも、観る人によって、タイミングによって、彼女が「悪人なんですよね」と遠い目で語る瞳に救いを見出すのでしょう。
監督はそのあたりも計算して、受け手に委ねているのではないでしょうか。
誰にでも潜む悪を、何とか押さえ込んだり、昇華させたりしながら
それでも生きていかなきゃならないのだ。
映画を観て2日かけてここに思い至りました。
悪人
ネタばれ注意!!
浮島ひかりが演じた尻軽女が山の峠で大学生に捨てられてその後を追って来た男(元彼妻夫木)が可愛そうだと思い助けようとしたが、尻軽女に嫌がられ女が{誰か助けて~殺される~と勘違いして騒ぎ立てたので」妻夫木が感情的になりとっさに尻軽女の首を絞めて殺害した。
(そんな糞女勝手に山の中に置いておけば良かったのに どうせヨリなんか戻せないんだから)
その後メールで知り合った女(深津)と逃避行。
一番可愛相なのは妻夫木を育ててきたお婆さんと娘を殺された家族の人
オチは深津が妹のところへ電話を掛けた後で警察に保護されその場から逃げ出した事によって
妻夫木の隠れ場所が警察の山狩りで見つかってしまい 感情的になった妻夫木がどうしようもなくなって深津の首を絞め殺そうとした時点で 警察と面会 ラストは何か三丁目の夕日(灯台版)で終わり。
深津と逃げ始めた時点で何かのロードムービーっぽく表現されて リアルっぽさが無くなっている感じだった。
もっとグイグイ窮地に立たされる映画だったら見ごたえあったのにな~
今時映画の深津みたいなお人よしなおんなはいないよ。
【戦慄の超個人時代】
登場人物は「全員悪人」だ。
社会意識と社会経験の欠落した自意識過剰な「(ブログ時代の)個人」達が、社会倫理や道徳、家族・地域の繋がり等を一切顧みず 各々が「超個人主義」を貫いてゆく。
勿論彼等は一人として悪びれてなどいない。 社会の有益等 微塵も意識すらしないのだ。 社会的尺度ではなく 個人的尺度でのみ正悪概念を量る。 だから彼等は「社会にとって悪人」なのだ。
だが映画は社会的観点ではなく あくまで個人的視点を貫く。 だから観る側にとっては「彼等は悪人には見えない」のだ…。 そう、この瞬間 -観客が『一人も悪人はいない』と感じるこの瞬間- こそが作品最主題だ。
「悪人はいない」とゆう結論に辿り着くとゆう事は 即ちその観客こそ『社会性を顧みない 超個人』であり、同時に「真の悪人なのでは?」と映画は問い掛けるのだ。
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社会と結び付かず、自己を客観的俯瞰も出来ぬ 自意識過剰な「超個人の時代」への怜悧な批判と、 安易なヒューマニズムを決して許さぬ厳然たる訴えに ただ〃戦慄した。
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《劇場観賞》
人は誰もが「悪人」。
ニュースで毎日のように見聞きする殺人事件。日常的すぎて気にも留めない。しかしそれぞれの事件で、加害者・被害者を含めた大勢の人々が、それによって大きな傷を抱えることになるのだ。本作はそんな誰も気にも留めないような1つの殺人事件によって、そこに関係する人々が理不尽に苦しむ姿を描いている。「若い女性が出会い系サイトで知り合った男に殺害された」。事件の全容はこれだ。これが全てだ。しかし殺害に至るまで、また犯人が逮捕されるまで、そこに起こる現象については当事者でないと分からない。憎むべきは加害者で、被害者には同情すべきという不文律は成立しないのだ。では、本作の登場人物の中でいったい誰を憎んで、誰に同情すべきなのか?
加害者である青年は、両親の代わりに育ててくれた祖父母の元、病気の祖父を介護しながら、辛い肉体労働で生計を立て、質素な生活をしている。被害者女性は、所謂今時の女の子で、出会い系サイトで知り合った男性と気軽なセフレ関係を結びつつ、イケメンでお金持ちの恋人を捕まえたいと思っている。そんな彼女に想いを寄せられているイケメン男性は、典型的な自己中のお坊ちゃんで、下心ミエミエですり寄ってくる女を適当に遊んで捨てるタイプだ。事件に直接に関係するこの3人、待ち合わせした男の目の前で別の男の車に乗り込む女、いったんは車に乗せたものの、女の媚びた態度に嫌気がさして真夜中の峠道で女を車から蹴り出し置き去りにした男、自分に酷い態度をとった女を助けようとしたが、女から侮蔑的な態度をとられ、思わず逆上してしまった男。これでも尚、被害者に同情しなければならないのか?
被害者の父は、置き去りにした男にこそ責任があると考え、彼に謝罪を求めるも、男の軽薄な態度に憎悪を深める。加害者の母は、自分を棚に上げ息子が殺人犯になったのは祖母の育て方が悪いとなじる。その祖母は悪徳商法に引っかかり、マスコミに付け回され、心身共にクタクタになって行く。そして加害者の男は、出会い系サイトで知り合った別の女性と逃避行することになる。彼女もまた孤独を埋め合わせるため、男と出会い、男の告白を聞いても尚彼を信じ、自首しようとする彼を引きとめてしまう。
これらの主要人物に加えて、殺人犯と逃げる姉を心配しつつもその軽薄な行動を非難する妹や、被害者の母、加害者の友人などを含めて、本作の登場人物はみんな何らかの責任(無責任)において、ちょっとずつ「悪人」なのだと思う。それは立場上どうしようもないことであったり、世間体を考えてのことだったり、本能の赴くままだったりと、それぞれ大小はあれど、何らかの責任を負わなくてはならない。責任を負う立場=「悪人」ということなのだ。初めて真実の愛を得た男は、一緒に逃げてくれた女を「加害者」ではなく「被害者」にするため、彼女の首を絞める。それでも彼を信じる女の眼差しと、首を絞める男の表情があまりに切ない。
しかしこの事件の真相が果たして本当に男の告白のままなのか?もしかしたら男は本当の「悪人」で、出会い系サイトで知り合った女を次々と殺す殺人鬼なのかもしれない。男の苦悩する姿は、情熱的な恋に舞い上がった女の幻影なのかもしれない。そんな考えが頭をよぎった私がきっと一番の「悪人」なのだろう・・・。
増尾は悪人?
話題作だけあって、興味深い話だった。
でもねぇ、祐一は殺人を犯したけど悪人じゃない、って描き方はどうだろう?逆に増尾は完全に悪人扱いだったよね。
そりゃ人間、良い所もあるし悪い所もある。増尾だって、この物語以外の部分ではけっこういい奴だったんじゃないか。
しかし祐一。結局彼はたったあれだけの事で逆上して人を殺してるわけでもうそれは仕方の無い事実。
人間が人間を善か悪かは決められない。だから法律というものがあるので、その視点からしたら祐一はやっぱり悪人。
妻夫木くん見直した!
評価の高い映画ときいていたので期待して鑑賞。期待を上回ることはなかったけど、なるほどその通り。
殺人を犯してしまった男、それを愛する女、を軸に殺人者の家族、被害者の家族、そしてそれを取り巻く人たちを写していく。立場が違えば悪も善となり善も悪となる。答えなんてない普遍的なテーマを正面から捉えていてラストまで一気に観れた。
殺人を犯してしまった男を演じた妻夫木くん、凄かった!テレビでのイメージしかなくて、演技派というよりは単なるイケメン俳優と思っていたけど…
母に捨てられ、閉塞的な田舎町で老いた祖父母の面倒をみ、出会い系でしか女の子と知り合えず、うまく優しさも表現できない…孤独で不器用な哀しい男をまさに体現していたと思います!妻夫木くんの見る目変わった。ラストの妻夫木くんの表情は一見の価値あり!
やっぱり愛が勝つ???
昨年度日本映画のNo.1の映画を遅ればせながら観た。妻夫木聡がいつになく暗い感じの演技で驚いた。誰が悪人なのかを問うている映画だと思うが、重苦しいシーンが続いて観ていて疲れた。だが、救いはあるにはある。ばあちゃんの強さ、父さんの気持ち、そしてもちろん光代の愛。自分勝手かもしれないけどね。そういうのがなかったらもう終わりだよ。耐えられましぇん。でも、最後の祐一の行動は理解できなかった。愛を独占したかった? 自分のことを忘れてほしかった? 自暴自棄??? わからない。
暗い内容の割には非常に見やすい
悪人っていうタイトルからイメージで、暗くて人間の嫌な部分をテーマにしてるんやろうなぁって思ったけどなぜかすごい見易かった。
今の現実社会の中での「悪」についての価値観を非常に考えさせられる。
見てる途中からラストはどんな形にするのかが気になったけど、捕まる直前に首をしめることで警察に疑われなくて済むようにと、自分のことを忘れて生きて行ってほしいという形をうまく表現できたと思う。
今の世の中で規則の範囲内ではなにやってもいいというのが
至る所で感じるからいろんなことを考えることができて良かった。
犯罪は多面的な側面を持つということ・・・。
この映画は罪を犯す(人を殺す)ってことを多面的に表現しています。
かっとして人を殺す、主人公祐一とまず込みにさらされる祖母、その主人公に魅かれて自己中心的に逃避行を続ける光代、その妹。殺された娘への想いのあまり、あまりにも軽い人生を送る大学生を襲う父等等。
罪は罪、それを否定してはいけないのだが、愛する人が罪を犯したら・・・よいうテーマを突きつけられた時、人はどう考えるのだろうか?
世間的な体面?、自分擁護?、偽善、同情・・・
そこに愛が絡むと非現実的な行動に出てしまう事を良しとするのか?
少なくともそこに感情がなければ多くの人は光代の妹と同じ反応をするのだろう。
そんな中で際立った深津絵里の素晴らしい演技力。
あの極限状況の中一本気な愛を演じた素晴らしい女優です。
脇役も素晴らしかった。
樹木希林、柄本明、この人たちの演技は流石です。
殺人を中心に回るストーリーなので全体的に暗く、悲しさを
感じますが流れる曲とカメラワークがそれを軽くしています。
最後にここだけは納得できなかった点。
「博多弁」・・これだけはみんなわざとらしくて地元の自分にとって違和感を感じて前半は映画に集中できませんでした。
どうして無理して博多弁にしたのかな?
佐賀、福岡、長崎と自分にゆかりがある場所が多く出てきて
懐かしさを感じましたがあのセリフだけはどうも・・・。
「無理に博多弁にせんでもいいっちゃない」って感じでした
なので-0.5させていただきました。
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