悪人のレビュー・感想・評価
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原作との比較
原作を読んだのでこちらの映画も視聴しました。
映画は原作と同じストーリーですが、原作から大幅にカットしています。
映画は映画で素晴らしいのですが、いかんせん大幅にカットしてあるので、少し分かりにくくなっています。
タイトルの「悪人」ですが、原作では実は被害者である女性もはっきり「悪人」のような描かれ方をしていて、それこそが原作の最大の主題ともいえます。
また殺人犯である青年の母親も「悪人」であり、殺人犯である青年も加害者であります。
「悪人」とは誰のことなのか…。
映画は映画で素晴らしいですが、映画版だと犯罪者と一般人の禁断のラブストーリーとして見るのがいいですね。
こんな女、どうなの?
3 こんな女、どうなの?
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主人公妻夫木は30前後で田舎暮らし、親孝行だが暗いしモテない不器用な男。
所詮お遊びという印象のある出会い系サイトに、本気で出会いを求める。
知り合った女とリアルで会うが、遊ぶ事、ヤる事しか考えてないバカ女だった。
しかも2回目に会う約束を破って、遊び上手な別の男と遊びに行く。
そしてバカなんで相手を怒らせ、夜の人通りのない道で車から下ろされる。
尾行してた妻夫木が助けようとするが、バカはヒステリーで悪態つきまくり。
挙句の果てに、お前にレイプされたって言いふらすとか言い始める。
不器用な妻夫木は追い詰められ、気がついたら首を絞めて殺していた。
次は深津と出会い、いきなりホテルに誘ったら応じてくれていきなりヤる。
そして深津は別れ際に、本気で出会いを求めていた事を告白する。
つまり2人とも似た者同士だった。深津以上に妻夫木は自己嫌悪に。
後日、我慢できなくなった妻夫木は深津に会いに行き、自分も本気だったと告げる。
2人は協調し始め、殺人の話も共有し、共に逃げることとなる。
そして長崎県の寂れた灯台にて生活を始める。
自分を理解してくれる女と出会ったことで自分の犯した罪の重さに気付く妻夫木。
それらを全て受け止めてあげようとする深津。
結局警察が来て突入されるが、妻夫木は女の首を絞めようとする。
あくまで女を「被害者」でいさせようとする思いやりであった。
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まず主人公は殺人犯だが、この人の心理はわからんでもなかった。
何せ不器用、で真面目。バカ女に出会ってしまったことは本当に不運。
殺人は無条件で犯罪だが、悪人か善人かと言うとむしろ善人だろう。
っていうか、ここまでバカな女いねーよww
周囲に助けを求めることのできない状況であの言動は頭悪過ぎ。
殺されるとまでは思わなかったとしても、ドツかれるのは確実やろw
長年信頼していた相手に裏切られて取り乱すならわからんでもないけど、
出会って間もない奴に裏切られただけで取り乱すんもおかし過ぎやし。
主人公への同情を誘うため、無理に有り得んキャラを作ったとしか思えん。
一方、バカ女を置き去りにした男はどうしようもない男ではある。
バカ女の死の間接的な要因やのに、無罪やからって、この話をネタにする奴。
でも男がバカ女を車から降ろしたシーンはめっちゃ共感できたけどなあ。
よく知らない男の車に簡単に乗るわ、ベラベラ馬鹿丸出しの話ばっかするわ、
誰の車にでも乗るお前なら、ここで下りても帰れるやろうがってさ。
下ろす場所はともかくとして、体目当てで調子だけ合わせる男よりはまとも。
で、これはおれが見逃しただけなんかも知れんが、深津が意味不明。
映画の中では美人ではない普通の人ってことになってるんやとは思うけど、
どう見てもそんなに不幸なようには見えへんのよなあ。
心に闇を抱えてなければ、あそこまで妻夫木を愛するなんてないと思うけど。
出会って間もない危ない人間に、平凡な人間が恋をしますか?
それともストックホルム・シンドロームに似た、理解しがたい心理があるの?
百貨店の紳士服売り場勤務という、むしろ人がうらやむような状況の女が、
妻夫木と出会って初めて幸せになれると思った、とまで言うのは何故?
アンタはそんなにモテなくないし、愛してくれる男だっているでしょうに。
そこがわからんもんやから、深津の方には全く感情移入できんかった。
だって、目先の破滅的な恋愛に酔ってるだけにしか見えんのやもん。
しかもその自己陶酔のために、妻夫木に自首を勧めずに逃避行を促す。
それによって確実に刑期は長くなっとるわけやからなあ。
20年位前のドラマで高校教師ってのがあったけど、
共に絶望を抱えている男女が破滅的な恋愛をするという内容だった。
そこに説得力があったために共感できたんやが、この映画はその部分がなあ。
理屈じゃないんやろが、根拠が弱いとどうしても感動が薄れてしまうよなあ。
深津絵里って別にタイプじゃないが、九州弁が可愛かった。
っていうか、九州弁って誰がしゃべっても可愛いよねw
2度目の鑑賞
老人しか居ないような田舎町で、年老いた祖父母と暮らす青年が、出会い系で女性と繋がっていく。そこからストーリーは展開していく。
事件の後、離れた田舎町で田んぼを自転車で通勤する、小さな場所でつつましく生きている優しい女性と知り合う。
あー、これが、あと少しだけこの人と早く出会えたらと、何度思ったか。
出会い系以外で異性と知り合う事もなかった二人。
男は優しい人だった。
人を殺したら悪人。
でも、人を殺しはしないけど、悪い奴はたくさんいる。
ストーリーの中で、それをずいぶん考えさせられた。
辛くて切ないけれど、二人でいる時間を持てた事だけは救いかな。
殺人事件って、ニュースではわからない、こんな事があるのかもね。
悪人って誰だ
誰にとっての悪人なんだ。
最後の深津絵里のセリフが
全てもっていってくれます。
お互い足りないものを補える人と
出会えた。ただそれだけでよかった。
愛を知らない男と愛する喜びを
得た女の物語。
灯台の最後のシーンは、妻夫木が
あえて深津絵里を突き放し、自分を
悪者に徹することで、彼女に
負い目を持たないようにしたのかな。
それも彼女は愛情であると
受けとめているのがいい。
この愛は本物だったのだと。
真剣に、真面目に、一生懸命に
生きている人間を笑うな。
バカにするな、脅すな、さげすむな、
あわれむな。そんな決めつけ、
権限は誰にもない。
こういう題材を扱う洋画を
よくあるけど、邦画で表現すると
こういうかたちになるのかな。
妻夫木の役柄も難しく、
深津絵里の演技に救われている印象。
さすがの一言。
紙一重の出会い系
人の良心が見え隠れする世の中で我々はどう生きていくか
テレビで偶然鑑賞したところ、思わず見入って魅了されてしまった。悪人が題名のように、一体この世は何を以てして悪を定義できるのか、何が悪で何が正義なのか、従えば正なのか逆らえば悪なのか、人のあらゆる本能を考えさせられ、その中で見え隠れする人の愛や温もりを見つけるような作品だった。
途中、突拍子もない疑問的な演出もあったが、今思えばそれは監督の現代への怒りを表現したのかと思えば納得出来る。とにかくこの作品は社会への語りかけが強く描かれ、一生よりもいま目の前にある一瞬を求めてしまった男女の恋物語には、後悔や罪悪感からの逃避、背徳や焦燥といった人の本能がてんこ盛りに混ぜ込まれていた。
人を殺めた男と、それと付き合う女。許されはしない。それでも観ていく内に、2人の愛をどこか応援したくなる。なぜか2人の恋路を否定出来なくなる。彼らの気持ちがひしひしと伝わってくる。これが本当の愛なのではないかと、そうとまでも思えてくる。時に、本能で本能を求め合うそんな恋愛に憧れてしまう。
しかし、この映画は決して恋模様だけでは描かれていない。2人の恋物語を描く道中で、人の悪意や腐った社会、みすぼらしい欲望や報われない優しさ、やり場のない感情、人が人を当然のように食い物にして回り回る世の中でも、人の温もりや愛は見え隠れしているだけで在るんだよと語り掛けるメッセージ性を感じた。
法に従えば正義か。手を差し伸べたところで振り払われ、逆恨みを買ってもそれはこちらに非があるのか。死んだように生きる事が正しいのか、生き生きと死ぬのが正しいのか。悪人は悪人であるのか。振り撒く優しさは無為なのか。人の悪を、果たして人が悪と定義できるのか。正直に生きる事は馬鹿に生きるという事なのか。そんなもの誰も分からないのに誰が正義を唱えられるのか。この世に散りばめられる、決められようもない人の在り方をこの映画はこれでもかと考えさせられる。
たとえそこに味方がいなくても、どこかで誰かが見てくれている。世の中が腐っていても、全てが腐っていない事もある。綺麗に見えるものが薄汚く光っている事もある。歪に見えるものが綺麗に輝く事もある。どうでもよく見えていたものが実は大切なものだったりする。本当に大切だから傷つけてしまう。たとえ誰かれに阻まれても否まれても、許されざるものでも、人は愛を求めてしまう。
この世に分かり切れるものなんて無い。複雑に枝分かれし、今日という日もまた変貌する世の中で、本当の正解なんて誰にも分からない。それでも人は懸命に生きていき、正解を自分なりに見つけて行くことを教えてくれる作品だった。
深津絵里は、とてつもなく魅力的だった。
過去鑑賞
何度見ても良い、最高の恋愛映画
恐らくtotalで7、8回は見てます。
見る度に切なくなるが、この感情を欲してまた見てしまう。
人を殺める描写だけが非現実的だが、その背景はとても生々しく、没入してる人は「あり得る」とすら思ってしまう。
田舎で解体業をしながら祖父母と暮らし、毎日が同じ事の繰り返しで、縋るモノを求める祐一。
また、違う田舎町で生まれ育ち、寂れた紳士服店で働きながら、『生まれてから小学中学高校、そして大人になった今も、自分の人生はこの狭い世界の中で完結してしまっている』と、自分の人生を見つめ直し、何とかして変えたいともがくミツヨ。
そんな2人が出逢い系で知り合い、かけがえの無い存在になって行く。
この設定を、どうやって思い付いたのかが謎だが、リアルでしか無い。
というか、リアルかどうかも判らない筈なのに、
あるあるだと思って見入ってしまう。
2022年の今だって、祐一とミツヨの様に、
自分の人生をどうにか変えたいともがいている男女はきっと居ると思う。
そして、そんな人達の方が相手の本質と向き合う事が出来るのかも知れないとすら思える作品。
兎に角、私の中では色々完璧な作品です。
殺される女と殺す男そしてすがる女。
2010年。李相日監督。その年のキネマ旬報のベストワン作品。
激情に駆られて女を殺す男・・が主人公・祐一(妻夫木聡)
この映画では殺される女・佳乃(満島ひかり)を情け容赦なく
断罪している。
ひとつ→出会い系サイトで出会った祐一と関係を持ち、金銭を要求していた。
ふたつ→デートの約束をした祐一が車で1時間半も掛けて待ち合わせ場所に来たのに、
見た目の良い金持ちの大学生の増尾(岡田将生)の車に目の前で強引に乗り込む、
・・・そう言う、当て付けを堂々とやる。
そして大学生の増尾。
この男もゲスの極み・・として描かれる。
テーマは「人間の善と悪」
殺した男には、殺す理由があり、
殺された女には、殺される理由がある。
そして増尾。
ドライブの途中、人気のない峠で、気に食わないとの理由で佳乃を、
助手席から蹴り落としている。
峠で車から降ろす→付けていた祐一もどうかと思うけれど、
佳乃の「レイプしたと訴えてやる!!」との言い草も、人間として度を超えている。
そしてもうひとりの主役。
紳士服店に勤務する光代(深津絵里)
佳乃と同じく出会い系サイトを通じて祐一と知り合い、殺人犯と知りながら、
逃避行に・・・。
自首する決意をして警察署に向かう祐一を、クラクションを激しく鳴らして、
引き止め「一緒に逃げよう」と誘う。
光代は善人代表なのに結果として祐一の刑期を長くする行動を取らせてしまう。
皮肉なことに、殺人犯の祐一より、大学生の増尾の方が極悪人に見えてしまうのだ。
爽やか系の岡田将生が軽薄で我儘で冷酷な男を演じて上手い。
佳乃の父親は増尾を恨み、スパナを握って増尾に迫るが、遂にスパナを振りおろす事を、
自制する。
怒りと恨みを、自制する佳乃の父親。
挑発されて自制心を失った殺人者・祐一。
柄本明の被害者の父親と、加害者・祐一の祖母役の樹木希林。
役になり切って実に上手い。
逃げ場がないほど祐一を追い詰める佳乃。
佳乃役の満島ひかりもズルい女が印象的。
モントリオール映画祭で主演女優賞を受賞した深津絵里。
37歳の光代は婚期も遅れた年齢で、初めて性に溺れたのかも知れない。
そうでなくては、逃避行の理由が見当たらない・・・
(5キロ圏内の人生に飽き飽きしていたのかも、知れないね)
筋運びと構成が実に巧みだ。
久石譲の音楽がかなり主張して鳴り響く。
我が愛する妻夫木聡は、嫌いになれない殺人者を淡々と、そして演技し過ぎず、
バランス感覚が素晴らしい。
殺人を想像することと、実行することには、
大きな乖離がある。
飛び越えてはいけない・・・
そんな気がする。
原作も良かったけど、映画もきちんと捉えられていて良かったと思う。 ...
深津絵里の存在感
冒頭10分程での引き込まれ方は今観てもすごい。
あまり見ない役所の妻夫木聡が目新しいんですよね。
また役者陣がとても素晴らしい。
柄本明が良いし、樹木希林はいるだけで作品の深みが違ってくるからすごい。
それと何より主演の深津絵里。
その演技もだが存在感が群を抜いている。そしてすっごい可愛いらしい。
彼女の「本気で誰かと出会いたい…」の一言はとても深く、いわゆる出会い系に対する考えを少し改めさせられました。良いか悪いかでなく。
決して安息の時間が訪れることがない二人の時間。それを静かにじっくりと作りあげつつ、終盤の畳み掛けるような見せ方は良かった。
そして辿り着いた最後の場所で朝焼けを眺める二人。
そこから行く場所が無いことも、これからの二人での時間が無いことも、全部理解してしまったとても深みのあるシーンでした。
悪人。その言葉の本質と共に、何時迄も静かに響いてくる作品です。
ストーリー 6 芸術 5 演技 8 エンタ 5 総合 6 悪人一杯...
だれが本当の”悪人”なのか・・・・・・・!?
深津絵里がオバさんになっても
原作未読
2010年9月頃イオンシネマ北上で鑑賞して以来5度目の鑑賞
珍しく映画館では2度観た
朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第二期の主演を務める深津絵里を観てたら久々に観たくなった
まだレビューを書いていない深津絵里出演作品ですぐにピンときたのはこの作品
当時深津絵里37歳
妻夫木聡や深津絵里より満島ひかりの芝居が強く印象に残った
あと岡田将生も
もちろん妻夫木深津はとても素晴らしい
深津絵里はなかなか出てこない
登場は開始30数分過ぎてから
監督と脚本は『スクラップヘブン』『フラガール』『怒り』の李相日
原作は『パレード』『女たちは二度遊ぶ』『横道世之介』『さよなら渓谷』『怒り』『楽園』『太陽は動かない』の吉田修一
吉田氏は今回脚本にも携わっている
長崎県在住で金髪の解体作業員清水祐一役に妻夫木聡
佐賀県在住で紳士服の販売員馬込光代役に深津絵里
久留米の実家から独立して博多で保険外交員をしていた石橋佳乃役に満島ひかり
祐一が出会い系で知り合ったセフレの佳乃を殺害してしまう
それを聞かされた出会い系仲間の光代が意気投合して一緒に逃亡する話
悪人とは誰なのか
考えさせられる名作
舞台が九州なので全体を通して九州弁が飛び交う
祐一の祖母役に樹木希林
祐一の祖父役に井川比佐志
祐一の叔父役に光石研
祐一を棄てた母役に余貴美子
久留米で理髪店を営む佳乃の父役に柄本明
佳乃の母役に宮崎美子
容疑者の1人として疑われた福岡の大学生増尾圭吾役に岡田将生
福岡県警の刑事役に塩見三省
部下の刑事役に池内万作
佳乃の同僚役に韓英恵
増尾の友人役に永山絢斗
光代の妹役に山田キヌヲ
理髪店の客役に河原さぶ
光代の同僚役に広岡由里子
バスの運転手役にモロ師岡
タクシーの運転手役にでんでん
交番のお巡りさん役に山中崇←これはわかりにくい
悪徳商法の販売員堤下役に松尾スズキ
祐一が増尾の車を追い掛ける直前の効果音が好き
逮捕シーンなどのBGMも良かった
葬儀で一人別室にてまだ幼かった頃の佳乃の映像を眺める佳乃の父の姿が泣けてくる
みんなガラケーなので時代を感じる
イカの目玉から回想シーンが始まるのは斬新で意味不明だが嫌いじゃない
増尾の車から蹴り落とされガードレールに激突する佳乃
その直後に追いかけてきた祐一を罵倒する佳乃役の満島ひかりが彼女の真骨頂
まだこの作品を観ていな男の人たちに重要なお知らせ
今回深津絵里に所謂濡れ場のシーンがあるがセミ程度でヌードはない
突先は確認できなかった
満島ひかりも今回はヌードがない
必然性を感じられなかったのだろう
灯台のシーンが良い
ああいうマスコミはみんな死ねばいいのに
どんな悪人より嫌悪感を感じる
優しいだけの男よりわりと強引な悪い男の方が魅力的だね(但しイケメンに限る)
深津絵里は今回の作品で年相応の役をやっている
ここから余談になるが最近彼女は48歳にして18歳ごろの役を演じている
舞台ならまあよくあることだしドラマや映画でも回想シーンでほんのちょっとならそれほど珍しくはないが朝ドラの主演でメインとして演じるのは異例中の異例
いくら美しい顔を丹念に磨いてアンチエイジングしたところで首元はどう見ても若者のそれではない
ネットでは意外にもあまり叩かれておらず概ね好意的だがそれはきっとネット民の多くが深津絵里と同世代の団塊ジュニアでたくさんの同情を集めたんだろう
オファーがあっても本来なら事務所の後輩の清原果耶を勧めるところだが前作のモネで主演をやったばかり
ひなた(川栄李奈)の母親も演じる兼ね合いがあるわけだし
詳しくは知らないが断りきれない状況になったのだろう
だいたいにして役者が実年齢より若い役をやるなんて当たり前のこと
スミレ16歳が腹話術のおじさんだったことを思えば雉真るい18歳が48歳のベテラン女優でも受け入れることができるはずなのだ
人間って割と適応能力があるものでもうだいぶ慣れてきた
70点
映画評価:70点
なんだこの作品………!?
めちゃくちゃ考えさせられる。
タイトルも秀逸
《悪人》
一見、このタイトルが地味だし、
作品時間も2時間を越えてしまう事から
ずっと気になってはいたのですが
観ていなかったのですが、
私と同じ様に、
様子見していた方は
すぐにでも観てください!!
これぞ日本映画の真骨頂です。
何かしらの行動には
何かしらの要因がある訳で
目の前に人がいるから殺しちゃお、
みたいなノリは現実に中々ありません。
その情緒というか、奥ゆかしさというか、
その日本特有の空しさが心に響く
そんな作品でした。
役者陣も天才ばかり、
樹木希林さんや、柄本さん、満島さん、
そして妻夫木さん。
全員演技の天才です。
彼らの他の作品を観ても
同一人物が演じているとは思えない程
別人を演じます。
最近、妻夫木さんの出演作品をよく目にしますが
彼はカメレオンですか?
今回のキャラクターなんて、
妻夫木さんの華やかさが邪魔していたにも関わらず、現実にいそうな(実際知り合いと雰囲気そっくり)人物を彷彿とさせます。
深津さんも
目線や口、声の震えやトーンで
憂いや、戸惑いの様な、
目には見えない雰囲気を表現していて
本当に凄い女優さんなんだと改めて実感しました。
まだ内容に触れていないのに、
こんなに文字数が(驚)
前置きが長くなってしまいましたが、
今現在の感想を書きたいと思います。
ここからは少しネタバレもあるかもしれませんので、上記の感想で興味を持った頂けた方は
作品を観てから、また読みに来て下さい。
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悪人。
どんな事情があるにせよ、
人を殺してはいけない。
当たり前
当たり前ですけど、
殺人を犯した人の中には
(身体的、精神的)防衛の流れで、
間違えてしまう人もいます。
誰もが殺意をもって殺す訳ではない。
これが前提です。
この作品のタイトルである
《悪人》は秀逸ですが、
ミスリードにもなります。
この作品が描きたかった事は
果たして誰が本当の悪人だったのか?
ではなく、
どんな悪人にも、
どんな奴にも、
大切な人がいたのではないか?という
巻き込まれていく人たちの情景を描きたかったのではないだろうか?
被害者について。
我が儘に生きてきて、
利己的で、嘘つき、あげく礼節に欠ける。
加害者について。
親に捨てられ、コミュニケーション障害を患い、
人への接し方や節度が判らない。
怒りに身をまかせ人を殺した。
女をドライブに誘っておいて、
その女がイラつくからと
無責任に山に置き去りにする男も
自分が満たされたいがために
依存や利用をしてしまった女も
端から見たらの話しですよね?
私からしたら、全員他人だし、
そもそも現実にいない映画の話し。
実際に起こった事件であったとしても他人事です。
そんな私たちから見れば
確かに上記の通りの人たちでしょう。
どう見ても、だいたい悪人ともいえます。
ですがね、
家族からしてみたら?
友人からしてみたら?
恋人からしてみたら?
そういう彼らを大切に思う人からしてみたら?
彼らはそう映りますか?
性格や態度、行動なんて
些細な事です。
でも、
世間的に見れば
殺人は悪い事だ。
どんな事情があっても。
例え本当は悪人じゃなくても。
殺された奴がどんな最低な奴でも。
世間様は起こった事しか知らない。
結果しかわからない。
でも開けてみると、
そこには大切に思っている人がいる
その哀愁が
この作品の肝だったと感じました。
作って頂き、
ありがとうございました。
ps.10年前ってこんな昔なの?
【2021.10.5観賞】
世の中悪人だらけなのか
妻夫木くんは、映画でみるのがよい。なんとも言えない雰囲気をかもし、スクリーンに映る
今回は残念ながら映画館ではないのだが
ほとんど喋らない、短いセンテンスのみ、いつもは饒舌に語るような目ヂカラもない、そして金髪。今まで妻夫木さあまりみたことがないキャラを、見るもに共感与える演技で淡々と、生きてることの苦しさを淡々とみごとだ。人殺しは彼なんだが、彼は悪人ではなかった。あとは、彼のおばあちゃんは悪人ではない、旅館のボンのお友達ひとりも、悪人ではなかった。妻夫木くんが無口なように彼もボンの取り巻きの1人として声を発することができない、、あとは大体ほんまもんの悪人、旅館のボンやらマスコミやら健康食品屋のヤクザやら、、か、利己的な気持ちか、マウントみたいなものが見え隠れする無意識の悪意の人ら。悪のないおばあちゃんに育てられた妻夫木さんは悪がない。親に捨てられても愛情を受けて育ってきた。、私は悪くない、頭なたは悪くない、私の子供は悪くないと思っていると、そうやって一生生きていくしかなくなる、、柄本明がボンにいうように。悲運のヒロインの深津絵里も、自分の幸せのために祐一を利用しただろう、それを愛だと思って、自分の人生変えようと思って。
国道のそばから離れられないでずっとそこで暮らすしかない人、海を目の前に暮らしていると逆に海に立ちはだかられどこにもいけない気分になる人、。人間関係にも土地にも閉塞されている生、人と比べたり人より偉そうにしなければ満足自己満足できない生。それでも人生には一瞬輝くモーメントはあるだろう、日の出を見るとき、スカーフを結ぶとき、自分が大切と思う人を守る時。
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