「秀逸な作品だと思います。」最後の忠臣蔵 りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
秀逸な作品だと思います。
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まず、映画館に入って思ったこと。
あらっ、おじいさんおばあさんが多いわね~。
「忠臣蔵」って、日本武士の生き様をしっかり表したものですね。
そんな忠臣蔵の16年後の話。
身分は低くとも、武士として凛と生きる。
誰一人わかってくれる人がいない中、やり通さなくてはいけないこと。
生きることの辛さ、悲しみ。
≪武士とは不自由なもの≫
孫左衛門が守り抜いたのは、可音だけではなく、藩がなくなり、主君を失い、自責の念にかられながら生きる赤穂の元家臣達の、拠り所をも守っていたのですね。
役所さん、佐藤さんは元より、桜庭さんの存在感が話が進むに従って増してきました。
登場された皆さん、素晴らしいと思いました。
俳優さん達だけではなく、セットの素晴らしさにも驚きました。
すべてが、しっくりと馴染んでいるのです。
茶屋四郎次郎の大きな邸宅。店先。庭。
孫左衛門と可音が暮らす粗末な家。かまど。屋根。
夕霧の住む趣のある家。
浪士の遺族が住む粗末な小屋。
新藤のお屋敷。
その違いが、柱の一本であったり、壁の塗り方、剥がれ具合、畳の良さや粗末さ、掛け軸、襖など、隅々まで行き届いていたと思います。
人形浄瑠璃の使い方も、効果的だったと思います。
原作者池宮彰一郎は、晩年盗作嫌疑をかけられたのでしたね。
真偽のほどはわかりませんが、そんな原作者が生きた時代と、孫左衛門の生き様が、何だか重なって・・・、上映終了後も涙を拭きながら、しばらく席を立てませんでした。
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