告白(2010)のレビュー・感想・評価
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なんかもうメチャクチャだな
前評判が高くて期待していただけに、不満とガッカリが募り厳しい評価になりました。 女教師の執拗さ、男子生徒の動機、クラスメートの画一的反応、どれも全く説得力がなく、安易にセンセーショナルでラディカルな方に持っていった感じ。 フィクションとはいえもう少し観客を納得させる展開をしなくては。。。 一体何がやりたくてこんな映画をつくったのか。 てか、、、ホントにみんなこれいいと思ったの~? え~???
今までの中島監督とは違う。そして、松たか子凄い!!
6/9 観賞 原作既読 購入本ではなく、図書館で予約順番を待って待ってして、1日で返却した一気読みの本だった「告白」。(当然、印象のみの記憶が強く、細かい内容は残っていない・・・・これは覚えている方だけど。) が、その原作の印象を壊すことなく映画になっている。 よりグレードUPしているといっても過言ではないかも。 冒頭の雨のシーンでの雨粒まで美しく、フルカラーヴィジョンでなくても、 やっぱり映像の綺麗な監督さんであることを再認識した。 中学生達のキャスティングも、ぴったりはまってたんですが、 やっぱりなんと言っても松たか子。 本を読んでいるときの外見イメージは、勝間和代をきゃしゃにした感じを思い浮かべてたんだけど、 松たか子を見ても全く違和感がなかった。 怒りが深くて深くて、深いが故にどんどん冷静にクールに計画を遂行させてしまえる、子供達の心理が手に取る様に分かってしまう、 教師としての経験がこんな所にいかされるなんて、 何て悲しすぎるのだろう。 でも、松が演じる森口先生は、本当にここまでの報復を望んでいたのだろうか? どんなに犯人を苦しめても、我が子は帰ってこないのに。 そんなこと、わかりきってるのに。 みんな、身近なものしか望んでなかったのに、ちょっとした歯車の狂いがこんな事に。 ちょっとした、きっかけばかりなのに。 R15は正解だと思う。うちの子もこんなこと考えているのかと、ちょっと怖くなった。 観るべし!!の映画かな。
またひとつ、垣根を越えた作品ができあがった
「嫌われ松子の一生」や「パコと魔法の絵本」といった極彩色世界とは打って変わり、色があってなさそうな活気のない気だるい世界を表出している。これは中島哲也監督がこれまでの描写術を封印したわけではない。監督の感性で、物語が持つべき色を作り上げたら、こうなったというべきだろう。ある意味、ティム・バートンに通ずるところがある。作家と言える数少ない監督のひとりだと思う。 また、この監督はエンディングに決して潔さを求めない。フランス映画のような尻切れの結末ではないが、大団円にこだわらないところがある。原作に沿っているのかもしれないが、こういう監督の下地があると、ただの告白に終わらず、どこに着地するのか分からないサスペンス的な要素が増大する。 話の展開は、ほとんど松たか子のひとり芝居といってよく、とくに冒頭の告白シーンは、淡々とした長台詞ながら引き込まれる。この語りの間を使って、今の学校、学級崩壊の様子を見せつけるカメラと編集が巧い。 これまでも、愛する者を突然奪われた復讐劇はあったが、どちらかというと終盤に来て実行を回避するのが通例だ。それは倫理観からくるもので、観る側もそこに同情や共感を覚えたものだ。 そういう意味で、この作品には、ある種の驚きがある。むなしさを超えた驚きがある。凄い作品ができたものだ。
命は
観てR15に納得。中学のときに見ていたら,良くも悪くも影響を受けすぎたかもしれない;高校生の今もあまり変わらないのかもしれないけど。 少年A,Bは誰もがなりうる。告白は“映画"ではあったが“現実"でもあった。目の前にいる人,あるいは自分自身が明日殺人犯になっている可能性はゼロではない。 私達はただ,誰かと繋がっていたいだけなのに。現代はみんな気を使い過ぎて「踏み込んでほしい1歩」を踏んではくれない。映画のクラスのように,大切なことには触れようとしない。だから繋がりを見失って生きていけなくなる。命の重さが分からなくなる。 人の命は平等。現実はそうも言えないことくらい,普通の高校生にだって分かる。だからこそ考えなければならないのかも。ほんの少しでも命の重さを知るために。 そのための映画だと思う^^ ばんばん人が死ぬアクション映画より,ずっと意義のある映画。俳優さんも映像も音楽も素晴らしかったです^^ でも思い出すとなんだかホラー映画みたいだ(笑)
書くうちに評価が決まってきた!
シュールな映像 アナーキーな物語 スタイリッシュな演技(者たち) 英語による修飾語が多い僕のレビューです。 そんなときは迷っているんですね。どう評価しようか、と。 映像は日本映画離れしている。 多用されるストップモーションとクロースアップ。 ナイフが、目が、耳が、シャボン玉が、爆弾が、 破裂が、血が、牛乳が、すべてのもの等価値で映し出される。 表現の限界に挑んだのかなとも思う。 人間のダークサイドをぐんぐん、見せつける。 復讐する教師役の松たかこにしても、 犯人の母親役の木村佳乃にしても、 バカな熱血教師の岡田将生にしても、 こんな役やってもいいのかってほどの徹底振り。 R25が納得できるストーリーでもあった。 そういえば、 この映画、ハリウッドでのリメークのオファーがあるという。 中島監督は「松さんの役はぜひ二コール・キッドマンで」 といってるらしい。そういえば、二コール・キッドマンが 最高に輝いていた「アザース」にどこか似ていると思った。 人間のダークな面と、物語の密室性ってところかもしれない。 中島監督の作品ははじめてみるけれど、 TVCFの作家だったようだ。 短時間で印象に残るようにするためには、インパクトの力が必要。 それを連続的に、絶え間なく描ききった力量は大したものだ。 こうやって、書き込んでいるうちに、 「告白」はすごい映画なのではないか、と思い始めてた。 ただ、楽しい映画を求めてる時には、見ないほうがいいとも思う。
原作未読のすゝめ
俺は心底、羨ましい。 原作を読まずに、これから映画館に足を運ぶ方々が。 あの原作の手触り、質感、匂いまでが表現(再現)されてるなんて、思いもしなかったし、不可能だと思ってた。 原作で感じた衝撃が、この映画でのファーストインプレッションだったら、どんなに良かっただろう…と劇中何度もほぞを噛んだ。 クライマックスで、観客席から悲鳴に近い感嘆の唸り声が上がった時、心底、実感した。 …それぐらいの仕上がりです。 参りました。 紛う事なき、傑作です。 主人公、森口に松たか子、犯人Bの母親に木村佳乃、ウェルテルに生田斗真。このキャスティング、正直最初はどうかと思ったけど、これも文句の付けようがなかった。全員素晴らしかった。てか違和感がなかった。 それに一番危惧してたこと。監督が中島哲也だってこと。 「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」や「パコと魔法の絵本」… あのノリでやられたら、カナリキツいな~と思ってました。ましてや、ミュージカル仕立てにでもされたら最悪だ、と思ってたけど…杞憂に済みました。 そんなバカな心配するんじゃなかった。 中島監督のテイストと、原作の世界観…見事に融合しています。 やっぱりこの人、天才ですね。 じゃあ、これだけ褒めちぎって何故満点じゃないのか? それは何つーか…原作以上の衝撃は、やっぱり得られなかったからですねw 残念。俺、残念。 うん…やっぱ、原作未読を推奨します。 PS.あのラスト。あそこで、解釈が分かれそうですねw
まぎれもない傑作
拙ブログより抜粋で。 -- 命は軽いか、重いか。もし殺人を犯しても裁かれないなら、それは“軽い”のか。 風に漂うシャボン玉に大切なものを思う心があれば、そこに軽いも重いもないと気づくはずなのに。 映画は、松たか子演じる女教師・悠子の“告白”で始まり、その冒頭のホームルーム後、次々と別の告白者に独白がリレーされ、それぞれの主観から事の真相が少しずつ判明していくという構成。 予告編などでは先生の娘を殺した生徒は誰か?と煽っているが、悠子の最初の告白で犯人はすぐに判明する。 この映画の主軸は犯人捜しではない。犯人はわかった上で、その真相が二転三転していく過程が一級のサスペンスとなっている。 そして浮き彫りになる心の闇、負の連鎖。 それぞれの主観が変わることによって事実の見え方が変わるという構成から、黒澤明監督の名作『羅生門』(1950年)を思い出したが、そんな安易な発想すら墓穴のミスリードだった。 この映画で打ち明けられる各々の“告白”は、観客の目線を切り替える主観のように見せかけて、実は嘘や願望も含んだ、体裁を取り繕った告白。観客はそれを客観的に見させられていたのだった。 全体で見れば、「こんなこと現実にはあり得ない」と思う(思いたい)が、個々の登場人物の行動はさもありなんと思わせる無理のない展開で、そこから連なる負の連鎖が恐ろしい。 キャスト陣の素晴らしい演技もその説得力に貢献する。 とりわけ松たか子が凄い。静かに語りかける口調の裏側にある揺るぎない復讐心。そしてラストカットのなんとも言えない表情が目に焼き付く。 中学生の子どもたちも、よくぞまあ、こんな役をという熱演だ。 映像詩のように日常の風景が淡々と、しかし緊張感が途切れることなく提示され、先の展開は予断を許さない。 何度も登場するミラー越しに切り取られた光景は、観客の同情を拒否し、距離を置いた目線で客観的にこの事件を見つめさせようとしているかのようだ。 直接的には悪をあげつらわない。もちろん肯定もしない。人間の心の闇を露わにし、目の前に提示し、その判断はそれぞれの観客にゆだねられる。 すべてを語らず曖昧にされた“余白”が、「いじめはいけない」とか、「人殺しはいけない」とか、そんな安易な感想を封じ込め、考える時間を与える。決して巻き戻せない時間を。
世代間ギャップ。あらゆる人の感想が聞きたい。
あの中島監督作品。何はともあれ鑑賞しに出掛けなくては。 まずは監督。映像、演出、共にすばらしかった。モラル的に難しい内容の作品だっただけに、いかにポイントを外しながら、本質を見せるか。すばらしい仕事だった。 本来的には映像技術を前面に出すのが好きな今時の監督であろうと思うのだが、中島監督が他の監督と違うのは技術に振り回されていない部分にある。作品に必要だから技術を使う。必要なかったら排除する理性を持っている。だから観客に集中力を強いる事ができるのであろう。 予告やCMなどで情報なしでの鑑賞ではなかったが、はっきり言ってしまえば、予告とCMは無用。邪魔ですらあった。まっすぐ、見るべし。そして、考える。 この作品は毒である。子供には見せたくはない、大人は反射的にそう思う。あまりに機械的に。 実は本作、大人にとって不都合な話でもある。大人は全て人格者ではないし、知識が豊富でもないし、才能だってない、もしくは、才能を活かす術を知らず、社会から落ちこぼれないよう、ただ、汲々としている。子供と大人の差はどこにあるのか。 本作の恐ろしさは、子供の愚かさを明るみにしながら、そのレッテルを貼った大人が甘えてくる子供にこたえようとしない、その能力を持ち合わせていない本当を見せつけられる部分にある。 ここまで言ってしまうと世も末なのだが、ここで思考停止しては負け。答えを早急に求めてしまうから、世の中が悪くなる。目の前の失敗を恐れて未来の可能性を断ってしまうのはいかがなものか。遠回りしなければ、最善を導き出せない事もある。 まぁ、世の中、みんな大変なんだよ、ってことで。書き続ける事が辛くなってきたので逃げました。 まっすぐ見て、それに耐えられる作品だし、今日の私のように考えられる作品でもあります。 注意としては、丸のみしないで下さいね。ふぐ料理は適切に調理してこそ楽しめるのですから。
仰々しくて良い
予告編からしてとても仰々しい感じがしていて好きだったが、やはり面白かった。韓国の鬼才パク・チャヌクを思わせるような毒のある映像に、レディオヘッドの音楽が効いている。説明しないオチも良い。
命を知る課外授業。
数々のげんなり要素が散りばめられたドラマは, どんよりするし,見ててしんどいけれども, たんなる復讐劇にとどまらない 先生と生徒のタイマン勝負は, 喪失感と孤独な叫びに満ちて,目が離せない見応えだった。 松たか子のラストの表情が素晴らしい!! 親であり教師でもある 森口悠子の内面から湧き出る感情を,みごとに伝える! 突っ走るのみで余韻に欠けて重さが足りない気がするも, 視覚に訴える内面描写と心象風景に優れ,原作よりも印象に残った。
狂気の美
久々にこんなに凄まじい映画を観た。 多用されるスローモーション、 AKBからレディヘまで流れてくるカオスな選曲、 所々に挿入される美しい抽象的な画面、 そして役者たちの狂気の演技、 それら全てが重奏をし、ひとつの映画を構築している。 人間の憎しみと偏愛が渦巻く世界で、それぞれ何を想う? ラストの松たか子の表情にあなたは何を見る?何を重ねる? あの表情は映画史に残る迫真の演技と言っても過言ではない。 これは凄い映画が出て来たもんだ! 今年No.1最有力候補(個人的に)! ぜひ、劇場で! 「なーんてね。」
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