告白(2010)のレビュー・感想・評価
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書くうちに評価が決まってきた!
シュールな映像
アナーキーな物語
スタイリッシュな演技(者たち)
英語による修飾語が多い僕のレビューです。
そんなときは迷っているんですね。どう評価しようか、と。
映像は日本映画離れしている。
多用されるストップモーションとクロースアップ。
ナイフが、目が、耳が、シャボン玉が、爆弾が、
破裂が、血が、牛乳が、すべてのもの等価値で映し出される。
表現の限界に挑んだのかなとも思う。
人間のダークサイドをぐんぐん、見せつける。
復讐する教師役の松たかこにしても、
犯人の母親役の木村佳乃にしても、
バカな熱血教師の岡田将生にしても、
こんな役やってもいいのかってほどの徹底振り。
R25が納得できるストーリーでもあった。
そういえば、
この映画、ハリウッドでのリメークのオファーがあるという。
中島監督は「松さんの役はぜひ二コール・キッドマンで」
といってるらしい。そういえば、二コール・キッドマンが
最高に輝いていた「アザース」にどこか似ていると思った。
人間のダークな面と、物語の密室性ってところかもしれない。
中島監督の作品ははじめてみるけれど、
TVCFの作家だったようだ。
短時間で印象に残るようにするためには、インパクトの力が必要。
それを連続的に、絶え間なく描ききった力量は大したものだ。
こうやって、書き込んでいるうちに、
「告白」はすごい映画なのではないか、と思い始めてた。
ただ、楽しい映画を求めてる時には、見ないほうがいいとも思う。
原作未読のすゝめ
俺は心底、羨ましい。
原作を読まずに、これから映画館に足を運ぶ方々が。
あの原作の手触り、質感、匂いまでが表現(再現)されてるなんて、思いもしなかったし、不可能だと思ってた。
原作で感じた衝撃が、この映画でのファーストインプレッションだったら、どんなに良かっただろう…と劇中何度もほぞを噛んだ。
クライマックスで、観客席から悲鳴に近い感嘆の唸り声が上がった時、心底、実感した。
…それぐらいの仕上がりです。
参りました。
紛う事なき、傑作です。
主人公、森口に松たか子、犯人Bの母親に木村佳乃、ウェルテルに生田斗真。このキャスティング、正直最初はどうかと思ったけど、これも文句の付けようがなかった。全員素晴らしかった。てか違和感がなかった。
それに一番危惧してたこと。監督が中島哲也だってこと。
「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」や「パコと魔法の絵本」…
あのノリでやられたら、カナリキツいな~と思ってました。ましてや、ミュージカル仕立てにでもされたら最悪だ、と思ってたけど…杞憂に済みました。
そんなバカな心配するんじゃなかった。
中島監督のテイストと、原作の世界観…見事に融合しています。
やっぱりこの人、天才ですね。
じゃあ、これだけ褒めちぎって何故満点じゃないのか?
それは何つーか…原作以上の衝撃は、やっぱり得られなかったからですねw
残念。俺、残念。
うん…やっぱ、原作未読を推奨します。
PS.あのラスト。あそこで、解釈が分かれそうですねw
まぎれもない傑作
拙ブログより抜粋で。
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命は軽いか、重いか。もし殺人を犯しても裁かれないなら、それは“軽い”のか。
風に漂うシャボン玉に大切なものを思う心があれば、そこに軽いも重いもないと気づくはずなのに。
映画は、松たか子演じる女教師・悠子の“告白”で始まり、その冒頭のホームルーム後、次々と別の告白者に独白がリレーされ、それぞれの主観から事の真相が少しずつ判明していくという構成。
予告編などでは先生の娘を殺した生徒は誰か?と煽っているが、悠子の最初の告白で犯人はすぐに判明する。
この映画の主軸は犯人捜しではない。犯人はわかった上で、その真相が二転三転していく過程が一級のサスペンスとなっている。
そして浮き彫りになる心の闇、負の連鎖。
それぞれの主観が変わることによって事実の見え方が変わるという構成から、黒澤明監督の名作『羅生門』(1950年)を思い出したが、そんな安易な発想すら墓穴のミスリードだった。
この映画で打ち明けられる各々の“告白”は、観客の目線を切り替える主観のように見せかけて、実は嘘や願望も含んだ、体裁を取り繕った告白。観客はそれを客観的に見させられていたのだった。
全体で見れば、「こんなこと現実にはあり得ない」と思う(思いたい)が、個々の登場人物の行動はさもありなんと思わせる無理のない展開で、そこから連なる負の連鎖が恐ろしい。
キャスト陣の素晴らしい演技もその説得力に貢献する。
とりわけ松たか子が凄い。静かに語りかける口調の裏側にある揺るぎない復讐心。そしてラストカットのなんとも言えない表情が目に焼き付く。
中学生の子どもたちも、よくぞまあ、こんな役をという熱演だ。
映像詩のように日常の風景が淡々と、しかし緊張感が途切れることなく提示され、先の展開は予断を許さない。
何度も登場するミラー越しに切り取られた光景は、観客の同情を拒否し、距離を置いた目線で客観的にこの事件を見つめさせようとしているかのようだ。
直接的には悪をあげつらわない。もちろん肯定もしない。人間の心の闇を露わにし、目の前に提示し、その判断はそれぞれの観客にゆだねられる。
すべてを語らず曖昧にされた“余白”が、「いじめはいけない」とか、「人殺しはいけない」とか、そんな安易な感想を封じ込め、考える時間を与える。決して巻き戻せない時間を。
世代間ギャップ。あらゆる人の感想が聞きたい。
あの中島監督作品。何はともあれ鑑賞しに出掛けなくては。
まずは監督。映像、演出、共にすばらしかった。モラル的に難しい内容の作品だっただけに、いかにポイントを外しながら、本質を見せるか。すばらしい仕事だった。
本来的には映像技術を前面に出すのが好きな今時の監督であろうと思うのだが、中島監督が他の監督と違うのは技術に振り回されていない部分にある。作品に必要だから技術を使う。必要なかったら排除する理性を持っている。だから観客に集中力を強いる事ができるのであろう。
予告やCMなどで情報なしでの鑑賞ではなかったが、はっきり言ってしまえば、予告とCMは無用。邪魔ですらあった。まっすぐ、見るべし。そして、考える。
この作品は毒である。子供には見せたくはない、大人は反射的にそう思う。あまりに機械的に。
実は本作、大人にとって不都合な話でもある。大人は全て人格者ではないし、知識が豊富でもないし、才能だってない、もしくは、才能を活かす術を知らず、社会から落ちこぼれないよう、ただ、汲々としている。子供と大人の差はどこにあるのか。
本作の恐ろしさは、子供の愚かさを明るみにしながら、そのレッテルを貼った大人が甘えてくる子供にこたえようとしない、その能力を持ち合わせていない本当を見せつけられる部分にある。
ここまで言ってしまうと世も末なのだが、ここで思考停止しては負け。答えを早急に求めてしまうから、世の中が悪くなる。目の前の失敗を恐れて未来の可能性を断ってしまうのはいかがなものか。遠回りしなければ、最善を導き出せない事もある。
まぁ、世の中、みんな大変なんだよ、ってことで。書き続ける事が辛くなってきたので逃げました。
まっすぐ見て、それに耐えられる作品だし、今日の私のように考えられる作品でもあります。
注意としては、丸のみしないで下さいね。ふぐ料理は適切に調理してこそ楽しめるのですから。
命を知る課外授業。
復讐劇ではない、身を削らせて命の尊さを教える教育劇だ
今年上半期のなかで、最も良い出来栄えの作品に出合えた。
それは「告白」。
湊かなえの原作小説を実写化したものだが、中島哲也監督の天才肌な演出が
冴えまくり、「嫌われ松子の一生」や「下妻物語」で手がけた煌びやかな
様子をごっそりと割愛してしまっている。
松たか子だけでなく、岡田将生、木村佳乃。
こんな演技が出来たのか、と思わず唸ってしまう場面も数々。
岡田は内心の不安を明るさでひた隠そうとする若き教師を、
木村は物語が進んでいくに従って狂気を秘めていく殺人犯の母親役を、
実に繊細に演じている。
ストーリーを丹念に追っていけば、クライマックスの矛盾(というか謎)は
解消される。松たか子演じる森口は、結局のところ殺人犯にはなっていない。
しかし、そんなことはどうでもいい。
久し振りにエンドクレジットが流れるまでスクリーンに釘付けとなり、
筆舌に尽くしがたい余韻を残す作品に出合った。
今年の賞レース、本命が出現した。
告白
「ざまぁwww」
〈チラ裏〉
キャコ迷いました。
沢山のざまぁwwwが集まった作品だと思います。
是非ね、共感して…
ざまぁwwwされてください。
原作でおさらいしてみようと思いました。
狂気の美
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