告白(2010)のレビュー・感想・評価
全329件中、281~300件目を表示
森口先生、噂に違わず迫力満点
復讐物語として凝った展開で、最後まで見入りました。
森口先生は、噂に違わず迫力満点でした。
他人の命を尊ぶのは、自分の命が尊いと実感出来ないと出来ないと思います。
この後を想像するに、ほとんど他人の様な二人の父親が「お前さえいなければ」と責めるのかな、更正は遠いだろうと思いました。森口先生の思う壷ですね。
岡田将生演じる男性教師の無能ぶり、私にとってはかなりリアルで、嫌な経験のトラウマスイッチ入りそうでした。熱演でした。
映画の中で、音楽が最近の洋画みたいに元気なロック大音量なのは違和感でした。
洋画で母国語の曲を流すのは歌詞も含めてメッセージになるだろうけど、邦画では歌詞が大半の人に解らないです。清水節さんの評論に紹介されていた、レディオヘッドというグループは結構重い歌詞の曲が多いらしいので、知っている人にはナルホドな選曲かもしれないですが。
反省なき更正はない
縁に金色を帯びた黒白色の厚い雲が空を覆っている。世の中はカラフルなものが溢れているが反して人間たちの心はその雲のように淀んでいる。物質にしか満たされていない。
反社会的なものへの憧れが強い年頃の生徒たちが母性を担任に求めるも、代用しそこねたための嫉妬が小さな命を消し去ってしまう。
自己アピールに犯罪を起こすあたりが彼らの浅さを物語っている。
注目されること記憶されることが愛と思う犯罪者はまだ本物の憎悪を知らなかった。
松たか子演ずる森口のシャットアウトした演技はその「注目」を与えず「関心」も見せず我が子への想いを語り復讐していく。凄まじい静な憎悪だと思った。
ショッピングセンターでの場面の母親ぶりがとても優しいから、その他の演技でみていてその暗い嘆きが伝わってくる。
この映画をみてリアリティがないというひとがいるようだが、これほどリアリティがある映画はまれだと思った。
勿論犯罪そのものは有り得ないけれど、子供の適性を見ようとしないことや親の幼稚さ鈍感さが子供を苦しめることは現実にある。
いつもの色彩を封じながら掴めぬ光を散りばめたあたりも監督のセンスが光る。
原作にないラストの一言にみせた監督の優しさにホロリとした。
シュール
なんと表現すればよいか判らない、言葉が見つからない…。
強いて言えば全ての登場人物が『ハッピーエンド』の真逆になる…って感の後味の悪い作品かな…!?
監督さんは人間の感情の部分を表現したかったのでしょう。
でも登場人物が全て精神疾患の患者のような人ばかりで個々がやる事なす事無茶してるのにつじつまが合ってくるあたり逆にリアリティがなくなって来たように思う。
実際映画が始まると引き込まれて『あっ』という間に終わってしまいましたけどね!!
あとは木村佳乃氏が『こんな役するんだっ!』的な吃驚な役どころが見どころかな。
全然、面白くもないし、ためにもならない。
評判が良かったので、どんなものだろうと、見て来た。
なんだか、全てが自分勝手で、発展性がない。
映画の撮り方とか、映像がどうのなんて、どうでもいいけど、
それ以前に、内容が面白くない。
これを作って、何が言いたいの?
爽快感…どこにあるの??
終わったら、劇場内、どんよりと、暗くなっちゃったよ。
なんとも、後味が悪い、嫌な映画だった。
このレビューの中に、印象って欄があるけれど、どれにも当たらない。
なんか、人間って、バカだな~って感じただけ。
「告白」映画としては素晴らしいが、後味は人様々
松たか子、岡田将生、木村佳乃、
そのほかのキャストはみな若い、本当の中学生らしい。
**
ある中学校、3学期の終業式で担任の森口悠子(松たか子)が語り始める。
森口悠子は娘を保育園に預けるシングルマザーの教師。
遅くなるときは学校に娘を連れてきていたが、ある日、愛美が学校のプールで溺死した。
事故死として処理されるが、森口はクラスの生徒に殺された、と告白する。
彼女は犯人の名を語らないで、少年AとBと呼ぶ。
クラスメートはすぐに誰が少年A、少年Bなのかを知る。
*
そして、どんどんと思惑から外れて曲がっていき、
やがて驚愕の結末へと突き進んでいく。
**
いきなり、事件の告白。
自分の口からはあえて名指しはしないものの、犯人をあかし、
事件の真相を語る。
この時点ですでに、この映画が謎解きの物語ではないということが示される。
そこから事件の真相を共有したクラスメートと犯人の二人の少年の神経戦。
追い詰められていく少年たちの物語か、と思わせておいて、
実はそれぞれの事情があり、考えがあり、思惑通りにいかなかった真実がある。
そして、最後にすべてが示されて結末を迎える。
ちょっぴり、楳図かずおの「おそれ」を思い出した。
*
なかなか凝った構成で、途中に入る「告白」も効果的だった。
原作は知らないが、原作の読者感想を読む限り、
作者の意図はかなりの部分でうまく映像化できているように思える。
登場人物のそれぞれが別々の背景、過去、思い、思惑を持ち、その考えに沿って行動するが、
全く噛みあわないまま接点を持ち、人生は目論見通りには進まない。
そしてほんのちょっとした行き違いが、物事を思わぬ方向に進めていくが、
その代償は大きい。
キャストの演技力も素晴らしいが、監督の力量に感服。
告白
松たか子さんの全て見抜いたような行動・言動・雰囲気に怖さを感じました。誰もハッピーにはなれない結末だったと思いますが、最後の松さんの生徒に対しての一言に教師としての側面が出ていたのではないか?と解釈しました。
凄かったです!
予告編につられて見に行くと、がっかりという作品が多い中で、これは、違いました。松たか子さんが演じる先生に惹きつけられ、また、子供たちから目が離せないといった感じで、見終わると、充実感、疲労感、恐怖感などにどっぷりとつかっている気がしました。エンドロールが、とても大事な役目を果たしていました。
不謹慎にも爽快感がありましたw
おっそろし〜復讐劇なんだけどカタルシスがハンパないですw
(なんて自分の中の怖い一面を感じつつ、、、)
思ってた程、二度と観たくないようなサイコスリラーでもなく
子供の狂気を扱った重いテーマだけど、中島監督の手腕で
軽やかにファンタジックに魅せてくれて、それはもう
不思議にも嫌な話のはずなのに、興味深い面白さでした。
約7割近くハイスピードで撮影された映像で
切り取られた日常が、ながいプロモかCMのようでやっぱり
その手のプロとして画が美しい。
いつものポップな極彩色は抑えられて私は好きでした。
選曲もわざと楽しげだったり憂いあったりでサントラが
BGMとしても良さげで、とても欲しくなりました。
とにかく、他人はどうでも良くて相手を思いやる
気持ちや想像力が欠如しまくりの人たちばかりで、、、
そら寒いし緊張感もすごかった。
・子供を殺された教師が、復讐とはいえ他人の子を
どん底に突き落とす狂気。
・母に注目されたい一心で暇つぶしに人殺しで有名に
なることに憧れる狂気。
・いつでも人を殺せるけど、自殺する為に薬品収集しているの
と上から目線の狂気。
・自分の子が人殺しでも、それは他人のせいであって一番
かわいそうなのは我が子と思ってしまう親バカの狂気。
それぞれの「告白」は、とても自分勝手に正当化された
ものでした。
自分の歴史を振り返ってもやっぱ中学時代って一番残酷
だったと思うし、そのくせものすごく繊細。
近頃のイジメがどれくらい陰湿かわかんないけど、
今も昔も焼け野原にたたずんでるような子いますよね。
どうしてか、その鬱憤が自己処理できず他人に向けられて
しまう(子も少なくない)微妙なお年頃。
やっぱ私もこの頃には戻りたくないです。。。
娘を殺された森口先生(松たかこ)が淡々と語り始める
冒頭から犯人をオープンにした上で、あえて訴えず
復讐の宣戦布告。
「命の尊さ」を諭してダメなら、わからせるまで、、、って
その方法がいきなり境地を極めてて、かなりインパクトあり。
(いくらなんでも子供にはキツイだろーw)
ポスターになってるだけあって松さんの迫真の
冷たくいっちゃってる顔がホント見物ですw
なんかこの手の話の魅せ方としては斬新でした。
やっぱり・・凄かったです。
原作を読んで大半の作品と同様に期待外れになってしまうのかと思ったのですが、完璧に良い意味で裏切られて最高でした。内容はかなり重いですが、見終わって『頷けました』絶対に薦めたい作品です。改めて、邦画作品を見直した作品です。中島監督の世界観は素晴らしいです!!!
はずれなく凄い作品
原作も凄いが、この映像世界を作り上げられるのは、やはり中島監督の力量。
海外の映画祭でも、日本映画の実力を伝えられる作品だと思う。
しかし、松たか子さんの、キャスティングとしてどうしたものか。
いい役者さんではあるが、この作品には、もう少し母性的を観じさせる女優がふさわしかったと思う。
決して救われないけど・・映画としては面白かった
他人を一切信頼出来なくなった時に、人は声を荒げたりしなくなってしまうのだなと思った。
松たかこさんの演技は、小さな笑みを浮かべるほどの冷静な語り口であった。森口先生に起こったことを自分の立場に置き換えた時に、上記の様になってしまうのかと感じさせる演技であった。
人に裏切られるから、声を荒げたり興奮するのであって、最初から何も期待しなければ良いとなった後の悲しい行動であったのではないだろうか。
森口先生の行動が、実は犯人の生徒を想う気持ちが背景にあったとは、私には思えない。
そう開き直って感じることで、この映画を見終わっても、悶々とした気持ちにならかった私は奇人なのだろうか。
なお、映画としては非常に展開が練られた面白い映画だったと想う。
救いが
すごかった。とことんですね。本当。
このような作品が上映劇場数多いといことも良いかも。
本の時からすごい反響でしたからね。
(本は読んでいます。)
それに反しない作品になっていると思います。
中途半端にきれいにしようとしないのが良かったです。
復讐という更生。
予告を観た時点で気味の悪い話だと想像していたが、
それは鑑賞後でもまったく変わらない気持ちだった。
そこいらのホラー映画よりはるかに恐ろしい、
虚実入り乱れた独白形式をうのみにすればするほど、
とめどない復讐の連打を見せられ陰鬱な気持になる。
ネガディブながら最後まで目が離せないストーリーを
今回は派手から遠のき、地味ながら的確な映像美で
淡々と紡いで魅せた監督の手腕には脱帽する。
愛娘を教え子に殺された女教師。
少年法に守られたその13歳を犯人A・Bと名指しし、
復讐を仕掛けたと言い放ち、教職から降りていく。
それまで騒然としていた教室は静まり返り、
すぐに犯人探しのメールが飛び交い始める。
冒頭からショッキングな場面となるが、この話は
犯人が判明してからのそれぞれの告白が主となる。
若年層が引き起こす猟奇犯罪は、未だに減らない。
今作の中でも似たような犯罪や、そこに辿り着くまでの
心の軌跡が明かされるが、私から見ても、なぜ殺人を
犯さなければならないのか明確な理由が見当たらない。
有名税が欲しいからとスクープ目当てで起こす犯罪。
通りすがりや成り行きで関係ない人々を巻き込んで
大量殺人の果て死刑になりたいなどと身勝手な告白。
また今作の中でも描かれるように、ほぼ犯人の誰もが
世間の注目を集めたいという部分に集中している。
なぜ自分を過小評価し、世間を過大評価するんだろう。
有名になった自分を世間が忘れなければ満足なのか?
残念ながら、どんな事件も時が経てば忘れ去られるし、
陰惨な事件で有名になった自分を世間が思いだすのは
次の陰惨な事件が起こったときでしかない。
本当の本心はそうじゃなくて、たった一人でもいいから
自分が願う人に振り向いて欲しいんじゃないだろうか。
親(これがいちばん大きいが)でも恋人でも友人でも。
ありのままの自分を認めて受け入れてもらいたい願望。
受け入れて貰えないからと反発するのは、子供じみた
我儘にとれるが、それを大人になってもやり続けるのは
子供時代からその安心感を味わえてこなかった証拠だ。
どの人間にもどうしようもない欠点があるものだが、
それを受け入れ貴方が大切なんだと、自信を持って
愛してくれる存在が人間には必要だ。心の拠り所は
自分が有名にならなくても、いつでも傍にあったはずで、
自分が手を伸ばせば必ず親身になってくれたのである。
今作でいうなら、犯人の親たちがそうなるべきだった。
Aの親にもBの親にも欠点はある(というか多い^^;)
でももしこの親たちが、子供に対して溺愛ではなく、
放任でもなく、体罰でもなく、怯えや遠慮でもない、
態度がとれていたら、子供側が抱く不安が少しでも
減ったという可能性はなかっただろうか。
離婚で母親が去っても、友人にバカだと言われても、
なんのこれしき!と大胸を張れる強さ。
逆境に負けない強さが養われるのは、逆境に強い
環境に育つことだと私はいつまでも思っている(爆)
松たか子のさすがの演技には目を見張ったが、
この先生の果たす復讐を観たままで終わらせたくない。
監督が最後に入れた台詞が、観るものの予感を刺激し
真実はそうだったのかと気付かせる行いであって欲しい。
生徒の目線と価値観まで降りて命に対する授業を行い、
もはや不可能と思われた更生を試みたと受け取りたい。
目には目を。歯には歯を。では何の解決にもならない。
(この先生は最後まで先生であったと私は思いたいので)
はっきりとした映画
殺すところは殺し、言い切るところは言い切る。
飾らない言葉。
中途半端なシーンが無かった。
「そりゃそーだよ」と思いました。
自分の子供を殺されれば、復讐に燃えるはず。
それは、当然でしょう。
つまらない、善意などない。
人をうまく操り、自分のために利用する。
復讐に燃えるとはこのこと。
いじめられれば、絶対にやり返したいと思うはず。
リベンジの心理をうまく表現できている。
見ていて引き込まれた。
邦画でこれだけ、見ごたえのあった映画は久しぶりだ。
痛快!
予備知識無しで観ました。
序盤で・・・もう終わる???って流れからのスタート。
言い方に気を付けないといけないとは思いつつ・・・感じたのは、痛快!!
気持ちいい!!
荒い作りではあるけど、大事なのはそんなことじゃなく
タブーを、言い切る勇気!!
そうなんだよ!!と唸る内容。・・・だから告白・・・なんですね!!
すごく好きな作品です。
さすが
さすが、中島哲也監督!!って感じですね。
今までの作品みたいな、ミュージカルチックな感じはないけれど、最後まで飽きさせない映像と演出でした。
かなり怖く難しい映画だったけど、飽きる事なくのめり込めた理由は…たぶん松たか子の立場に立ったら自分も同じようにするかな?と思ったからだと思えます。法律で罰せられ、罪を償う事だけが全てじゃないですもんね。
『ん?』と思うシーンもあるっちゃありますが、ストーリー自体に問題はない程度の『ん?』なので、いっかな?て感じです。
おもしろくもあり、難しくもあり、怖くもありますが…色んな意味で考えさせられる映画でした。
もう1回観たいなぁ〜、映画館で。
人間の感情
「キレイごと」とかじゃなく、人間の感情が素直に表現されていたかなと思います。
なので、重くて怖いのに、後味が悪くない映画になっていると思います。
あとは、演技がすごくイイので、「上手いな~、よく作ったな~」というような視点でも楽しめました。
劇場で使われている音楽もいいです。
全329件中、281~300件目を表示