告白(2010)のレビュー・感想・評価
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子を持つ一人の母親として。
予告編を見た時、≪これは、暗くて人間の悪い部分を強調した作品なんだろうな~≫と思った。
でも、意外にも「良い」という感想も多く見た。
見ても、気が滅入ってしまうだけではなさそうだと思い、見てきた。
告白するのは、松たか子だけではなく、それぞれ人物の告白がある。
それぞれの立場からの告白を見ているうちに、共感する部分もある。
だけど、それを実行するかどうかは、その人物次第。
それぞれの生い立ちや立場によって、こんなにも変わってしまう人間性。
親ならではの、子への愛、想い。
溺愛すれば、子は自立できない。
自立させようとしても、子はどこかで親を求めている。
そのあたりの、匙加減。
難しいです。
子を持つ一人の母親として、見て良かったと思える作品でした。
秀作!
すごいものを見た。
すごい迫力。
映画が話題になり、原作を先に読んだ。
原作が面白いのに、映画はいまいちなことがとても多い。
でも、「告白」は、私が本を読みながら抱いた感覚をそのまま感じさせてくれた。
それをこれだけの時間に圧縮し、そして、魅せ、聞かせ、感じさせてるとこに鳥肌がたった。原作の文章を映像化したその絵の見せ方がすばらしくて、すごすぎて、何度も笑いだしてしまった。
原作は、衝撃を与える作品ではあるけれで、決して好きなものではない。
救いようがなさすぎるから。
でも、映画では、なんだか希望が垣間見れた気がした。
泣き崩れて、立ち上がって、最後の復讐に向かった松たかこが、最後に放った「なーんてね」は、ここからがお前の更生が始まるんだといった本心をカバーするために付け足された言葉な気がした。
能力の高さゆえに傲慢で、若さゆえに自分を知らずに、自分が本当に望むものがなにかを認められない少年を決して見捨てていない。自分をごまかしほかの人を傷つけて、どこへいってしまうのかわからない少年の未来に、なんだか希望みたいなものを与える気がした。
生きることを教えるっていうのは、これほど激しいことなのかもと思った。
ただの復讐じゃないんじゃないかと思わずにはいられない。
そう思いたいだけなのかもしれないけど。
う~ん!
「ドッ!カァ〜ン…な〜んてネッ!」
↑例のTVCM予告編音声に刺激され、
→個人的に編集加工、
→着メロに設定!、
→「松たか子」さんのキレた(?キレているであろう?)演技を勝手に想像(妄想?)して、独りヨガりに盛り上がってみたりもしてたんですが、
原作小説を読んでもいないのに、そんな些細な音声情報からだけで、暴走するとは、"妄想族"の面目躍如?
でも、実際に見てみたら、…
決して、楽しいもんでもないし、きわめて現代的・現実的な考えさせられる内容で、
件の音声部分も、元々、編集が施されていたようで、(良い意味で、)予想を裏切ってくれました.
途中から俄然(ストーリー的にも)目立ってきたのが、
難しくも魅力的な役どころの学級委員長役の女の子(!←後調べで、「橋本愛」という女優さんでした)
さすがッ!?
美少女系好き(?)な監督、目の付け所が違う(?).
最近、所属事務所移籍問題か何かで、現公開中「湾岸署(?!←大人の事情…)」から、ハブにされてしまったらしい(上映中作では、子供が産まれた〜との設定)と、もっぱらネット上他にて、噂の「水野美紀(ユキノすぁ〜ん?)」さんの若かかりし頃に似た感じ(?←あくまでも、主観的なコジツケです)で、
今作をきっかけに、今後の活躍が期待させられる女優さんの発見(←デビュー作では、ないらしいから、遅ッ!?)でした.
今までにない映画
人間の心の闇をここまで描いた作品としては評価したいです。賛否両論ありますが、誰もやらない事に手を挙げたのは凄い勇気だと思います。自分の子供が理不尽な殺され方をすれば誰しもが一瞬であれ復讐の二文字が頭に浮かぶのは当然だと思います。しかし誰も救われない。虚しい、鳥肌が立つ、悲しい映画でした。松たか子さんが、何で関係の無い第三者を巻き込むのかと少年に対して怒りをぶつけていたのは最もだと思いました。命の大切さ、復讐の虚しさ、子供にとって親が与える影響の大きさなど、人間関係が希薄になり命が軽く扱われがちな現代社会の問題点を違う視点で描いているのかなと私は解釈しました。見た後は本当に疲れました。一緒に見た妻は二度と見たくない。と言っていました。
よくできた作品だけど・・・
(読んでいませんが)「告白」という小説の評判がよいことと松たかこさん主演ということで、観に行こうと決めていました。ただし、(ちょっと御幣のある言い方かもしれませんが)これまでの中島哲也作品とは180度ちがう題材で、正直「下妻・・・」とか「嫌われ松子・・・」はあまり好きな方ではないので気にはなっていましたが、実際観てみて、よくできた良い作品だと思いました。
原作ではどう描かれているのか分かりませんが、日本の法律では裁けない「(凶悪)少年犯罪」のあり方をどう考えるべきか、また、彼らにこの情報過多の状態にあって「命」の重さをどう“実感”させるのかということを恐ろしいまでに上手く表現できていたと思います。
同時に、情報過多の一方、(本当のところは別として)わずかな電気ショックで気絶した女の子を死んだと思い込んでしまうとか、HIVが単純接触で感染すると思い込んでいるとかいう内容もある意味リアルだと思いました。
ただ、映画を観始めて5分ぐらい経過したところから僕の中でガス・ヴァン・サントの幾つかの作品のタイトルが頭に浮かびました。実際、自分がプロデューサーで、彼に「あのタッチで日本映画を撮ってくれ!」と頼んだらこれに近い作品になるような気がする。音楽の使われ方、挿入の仕方もそっくり、まるで、今までの作風と違うところで「この撮り方・作り方ししたかったためにこの題材を選んだ」と言ってもいいようにさえ感じてしまいました。
ただし、知っている人なら分かると思いますが、彼(ガス・ヴァン・サント)の作品にはあまりエンタテインメント性がない、でもこの映画には明らかにそれがあるので、それだけを比較すると、「告白」の方が彼の作品よりも「面白い」ということになってしまうと思います。とわいえ、日本人が昔から海外の物を真似て、物を作ってきたようにそれらはやはり2番・3番煎じには違いないわけで、監督のオリジナルの部分が作品の中にあればよかったのになぁと思わせえられらたのが残念でなりません。
心の闇
今年度、何らかの賞をとる作品だと思いました。
悶々とするけど拍手。
全くスカッとしない快作
観終わった後、言葉が出ませんでした。
こんな作品は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』以来です。
物語は、とある中学校の1年生の教室。終業式の日の、どこにでもある風景から始まります。
担任の森口先生の【告白】。
そこから、事件に関わった人物の「告白」が続きます。
娘を失った教師。
教師の娘の命を奪った少年Aと少年B。
新しくクラスの担任になった熱血教師。
少年Bを信じ続ける母親。
少年Aと心を通わそうとする同級生の少女。
それぞれの登場人物は、自己中心的で残酷で、
物語には最後まで救いがないまま、結末を迎えます。
娘を失った教師の復讐は、中学生の少年の心理や行動を踏まえた上での、
計画的で、冷徹で、情け容赦ないものです。
そんな元担任教師が、物語の後半で一瞬だけ、人間らしさを見せます。
この場面での松さんの演技が素晴らしいです。
全体の抑えた冷徹さの滲み出た芝居が、凄く活かされたシーンだと思いました。
少年Bの母親を演じた木村佳乃さんの狂気じみた芝居も素晴らしいです。
映画の内容としては、全く救いが無いし、
登場人物も、周囲の傍観者も含めて、最悪な人物達。
そんな、「最低最悪な」映画ですけど、凄い作品だと思います。
「リリィ・シュシュの全て」に雰囲気は似てるかもしれません。
もう一度観たいとは思わないけど、凄く心に突き刺さる作品でした。
救いようのない傑作
内容は娘を殺された女教師の復讐の話。
少年法に守られた子供たちのロクでもない理由での殺人と
別に更生させようとするわけでもなく、一番悲惨な形での
復讐をたくらむ女教師。
犯人の子供を好きになる女生徒も病んでいたり
またその女生徒も殺しちゃったり
病んでいく子供が自分のお母さんを殺しちゃったり
女教師の後任の教師も馬鹿な熱血だったり
どこにも救いがない。
最後は自分の作った爆弾でもっとも欲しかった母親を
殺させるまで追い詰める女教師。
最後の最後まで後味が悪い展開。
ところどころ救いがあると見せかけて
実は全然無い、最後まで全然無い。
やっぱり牛乳には血を入れてない、とか
馬鹿な体育教師も、最後は生徒を救うのかなど
少しは期待する自分がいるんですが、全部裏切られる。
どこまでも酷い展開。
ところがこの映画、後味は全然悪くない。
むしろ清々しい。
さすがCM会の巨匠中島哲也。
(よく知らないけど)
人を殺しても法に守られることを知っている子供と
あっけらかんとした子供、どちらも子供で
それがそのまま思いっきり映像に表れて
衝撃的な話の内容と対照的に鮮やかで
この救いようのない映画を傑作にしています。
ただ、この映画が大ヒットする理由が、この映画の出来のよさや
清々しさにあればいいんですが、罪を犯した少年への復讐に対しての
賛美だったら嫌だなぁ・・・。
まぁ、とりあえず何を感じるかで大きく分かれるとは
思いますが観てない人は、今すぐ劇場へ。
哀しみで放心
今日やっと観てきました。この作品は是非劇場で、と思っていました。
原作のファンであるので、正直映画化は…、と、たかを括っておりましたが、暗くなってしまう残酷物語をリズミカルにスタイリッシュに仕上げられていて、引き込まれた。
どこまでも陰湿な生徒達を一人ずつはっ倒してやりたかった。
でも、この時代の10代のなんたる世の歩き方の巧い事か。小さい時分から大人の顔色を伺い、周りの空気を読み生活してきた、此れ程の悲劇はあるまい。
犯人の一人であるところの母親へも同情するが、子供と向き合っていない感じがして腹が立った。
私なら、チェンソーで以て扉を壊してでも、真っ向勝負したい。それから殺されても本望だ。
改めて大切な存在を噛み締められる作品でありました。
森口先生、噂に違わず迫力満点
復讐物語として凝った展開で、最後まで見入りました。
森口先生は、噂に違わず迫力満点でした。
他人の命を尊ぶのは、自分の命が尊いと実感出来ないと出来ないと思います。
この後を想像するに、ほとんど他人の様な二人の父親が「お前さえいなければ」と責めるのかな、更正は遠いだろうと思いました。森口先生の思う壷ですね。
岡田将生演じる男性教師の無能ぶり、私にとってはかなりリアルで、嫌な経験のトラウマスイッチ入りそうでした。熱演でした。
映画の中で、音楽が最近の洋画みたいに元気なロック大音量なのは違和感でした。
洋画で母国語の曲を流すのは歌詞も含めてメッセージになるだろうけど、邦画では歌詞が大半の人に解らないです。清水節さんの評論に紹介されていた、レディオヘッドというグループは結構重い歌詞の曲が多いらしいので、知っている人にはナルホドな選曲かもしれないですが。
反省なき更正はない
縁に金色を帯びた黒白色の厚い雲が空を覆っている。世の中はカラフルなものが溢れているが反して人間たちの心はその雲のように淀んでいる。物質にしか満たされていない。
反社会的なものへの憧れが強い年頃の生徒たちが母性を担任に求めるも、代用しそこねたための嫉妬が小さな命を消し去ってしまう。
自己アピールに犯罪を起こすあたりが彼らの浅さを物語っている。
注目されること記憶されることが愛と思う犯罪者はまだ本物の憎悪を知らなかった。
松たか子演ずる森口のシャットアウトした演技はその「注目」を与えず「関心」も見せず我が子への想いを語り復讐していく。凄まじい静な憎悪だと思った。
ショッピングセンターでの場面の母親ぶりがとても優しいから、その他の演技でみていてその暗い嘆きが伝わってくる。
この映画をみてリアリティがないというひとがいるようだが、これほどリアリティがある映画はまれだと思った。
勿論犯罪そのものは有り得ないけれど、子供の適性を見ようとしないことや親の幼稚さ鈍感さが子供を苦しめることは現実にある。
いつもの色彩を封じながら掴めぬ光を散りばめたあたりも監督のセンスが光る。
原作にないラストの一言にみせた監督の優しさにホロリとした。
シュール
なんと表現すればよいか判らない、言葉が見つからない…。
強いて言えば全ての登場人物が『ハッピーエンド』の真逆になる…って感の後味の悪い作品かな…!?
監督さんは人間の感情の部分を表現したかったのでしょう。
でも登場人物が全て精神疾患の患者のような人ばかりで個々がやる事なす事無茶してるのにつじつまが合ってくるあたり逆にリアリティがなくなって来たように思う。
実際映画が始まると引き込まれて『あっ』という間に終わってしまいましたけどね!!
あとは木村佳乃氏が『こんな役するんだっ!』的な吃驚な役どころが見どころかな。
全然、面白くもないし、ためにもならない。
「告白」映画としては素晴らしいが、後味は人様々
松たか子、岡田将生、木村佳乃、
そのほかのキャストはみな若い、本当の中学生らしい。
**
ある中学校、3学期の終業式で担任の森口悠子(松たか子)が語り始める。
森口悠子は娘を保育園に預けるシングルマザーの教師。
遅くなるときは学校に娘を連れてきていたが、ある日、愛美が学校のプールで溺死した。
事故死として処理されるが、森口はクラスの生徒に殺された、と告白する。
彼女は犯人の名を語らないで、少年AとBと呼ぶ。
クラスメートはすぐに誰が少年A、少年Bなのかを知る。
*
そして、どんどんと思惑から外れて曲がっていき、
やがて驚愕の結末へと突き進んでいく。
**
いきなり、事件の告白。
自分の口からはあえて名指しはしないものの、犯人をあかし、
事件の真相を語る。
この時点ですでに、この映画が謎解きの物語ではないということが示される。
そこから事件の真相を共有したクラスメートと犯人の二人の少年の神経戦。
追い詰められていく少年たちの物語か、と思わせておいて、
実はそれぞれの事情があり、考えがあり、思惑通りにいかなかった真実がある。
そして、最後にすべてが示されて結末を迎える。
ちょっぴり、楳図かずおの「おそれ」を思い出した。
*
なかなか凝った構成で、途中に入る「告白」も効果的だった。
原作は知らないが、原作の読者感想を読む限り、
作者の意図はかなりの部分でうまく映像化できているように思える。
登場人物のそれぞれが別々の背景、過去、思い、思惑を持ち、その考えに沿って行動するが、
全く噛みあわないまま接点を持ち、人生は目論見通りには進まない。
そしてほんのちょっとした行き違いが、物事を思わぬ方向に進めていくが、
その代償は大きい。
キャストの演技力も素晴らしいが、監督の力量に感服。
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