劇場公開日 2010年6月5日

「【なーんてね】 オールタイムベスト★ 原作の湊かなえ節を上手に表現...」告白(2010) 二ノ前さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【なーんてね】 オールタイムベスト★ 原作の湊かなえ節を上手に表現...

2023年10月11日
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鑑賞方法:VOD

【なーんてね】

オールタイムベスト★

原作の湊かなえ節を上手に表現できてる。これこそ成功例。
小説も大好きだけど、実写もまた傑作。なんだでも見れる。気分悪くなるけど。

娘を生徒に殺された教師の想像を絶する告白。
中学生の抱える闇、母親の言い訳、すべての告白が重なった時のラストに震えが止まらない。

勿論湊かなえを文字で読む恐ろしさは別格なんだけど、中島哲也監督との相性が良すぎるんだよな~~

少年A、B、森口先生、ウェルテル、すべてのキャストがハマり役でノイズがない。

教師と生徒の異質な絡みがもちろん面白い部分だけど、”母親”と言う存在の恐ろしさが可視化されたなと思う。

教師ではなく一人の母親として復讐を誓う森口
息子を病的・盲目的に溺愛する少年Bの母
子育てを放棄し、研究者としての道を優先した少年Aの母

愛情の欠如がいかに人生を狂わせてしまうのか。

中途半端に頭のいいDNAを継いだ少年Aが抱いたエゴが、バタフライエフェクトの如く
森口の、少年Bの過程を痛ましい事件へと巻き込んだんだろうな。

メインキャラクターだけじゃなく、原作通りクラスの生徒たちをモブとしてでなく
ストーリーに重要なキャラとして組み込んでいるので”中学生の心の不安定さ”が至極忠実に再現できてると思う。

が、ゆえにR15なのは頷けるよね。
グロイとかじゃなくて、こんなセンシティブなテーマ中学生が見たら影響されてしまう。

しかしそれでも人間の浅はかさが儚すぎて、あまりに芸術点の高い作品。

二ノ前