「退屈なだけの122分」時をかける少女 わたぼうさんの映画レビュー(感想・評価)
退屈なだけの122分
本当に、本当に本当に。
少しの面白さも感じられない映画でした。
かつての原田知世主演「時をかける少女」は見ていないのでそちらとは比較できませんが、細田守監督「アニメ版 時をかける少女」を見ている身としてはどうしてもそちらと比較してしまいます。
自分はアニメ版が大好きで、それで「時かけ」を知った口ですが、内容や実写とアニメの差こそあれ同名タイトル作品なら比べられるのは仕方がない。
本作は、主人公が母に代わって「約束」とやらを果たすために2010年から1974年へとタイムリープするというお話。
話の舞台のほとんどは1974年であり、当時を知らない(生まれてさえもいない)自分にとってはただ古臭い時代でしかない。そこで何か驚きや郷愁を感じるような描写もなく、高揚感は欠片もない。
話の流れとしては、タイムリープによって1974年に来た主人公が、偶然出会い居候させてもらうことになった大学生と一緒に、思い出の写真で母の隣に写っている男の子に母の言葉を伝えるために奔走するというストーリー。
しかし実態は、仲里衣紗と中尾明慶が適当に延々と遊び呆けているところを見させられるだけで、かなりの苦痛を味わわされる。
そんなシーンが数十分続き、特に面白さを感じられないまま物語は佳境にさしかかる。
前半に微妙に張られた伏線が地味に、予想通りに回収されてエンドロール。
演技が微妙、空気が合わない云々以前に脚本が雑で荒い気がするのは果たして気のせいだろうか?
ストーリーにメリハリがないので、どこが盛り上がりか分からない。仮に、最後のバスターミナルか、現代での8ミリ映画鑑賞会が見せ場なら明らかにパワー不足だ。
まるで仲里衣紗のプロモーションビデオか、はたまた「健全なる恋愛HOW TO映画」かと言いたくなる一作。
今の邦画青春恋愛映画はケータイ小説に代表される「ドラッグ・病気・SEX」が、「懐かしきあの時代」しかないのだろうか?
こうして、早くも2010年ワースト映画が暫定ながら決定しそうだ。
それと、このサイトでの今作のレビューがまだ未見の期待値レビューばかりなのが気になった。無駄に平均レビュー値を上げている気がしてならない。
ともかく、絶対に人にオススメできない映画なのは確かだ。