RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語のレビュー・感想・評価
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好みの問題もあると思う。
一畑電鉄・・
親の仕事の大変さを理解しろよ娘本仮屋。旦那をちゃんと支えてやれよ妻...
盛りだくさんで素敵!
こじんまりとした幸せ
総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
出世街道に乗った都会の一流企業勤務が人員削減なんかで辛くて、一転して田舎の鉄道運転手になる。家族に支えられ田舎ののどかさと人の好さに取り囲まれて、安月給でもやりがいのある夢の仕事をかなえるという話は美しい。ただ美しすぎてちょっと現実感もなかった部分もある。電車の事故は重大なのであんなにあっさりとしていいのかというのはその最たる部分で、単純に人情話だけで片付けられないのでは。そんなふうに何でも田舎万歳な美化された話という印象が強くて素直には感動するわけではないんだけれども、だからといって嫌味になるほどでもなかった。それと話は人との繋がりを重視して小さくまとまっていて起伏に乏しく、鉄道運転手になるという第2の人生を選ぶという躍動感はあまりなかったのはちょっと期待と違った。
人生を見直したくなる
自分の感性は時に間違いがある
この映画を見ていると電車ものにははずれがないような気がしてきます。
会社のために尽力してきた男。彼にとってはその会社がすべて、家いるときも田舎に帰った時も仕事のことは忘れない。娘にその生活態度をグチグチ言われるが所詮は学生の意見と聞き流す。お前も社会に出れば会社がどれだけ大事かわかってくる。この世の中会社に尽くすのは当たり前だ・・・。
彼のこの考えにいろんな人がその通りだ!っと思っているかもしれません。いや、そうじゃないと思うかもしれん。少なくともこの主人公は突然の親友の訃報と母の危篤など身近の人たちの死を触れることによってその考えは間違っていたと以前の自分を田舎で暮らしていた昔の自分に改まります。
この映画を見て思ったのが自分の感性や考えには間違いがあるのかもしれないのかなと思いました。少々とらえ方が違うかもしれませんが、自分の感性って今までこうだと思っていたものがふとしたきっかけで間違いだったと気づいては変えての繰り返しなのかもと思いました。主人公は単にその機会が今までなかっただけで49歳になってやっとその機会に巡り合えたのかもしれないと思いました。そしてその変わった感性の影響で電車の運転手になったのではないかではないでしょうかね・・・。
っとまあ序盤付近の話はこのくらいにして。この映画は鉄道マニアにはたまらない映画だともいます。田舎ならではの風景をバックに電車が走る映像はマニアでなくても和み度抜群です。鉄道ドラマではあるあるシーンも満載ですが使い分けは非常によくベタながら泣かせてくれます。
キャストもナイス人選といった感じで、中でも表情でも感情や心境を見せてくれる中井貴一さんはやっぱりすごいです。
和み度はまさに一級品、そんな感じの映画だと思います。息抜きにはたまらないでしょうね。
「仕事、楽しい?」「楽しい、恥ずかしいくらいにな」
映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」
(錦織良成監督)から。
鉄道員(ぽっぽや)を観て、もう少し鉄道の映画が観たくなり、
この作品を選んでみたのだが鑑賞後、不覚にも(笑)
ますます鉄道が好きになってしまった。
故郷の島根で一人暮らしをしている母が倒れたことをきっかけに、
49歳で一流企業を辞め、子どもの頃に憧れていた仕事に就いた。
それが地元民の足となっている「一畑電車の運転手」という物語。
突然の転職に、心配で様子を観にきた妻役の高島礼子さんが、
主人公役のに中井貴一さんに訊ねる。「仕事、楽しい?」
そして、それに答えた台詞が「あぁ楽しい、恥ずかしいくらいにな」。
さらに夫に妻が聞き返す。「なぜ恥ずかしいの?」
そして、照れながら、けれど嬉しそうに
「楽しい仕事なんて、どっかウソっぽいと思っていたからかな」。
同じくらいの年齢だからだろうか、この会話が非常に印象に残っている。
「僕にとっては、ここが最高の夢の場所なんだ」と呟く主人公が
妙に眩しかったことを記しておきたい。
極めつけは、同期入社の若者に伝えた、運転手の仕事の面白さである。
「毎日、同じ線路走っているけど、1日たりとも、同じ日はない。
天気だって、お客さんだって、毎日違う。
こんな楽しい仕事はないって、教えてくれたのは筒井さんです」
この考え方、大好きだなぁ。
P.S.
実は・・私も、今の仕事、恥ずかしいくらい楽しいです。
その気になったら、やり直せる
先日「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」を観て、いい映画だったので、見そびれていたシリーズ1作目が見たくなった。
この作品、台詞に惹かれるものがある。
肇(中井貴一)「残りの会社人生・・・」に対して川平(遠藤憲一)「自分の人生は・・・」
本当に大事なのはどっちか? 言わずと知れた事だが、
肇「お前も社会に出れば分かる」
と娘の倖に言うように、意外に気づいていないか、そう思うしかないと自分に言い聞かせているのが普通だ。普通というのは正しいとは限らない。それでも、生活のためには普通を選ぶ。この映画は、〈普通〉と〈自分にとって正しい〉を49歳にして天秤にかけた男の物語だ。
車輌課長(渡辺哲)「世の中には無くしてから気づくものがいっぱいある」
物だけでなく、時間(人生)も取り戻すことはできない。自分にとって大切なものとは何か? 考えて実行するのに遅すぎるということはない。そして、それが出来る(可能な)人は幸せだ。いい家族を持っている証だ。
肇「ゆっくりでいい。前に進んでればそれでいい」
急くことはない。とくに若い人は、やり直しがいくらでもきく。自分の将来を20や30で固めてしまうことはない。
肇が辞表を出すときの「夢が叶いました」
なんと気持ちのいい言葉だろう。この〈夢を叶える〉こそ、この映画のテーマだ。
だから、この作品を観て涙が出てしまうのは、運転士試験の合格発表のシーンだ。名前を呼ばれて返事をした後の、あの肇のほくそ笑む顔に「うんうん、わかる、わかる」と、49歳にしての挑戦とその報いに対して泣けてしまうのだ。
せっかくなった運転士だが、潔く辞表を出し「夢が叶いました」と去る姿は、責任を取るとはどういうことか、その身の振りようを周りの人間に教える大事なシーンでもある。
肇「終点までちゃんと乗ってってくれよな」
これは解説するだけ野暮だが、人生の終着点までという意味が込められている。
日本の心の原点がこの映画に!自然と人々の営みの美しさがある名作
49歳で、電車運転手になる夢を果たした男と言うキャッチコピーが、同年代でありながら夢実現を果たしていない私は、この映画を観る勇気が中々出なかった。今観ると、何故もっと早く観ていれば良かったのにと後悔しきり!
この映画の2作目を先に観て、その出来がとても快く胸に響いたので、やはり変な意地を張っていても気になるものは観てみようとトライした。(映画1本観るのも、なんでそんな大袈裟な?と自分でも思うのだが、いつも映画を観て自分の生き様を考えるので、ついつい本音で、ストレートに直球を投げてくる様な作品は恐い事があるのだ・・・)
仕事と家庭・親と子供・夢と現実・都会と田舎・男と女・人が社会の中で生きるとは、どうして、こうも2極の間を行きつ、戻りつ両方の舵を巧くバランス良く取らなくては生きられないのだろうか?
「俺は、エリート何んかじゃないよ、自分の事しか考えられずに生きて来た人間がエリートな筈は無いじゃないか・・」と中井貴一演じる肇は語る。
最近、いや、最近だけでもないのだが、私は、人は何故生きるのだろうか?と言う疑問が常に自分の脳裏をかすめて自分の人生の先行きの視界がぼんやりと霞んでいるような日々を送っている。(これを更年期ウツと言うのだろうか?否誰でも、人生を顧みる事は有るよね?どうだろうか?)
自分が生きるのは自分の人生であるが、しかし同時に人は多くの人々との関わり合いの中で生きている。むしろ自分で生きていると言うよりは、生かされている、なにものかに生かされていると言う方が自然な気さえしてくるのだ。その自分を生かしているものの正体は何なのか、その存在を、神と言うのか、自然と言うのか、時間と言うのか、何かは解らないが、親が存在し、家庭が有り、仕事が有り、護るべき人がいる。
人一人がこの世に生きていくと言う事は、本当に多くの人々の関わり合いの中で、人に世話になり、時に人々の世話をやく。自分の日々の小さな、小さな仕事に対する努力や、人々との関わりの中で交わされる営みの努力の総ては、自分の選択の積み重ねで、自分自身の努力の結果で有るけれど、それらを行う事の陰には、やはり廻りの人々の、「お蔭さま」が存在していればこそ、と思うのだ。ここに何か、日本人のお蔭さまと言う、私達日本人の
文化と言うか、アイデンティティーの原点が存在している気がする。
今では、こんな口先三寸では、お蔭さまとは言うものの、私は都会暮しをしていると中々人々のお蔭さまを、心底感謝して生活することが少なくなってきている様に思うのだ。
仕事一筋で、家族との団らんを求める暇さえも惜しんで、働き続ける肇だが、その肇自身も家庭を護る為に、家族の為に働いているのだ。しかし結果、家族を犠牲にしていかなくては成らない程に、生真面目に仕事に没頭する、そして会社に奉公する?のが日本人の原点なのか?終身雇用ではもはや無いとは言うものの、日々会社で、働き続けている多くのビジネスマンや、OLさんや、その他多くの人々の努力の日々の生活のお蔭で、会社は利益を上げ、会社は納税し、国家、社会が成り立っている。当たり前に、人々は自分の生活の為に日々仕事をしているのだが、改めてその仕事を誰しもが自分の仕事を続ける努力を惜しまずにしてくれている社会の人々に、そしてその働く人々を支えている多くの人々のお蔭で、日本の生活が成り立っていることに、今、感謝をしたい!日々感謝して生きられる事、これこそが生きている、幸せな生活と言うものだろう!多くの命を生み、育んできたこの自然の大地が有る事、この映画では、素晴らしい島根の自然の風景が命の営みを語り尽くしてくれていた。国土が狭い日本で、自然が失われているとは言ってもまだまだ美しい自然は沢山残されている。同様に美しい、日本の心も大切に残していきたいものだ!
この映画に、今日私が忘れていた、心の原風景を見せられた気がする。ありがとう!!!
人には支えてくれる人がいて、支えるべき人がいる・・・ということを感じました。
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一流企業に勤める肇は、49歳。家族を顧みることなく、
仕事に命をかけるサラリーマン。
家庭の中は冷めきり、家族の会話はない。妻は、そのためか、
特に家計に困っているわけでもないのに、仕事に出ていた。
ある日、島根で一人暮らしをしていた母が倒れたとの連絡。
まるで仕事の邪魔になる出来事のように、肇は感じていた。
島根の母の見舞いが済み、実家に戻っても、
携帯電話で仕事をする肇。しかし、そこに一本の連絡が。
肇は、その一本の連絡を気に、心が揺らいでいく。
仕事一筋の人生に疑問を抱き始めた肇は、子供の頃に憧れていた
一畑電車(通称:バタデン)の運転士になることを決意する。
そして、新しい肇の人生物語が繰り広げられていく。
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私は、
幼い頃から鉄道が好きでした。
そのことは、
以前かむログの「竹漫談」で更新させていただきました。
でも、
乗り鉄でもなく・・・
撮り鉄でもなく・・・
模型鉄でもなく・・・
音鉄でもなく・・・
何鉄かは表現できないですが、
鉄道が走っている文化が好きです。
そんな私の、
“表現できない”表現を、
形にしてくれたような映画でした。
この映画を観て、
感じることはたくさんありました。
その中の大きな一つは、
人には“支え”が必ずあるということ。
肇は夢を目指す中で、
自身の“支え”が何なのかを、
声に出さずとも認識していきます。
そして同じく、
肇は夢を目指す中で、
自然に人にとっても“支え”の存在に
なっていきます。
乗客、同僚・・・
肇が一生懸命に誠意を尽くした乗客が、
肇のもとに現れるシーンは、
涙があふれました。
自暴自棄になっていた同僚の青年・宮田が、
肇が大変な時に、
肇の支えになるシーンも忘れられません。
何か生きていて忘れかけていたものを、
この映画が、
気付かせてくれたような気がします。
自分が関わる人を、
これから大切にしていきたい、
そう思いました。
線路(夢)はつづくよ、ど~こま~で~も~♪
『うん、何?』(08)
錦織良成監督の作品。
ほぼ、単館上映だった前作から
松竹配給でシネコンで上映される。
ある意味、今作のメインテーマでもありますが、
錦織監督御自身も夢を叶えられた瞬間だったのではないでしょうか。
☆彡 ☆彡
うわぁ、やばいよ
中盤以降、ほぼ涙をポロポロこぼしまくりだよ
いや~~、やっぱり錦織監督の作品、好きだなぁ(笑顔)
〈 本当にやりたい仕事 〉
〈 終点まで乗ってくれよ 〉
■島根県で長期ロケ
冒頭の説明でも触れましたが、
撮影の大部分は島根県で行われています。
一畑電鉄、通称バタ電は
実際に運行をしている電車です。
ただ木造の2両車両、デハニ50系は
運行を中止していましたが、今作の為に復活をしました。
運行途中、野焼きの煙が車内に充満したり、
おばあさんが踏み切りの上で荷物を落としたり、と
様々なのどかでほのぼのとした風景が描かれていました。
その中でも、電車から自転車を小脇で押しながら
降りてきたシーンに気づかれた人はいらっしゃったでしょうか。
私の中では、これが懐かしさを覚えたツボでして、
名古屋在住時代、仕事でたびたび利用していた近鉄の養老線に
“サイクルトレイン”という車両がありました。まさに今作の
ワンシーン同様、電車内に自転車をそのまま持ち込めるサービスなのです。
その路線も、今作同様、
稲穂たなびく田んぼや、今作には登場しませんが、
みかん畑を車窓から眺めることが出来ました。バタ電と同じで、
1時間に1本しか走っておらず、電車に乗り遅れてしまい、お得意先で
お茶とみかんを御馳走になりながら、時間を過ごしたこともありました。
今作でも、強く感じたのですが、
そういうとき、そういう場所って、
時間の進むスピードが都会と比べると、非常にゆったりしている。
“これを島根時間っていうんだろうな”
映画が始まったばかりの序盤。
シーンは東京なのですが、ストーリーの進むテンポが遅いんです。
それが、最初はまどろっこしいのですが、中井貴一さんが島根に
引っ越したあたりから、そのテンポとスクリーンの風景がすごくあっているんです。
そう感じ始めた瞬間、完全に作品の世界へと誘われていきました(笑顔)
■夢の実現
今作をまさに地で行ったニュースがありました。
千葉県にある「いすみ鉄道」。電車運転士になる
訓練費用約700万円を自己負担することになりますが、
“少年時代に電車の運転士になる夢を叶えませんか”と
募集をしたところ2回とも会社の予想を遥かに上回る応募がきました。
先ほどHPをのぞいてみたのですが「業務に支障をきたしますので、
本件に関する電話でのお問い合わせは御遠慮ください」との記載がありました。
どれだけ応募が殺到したんだろうとの驚きもありますが、今作の主人公同様に、
電車の運転士に憧れ続け、しかも訓練費用を自己負担してまでも夢を叶えたい。
はたから見れば無謀とも、思える挑戦に身を投じる勇気のある人が
それだけいる、ととれば、どこか閉塞感の漂う日本にもまだまだ一縷の望みがある気にさせられます。
■キャスト
『うん、何?』と比べると、超豪華キャスト。
宮崎美子さん、甲本雅裕さんの2名は同作と今作連続出演されています。
中井貴一さん「良い話すぎる」と出演オファーを3度断ったそうですが
4度目に出演を快諾。電車を点検する場面、運転をする場面、すべて、
CGや吹替えなしで、本人が演じられています。
都会の超エリートから、島根の良きお父さんに
変わっていく表情の変化に、娘役の本仮屋ユイカさんではありませんが癒されました(苦笑)
その本仮屋ユイカさん。『スウィングガールズ』『ドロップ』で
その才能は垣間見せていましたが笑いをとるのが上手すぎです。
彼女がすごいのは、普通にニッコリと笑顔でセリフを話して、
ちっとも嫌らしさを感じさせずにお客さんの笑いをとってしまうところ。
今作だと、甲本さん演ずる電車運転手に
「鉄道整備基地(車庫)を見学させてください」と申し出る場面。
甲本さん 「えっ?鉄子(鉄道好きの女性をこう言います)」
本仮屋さん「サチです♪(素の笑顔で笑いを取ろうなんて姿勢全くなし)」
いやぁ~~、笑わせていただきました。ごちそうさまでした(笑顔)
☆彡 ☆彡
男同士の友情
家族の再構築
夢の実現
就職(仕事)
日常のありふれたメッセージが
島根県を舞台に奇をてらうことなく描かれていました。
これだけ涙を流してしまったのですから、もちろん5点満点です(笑顔)
ひなびた町でのひなびた映画
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