1ヶ月以上前に観た映画を今更レビュー其の2。
映画でフラッシュアニメなんかやるなという批評家の方もいるが、そこは楽しんだもん勝ちって話。
それに個人的には今回の劇場版第3作、映画としての満足度はシリーズ中で最も高い。
まずは日本VFX界の雄、“白組”の参戦!
いや、まぁそこまで凝ったCGが登場する訳では無いのだが、いつものユルい画の合間にこれが挿入されると、まるで超大作並みのCGに見えるというフシギ。
おまけに最後には文字通り大地を揺るがす、『2012』も真っ青の大スペクタクルシーンが用意されている(爆)。誰も予想だにしなかっただろう、まさかアレをCGで飛ばすとは!
アメリカが武装放棄を行ったらどうなるか?というコメディ映画らしからぬ大真面目なシミュレーションを絡めたり、ストーリーに2度ほど軽いドンデン返しを盛り込むなど、より凝ったストーリー展開になっている点もグッド。
特に敵の正体が明らかになる終盤シーンの盛り上げ方には正直ゾクゾクした。巧いんである。
10秒間隔で繰り出されるユルいギャグに笑っている内にすっかり油断してしまうが、時々こういうビシッと締まるシーンがあるのも『鷹の爪』のステキな所。
そして、ちょっと感動してしまったのはエンドクレジット。
本作には一般公募で1万人の方々が声優として参加しているそうなのだが、なんとエンドクレジットではその全員の名が紹介される!!
作り手がこの作品にかけた愛情やファンへの感謝が窺えるというものだ。
映画が3作目まで続いたのはひとえにこの感謝の念や、とにかく観客に楽しんでもらおうという心意気のお陰だろう。
そりゃあまあ、いかんせんフラッシュアニメである。
わざわざ映画館で観るありがたみは薄い。
だが、多額の制作費・宣伝費を投じた割に少しも面白くない数多の大作映画に比べ、ずっと低予算で作られたこの映画がどれほど奇抜で愉快なアイデアに満ちていることか。
拝金主義の映画ばっかり作っている方々にゃ、鷹の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいもんです。